勉強会創始者より、運営メンバー達へ最後のメッセージ(期間が過ぎたら消して下さい)

学生心理学勉強会・運営チームのみんなへ

学生心理学勉強会は、ただ単に知識や技術を学ぶだけの勉強会ではないこと、すでにみんなは気づいていると思う。だからこそ、大変なことも多いし、苦しいことも多い。心無い言葉に傷つくことも多いね。

最後に、勝手ながら私からみんなへ、メッセージを残させて下さい。
一方的なメッセージです。

聞き流してもらっても大丈夫。

出来るだけ短くまとめるけれど、伝えたいことが沢山あるんだ。

時期が来たら、どうかこのメッセージは消して下さい。


姿の見えない精神疾患や障害と共に生きる人々のなかには、24時間混乱の中で苦しんだり、周囲からの絶え間ない偏見の視線に傷ついたり、さまざまな思いから助けを求められず、一人生死の狭間で恐怖や孤独と向き合っている人がいます。

誰かのSOSが聞こえたら、どうか振り向いてあげて下さい。
SOSを出すことも疲れてしまった人がいたら、声をかけることを躊躇わないでください。

「ひとり」が何よりも悲しいことだと、知って下さい。

どこに傷があるのかも分からず、痛みと傷ばかり増え続け、絶望の中で生きている人もいるかもしれません。簡単に見つかる傷ばかりではないと思います。そんなとき、一緒に痛みを分かち合うことだけでも、大きな癒しになることを覚えておいて下さい。

もしかすると周囲を振り回す迷惑な人に見えたり、「もう、関わりたくない」と思うような人に出会うかもしれません。教科書を読み、「きっとこの病気の、この症状なのだ」と理由をつけることで、その人の理解し難い言動を、『理解した』と思いたくなる時もあるかもしれません。

学生にとって、学校や教科書での学びは必須です。一方で、誰一人として同じ物語を持つ人はいないということ、実際の病は教科書のようにシンプルに名付けられるものではなく、複雑に糸が絡み合うように、人によって全く違うものであることを忘れないでください。



嫌われたくて、疎まれたくて、周囲の人を追いやりたくて、ひとりぼっちになりたくて、生きている人はいないんじゃないかな。難しし時もあると思うけれど、どうか、誰かを「理解したい」「理解しよう」として下さい。目に見えない精神疾患や障害を見つめてみて下さい。

いつか、みんなが経験豊富な支援者になったとしても、初めて出会うクライエントの方は「あなたが人生で初めて会う人」であり、その瞬間、初学者に戻る謙虚さを持ち続けてください。はじめて、勉強会で傾聴のボランティアをした時の緊張と怖さ、大きな不安を忘れないでください。

どうか、「慣れないで」ください。
一度つかんだ手を、離さないでください。
「死にたい」を何度聞いても、何度目の「死にたい」でも、真剣に受け止めて下さい。

命の儚さをどうか、常に心に。

技術や知識、経験よりも、いま持っている言葉にならない「誰かへの想い」を持ち続けてください。



精神疾患や障害を、その人のせいにしたくなる日が来るかもしれません。どんなに努力しても、その人を理解できずに、全てを投げ出したくなる日が来るかもしれません。その人を否定したくなる日が来るかもしれません。


そんなときは、この勉強会で「なぜ臨床心理士・公認心理師を目指しているか」「なぜ心理学を学んでいるか」未熟な学生の私たちが、時に熱く、時に迷いながら語り合った日々を思い出し、仲間達・先輩達に相談してください。お互い涙しながら語り合った時間を思い出してください。



「愛」を忘れずに学び続けて下さい。



以上、私の勝手なお願いです。最後まで自分勝手でごめん。
聞き流しちゃっていいからね、もちろん。
私自身に言い聞かせたかったメッセージでもあるんだ。

一番の願いは、みんなの心身が、どうかずっと健康であり続けますように。そのために、誰もが安心してSOSを出せるチームであり続けてください。

最後に。

誰にも知られないところで、
自分の持つ全てで、
目の前の人の命を繋ぎ止めようとした直井さん、下奥さん。

教科書には載っていない心から言葉で、消えそうな命の灯火を一生懸命守り続けようとした二人、私の大事な友人に、この勉強会を託します。

一度入った心のヒビを抱えて生きていくこと、
「孤独」が何かも知らないほど、孤独な人もいること、
目に見えるものが全てではないこと、
心からの「自分の言葉」に勝るものはないこと…

たくさんの気づきをありがとう。
私の知らない世界を教えてくれて、本当にありがとう。

3年間近く、君たちと喧嘩したり、笑いが止まらない時間を過ごしたり、将来の夢を語れたこと、二人に出会えたこと、そして何より、私を諦めないでくれたことに心から感謝します。

「真の支援者とはなにか」、教えてくれてありがとう。

君たちに続く学生達は本当に幸せだと思います。


いつかまた、どこかで語り合えることを願って。
荻野 舞
(2024年10月8日)

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