参政党、反AIに焼かれる

 2024/10/3、参政党が、10月15日の衆議院議員選挙に向けたポスターのようなものを、Twitterで公開。そこで使われていたイラストがAI生成物だとして、反AIが群がり、焼かれる。

 

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https://x.com/sansei411/status/1841760013578338596

 

 ナウル共和国の事件以降、反AIが名誉毀損を問われるケースが続き、得意の誹謗中傷も切れ味が悪くなっていたが、今回「相手が個人でなく政党」という事で「安全に殴り放題」という判断になったのか、口汚い誹謗中傷が復活している。

 

 なお、反AIは「このイラストが手描きか否か」を判定する事に血道を上げているが、そもそもAIを使用していたとしても全く問題はないので、そこはどうでもよい。AI使用罪は反AIの頭の中にのみ存在する。

 

https://x.com/BlackBunnyFW/status/1842309531889803272

 

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https://x.com/aya_huugechu/status/1842094215591030814

 

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https://x.com/dezatotengoku/status/1842135014072594940

 

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https://x.com/dGXxiEFnX466055/status/1842088656947052856

 

画像https://x.com/RARARAGenin/status/1842135611110760550

 

画像https://x.com/AKITO70707/status/1841791585455108239

 

 なお、今回反AIに襲撃された参政党だが、wikipediaによると

 

ナショナリズム反グローバリズムといった保守的な主張に加え、反ワクチンや反マスク層、有機食品支持層にもアピールした。その主張には、日本政府やマスコミが「莫大な利益獲得を目的とする『あの勢力』に操られている」といったディープステート(闇の政府)等のQアノン陰謀論や、ユダヤ陰謀論的な要素が含まれている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/参政党

 

 とのことなので、デマとキャンセル・カルチャーを活動の軸にしている反AIとは本来相性が良さそうである。

ローソンプリント、反AIに焼かれる

 2024/10/1、ローソンプリントが、いわゆる「AI絵師」の「おしつじ」氏のオリジナルブロマイドの販売を告知したところ、直後から「AIイラストで商売をしている」として反AIが襲撃。この襲撃にローソンプリント側が全く対応できず、わずか7時間で販売中止を決定するという珍事が発生した。

 

https://x.com/lawsonmulticopy/status/1840935007743066565

 

 反AIの歴史に「おしつじ」氏の名前が現れるのは2度目である。いわゆる「AI絵師」としては有名な存在であるらしい。

 

note.com

 

 おしつじ氏本人のTweetにより、本人が反AIに襲撃されて取り下げを決めたのではなく、先方が反AIに襲撃されて取り下げを決定・命令してきた事が分かっている。

 

 取り下げになった理由は説明されていない。例えばChattoChatto社は反AIの襲撃に屈してAI使用罪の存在を認め罪がないのに謝罪するという最も愚かな行動を取ったが、ローソンプリントは本当にただ削除しただけで理由について何も言及していないし、謝罪もしていない。つまり削除は実施されたが、なぜ削除したのか、誰が悪かったのか、何が問題だったのかは、現在も全く分からない。

 

 他のAI使用コンテンツが普通に残っている事を考えると、ローソンプリント的にはAIとか無断学習とか別にどうでもいいけどなんか騒ぎになってて面倒くさそうなので削除したという以上の事ではないように見える。

 

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https://x.com/lawsonmulticopy/status/1841038035359842729

 

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https://x.com/your_shitsuji/status/1841031521169523176

 

画像https://x.com/your_shitsuji/status/1841034267033551347

 

 本件を通して分かったのは、「ローソンプリントは事なかれ主義で、苦情に全く対応できず、何か面倒くさそうな事があるとすぐ削除してしまうので、反AIが騒ぎそうな物はローソンプリントでは販売する事ができない」という事である。

 

 もっとも、ローソンプリント以外にもこういう企業は多いと思われるので、広く言えば「AIで商売をする場合は胴元が反AIに対応する能力を持っているかどうかをよく考える必要がある」とも言える。

 

 なお、ここまで「ローソンプリント」を連呼してきたが、ローソンプリントとミニストッププリントは両方とも「ダブルカルチャーパートナーズ」という会社が運営しているようなので、正確に言うと今回焼かれて日和ったのは「ローソンプリント」ではなく「ダブルカルチャーパートナーズ」と言った方がいいかもしれない。

セルシス、再び反AIに振り回される(2年ぶり2回目)

 2024/9/18、プログラマの青猫(@AonekoSS)が、CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)用Stable Diffusionプラグインを、Public domainとしてGitHubで公開。

 

github.com

 

 生成AIの採用例が少なく、手当たり次第に何でも不買アピールできていた頃とは異なり、現在の反AIは、Grokが搭載されたTwitter、Copilotが搭載されたWindowsApple Intelligenceが搭載されたiPhone等を使い続けるために、最近になって「たとえ生成AIが内蔵されていても使わなければOK」という事にした。そのため、仮にクリスタで生成AIプラグインが動くようになったとしても、同様に「使わなければOK」であり、全く何も問題はない。

