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Suz
変わらないのはあんただけ - Suzの小説 - pixiv
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12,753文字
変わらないのはあんただけ
全年齢の真桐SS詰めました。デキてたりデキてなかったりしてますが一貫して真桐です。それぞれの話は繋がってません。※四代目ifと桐生さんの女装があります ■元から左右固定のオタクなんですけど真桐の固定に対する固執が日に日に酷くなってる気がします……でもめちゃくちゃ楽しい~~~!!!ありがとう龍が如く!!!脳直ツイートしかしない垢→twitter/Suz40993902
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2019年9月2日 13:12

※四代目if

「悪いな兄さん、付き合ってもらっちまって」
ダークスーツのジャケットに袖を通した桐生は、少しよれたフロントカットを整えた。
一見喪服と見紛うようなダークスーツだが、襟から覗くワインレッドのワイシャツが、彼がカタギの人間ではないことを主張している。
「急にスーツ選ぶの付き合え、なんて言うてくるもんやから何があったと思っとったが……まぁ四代目の命令やからな。礼はいらんわ」
「俺はこういうのよく分からねぇからよ。身内じゃあんたぐらいしか相談できねぇしな……」
桐生は己にファッションセンスが人並みに無いことを自覚していた。元から興味が無いのだ。多少の好き嫌いはあれど、結局着られるならなんでもいいとすら思ってしまう。
しかしそんな桐生でも、いつもの普段着で東城会四代目会長を名乗るわけにはいかないという判別はついていた。
とはいえ「ヤクザ組織のトップに相応しい服装」の相談など遥は勿論、伊達に相談できるはずがなく。桐生は考えに考えた末、組織内の人間で、昔から自分をよく知る兄貴分に相談せざるをえなくなったのだった。
「遂に桐生ちゃんも俺のファッションセンスの良さに気づいてしもたか?照れてまうなぁ」
「あんたのセンスは正直、俺の好みには合わないが」
「んなこと言うて、結局全部俺が選んだもんにしたやないか」
「俺が一人で選ぶより、あんたに見てもらった方がいいと思っただけだ。……現に俺一人だったら、このネクタイは選んでねぇよ」
鏡を見ながらネクタイを締める。ジャケットのボタンを閉じてしまえば見えなくなってしまうが、ネクタイの下部には龍の刺繍が施されている。「ネクタイぐらいは遊んだらどうや」という真島の提案によるものだ。
「よし、どうだ兄さん。少しは様になっただろ」
鏡に映るのは紛うことなく「東城会四代目会長」その人であった。いくら着崩していたとは言え、スーツを普段着にしていた桐生だ。気取りにも嫌味にも感じられない着こなし方を、無意識の内に身につけていたのだろう。隙のない姿が完成されている。
「兄さん?」
鏡に映る真島は、黙って桐生の背中を見つめていた。背中を、と言うよりは鏡に映る桐生の全身を、と言うべきか。瞬きひとつすらしない瞳は見定めるようにして、じっと空間の一点に釘付けになっている。
「そうやなぁ……」
真島はおもむろに椅子から立ち上がり、桐生の背後に立った。
「お前が俺の選んだ服着て、あの偉そうな会長椅子に座って……そこで俺に善がると思うと、今から楽しみでしゃーないわ」
のう桐生ちゃん、と背後からベルトのバックルに手を掛けられ、桐生は息を呑むしかなかった。

変わらないのはあんただけ
全年齢の真桐SS詰めました。デキてたりデキてなかったりしてますが一貫して真桐です。それぞれの話は繋がってません。※四代目ifと桐生さんの女装があります ■元から左右固定のオタクなんですけど真桐の固定に対する固執が日に日に酷くなってる気がします……でもめちゃくちゃ楽しい~~~!!!ありがとう龍が如く!!!脳直ツイートしかしない垢→twitter/Suz40993902
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2019年9月2日 13:12
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