大阪 寝屋川の元市議に懲役１０年の判決 詐欺などの罪

新型コロナウイルス対策の公的融資をめぐる詐欺事件で、詐欺などの罪に問われた大阪・寝屋川市の元市議会議員に対し、福岡地方裁判所は求刑どおり懲役１０年、追徴金１億９８００万円の判決を言い渡しました。

寝屋川市議会の元議員、吉羽美華被告（４４）は、共犯者とともに、新型コロナ対策の公的融資を仲介するとうそを言って、大阪府内の福祉施設や福岡県久留米市の医療機関からあわせておよそ２億９０００万円をだまし取ったほか、融資元の独立行政法人をうその書類でだましておよそ６億円を振り込ませたとして、詐欺などの罪に問われました。
これまでの裁判で被告側は「共犯者の話を信じていた」などとして、無罪を主張していました。
７日の判決で福岡地方裁判所の冨田敦史 裁判長は「福祉施設への融資をめぐる事件で被告や共犯者が行った説明は不合理にとどまらず、相当うさんくさいものと言える。社会経験や政治経験のある被告がうのみにしていたとは到底考えがたい」などと指摘しました。
そのうえで、「市議会議員の立場を利用し、被害者たちの信用を得ていた。今回の融資が医療施設を迅速に救済するための簡単な審査制度であることにつけこんだ、卑劣で悪質な犯行だ」として求刑どおり懲役１０年、追徴金１億９８００万円を言い渡しました。