#2 簡単なCBの作り方-3ベットポット-
はじめに
この記事は、「最近ポーカーを始めたよ」という方対象の記事です。
主に、初心者から脱却したい!を目標に設定しています。
本記事を読むことで以下の2つの内容を得ることをお約束します。
CB頻度をハンドへどのように振り分けるのか
3bet-potにおけるCBの考え方
◎初心者の方へ
まずはプリフロップを学ぶことが勝率を最速で伸ばす方法です。
したがって本記事は、あくまでも「プリフロップに飽きた」という方が気分転換、すなわち「学習モチベーションを維持するため」に活用してください。
◎中級者の方へ
インプットする内容は既知である知識の方が多いと思います。
したがって、次のフェーズとしては、アウトプットを積極的に行うのがよいです。
つまり、プレイの言語化に焦点を当てプレイ精度を高めるために本記事を活用していただけると幸いです。
前回の記事ではどのようなメカニズムが働いてCBサイズが決定されているのかについてを学びました。
内容は、ボードウェットネスによってEQbucketsの構成比(Bestハンド、Goodハンド、Weakハンド、Trashハンド)が異なるということでした。
このEQbuckets構成から来るフォールド・エクイティの価値によって、CBサイズが決定しましたね。
今回は、全体戦略からここのハンドへの頻度振り分けのコツを2bet-potで解説します。
加えて、3bet-potでも同様であるのかを確認します。
目次
全体頻度からハンドへの頻度振り分け-2bet-pot-
CO vs BB A♦️9❤️5❤️
COの全体戦略を考えましょう。
A95は非常にスタティックなボードです。BBのレンジ構成を考えると、比較的にWeakハンド・Trashハンドが大半を占めると予想できます。
EQbucketsを確認してみましょう。左:BB、右:COです。
BBのレンジの約67%は、WeakハンドとTrashハンドで構成されています。そのため、フォールド・エクイティの価値は低いと考えれ、小さいベットが好まれると判断できます。
補足ですが、A95ttボードではCOの小さいベットによって、BBレンジにコール/フォールドのIndifferentレンジを容易に作れると考えられるため、小さいベットを打つのが正当化されると考えらえれます。
このように相手レンジに効率良くコール/フォールドのIndifferentレンジを作れているのか?を確認として使うのも一つの手です。
CO戦略を確認してみましょう。予測通り、チェック or ベット x%で考えると「チェック or ベット33%」が全体戦略となっています。
上図のようなCO戦略は複数サイズです。
これを1サイズ(Dynamicサイズ)にして「チェック or ベット」にしてわかりやすくします。
すると下図のようになります。
1サイズのベット戦略にすると、チェック or BET40%となりました。
では次に、どのようにハンドに頻度を振り分けるのか(チェックするのかBETするのか)を考えましょう。
その上で重要な基礎知識を把握しておく必要があります。
それはEVはどのようにして計算されているのか?ということです。
EVは以下の式で計算されます。
EV = EQ x EQR x ポットサイズ
EQRとは、ハンドのエクイティの実現可能性のことです。これはEQをEVに変換するときに用います。
A95でのEQRの具体例を見てみましょう。
COのQ8sを4種類みてください。
Q❤️8❤️はフラッシュドローのため、非常に高いEQRです。一方、Q♣️8♣️は何もないため、85.2%となっています。
このように100%を上回る場合には、オーバーリアライズ、下回る場合にはアンダーリアライズと言います。
すなわち、オーバーリアライズするようなハンドの場合はEQの実現可能性が高いため、すなわちEVが高いと言えます。
フラッシュドローハンドとAのワンペアで比較してみましょう。
Q8sとA7sのEVに大きい差ありません。
しかし、A7sはトップペアにも関わらずEQRがQ8sに比べて低いのです。
これは、キッカーが弱いことや、フラッシュが完成するボードが落ちた時に相手のBETにフォールドせざる負えない可能性があるからです。
このようにEQRが低いハンドはチェック頻度が高くなることがセオリーになります。
では次に、イメージを膨らませるためにそれぞれのハンドで比較してみましょう。
ドロー系
フラッシュドロー:フラッシュドローはリバーまで降りない可能性が高いですよね。したがってEQRは高くなり、このようにあEQRが高いハンドはベットが可能です。
