2023.10.12
こんなに面白い現象があったのか…!奇跡の数「142857」に隠された“神秘的な規則性”とは?
「素数シリーズ三部作」(『素数が奏でる物語』『素数はめぐる』『有限の中の無限』)が大好評の、ブルーバックスを代表する人気著者コンビ・西来路文朗さんと清水健一さんの最新刊『ガウスの黄金定理』が刊行されます。
それを記念して、「素数シリーズ三部作」の読みどころを抜粋してお送りします! 今回は『素数はめぐる』より、奇跡の数「142857」をご紹介します。 こんなに面白い現象があったのか!
ふしぎなふるまいを見せる6桁の数字
ここに、ふしぎなふるまいを見せる6桁の数字があります。「142857」という何気ない自然数が、単純なかけ算で、面白い現象を見せてくれるのです。
142857に、1、2、3、4、5、6を順にかけてみます。
142857×1=142857
142857×2=285714
142857×3=428571
142857×4=571428
142857×5=714285
142857×6=857142
この計算で、どのようなことが起こっているでしょうか。
それぞれの積には1、4、2、8、5、7の6つの数字しか出てきていません。かけ算をする順序を変えて、
142857×1=142857
142857×3=428571
142857×2=285714
142857×6=857142
142857×4=571428
142857×5=714285
と並べ替えてみましょう。鮮やかに規則性が浮かび上がります。
142857を順序を変えずに巡回させると6通りの数になりますが、その6通りの数がすべて現れています。この142857の正体は何でしょうか。そして、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。