信じるかどうかは任せるが、元関係者の私がこれからKalafina解散~復活までの舞台裏、そして梶浦由記氏の退社の真相について書き記したいと思う。なお最初に断っておくが、このブログで語るのは、単なる事実のみである。特定の誰かを批判する目的は一切無いことをご理解頂きたい。何よりKalafinaメンバーや梶浦氏、および関係者たちも全員1人の人間であるため、特定誰かに対する誹謗中傷コメントはお控え頂けると幸いである。関係スタッフの実名については、CDや映像作品のクレジットで明らかにされている者のみ記載する。
この記事は前編、後編、番外編に分けて書き記す。以下の①と②の内容が前編、③と④の内容が後編、そして⑤が今回の番外編である。
①梶浦由記氏事務所退社の真相
②Kalafina分裂、活動休止の真相
③Kalafina活動休止後のメンバー、梶浦氏の動向
④Kalafina再結成に至った経緯、梶浦氏激怒の真相
⑤Kalafinaに関する権利関係
※①と②の内容はこれまでの報道内容と重複部分が多いため、既知の方は読み飛ばして後編をご覧頂いても良いと思う。
(前編からお読みになる方はこちら)
(後編からお読みになる方はこちら)
Kalafina
ここでKalafinaに関する権利関係を整理しようと思う。
Kalafina曲の場合ノンタイアップ曲のほとんどは、梶浦氏からスペースクラフト音楽出版に著作権が委託されている。つまり実質的に著作権は梶浦氏からスペクラ音楽出版に譲渡され、スペクラ音楽出版に入った著作権使用料収益の一部が今も梶浦氏に支払われていることとなる。ヒストリア等NHK番組の著作権はスペクラだけでなくNHK出版にも著作権が委託されている。その他、アニメのタイアップ曲などはソニーミュージックパブリッシングや放送局系列の音楽出版社に権利が委託されている。
そのため音楽出版社とJASRACに正式な手順を踏んで申請を行えば、Kalafinaの過去曲をメンバーのソロライブや、YKL、そして今後Kalafinaライブで披露することは何も問題無く行うことが出来る。
梶浦氏のX投稿
梶浦氏がXの投稿でも説明しているとおり、Kalafinaのプロデューサーから梶浦氏が離れたとしても、Kalafinaが梶浦氏制作の過去曲を歌えなくなろなどということはない。また、ライブでKalafina曲を歌う際に梶浦氏本人にわざわざ許可を取る必要もない。
原盤権とはあくまでも既に録音、録画されたコンテンツに関する権利であるため、「Kalafina Anniversary LIVE 2025」で過去に収録されたコンテンツが使用されなければ、Sony Musicがライブに関与する可能性は必ずしもあるとはいえないだろう。
梶浦氏がXに投稿した声明文(2024年10月2日)
特にメンバーのKEIKOとHikaruは直近でもアニメのイベントで共演しているうえ、11月から始まる梶浦氏主催のライブ「Yuki Kajiura LIVE」 (以下YKL)への出演も決まっているだけに、梶浦氏への報連相がなぜなかったのかとSNS上では疑問の声が挙がっている。一部からは、「メンバー3人は梶浦氏に筋を通すべき」、「メンバー3人は梶浦氏に不義理を働いた」とまで非難される事態となってしまった。
アニメ「Fate/stay night」のコンサートで「ring your bell」を披露した梶浦氏、Hikaru、KEIKO、LINO LEIA(左から順に)。この日はLINO LEIAがWakanaのパートを担当した。(2024年9月22日)
だが、結論から言うと3人は不義理を働くような人物ではない。実際、Hikaruはソロのライブで初めてKalafina曲を歌唱する際には、梶浦氏に許可を求めに行ったと発言している。梶浦氏は「Kalafina の曲はみんなで作ったものだから」という理由でこれを快諾。更に今回KEIKOとHikaruがSNSに掲載したコメントにも梶浦氏への言及がある。このエピソードを踏まえると、スペクラに所属するWakanaはともかく、KEIKOとHikaruは本来であれば梶浦氏に無断でKalafinaの活動に関する話を進めるとは考えにくい。特にKEIKOは梶浦氏抜きでの活動に納得出来ず、一番最初に事務所を離脱したぐらいである。
KEIKOとHikaruがSNSに掲載したコメント文
では、なぜこのように拗れた結果になったのか。それはもちろん、事務所スペクラに原因がある。