チェック頻度も少しある理由としては、フロップでチェックしてターンでフラッシュが完成した時のインセンティブが高いためです。
ガットショットドロー:87sはガットショットドローです。驚くことにEQRがフラッシュドローよりも高いことが分かります。実は、このような弱いハンドは、EQをオーバーリアライズする傾向があるのです。
これは単にEQが非常に小さい場合、ブラフをすることで高いパフォーマンスを発揮するからです。
EQR= EV/(EQxPot)です。分子であるEQが小さくなるため、相対的にEQRが高くなります。簡単に言うと、中途半端にEQがあるハンドはブラフせずにチェックして相手のベットに降りますよね。
しかし、EQが小さい=ショーダウンバリューがないハンドは開き直ってブラフを打てるため、その分相手をフォールドさせることも多いからと考えるとわかりやすいと思います。
2バックドア・ドロー:BDFD/BDSDのKToでは、役なしの中でも比較的に高いEQRを持っています。
役あり:EQRの低いトップペアはチェックしていますが、AKのように強キッカーであり、後のストリートでもベットが可能であるトップペアはEQRが高くベットアクションを選択しています。
バリューハンドにおいて、後のストリートでもベットする可能性の高いハンド(EQRが高いハンド)は現状ストリートでもベットする可能性が高くなります。またセカンドペアに関しては、バックドアがあるようなハンドはベット頻度が高くなり、ないハンドはチェックが推奨されています。
役なし:
現状のKハイかつNo Drawの場合、ほとんどのアクションはチェックです。
インプライドオッズが高いハンド(捲り目がある)は、後のストリートでブラフができると言えるでしょう。
まとめ
まとめると、ターン・リバーとベットができることが予測できるようなハンドは高いEQRを持つ傾向にあるため、現状ストリートにおいてもベット頻度が生じます。
それでは、これらを踏まえて、さらにEQRを深堀していきます。
NL50のキャッシュゲームでBTNは次の3つのハンドを持っていたとします。
BTN vs BB SRPにおけるT82ボード
T82ボードではBBレンジに対するフォールド・エクイティの価値は高くなります。そのため、チェック or ベット75%(大きいベットサイズ)が使われます。
A♦️9♦️を考えます。このハンドはAが落ちればチャンスがありますが、現状は発展性がなく後のストリートでベットする可能性は低いため、ベット頻度は少ないと考えることができます。
A❤️2❤️を考えます。このハンドは発展性は、BDFDとAが落ちた時にツーペアになる可能性です。そのため、後のストリートでベットする可能性が比較的高めです。
Q♣️9♣️を考えます。このハンドは、ガットショットであるため、低いEQですが、高いインプライドオッズがあります。そのため、EQRがオーバーリアライズしています。
簡易戦略のEVロス
ここからはCBの簡易戦略に関してです。
今回読んでいただいている皆さんの中にも、Aハイは全部ベットするというような簡易戦略を導入しているプレイヤーも多いと思います。
では、それは果たして効果的な戦略なのか否か。
実際に先ほど例に出したA95のボードで、試しに全レンジで33%CBにしてみた時のEVの変化を見てみましょう。
比較前(2ベットサイズ)
まず、前提となる比較前のEVですが、この時のCO のレンジEVは3.06です。
これを念頭に置いてください。
ちなみにBBのvs 25%CBに対するチェックレイズ頻度は14.3%です。
これが後々鍵になります。全レンジ33%CBよく使われる簡易戦略-全レンジ33%CB戦略を導入すると先ほどと比べて、EV=2.93となり低下していることが確認できます。つまり、約4%ほどEVを失っていることになります。
そして、BBのvs 33%CBに対するチェックレイズ頻度は21.3%でした。
どうやら、EV低下の要因の1つとして、相手にチェックレイズされる可能性が高まることがあげられそうです。
しかし、ここに戦略を構築するチャンスがあります。これは逆に言うと、相手が正しくチェックレイズの頻度を上げられないのであれば、全レンジCBによるEVロスは大きくないと考えることができます。
全レンジ33%CBを用いた時の、BBのチェックレイズ頻度が変わらずに11.9%に設定した場合、COのEVロスは軽微でした。
今回のようなケースにおいて、CO側が全レンジCB33%の戦略を取った時に、どれくらいのプレイヤーが正しくチェックレイズの頻度を上げることができると思いますか?