 

 …ないのだが、9月20日になって、反AI内に「このソフトウェアを地上から抹殺しよう」というムーブメントが発生。

 

 同日、クリスタの開発元であるセルシス社が声明を発表。「野良プラグインを使って何が起きても知りません、申請が来たら審査はする」とだけ言えば良かったものを、変に反AIの顔色を伺って「承認されません」などと書いた事で、状況が余計に悪化した。

 

https://x.com/clip_celsys/status/1837030635376103672

 

 セルシス社は、約2年前の2022/11/29、「クリスタに生成AI機能を内蔵する」と発表したが、当時の反AIから批判を受け、わずか3日で計画を中止。その後「クリスタにはAIアシスト機能を永久に実装しない」と宣言、完全に反AIビジネスに舵を切ったという特殊な経緯がある。そのため、反AIの被害者のようにも、反AIそのもののようにも見え、立場が複雑になっている。

 

note.com

 

 「AI絵師はペイントソフトなんか使わないので、純粋に嫌がらせ目的で開発している」「何がしたいのか分からない」といったようなコメントも散見されるが、それは「prompt一発で完璧な絵が出る」と勘違いしている反AI特有の「AIに対する過信・過大評価」であって、修正段階で何らかのペイントソフトは必須である。青猫(@AonekoSS)の「自分が使いたいから作っている」という発言はウソではない。

 

https://x.com/n_katamari/status/1838041530659221698

 

https://x.com/Kokukitumohu1/status/1837032585987510345

ナウル共和国、反AIに焼かれる

 2024/9/12、ナウル共和国政府観光局が、「ナウルの様子を画像生成AIに描いてもらった」とする画像をTwitterで公開。その結果、直後から反AIが群がり、AI使用罪で焼かれる。

 

 本件の最大の特徴は、使用した画像生成AIがGrokだという事で、Twitterに正式に実装された画像生成AIをTwitterの規約に従って使用しているのに、全く関係ない反AIからキャンセル・カルチャー攻撃を受けてポストを削除させられた事例第1号となっている。

 

 あまりにも削除が早かったため、元の画像とそこにぶら下がったデマ・誹謗中傷は保全できなかった。現在見られるのは謝罪だけとなっている。

 

 

https://x.com/nauru_japan/status/1834156881113481721

 

 そもそも謝るべき罪がないにも関わらず、深く検討せずに反射的に謝罪してポストを削除した結果、反AIに「こいつは殴れば謝る」と認識され、誹謗中傷・謝罪要求はさらに激化。9月14日になって、「誹謗中傷・嫌がらせがあまりにも酷い」として、アカウントは更新の休止を発表した。

 

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https://x.com/dai_whitecat/status/1834809950213911036

 

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https://x.com/nauru_japan/status/1834795151941943552

 

 

 状況が悪化する中、反AIが真っ先にした事は、ナウルを誹謗中傷したのは反AIではなく、反AIになりすましたAI推進派である」と主張する事だった。

 

https://x.com/takakuratomoko/status/1834846998916468752

 

https://x.com/n_katamari/status/1834945807545725024

 

https://x.com/c_p2z/status/1834952757939413343

 

 

 この話はここで終わらず、ナウル共和国政府観光局は、多数の誹謗中傷の中から「未開の部族」「蛮族」という単語を用いていた下記のTweetをピックアップし、法的措置を検討していると発言。

 

https://x.com/rixyou404/status/1835004944430293343

 

https://x.com/nauru_japan/status/1835006445659865596

 

https://x.com/nauru_japan/status/1835176629754380443

 

 国家に対する誹謗中傷事例としてYahooニュースにも進出した。

 

news.yahoo.co.jp

 

仏ChattoChatto社、反AIに焼かれる

 2024/9/6、フランスの出版社ChattoChatto社が、自社のイメージキャラクター「チャットちゃん」を発表。直後、それがAI生成物だとして反AIが群がり、焼かれる…

 

 というほど激しい攻撃は受けていないのだが、翌9/7にかけてChattoChatto社はこのキャラクターをあっさり取り下げ、「二度とAIは使わない」等と発言。キャンセル・カルチャー攻撃が成功した。

 

https://x.com/your_shitsuji/status/1831963848796205458 (削除済み)

 

 これらのイラストは、ChattoChatto社が自力で作成したものではなく、「おしつじ(@your_shitsuji)」氏に依頼して納品させたものであるため、反AI的には「フランスの出版社が手描き詐称のAI野郎に騙された」というストーリーになっているが、この出版社は納品物がAIを使って作画されている事を元々知っていたので、「手描き詐称」も「騙された」も両方ウソである。