後編でも触れたとおり、今回のKalafina復活の主導権はスペクラが握っており、スペクラの方針で梶浦氏を関与させないこととした。代わりにWakanaのソロ活動でサウンドプロデュースをする武部聡志が音楽監督に就任。元プロデューサーで楽曲の作者とはいえ、今回公演に関与しない以上は梶浦氏は部外者として扱わざるを得ない。そして、Kalafinaメンバーや関係者にも守秘義務があるので、今回の復活公演に関して個人的な判断で勝手に梶浦氏への報連相は出来ない。メンバー3人は復活公演には、梶浦氏やFBMに携わって欲しかっただろうがスペクラには逆らえず、3人揃って歌うことを優先してこの条件を受け入れたのだろう。
スペクラには現在Kalafinaの音楽プロデューサーであった梶浦氏だけでなく、現場プロデューサーであったM氏、事の発端となった女性幹部I女史、長年Kalafinaのマネージャーを務めたO氏も居ない。そもそもスペクラ音楽部門に所属していたアーティストはほとんど退社しており、現在音楽部門に所属するアーティストはWakanaを含めて2名。Kalafinaが解散してから5年以上も経っており、事務所の人事も大きく入れ替わっているとみられる。そのうえ、レーベルのソニーが関与しないのであればこれまでとは全く異なる運営体制になるだろう。そうなってくると、かつての関係者への報連相がスムーズに行われないのは仕方ないかもしれない。(とはいえスペクラはKalafinaをあまりにも雑に扱いすぎたどは思うが。)
前編はこちら↓
後編はこちら↓
この記事は前編、後編、番外編に分けて書き記す。以下の①と②の内容が前編、③と④の内容が後編、そして⑤が今回の番外編である。
①梶浦由記氏事務所退社の真相
②Kalafina分裂、活動休止の真相
③Kalafina活動休止後のメンバー、梶浦氏の動向
④Kalafina再結成に至った経緯、梶浦氏激怒の真相
⑤Kalafinaに関する権利関係
※①と②の内容はこれまでの報道内容と重複部分が多いため、既知の方は読み飛ばして後編をご覧頂いても良いと思う。
(前編からお読みになる方はこちら)
(後編からお読みになる方はこちら)
⑤Kalafinaに関する権利関係
Kalafina
ここでKalafinaに関する権利関係を整理しようと思う。
1. Kalafina楽曲の著作権
著作権とは曲を作った人が有する権利である。当然楽曲の著作権は作詞、作曲した本人が本来持つものであるが、日本の音楽業界においては著作権の管理を音楽出版社とJASRACに委託するのが一般的である。これは、実質的に作詞、作曲者は音楽出版社に著作権を譲渡するというような契約であり、JASRACを通して一度音楽出版社に支払われた著作権収入から手数料を差し引かれた残りが作詞、作曲者に支払われる仕組みである。Kalafina曲の場合ノンタイアップ曲のほとんどは、梶浦氏からスペースクラフト音楽出版に著作権が委託されている。つまり実質的に著作権は梶浦氏からスペクラ音楽出版に譲渡され、スペクラ音楽出版に入った著作権使用料収益の一部が今も梶浦氏に支払われていることとなる。ヒストリア等NHK番組の著作権はスペクラだけでなくNHK出版にも著作権が委託されている。その他、アニメのタイアップ曲などはソニーミュージックパブリッシングや放送局系列の音楽出版社に権利が委託されている。
そのため音楽出版社とJASRACに正式な手順を踏んで申請を行えば、Kalafinaの過去曲をメンバーのソロライブや、YKL、そして今後Kalafinaライブで披露することは何も問題無く行うことが出来る。
梶浦氏のX投稿
梶浦氏がXの投稿でも説明しているとおり、Kalafinaのプロデューサーから梶浦氏が離れたとしても、Kalafinaが梶浦氏制作の過去曲を歌えなくなろなどということはない。また、ライブでKalafina曲を歌う際に梶浦氏本人にわざわざ許可を取る必要もない。
2. Kalafina楽曲の原盤権
著作権が曲そのもの(歌詞やメロディー)に関する権利であるのに対し、原盤権とは録音、録画された音源や映像等のコンテンツに関する権利である。つまり、Kalafinaの場合はこれまでにリリースされた全楽曲の音源、MV、ライブ映像等の権利を所属レーベルであるSony Musicが有していることとなる。今後活動を再開したKalafinaの所属レーベルが引き続きSony Musicである場合は全音源、映像の権利をSony Musicが保有することとなる。別レーベルに移籍する場合は過去コンテンツの権利をSony Musicが、新しいコンテンツの権利を移籍先レーベルが保有することとなるだろう。原盤権とはあくまでも既に録音、録画されたコンテンツに関する権利であるため、「Kalafina Anniversary LIVE 2025」で過去に収録されたコンテンツが使用されなければ、Sony Musicがライブに関与する可能性は必ずしもあるとはいえないだろう。
