大月市立大月短大の准教授 セクハラとアカハラに認定

大月市立の短期大学の准教授が、学生に「デートしよう」といったメッセージを送るなどの行為を繰り返し、短大の調査でいわゆるセクハラとアカハラに認定されたことがNHKの取材で分かりました。
短大は処分の検討を進めていますが、取材に対し「コメントできる状況にない」としています。

ハラスメント行為が認定されたのは、大月市立大月短期大学の60代の准教授です。
短大の関係者によりますと、准教授は2021年から2022年にかけて、学生に対しラインで「寂しいよ、デートしよう」とか、「大好きです」といったメッセージを送りつけるなどの行為を繰り返したとして、短大が設置した調査委員会にセクシャルハラスメントと認定されました。
また、准教授が担当するゼミを履修していた学生に対して、「1人でも課題を完成できなければ単位を全員取得させない」と、ゼミを始めた当初の説明と異なる内容のメッセージをラインで送ったなどとして、アカデミックハラスメントにも認定されました。
ことしに入って相談を受けた短大側が複数の学生から聞き取りをするなどした結果、こうした行為が発覚したということです。
短大は、すでに准教授のゼミの新たな学生の募集を停止したほか、処分の検討も進めているということですが、NHKの取材に対して「コメントできる状況にない」としています。

ハラスメントの問題に詳しい山梨県弁護士会の加藤英輔弁護士は、大学における教員から学生へのハラスメントの背景について、「大学では教員は学生の成績を決定するだけでなく、就職先をあっせんしてくれるかもしれない関係にあり、学生は非常に弱い立場だ。特にゼミでは教員と学生の距離が近く、ハラスメントの問題は生じやすい」と述べ、大学は潜在的にハラスメントが起きやすい環境にあると指摘しました。
そのうえで「被害を受けても学生はどうしたらよいか分からないことが多い。大学は教員に対してハラスメントについての指導を徹底するほか、学生に対して相談窓口があることなどをもっと周知する必要がある」と強調しました。
さらに、ハラスメントが疑われる行為を受けた場合は、教員から送信されたメッセージを保存したり、受けた行為や発言をメモや日記に書きとめておくなど、証拠を残しておくことが重要だとしています。

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