坂上秋成

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坂上秋成
@ssakagami7776
作家、1984年生。主な作品に「陽炎のほとり」、『ファルセットの時間』、『夜を聴く者』、『惜日のアリス』、『モノクロの君に恋をする』、『ONE PIECE novel LAW』『Keyの軌跡』、『TYPE-MOONの軌跡』。連絡先:ssakagami0727☆gmail.com
東京Joined January 2010

坂上秋成’s posts

見城徹が津原泰水さんの作品の実売数を公表し、嘲笑したのは端的に言って最低の行いだ。ふざけるなと思う。出版社の社長が著者を不当な方法で、人目に触れる場で攻撃し辱めようとすれば書き手は少なからず萎縮するだろう。津原氏への侮辱はあらゆる作家への侮辱である。
かつてね、潜水艦にポーラータングって名前が付けられる瞬間を書いたんですよね……作者だからヴォルフも大好きでね……もう涙が止まらず……今日はラーメン食べて寝るだけの一日にしかできない……
端的に言えば「けいおん!」が実写化されたら確実に黒歴史となるだろうけど「響け!ユーフォニアム」の実写化なら面白くできるだろうという話なんだな。黄前久美子や高坂麗奈は声も喋り方もアクションも、隣のクラスにいてもおかしくない存在だけど、平沢唯はどう考えても人間ではない。
とても大事なことを言います、明日自分が死んだらこれを作家としての遺言にしてほしいくらいの。 酒を飲まなくても、人を殴らなくても、煙草を吸わなくても、小説は書けます。文学は、できます。重要なのは、生活習慣と文学を結びつけ、それを強制してくる人間に惑わされないことです。
「Fate/Grand Order」がもたらす新しいスマホゲームの形――奈須きのこ×塩川洋介が語るFGOの軌跡と未来とは 4gamer.net/games/266/G026さんから FGO第1部完結記念ということで、奈須さんと塩川さんにインタビューしたよ!
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作家が数字のことを一切考えないでいいとは思わない。だが、わざわざ作家などという奇妙で効率の悪い仕事を選ぶ人間の多くは、きっと数字のみに還元できないものを表そうとしている。そこに矜持を持っている。俺はその人たちのことを信じているし、数字の外で愛している。
「正三角関係」、長澤まさみと松本潤の演技に圧倒された。とりわけ長澤まさみの二役使い分けや早着替えや妖艶さにはずっと驚かされていた。マツジュンは最後の長尺のセリフがほんと最高で、本人も泣いてたけど観客もスタンディングオベーションしながら号泣です。
むかし付き合ってた人と、「クリスマスなんだけど、ルナシーのライブあってそっち行ってもいい……ごめん……」と言われ「なんで謝るの? そこでルナシーより俺を優先するようなやつなら、そもそも付き合ってないわ」と返すイケメンな会話を交わしたことがある。
なぜ翻訳の仕事は、軽く見られがちなのか。誰が訳すかによって、出来上がる「作品」は全く別のものになる。翻訳というのは一種の批評であり、クリエイティブな活動だ。良い訳をする翻訳者に、僕は常に敬意を払っていきたい。読めたものじゃない酷い日本語に訳す人も少なからずいるのだから。
あとめっちゃ普通のこと言いますけど、映画やドラマやアニメを倍速や早送りするのは全部本人の自由だけど、演出とか演技とか間とか、つまりは「あらすじ」の外側にある情報を無視してる以上、作品について何も語るべきでないやなと思っています。
たとえばバレンタインイベントの時は、女性キャラ限定ガチャとかチョコイベントとかあって、それを喜んでいたのに、ホワイトデーでそれを逆転させたら同性愛をいきなり持ち出して怒りだすというのは、そもそも異なるジェンダーやセクシャリティと文化を共有できると思っていないということなんですね。
ガールズバンドクライ、マジレスすると井芹仁菜の社会不適合の極みに注目集まるのは分かるし大事な要素だけど、アイドルって概念に対してロックはどこまで戦えるのかって話を2024年に蒸し返してやって視聴者呑み込んでるってのが一番重要なんじゃないか。
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そこには矜持がある。祈りがある。美しい物を作り届けることには、資本主義の論理とは異なる、人が生を送ることに希望を見出そうとする意志と倫理がある。文学が作られ紡がれ、人と繋がっていくというのはそれを前提にした行為だ。1000人の人間と繋がる言葉を生んだのなら、それは素晴らしいことだ。
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作家は読者の心に響くように作品を作り、届くことを祈る。1000人の人間が一冊の小説を読んで、多かれ少なかれ世界の見方を変える。これを美しいと思えないのなら、なんのために文学があるっていうんだ? なんのために人が作品を作るっていうんだ?
