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 台風とは?
 

台風とは台風の一生台風の大きさと強さ台風の気圧台風の目台風の番号と名前ハリケーンと台風関連ページ

 

台風とは

 先ず台風の定義について。熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼び,このうち北西太平洋で発達して中心付近の最大風速がおよそ17m/s(風力8)以上になったものを「台風」と呼びます。

 台風は上空の風に流されて動き,また地球の自転の影響で北へ向かう性質を持っています。そのため,通常東風が吹いている低緯度では台風は西へ流されながら次第に北上し,上空で強い西風(偏西風)が吹いている中・高緯度に来ると台風は速い速度で北東へ進みます。ちょうど日本付近で北東方向に進路が変わるわけです。

 台風は暖かい海面から供給された水蒸気が凝結して雲粒になるときに放出される熱をエネルギーとして発達します。しかし,移動する際に海面や地上との摩擦により絶えずエネルギーを失っており,仮にエネルギーの供給がなくなれば2~3日で消滅してしまいます。今回の台風14号のように日本海の海水温が高い場合はエネルギー供給され、なかなか勢力が衰えないことになります。

 通常,日本付近に接近すると上空に寒気が流れ込むようになり,エネルギーの供給がなくたるため次第に台風本来の性質を失って「温帯低気圧」に変わります。あるいは,熱エネルギーの供給が少なくなり衰えて「熱帯低気圧」に変わることもあります。また上陸した台風が急速に衰えるのは水蒸気の供給が絶たれ,さらに陸地の摩擦によりエネルギーが失われるからです。

 

台風の一生

 台風の一生は,大別すると次の4つの段階に分けることができます。

●発生期

 台風は赤道付近の海洋で多く発生します。海面水温が高い熱帯の海上では上昇気流が発生しやすく、この気流によって次々と発生した積乱雲が多数まとまって渦を形成するようになり、渦の中心付近の気圧が下がり、さらに発達して熱帯低気圧となり、中心付近の風速が17.2m/sを超えたものを台風といいます。

●発達期

 発達期とは、台風となってから、中心気圧が下がり勢力が最も強くなるまでの期間を言います。暖かい海面から供給される水蒸気をエネルギー源として発達し、中心気圧はぐんぐん下がり、中心付近の風速も急激に強くなります。

●最盛期

 中心付近の最大風速は徐々に弱まる傾向に入りますが,暴風の範囲は逆に広がります。

●衰弱期

 台風は海面水温が熱帯よりも低い日本付近に来ると海からの水蒸気の供給が減少し、熱帯低気圧や温帯低気圧に変わります。

 日本に接近する台風は主に最盛期と衰弱期のものです。

 

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台風の大きさと強さ

 気象庁は台風のおおよその勢力を示す目安として,下表のように台風の「大きさ」と「強さ」 を表現します。 「大きさ」は「強風域(平均風速15m/s以上の強い風が吹いている範囲)」の半径で,台風の「強さ」は「最大風速」で区分しています。さらに,強風域の内側で平均風速25m/s以上の風が吹いている範囲を暴風域と呼びます。

<強さの階級分け>
階級最大風速
強い33m/s(64ノット)以上~44m/s(85ノット)未満
非常に強い44m/s(85ノット)以上~54m/s(105ノット)未満
猛烈な54m/s(105ノット)以上
 

<大きさの階級分け >

階級風速15m/s以上の半径
大型(大きい)500km以上~800km未満
超大型(非常に大きい)800km以上

 大型は近畿から東北まで、超大型の台風は本州全土を覆うような大きさになります。

 台風に関する情報の中では台風の大きさと強さを組み合わせて,「大型で強い台風」のように呼びます。例えば「強い台風」と発表している場合、その台風は、強風域の半径が500km未満で,中心付近の最大風速は33~43m/sあって暴風域を伴っていることを表します。
 なお,天気図上では,暴風域を円形で示します。この円内は暴風がいつ吹いてもおかしくない範囲です。

(出典:気象庁)