おそらく、そこまで多くないはずです。このように、相手のレベルやリークから戦略構築をしていくことが、ミスをしない簡易戦略のポイントになってきます。また、このようにレンジを変えた時にどのような変化があるのか?を調べていくことがポーカー上達のカギになるのです。
ぜひ参考にしてみていただきたいのですが、今回はさらに発展させ、3bet-potでもこの簡易的なCBの作り方が通用するのかということを確認していきます。
CB戦略の作り方-3bet-pot
3bet-potでのCBのように、特定のスポットを考える場合は、学習優先順位が高い順に具体スポットを調査すると効果的です。
3bet-potであるのであれば、BTN vs SB を考えることが効果的です。
オープンしたらOOPに3betを返された、またOOPから3betを返したという経験は皆さんも多いと思います。
それでは、3bettor側のSB vs BTN をみていきましょう。
SB vs BTN -3bp
フロップ戦略を確認する前に、SB 3ベットレンジ、BTN 3ベットコールレンジを把握しておきましょう。
SB 3ベットレンジ
SBの3ベットレンジは、リニアレンジです。
リニアレンジとは、強いハンド〜中程度のハンドで構成されているレンジです。その証拠にレンジが左上に集まっていますよね。
上図の右図をみてください。これは、SB3ベットレンジをEV表記にして色を塗ったものです。赤<緑<白の順にEVが高くなっています。
SB3ベットレンジのEV具合を観察すると、白〜緑で構成されており、赤レンジもやや存在しています。
赤レンジはEV=0であり、ブレーク・イーブンハンドです。緑レンジのEVも大きいものではありません。
実はリニアレンジの中でも特に強い白レンジのほとんどでEVを独占しているのです。
そのため、我々は白レンジによって収益のほとんどを受けているため、ほとんどのハンドはブレーク・イーブン以下であるということも覚えておきましょう。
参考:レンジの形態
BTN 3ベットコールレンジ
コールレンジは悲惨なことにAAsとAQs,TTsのみが白レンジであり、ほとんどのハンドは赤レンジとなっています。
レーキによる影響が大きいのですが、このようなレンジでギリギリ守らなくてはいけないのがポーカーの難しいところです。(これ以上降りると、相手がすべてのハンドで3betしてきてしまい永遠にオープンした額を失うことになるため)
それでは、フロップ戦略を見ていきましょう。
今回は3つのフロップを使いCB戦略を検証していきます。
3つのフロップは、Aハイボード、Kハイボード、Tハイ以下のボードです。
Aハイボード
A92ボード
上図のようにA92ttボードが落ちた時の、SBの全体戦略を考えましょう。
SB vs BTN 3ベットコールというシチュエーションです。
BTNの3ベットコールレンジは、TTs〜22sまでのポケットペア(プリフロップで赤レンジだった部分)やスーテッドコネクターでした。
白いレンジはAQsなどでした。
このことを考慮して、EQbucketsを考えます。
まず、Bestハンドから考えます。BestハンドはAのペアとセットになるでしょう。しかし、BTNレンジにもAXsは多くあるため、SBとBTNでベストハンドの相対量に大きな差がないと考えられます。
Goodハンドにおいては、SBの方がはるかにあるでしょう。
WeakハンドとTrashハンドに関しては、プリフロップでのBTN3ベットコールレンジの大部分をこのボード合わせて見ると、BTNレンジの大部分はWeakハンド・Trashハンドになると予測することができます。
EQbucketsはこちらです。
この結果により、BTNレンジにTrashハンドが多く、フォールド・エクイティの価値は低くなるため、チェック or 小さいベットと予測できます。
では実際に見てみましょう。
SB戦略
上図はSBのフロップ戦略です。やはり、BET20%のレンジがほとんどを占めています。
EQが中程度で、EQRも低いハンドレンジですらBET20%を選択しています。
つまり比較的レンジCB戦略が肯定されるボードであると言えます。
一方、EQRが低すぎるかつEQも低いハンドのKQはチェックを選択し諦めています。
K♣️Q♠️がチェックしている理由は、インプライドオッズが低い(EQR)ことも要因の一つですが、さらに、3ベットコール→SBのCBにフォールドするBTN側のレンジを抑えているためです。
実際にSBがベット20%を行ったとします。
その時のBTNのディフェンスレンジはこちらです。