「Fate/stay night」で重要なのは、遠坂凛だけがトラウマを背負ってないという点なんですね。イングランドを滅ぼした罪悪感も、自身が汚されているという感覚もない。だからこそUnlimited Blede Worksは凛じゃなくシロウとシロウの物語だし、彼女は救済される側じゃなく、むしろメンターとして輝く。
【告知】11月24日に星海社より『TYPE-MOONの軌跡』(著:坂上秋成 監修:TYPE-MOON 装線画:武内崇)が刊行されます! すでに多数の関係者へのインタビューも行っており、濃厚な一冊になること間違いなしです。 TYPE-MOONの歴史、魅力をがっつり語ります!!
『Keyの軌跡』、見本誌ができたんだね! 最速で25日月曜から書店に並びます。安全に買えるのは28-29くらいからかと。よろしくです!!
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で、これに対して、「今回のガチャ引く奴は糞ホモ」とか「ノンケに配慮しろ」とか「腐女子に媚びんな」とかそういった書き込みが散見される。勿論、大半の人はそんな風に考えないだろうけど、こんな風にキャラゲーで性差別が露骨に出るのは初めて見たのでいささか戸惑いがあります。
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1000部というのは出版社にとって経済的利益になる数字ではない。そして会社が慈善事業でない以上、それは無視できることでもない。 しかし、1000部本が売れるというのは、本当は凄いことなのだ。1000人の人間がある小説を読むということは極めて尊いことなのだ。
インターネットを通してマスを相手にした時、一切のアイロニーやユーモアは機能しないということに愕然とした。不謹慎な名称が作品に付けられていた場合、「なんのために」という思考が一切働かず脊髄反射的に攻撃する人がほとんどだということ。つまりはグレーゾーンが存在しないのだ。
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それは会社が手放しで喜べる数字ではないかもしれない。けれど、もしも出版社がベストセラーを出して数字だけを追い続けるというのなら、文学に関わらなければいいじゃないか。もっと効率のいい経済活動をすればいいじゃないか。それなのに多くの出版社が、編集者が、文学に携わるのは何故なのか。
元気があれば明日少し細かいツイートをしたいけど、野田地図「正三角関係」、最高でした。演劇を観た中で最も心が動いた。文学と政治をこれほど滑らかに然し危うく繋げる技術に感動。みんなが空を見上げればどうなるか、という主題の扱いがあまりに素晴らしい。よかった。
唐突ですが、今日は『Fate/Grand Order』で個人的にかなり悲しい話がありました。ゲーム内容や運営への文句ではなく、2ちゃんねるやその他SNSでの同性愛差別、および男性オタクによる腐女子への蔑視が露骨になっていた点についてです。
具体的には『空の境界』『月姫』から『FGO』までの軌跡を辿ることになります。 TYPE-MOON監修のもと、これまで世に出なかったエピソードなどを盛り込んでいるので、 是非とも期待していただければ!