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台風の気圧

 台風の勢力の目安とされるのに中心付近の最低気圧があります。
 
 過去日本列島に上陸した台風で最も気圧が低かったのは、1934(昭和9)年9月21日に高知県室戸岬付近に上陸した室戸台風です。このとき室戸岬測候所では911.6hPaの最低気圧を記録しました。
 
 地表面では、周囲の空気が台風の中心に向かって反時計周りにどんどん流れ込みます。気圧が低いほど空気が流れ込みやすくなり、流れ込む空気の風速も強くなります。そのため気圧の低さが風の強さの目安ともされます。流れ込んだ空気は巨大な渦巻きを作りながら中心付近では上昇気流となり積乱雲を作ります。
 
 海では気圧が下がることで海面が持ち上げられます。これを「吸い上げ効果」といいます。外洋では気圧が1hPa下がると海面が約1cm上昇するといわれています。地球表面の気圧は約1気圧、1013hPaです。ここに室戸台風並みの910hPaの台風が来た場合、中心付近では約103cmの海面上昇が起きます。周辺でも気圧に応じた海面の上昇がみられます。これが台風による高潮の一因となっています。

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台風の目

 台風は渦巻きの遠心力で周辺の雲が外側に広がり、中心には雲のない部分ができます。また中心付近の上昇気流は一部が中心へ下降します。こうして台風の目ができます。空気の動きが激しいほど台風の目がはっきりと確認できるようになります。台風の目の中に入ると無風・快晴となる時もあり、他の気象条件や台風の位置を誤解するような錯覚を起こす時があります。
 
 1954(昭和29)年9月26日、台風15号により5隻の青函連絡船が暴風と高波で遭難。特に洞爺丸では乗客・乗員1,155人が死亡する日本海難史上最悪の惨事となりました。台風15号は鹿児島県上陸後、日本海に入っても発達し、時速80km~100kmの猛スピードで北上、函館の北西海上で急に速度を落としました。台風としては異常な経過をたどったこと、台風の眼と判断した出航直前の晴れ間が、実際には閉塞前線によるものであったことなどが、出航の判断を誤らせた原因とされています。台風15号は洞爺丸台風と命名されました。

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台風の番号と名前

 気象庁では毎年1月1日以後,最も早く発生した台風を第1号とし,以後台風の発生順に番号を付けています。なお,一度発生した台風が衰えて「熱帯低気圧」になった後で再び発達して台風になった場合は同じ番号を付けます。

 台風には従来、米国が英語名(人名)を付けていましたが、北西太平洋領域で発生する台風防災に関する各国の政府間組織である台風委員会(日本ほか14カ国等が加盟)は、平成12年(2000年)から、北西太平洋領域で発生する台風には同領域内で用いられている固有の名前(加盟国の言葉で動植物や自然現象に関係する名前)をつけることになりました。

 平成12年の台風第1号にカンボジアで「象」を意味する「ダムレイ」の名前が付けられ、以後、発生順にあらかじめ用意された140個の名前を順番に用いて、その後再び「ダムレイ」に戻ります。台風の年間発生数の平年値は26.7個ですので、おおむね5年間で台風の名前が一巡することになります。

 なお、台風の名前は繰り返して使用されますが、大きな災害をもたらした台風などは、台風委員会加盟国からの要請を受けて、その名前を以後の台風に使用しないように変更することがあります。また、発達した熱帯低気圧が東経180度より東などの領域から北西太平洋または南シナ海の領域に移動して台風になった場合には、各領域を担当する気象機関によって既に付けられた名前を継続して使用します。このため、下の表に記されない名前が付けられた台風もあります。  