 

https://x.com/thunder_battery/status/1832225050990395823

 

 つまり「別に全く騙されておらず、元々AI使用を知らされていたのに、反AIが群がってきた途端慌てて全部無かった事にした」という話なので、むしろこの会社の方に問題がある。会社自身もそれを認めている。

 

https://x.com/CHATTOCHATTOFR/status/1832294795374399765

 

 日本国内では「反AIは無視すれば問題ない」というコンセンサスが出来上がりつつあり、キャンセル・カルチャーも以前ほど成功しなくなっているが、相手を選べばまだまだ通用するという事である。

 

 なお、相手がフランスの出版社ということで、EU AI Actに言及している反AIもいるが、EU AI Actはアメリカ製AIのヨーロッパ進出を妨害するための法律なので、本件のような話には全く関係がない。

 

 

 この話はその後「TwitterのポストにAIタグを付けるか否か」という本件と関係ない話にズレて行った。それらも「出版社が騙された」というデマをベースにしている。

 

https://x.com/May__First/status/1832251902727483645

 

https://x.com/GORILIVE2024/status/1832258980569391229

 

https://x.com/explosio_/status/1832631113959010752

 

 反AIはAI使用罪が存在すると思っている集団なので、そういう大きな誤りを無視して「AIタグを付けるか付けないか」みたいなどうでもいい細部だけを詰めても全く意味はない。

反AI絵師「やすゆき」、667万調達成功

 

 約10日で達成(66.7万/日)。

 

note.com

 

 裁判とは遅々としたものであるから、次にこの話をするのはいつになるか分からないが、今後注目すべきポイントについてまとめておく。

 

1. 争点が不明

 

 「AI潤羽るしあ」が作ったのは、あくまでも「潤羽るしあLoRA」であって、「やすゆき絵柄LoRA」ではない。そのため、本件はいわゆる「狙い撃ちLoRA案件」ではない。かつ、やすゆきは潤羽るしあの権利者でもない。

 

 よって、本件は「生成AI被害に対する訴訟」と題されてはいるが、その「被害」というのが具体的に何なのか、実はよく分からない。最悪の場合、やすゆき自身に原告としての適格性がない可能性すらある。

 

https://x.com/yasu00kamiki/status/1829282257426841650

 

 

2. 後ろから撃たれる可能性が結構高い

 

 この裁判は「やすゆきがやすゆき個人の利益のために戦う」裁判であって、「やすゆきが反AI代表として悪のAI帝国を滅ぼすために戦う」裁判ではない。

 

 しかし、他人から金を集めたせいでそこが曖昧になっており、実際に勘違いしている反AIも一定数いると思われる。代表とは責任を負わされる立場であるから、裁判の展開次第では、この勘違い集団が後々やすゆきを背中から撃ち始める可能性がある。

 

 

3. 負けたら不利になる

 

 なぜか「負けても有利になる」と思っている反AIがいるが、負けたら不利になる。判例とは勝った時にだけできるものではないからである。

 

https://x.com/Nononon7777/status/1827964665693127134

 

 なお、「裁判が二次創作に悪い影響を与えないか心配」というようなコメントをしばしば見るが、著作権者に1円も金を払わずに設定とキャラクターを無断使用して作られているエロ同人は、やすゆき裁判と関係なく現時点で既に違法なので、裁判を通して改めて違法になる事はない。安心してよい。

反AI絵師「やすゆき」、CFで裁判費用を募る

 

 2024/8/25、約10ヶ月前に発生し、既に決着したと思われていた「AI潤羽るしあ事件」について、「やすゆき」氏がci-enのクラウドファンディングで裁判費用を募るという新たな動きが発生。

 

note.com

 

 「AI潤羽るしあ」がわずか1日で全面降伏したあと、交渉が水面下に入った事で、その後の流れが不明となっていたが、交渉は不調で、10ヶ月目にして裁判する事に決めたようである。

 

https://ci-en.net/creator/24768/crowdfunding/761

 

 前出の記事の通り、全面降伏によって誤魔化されただけで、この件には元々不調になりそうな要素が山ほどあった。やすゆき氏が潤羽るしあの権利者本人ではないこと、AI潤羽るしあが作ったのは「潤羽るしあLoRA」であって、「やすゆき絵柄LoRA」ではないこと、具体的な被害がはっきりしないこと、そして「1億円の支払い」に代表される「ぼくのかんがえたさいきょうの条項」が存在すること等である。これらが交渉の足を引っ張った可能性は高い。

 

 実用的な画像生成AIがこの世に現れて約2年、反AIは被害者を自称するものの、Twitterでキャンセル・カルチャーに血道を上げるだけで、いつまで経っても裁判も起きないし判例も生じないという奇妙な状態にあったが、ついに本件が国内裁判例第1号になる可能性が出てきた。