このあたりの話は「おそ松さん」ブームとも繋がるんだろうけど、とりわけ男性から女性のオタク(あるいは腐女子)への蔑視、さらには男性キャラを愛でる/支援する男性への蔑視というのは根深いのだなと実感しました。
しかし今回の4Gamerのインタビューやって一番ショックだったのはユーザーの年齢層!20代前半くらいまでが圧倒的という……。そんな事実にダメージ受けた古参のために改めて5年前にやったインタ貼っておきます。「輝かしい星が見る夢」archive.fo/Bwvfp
けど逆に、大勢の人間を巻き込んでのメタゲームが行われてるからこそ表面化する差別構造がある。具体的に言うと、今度FGOでホワイトデーイベントが始まります。ガチャで出るのは男性のみ、新規キャラも男性のみ、装備カードも女性向けイラストという感じです(詳しくはHP見れば分かります)。
『ビジュアルノベルの星霜圏』、表紙と目次おいておきます。11/11の文学フリマ東京、サークル「最終批評神話」で販売予定です。ぜひこの機会に買っていただけると。10年経ってもいい本だと思います。よろしくお願いします!!
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イメージしてほしい。1000人の人間に届くというのは、ひとつの高校の全生徒に届いているようなものだ。それだけの数の人間に感動を与えた、与え得るというのは称賛されるべき営為だ。
あ、さっきのツイート、途中のページへのリンクになってた。1ページ目からのリンクはこっちで。「輝かしい星が見る夢」archive.fo/2ovph 当時のTYPE-MOONの軌跡の全てを訊きたいという主旨のインタビューだったので、遡って色々知りたい人はぜひぜひ。
眠すぎるので遺書的にラスト呟くと、本当は「面白いけど初動が微妙なもの」の価値を守っていくのが多くの人に嫌われる批評という仕事の重要な役割なんだけど、真にいい批評は消化に時間かかるので、高速性極まったネット世界と相性悪すぎるので、どこかに「遅い世界」を求める必要は絶対にあるよ。
なぜ人間は「アニメ好きですよ」「BL読みますよ」でいいところを「アニメ観るオタクなんすよ!」「わたし腐女子なんで!」と属性化してアイデンティティを確保しようとするのだろう。それほどまでに孤独が怖いのだろうか。人間。
『TYPE-MOONの軌跡』(星海社新書)、11月24日発売です! 装線画は武内崇さんに描き下ろしていただきました。 TYPE-MOONの20年にわたる歴史を俯瞰するとともに、様々なエピソードや作品論を詰めこんだ一冊です。これから知りたいと思っている人にも、以前からファンだった人にも読んでもらえれば幸い
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さらざんまい。もし2019年現在、「欲望をひとつのアイテムで表せ」と言われた時に、悔しいが俺だったら「(アマゾンの)箱」は思いつかない。今後の展開は読めないが、さらざんまい、世界に溢れる大量のアマゾンダンボールをメタファーに使ったのがあまりに的確で、さすがイクニと思うしかない。
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しかし、如何に見城が最低かは文学に関わる大勢の人が書いてくれているので俺はこれ以上言及しない。それよりも、津原さんの著作の実売数が1000部だったというその意味について、書き手や読者や編集者に考えてもらいたいことがある。分かってほしいことがある。
『BANANA FISH』を安っぽく「BLうはー!」みたいに語られると凄い腹立ってしまうのは、そこに「アッシュが常に不快な性的視線と性暴力に晒されていた」という視点がないからです。「光の庭」でシンが、アッシュとエイジに性的な関係はなかったとわざわざ言ったことの意味とかは考えてほしい。
男性/女性でもヘテロ/クイアでもオタク/腐女子でも何でもいいんだけど、複数のトライブがあって、「同じように」ではないけど多様に作品を楽しめる。その環境こそが大事なはずだし、それを前提にしないと作品のメタコミュニケーションは差別闘争になってしまう。
僕が今回驚いたのは、現実のコミュニケーションだとネタ消費程度ですむバレンタインやホワイトデーというイベントが、キャラクターを通したフィクションやゲームの中では、色濃く差別意識を表出させるという点です。実際、男女幅広く参加してるコンテンツがそう多くないというのもあるんだろうけど。
次の文学フリマ、『ビジュアルノベルの星霜圏』を再販することになりそうです。市場価格が10000とかひどいと15000とかになってて、これはもっかい刷った方がいいなと。詳細はまた追って告知します。刷り部数確定してないので買うぜ!って人はふぁぼってくれると嬉しいです
