「ミス、ロングビル?どうして?」
突然のロングビルの行動にキュルケは声を上げた。捕まって人質にされたルイズも信じられないという表情をしていた。
「使い魔の言った通りさ。アタイが土くれのフーケ。さっきのゴーレムを操っていた張本人さ」
ロングビルはニヤリと嗤いながらルイズの首にナイフを当てた。
「しかし、今回はかなり苦労したね。そこの使い魔が予想以上にめんどくさかったからねー。で、いつから気づいてたんだい?アタイがフーケだったことに」
ロングビル、いやフーケにそう言われてルイズ達は驚いてサイトを見た。
「・・・・・最初から怪しいって思ってたさ」
サイトはハンドガンを抜き銃口をフーケに向けながら答えた。
「ほぉ、参考までに教えてくれるかい?アタイのどこが怪しかったのか。正直、人柄もよかったと思うし演技も悪くなかったと思ったんだけど」
「学校でお前がフーケの情報を持ってきた時、オレはいくらなんでも早すぎるって思った。科学レベルがそれほど高くないこの世界で昨日の今日でましてやただの教師ごときがこんなにも早く調べられるのか?仮に魔法を使って調べられたとしても不自然すぎた。他にもあるぞ」
「例えば?」
「あの時、お前は近くの農民から話を聞いたって言ってたけどここに来るまでの間、村なんか無かったし仮に別の場所にあったとしても徒歩で半日、馬で4時間もかかるような場所を短時間で往復できるのか?だから、最初はこう思ったのさ。フーケとあんたは仲間だって。だけど、何かしらのトラブルがあったあんたはフーケを裏切りフーケを捕まえたあと戦利品を独占しようとしていた。それがあんたの狙いだと思ってた。だけど、破壊の杖を見てこの考えは間違いだったことに気づいたんだ。あんたはフーケの仲間じゃない。あんたがフーケだったんだ。狙いは破壊の杖の使い方だろ?どんな価値のあるものでも使い道が分からなきゃただのガラクタだからな」
サイトがそう言うと。
「なるほど。そこまで分かってたか。だったらアタイの言いたい事も分かるだろ?さっさと破壊の杖を渡しな。そしたらこの小娘は返してやるよ」
フーケが命令するとサイトはバカにするように笑みを浮かべた。
「オレはルイズに無理矢理使い魔にされたんだぞ?オレにとっちゃ助ける価値も義理もねーしとっとと死んでくれた方が自由になれるしこっちとしたら嬉しいんだけど?」
サイトはキュルケの方を見るとウィンクをした。
「・・・・・そうね。私も本来ヴァリエールとは敵対してる関係だもの。ヴァリエールが死んだところでなんの関係もないわ」
サイトとキュルケはルイズに人質としての価値はないと言って挑発した。それを聞いたフーケはニヤリと笑うと。
「そうか。ならとっとと始末しようか」
そう言ってルイズの首にナイフを押し込んだ。
「「やめろ(やめなさい)!!」」
ルイズは怯えた顔で首から血を流しフーケは勝ち誇った顔をした。
「ど、どうするのよダーリン!?挑発しても絶対に乗ってこないわよ!」
「・・・・・仕方ねーな。破壊の杖をくれてやるしか」
「ダメよサイト!絶対に破壊の杖を渡しちゃ「黙ってな小娘!」ヒッ!」
「ほら!とっととそこに破壊の杖を置きな!」
3人はやむを得ず破壊の杖を置いた。
「よーし、そのまま後ろに下がりな」
3人は指示通りに後ろに下がりフーケが破壊の杖に近づいた。
「次は杖と武器を捨ててもらおうか。特に使い魔。お前の武器は一番遠くに捨てろ」
キュルケとタバサは杖を捨てサイトはショットガンとハンドガン、缶グレネードを置いて離れた。
「よし、いい子だ」
そう言ってルイズをサイト達に向けて押した。サイトはルイズを受け止めると。
「ごめんなさい。私のせいで」
ルイズは泣きそうな顔で謝った。
「・・・・・心配するな。オレがなんとかする」
フーケは破壊の杖を拾いサイト達に向けた。
「それじゃあ、そろそろお別れの時間だ。使い魔。アンタとは久々に楽しい時間を過ごせたよ。さようなら」
死を覚悟したルイズ達は強く目を瞑った。サイトはまるでタイミングを測るようにフーケを見つめ。フーケはトリガーを引いた。
しかし、何も起きなかった。
「なっ!?どうして!?」
サイトは走り出した。慌てて破壊の杖を捨て杖を抜こうとするがそれよりも先にサイトがフーケの腹を殴り体をくの字に曲げるとそのままフーケの後頭部に肘打ちをくらわせた。
「がっ!!な、なんで」
フーケはそのまま地面に倒れた。
「残念だけどそれは魔法の杖じゃねーんだ。そいつは【M72 LAW】オレの世界で使われてる武器だ」
サイトはそう言ってM72 LAWを回収すると。
「ルイズ達の護衛と破壊や杖の回収、そしてフーケの捕縛。任務完了だ」