 命名した国と地域呼名片仮名読み意味
1カンボジアDamreyダムレイ
2中国Longwangロンワン龍の王
3北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)Kirogiキロギーがん(雁)
4香港Kai-takカイタク啓徳(旧空港名)
5日本Tembinテンビンてんびん座
6ラオスBolavenボラヴェン高原
7マカオChanchuチャンチー真珠
8マレーシアJelawatジェラワット淡水魚
9ミクロネシアEwiniarイーウィニャ嵐の神
10フィリピンBilisビリススピード
11韓国Kaemiケーミーあり(蟻)
12タイPrapiroonプラピルーン雨の神
13米国Mariaマリア女性の名前
14ベトナムSaomaiサオマイ金星
15カンボジアBophaボーファ
16中国Wukongウーコン(孫)悟空
17北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)Sonamuソナムー
18香港Shanshanサンサン少女の名前
19日本Yagiヤギやぎ座
20ラオスXangsaneシャンセン
21マカオBebincaバビンカプリン
22マレーシアRumbiaルンビアサゴヤシ
23ミクロネシアSoulikソーリック伝統の酋長称号
24フィリピンCimaronシマロン野生の牛
25韓国Chebiチェービーつばめ(燕)
26タイDurianドリアン果物の名前、ドリアン
27米国Utorウトアスコールライン
28ベトナムTramiチャーミー花の名前
29カンボジアKong-reyコンレイ伝説の少女の名前
30中国Yutuイートゥー民話のうさぎ
31北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)Torajiトラジー人知れず咲く美しい花
32香港Man-yiマンニィ海峡の名前
33日本Usagiウサギうさぎ座
34ラオスPabukパブーク大きな淡水魚
35マカオWutipウーティップちょう(蝶)
36マレーシアSepatセーパット淡水魚の名前
37ミクロネシアFitowフィートウ花の名前
38フィリピンDanasダナス経験すること
39韓国Nariナーリー
40タイWiphaウィパー女性の名前
41米国Franciscoフランシスコ男性の名前
42ベトナムLekimaレキマー果物の名前
43カンボジアKrosaクローサ
44中国Haiyanハイエンうみつばめ
45北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)Podulポードルやなぎ
46香港Linglingレンレン少女の名前
47日本Kajikiカジキかじき座
48ラオスFaxaiファクサイ女性の名前
49マカオVameiヴァーメイ陽気なつぐみ
50マレーシアTapahターファー淡水魚
51ミクロネシアMitagミートク女性の名前
52フィリピンHagibisハギビスすばやい
53韓国Noguriノグリーたぬき
54タイRammasunラマスーン雷神
55米国Chataanツァターンあめ(雨)
56ベトナムHalongハーロン湾の名前
57カンボジアNakriナクリー花の名前
58中国Fengshenフンシェン風神
59北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)Kalmaegiカルマエ ギかもめ
60香港Fung-wongフォンウォン山の名前(フェニックス)
61日本Kammuriカンムリかんむり座
62ラオスPhanfoneファンフォン動物
63マカオVongfongヴォンフォンすずめ蜂
64マレーシアRusaルーサーしか(鹿)
65ミクロネシアSinlakuシンラコウ伝説上の神
66フィリピンHagupitハグピートむち打つこと
67韓国Changmiチャンミーばら
68タイMekkhalaメーカラー雷の天使
69米国Higosヒーゴスいちじく
70ベトナムBaviバービーベトナム北部の山の名前
71カンボジアMaysakメイサーク木の名前
72中国Haishenハイシェン海神
73北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)Pongsonaポンソナほうせんか
74香港Yanyanヤンヤン少女の名前
75日本Kujiraクジラくじら座
76ラオスChan-homチャンホン木の名前
77マカオLinfaリンファはす(蓮)
78マレーシアNangkaナンカー果物の名前
79ミクロネシアSoudelorソウデロア伝説上の酋長
80フィリピンImbudoインブードー漏斗(じょうご)
81韓国Koniコーニー鋭く鳴き声をあげる白鳥
82タイMorakotモーラコットエメラルド
83米国Etauアータウ嵐雲
84ベトナムVamcoヴァムコーベトナム南部の川の名前
85カンボジアKrovanhクロヴァン木の名前
86中国Dujuanドゥージェンつつじ
87北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)Maemiマエミーせみ
88香港Choi-wanチョーイワン彩雲
89日本Koppuコップコップ座
90ラオスKetsanaケッツァーナ木の名前
91マカオParmaパーマァマカオ料理の名前
92マレーシアMelorメーロージャスミン
93ミクロネシアNepartakニパルタック有名な戦士の名前
94フィリピンLupitルピート 冷酷な
95韓国Sudalスーダエかわうそ
96タイNidaニーダ女性の名前
97米国Omaisオーマイス徘徊
98ベトナムConsonコンソン歴史的な観光地の名前
99カンボジアChanthuチャンスー花の名前
100中国Dianmuディアンムー雷の母
101北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)Mindulleミンドゥルたんぽぽ
102香港Tingtingテンテン少女の名前
103日本Kompasuコンパスコンパス座
104ラオスNamtheunナムセーウン
105マカオMalouマーロウめのう(瑪瑙)
106マレーシアMerantiムーランティ木の名前
107ミクロネシアRananimラナニム「こんにちは」
108フィリピンMalakasマラカス強い
109韓国Megiメーギー
110タイChabaチャバハイビスカス
111米国Aereアイレー
112ベトナムSongdaソングダー北西ベトナムにある川の名前
113カンボジアSarikaサリカーさえずる鳥
114中国Haimaハイマータツノオトシゴ
115北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)Meariメアリーやまびこ
116香港Ma-onマーゴン山の名前(馬の鞍)
117日本Tokageトカゲとかげ座
118ラオスNock-tenノックテン
119マカオMuifaムイファーすもも
120マレーシアMerbokマールボック鳥の名前
121ミクロネシアNanmadolナンマドル有名な遺跡の名前
122フィリピンTalasタラス鋭さ
123韓国Noruノルーのろしか(鹿)
124タイKulapクラーばら
125米国Rokeロウキー男性の名前
126ベトナムSoncaソンカーさえずる鳥
127カンボジアNesatネサット漁師
128中国Haitangハイタン野生リンゴ
129北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)Nalgaeナルガエつばさ
130香港Banyanバンヤン木の名前
131日本Washiワシわし座
132ラオスMatsaマッツァ魚の名前
133マカオSanvuサンヴーさんご(珊瑚)
134マレーシアMawarマーワーばら
135ミクロネシアGucholグチョルうこん
136フィリピンTalimタリム鋭い刃先
137韓国Nabiナービーちょう(蝶)
138タイKhanunカーヌン果物の名前、パラミツ
139米国Vicenteヴェセンティ女性の名前
140ベトナムSaolaサオラー最近見つかった動物の名前

