空中線(アンテナ)電力


 前々から気になっていた言葉の定義として空中線電力がある。空中線電力なのだから空中線の給電点そのものに供給される電力で送信機出力で無いのではと言う解釈もできるが、電波法の施行規則第2条68にCWとかSSBの場合は尖頭電力を空中線電力と言い、かつ、69には「尖頭電力」とは、通常の動作状態において、変調包絡線の最高尖頭における無線周波数一サイクルの間に送信機から空中線系の給電線に供給される平均の電力を言うと明記されている。

 給電線に供給される平均の電力をいうと言う事で、給電線の長さには関係なく送信機からの出力そのものが空中線電力という事になる。念の為に総務省北陸総合通信局に確認したが答えは同じであった。(2006.4.5確認)

 無線局免許状の空中線電力が100Wで送信機出力が100Wの場合はどうしようもないが、移動局の場合は50Wが空中線電力の最大である。送信機出力が最大100Wである場合、仮に移動局の常置場所の給電線が長くて、送信機出力が50Wであっても空中線の給電点では30W位に減衰(20Wは給電線やアンテナチューナーで消費→7MHzの例)していても送信機出力を上げて給電点で50Wにする事はダメ(違法)となる。

私の運用する白山市の移動局の常置場所の場合は、50Wの空中線電力が許可されているが給電線が長い事(30m程度)やアンテナチューナーを使用しているので線路ロスが多く空中線の給電点には送信機出力の45~60%(21~7MHz)の電力しか供給されていない。が、前述のような訳で出力UPをする訳にはいかない。たまたま先日7MHzを聞いていたらアンテナを山に上げ、給電線の全長が130mにも及ぶ局が話をしていたが空中線電力を500Wとして出力ダウンをカバーしているようであった。

 WEB上で無線局の情報が見られるが、最近、同一管内で同一コールサインで3箇所以上の無線局を開設しているのが目にとまったのでこれについても前述の通信局に確認したら、「同一人が運用することについて合理性があり、申請人以外の人が使用しないと確認できる場合」は、複数のアマチュア局を異なる場所で開設できると言うことで、具体的には陸上課まで問い合わせてくれとの事であった。これまで同一管内(ここでは石川県、富山県、福井県の9エリア)では固定局と移動局の二局のみ開設できると思っていたがこれは緩和されたようだ。私は金沢市を固定局、白山市を移動局としているが、これでいけば白山市を固定局として別に空中線電力100W申請すれば現状よりも出力を増加することができる。つまり、金沢市を固定局、白山市を固定局及び移動局の3局を開設できることになる。