3. Kalafinaのマネジメント権
上記のとおりKalafinaの楽曲やコンテンツの権利は各関連会社が保有しており、KalafinaメンバーのKEIKOは現在トライストーンエンタテインメントとマネジメント契約をしている。Hikaruは現在どこにも属さないフリーランスである。だが、グループとしてのKalafinaのマネジメント権は現在もスペースクラフト(以下スペクラ)が持っていると考えられる。そのため、今後3人のソロ活動のマネジメントは各自の所属事務所の管轄となるだろうが、Kalafinaとしての仕事の主導権は結局スペクラが全て持っていると考えていいだろう。「Kalafina Anniversary LIVE 2025」もスペクラが主導権を持っており、現在はスペクラを離脱したKEIKO、Hikaruに出演依頼をするという形になっていると考えられる。4. Kalafinaは梶浦氏に不義理を働いたのか
今回のKalafina復活ライブについて、メンバー3人は梶浦氏に正式な説明をしていないことが、梶浦氏がXに投稿した声明文から明らかになっている。梶浦氏がXに投稿した声明文(2024年10月2日)
特にメンバーのKEIKOとHikaruは直近でもアニメのイベントで共演しているうえ、11月から始まる梶浦氏主催のライブ「Yuki Kajiura LIVE」 (以下YKL)への出演も決まっているだけに、梶浦氏への報連相がなぜなかったのかとSNS上では疑問の声が挙がっている。一部からは、「メンバー3人は梶浦氏に筋を通すべき」、「メンバー3人は梶浦氏に不義理を働いた」とまで非難される事態となってしまった。
アニメ「Fate/stay night」のコンサートで「ring your bell」を披露した梶浦氏、Hikaru、KEIKO、LINO LEIA(左から順に)。この日はLINO LEIAがWakanaのパートを担当した。(2024年9月22日)
だが、結論から言うと3人は不義理を働くような人物ではない。実際、Hikaruはソロのライブで初めてKalafina曲を歌唱する際には、梶浦氏に許可を求めに行ったと発言している。梶浦氏は「Kalafina の曲はみんなで作ったものだから」という理由でこれを快諾。更に今回KEIKOとHikaruがSNSに掲載したコメントにも梶浦氏への言及がある。このエピソードを踏まえると、スペクラに所属するWakanaはともかく、KEIKOとHikaruは本来であれば梶浦氏に無断でKalafinaの活動に関する話を進めるとは考えにくい。特にKEIKOは梶浦氏抜きでの活動に納得出来ず、一番最初に事務所を離脱したぐらいである。
KEIKOとHikaruがSNSに掲載したコメント文
では、なぜこのように拗れた結果になったのか。それはもちろん、事務所スペクラに原因がある。
後編でも触れたとおり、今回のKalafina復活の主導権はスペクラが握っており、スペクラの方針で梶浦氏を関与させないこととした。代わりにWakanaのソロ活動でサウンドプロデュースをする武部聡志が音楽監督に就任。元プロデューサーで楽曲の作者とはいえ、今回公演に関与しない以上は梶浦氏は部外者として扱わざるを得ない。そして、Kalafinaメンバーや関係者にも守秘義務があるので、今回の復活公演に関して個人的な判断で勝手に梶浦氏への報連相は出来ない。メンバー3人は復活公演には、梶浦氏やFBMに携わって欲しかっただろうがスペクラには逆らえず、3人揃って歌うことを優先してこの条件を受け入れたのだろう。
スペクラには現在Kalafinaの音楽プロデューサーであった梶浦氏だけでなく、現場プロデューサーであったM氏、事の発端となった女性幹部I女史、長年Kalafinaのマネージャーを務めたO氏も居ない。そもそもスペクラ音楽部門に所属していたアーティストはほとんど退社しており、現在音楽部門に所属するアーティストはWakanaを含めて2名。Kalafinaが解散してから5年以上も経っており、事務所の人事も大きく入れ替わっているとみられる。そのうえ、レーベルのソニーが関与しないのであればこれまでとは全く異なる運営体制になるだろう。そうなってくると、かつての関係者への報連相がスムーズに行われないのは仕方ないかもしれない。(とはいえスペクラはKalafinaをあまりにも雑に扱いすぎたどは思うが。)
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