(出典:気象庁)

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ハリケーンと台風

 今回有名となったカトリーナはハリケーンですが、これも台風と同じく熱帯低気圧が勢力を増したものです。

 東経180度(日付変更線)より東側の北部大西洋・北東太平洋・南東太平洋にあるものがハリケーンと呼ばれます。ハリケーンは、最大風速が64ノット(1ノット(kt) = 0.51 m/秒)、つまり風速約33m/秒以上の熱帯低気圧です。これは「強い」台風に相当します。台風とハリケーン(Hurricane)の国際的な関係は少し複雑です。国際的な基準では英語のタイフーン(typhoon)は64kt/秒以上の最大風速を持ち、日本の基準の「台風」とは異なります。typhoonは「台風」ですが、「台風」がかならずしもtyphoonではないのです。また、日本の風速の測定は10分間平均で算出するのに対し、国際的には1分間平均で算出します。最大風速が同じハリケーンと台風では、台風の方が強いことになります。
 
 ハリケーンの発達は Tropical Wave→Tropical Depression(34kt/秒未満)→Tropical Storm(34kt/秒~63kt/秒)→Hurricane(64kt/秒以上)となり、Tropical Stormになった時点で名前が付けられます。あらかじめ準備されたリスト(National Hurricane Center)から命名していきます。

 

<関連ページ>

風速と感覚と被害(災害ミニ知識)

最大瞬間風速105メートルの世界 (平成25年台風第30号)

 

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