長尾和宏「ドクター和のニッポン臨終図巻」

評論家・唐沢俊一さん、SNSで「つながり」孤独ではなかった 火葬に立ち会い、死の手続きを請け負った唐沢なをきさんは立派

唐沢俊一さん
唐沢俊一さん

最近、X(旧ツイッター)で著名人の訃報を知ることが多くなってきました。いえ、著名人でなくとも、そのXのアカウントをもっていた当人が亡くなった場合、「〇〇の妻です」とか「〇〇の息子です」という方が、その人の死を伝えていることもしばしばあって、見ず知らずの人のアカウントを、不思議な気持ちで眺めることもあります。生前のポストをつい遡(さかのぼ)って、どんな人だったのだろう…と想像してみたり。死んでから、誰かの存在を知るなんて、不思議なことです。

先日も、不意に流れてきたポストに目が留まりました。

「9月24日、唐沢俊一が心臓発作により自宅で亡くなりました。本日荼毘(だび)に付しまして葬儀は行いません。

彼は俺に対して噓、暴言、罵倒を繰り返してきて20年以上絶縁状態でした。晩年は金の無心も酷(ひど)かったです。冷たく聞こえるかもしれませんがこの話はもうしたくないのでお悔やみの言葉はご遠慮願います」

続いてこんなポストも。

「孤独死でしたが、SNSで異常に気づいた方々が動いてくれて早期発見できたと聞いております。ありがとうございました」

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