まあメインに言いたかったことはそれだけなんだけど、でもさ、そんなFateをプレイしながら人を見下したり差別するって、一体あなたたちはstay nightや空の境界やhollow ataraxiaから何を学んできたんだとは言いたくなるよね。
やっぱり僕は「両儀式」の在り方(性も肉体も持たない孤独)や、臙条巴や衛宮士郎の生き様を見ているはずの人たちが、自分たちと別の在り方で生きている人を、馴染めないというだけの理由で見下してるのを見ると、とっても悲しいのですよ。
実際、ジェンダーやセクシャリティが大きく異なるような場合、「同じように消費する」ことは割と難しいはずです。たとえば「おそ松さん」にしても僕の楽しみ方と、多くの女性オタクの楽しみ方は違うはず。けれどこの場合、「同じように」の部分は全然重要じゃないんですよね。
こういうツイートは心の底からどうでもよくて、ロラン・バルトは作者=絶対という図式を崩すために「作者の死」という概念を提唱したわけですね。 ともあれ、読者の解釈、つまりは見た人がどう感じたかという素朴な感情が一番大事だと思いますよ。
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のこり湯🛁
@Nothingday1006
#金曜ロードショー #聲の形 さて今夜の金ローでまた #川井を許すな のタグがトレンドに上りそうなので川井みきについての作者と監督の言葉、注意書きを置いときます
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漫画・ライトノベル・ノベルゲームなどで「初めの一週間の売れ行きで続くかどうか決まる」というのは所与の事実となっていて、そうである以上これまでと同じように振る舞っていたら、分かりやすく売れるものだけ続き、面白いけど初動が微妙なものは消えていくことになる。これは文化として切なすぎる。
僕の願いはFGOでTYPE-MOONおもしれーって思った人が、すぐに手に入って20時間くらいでプレイできる最高の演出・キャラ・シナリオのゲームとして『魔法使いの夜』をプレイすることです。 改めて凄いと思います。演出など込みにしたら、紛れもなくビジュアルノベルという形式の最高峰。
情報解禁されたので告知を。10月19日発売の「ONE PIECE magazine vol.4」より、ノベライズとしてトラファルガー・ローの物語を連載します。ハートの海賊団の過去をじっくり書いていく予定です、よろしく!!
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とりあえずソシャゲというのは、現状すでに単体の作品として完結するものではなく、その作品についての外部のコミュニケーションが行われることを前提にしたゲームになっています。それはおそらく運営サイドも分かっているはずで、だからこそネット上でしか知れない隠しデータとかも存在する。
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グレーゾーンが存在しない場合、人は常に善か悪か、許されるか許されないかという二元論を強いられる。しかし民主的な議論(そんなものが成立するとしてだが)というのはAかBに人を追いやるのではなく、お互い意見は違うけれど落としどころを見つけましょうという「寛容」の精神抜きにはあり得ない。
なんとか多くの人に『ミスター味っ子Ⅱ』を読んでほしいと考えた結果、この画像以上の販促はないという結論に至りました。
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比喩表現を正しいメンタルで書くって難しいですよ。漫然と書いてると「まるで血に染まったような夕焼けが~」とかのクソ文かましてたりするし、かといって独創性ウオオ!ってなって「その夕焼けは四川風の麻婆豆腐を想わせた」ってなったらもう死にたいじゃないですか。
タバコが健康を害することとは無関係に、いまの社会の息苦しさと禁煙ファシズムが直結してることに気づかないやつはクソだ。
で、このメタコミュニケーションの部分は、人によるかもしれないけどなかなかに楽しいものです。それこそ2chのスレにしても、作品やキャラに関する雑談や議論は結構有意義だったりします(勿論、酷い言葉を使う人は常にいるけど)。
己の人生と愛とを天秤にかけた結果、ウマ娘を削除しました。毎月50万飛ばしてたら生きていけないぜ!! 残念ながら中毒性が高すぎた……仕事の時間削られるのもいやだしやむを得ない決断。くっそー、もっと楽しみたかった。