BTN vs SB 20%CB
青いレンジ(フォールドレンジ)に注目してください。
フォールドレンジの多くは、KハイとQハイなのです。
つまり、SBがKQを持っている場合、相手のフォールドするレンジを強烈にブロックしているのです。
そのため、K♣️Q♠️はチェックすることになるのです。
このように、3bet-potにおけるCBの作り方では、
①EQbucketsを使い全体戦略を考える。
(**この際に相手3ベットコールレンジとボードの相互作用を意識する)
②ハンドへ頻度を振り分ける
(**インプライドオッズを考慮する。さらに、レンジが限られているためブロッカー効果により相手のフォールドレンジを意識する)
といった手順で行っていきます。
これを基礎とし、次のボードも見てみましょう。
A98ボード
EQ bucketsを考えます。
このボードは一見、SBが有利に見えますが、9と8が同ボードに落ちたことによりBTNがセットである確率と2ペアの確率が上がりました。
BTN3ベットコールレンジにも多くのAXsがあることも考えます。
EQ buckets
左:SB、右:BTNです。Bestハンドの多くをBTNの方が持っているためナッツアドバンテージを失っています。
そのため、BTNに多くのTrashレンジはあるものの、SBはほとんどのレンジでチェックするであろうと考えられます。
SB戦略
やはり、ほとんどのハンドレンジがチェック or ベット20%の混合戦略でしたね。
注意点として、BTNのTrashレンジが多いという事実もあるため、ベットをするハンドも存在しています。これがGTOソリューションに基づいたこのようなボードでの戦略です。
ここで、応用として実践でのシーンを考えます。
一般的に、プレイヤープール全体で見ると3ベットコールレンジは広くなる傾向にあります。そのため、GTOの示すソリューションよりも、Weakハンドが多くなることが多いのです。
したがって、BTNのプリフロップレンジを調整してみましょう。
下図をみてください。左:N50 BTN3ベットコールレンジです。
本来のBTN3ベット頻度は4.5%でした。このようにGTOに基づいたレンジはレーキを考慮しているため非常にタイトです。
では、実践で想定するように、相手が3ベットに対してルースだったとします。
コールレンジを右図のオレンジレンジのように広げます。
この調整後のA92ボードでのEQbucketsの変化を確認します。
3ベットコール頻度を増加させると、BTNのEQbucketsにおけるWeakハンドが増加し、Bestハンドが減少しました。
その結果、SBはナッツアドバンテージを享受できるようになってしまったのです。
よって、SBは、享受したナッツアドバンテージに加え、BTNにTrashレンジが多いことからも、ほとんどのレンジでCBが可能になると予測できます。
SB戦略 -BTN 3ベットレンジ調整後-
予想通りほとんどのレンジでCBを行うようになりました。
このことにより、相手レンジを想定することでプレイの精度を上げることが可能です。
次に、Kハイボードを見てみましょう。
Kハイボード
KT3
SB vs BTN 3bpのKハイボードでは、BTNレンジに2ndペア以下が多くなります。
そのため、Weakハンド・Trashハンドの量が多くなりフォールド・エクイティの価値は低くなります。
Trashハンドレンジは、BET20%-33%程度でフォールドレンジにすることができるでしょう。しかし、Weakハンドをフォールドレンジにすることは可能なのでしょうか?
SB 33%CBに対するBTNレンジを確認してみましょう。
BTN vs SB33%CB
BTNレンジを見ると99sなどのポケットペアは、コールとフォールドのインディファレント(Indifferent)になっています。
BTN vs SB75%CB
BTNのGoodハンドのほとんどは、SB-BET75%に対して、コールをしています。AJや、JTsはF/CのIndifferentです。
このようにBET75%は、マルチストリートでBTNのGoodハンドにプレッシャーをかけているようです。
ハンドへの頻度振り分け
では、ここでそのハンドでベットするかしないかを考えなければなりません。
ここまでの内容では、KT3ボードでは、相手のTrashが多いため安いベットサイズが好まれます。しかし、BTNにはGoodハンドも多くあるため、大きいベットサイズも有効であると考えられます。
どちらが良いのでしょうか?
SB戦略
こちらの戦略を見ると、SBにはチェックレンジがなくBET20%以上を行っています。JJsを見てください。
JJsのEQは66.5%、EQRは67.2%でアンダーリアライズしつつ、微妙なEQを持っています。
ここまでの内容通りであれば、チェックレンジになるはずですが、ここではベットをしています。
この理由として考えられるのは、相手レンジにTrashハンドが非常に多いことです。
3ベットポットは、お互いのレンジが狭いため、ボードによってTrashレンジが一方のレンジに偏る場合があります。
その場合、今までのセオリーではチェックレンジに入れるようなハンドでも、BET20%のように小さいベットにアップワードする傾向があるのです。
加えて、KKs、TTsのようなBestハンドを見てください。
このようなハンドは、ほとんどのバリューを抑えているためスロープレイしたいハンドですが、BET20%を選択しています。
しかし実はこれは、小さいベットをすることがスロープレイとなっているのです。
大きいベット(BET75%)レンジを見てみましょう。
BET75%レンジ
BET75%レンジにおいて、ターン・リバーとベットする可能性が高いハンドの多くが含まれています。
88s〜66sでは、EQが低いです。
しかしハートを持っている場合は、相手のフラッシュドローを抑えており、開き直ってブラフに回せるため、EQRが比較的高くなっています。
この66sのハート持ちは、マルチストリートブラフを決行すると予測されます。
フロップBET75%→ターンで❤️が落ちた場合
66sのハート持ちは、フロップのプラン通りブラフを決行しています。(相手のフラッシュをブロックしているからですね)
このようにフロップのハンドごとのプランを観察するのも良い戦略構築の方法になります。
このようにインプライドオッズを正しく把握しておくことは重要です。
Tハイ以下のボード
653
653ボードの場合のEQbucketsを考えます。
EQbuckets
BTNレンジにはGoodハンドが大半を占めます。そのため、SB戦略はフォールド・エクイティの価値が高く、また、SBがBestハンドの多くを持っておりナッツアドバンテージを享受しているため、狭い範囲で大きいベットサイズになると考えられます。
SB戦略
SB戦略を見ると、ほとんどのハンドがチェックを行っています。
しかし、ベットを行うところは75%と大きなサイズのベットを選択していますね。
ベットするレンジを見てください。
TTs〜88sのようなハンドレンジのEVに着目してみましょう。
ポット25bbに対して、TTs-30.8bb、99s-27.24bb、88s-18.45bb となっています。
このようなハンドレンジはポットサイズに近いEVを持っています。これは、相手をフォールドさせることによってEVを得ているのです。
このように、特定のレンジのEVがどこから来るものかを把握することが、戦略決定において非常に重要な要素となります。
では他のTハイ以下のボードでも確認してみましょう。
762ボード
SB vs BTN 3bet-potでのシチュエーションです。
ここで全体戦略を考えましょう。762ボードの場合、BTNのほとんどのレンジはGoodハンド・Weakハンドになるでしょう。そのため、フォールド・エクイティの価値は高く、SBは大きいCBサイズを決行すると考えられます。(SBがBestハンドの多くを持っており、ナッツアドバンテージがあることが前提です。)
EQbuckets(左:SB、右:BTN)
Bestハンドを見てください。9%と6.9%であり、有意な差があるとは明確に言えません。そのため、SBのチェック頻度は高いことが予測されるでしょう。
SB戦略
上図を見てください、相手をフォールドさせることで利益を得るような99s、TTs、JJsはベット頻度が高く、それらのVEはポット付近であることが確認できます。
まとめ
今回は簡単なCBの作り方について紹介しました。特に、全体戦略→ハンドへの頻度振り分け、3ベットポットでの活用の仕方を詳しく解説しました。
Step1:全体戦略をEQbucketsより導く
Step2:ハンドへ頻度を振り分ける
この2つのStepに対して細かい知識・スキルが必要です。
Step1においては、相手により可変的になる3ベットコールレンジの見積もりや、エフェクティブスタックの変化による3ベットコールレンジの見積もりに経験値が出てくるでしょう。
Step2においては、EQRの把握と利用を極めないといけません。
学んだことを生かす、そして試す、考えることを心がけてポーカー上達へ向けて歩んでいきましょう。
次回の内容では、エフェクティブ・スタック200bbの時、相手3ベットコール頻度がやや高い時をピックアップしてCBを解説していきます。
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