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2024.08.25 13:00

【閲覧注意】世界で最もゾッとする「究極のクモ」3種

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実際に危険かどうかではなく、その見た目から「ゾッとする」クモもいる。

2. ジャイアントハンツマンスパイダー:クモ綱の中で最も長い脚を持つ

アシダカグモ科の一種であるジャイアントハンツマンスパイダー(学名:Heteropoda maxima)は、広げると最長で30センチを超えるほどの巨大な脚を持つ。このあらゆるクモの中で最長記録の脚によって、堂々とした姿に見えるのだ。

ハンツマン(猟師)スパイダーは、その素早さと狩りの方法からそう名付けられた。また、その大きさと見た目から、ジャイアントクラブ(巨大蟹)スパイダーとも呼ばれる。(Shutterstock.com)

ハンツマン(猟師)スパイダーは、そのすばやさと狩りの方法からそう名づけられた。また、その大きさと見た目から、ジャイアントクラブ(巨大蟹)スパイダーとも呼ばれる。(Shutterstock.com)

ラオス原産のジャイアントハンツマンは、洞窟や暗くて人気のない場所で見つかることが多いため、そのことが気味が悪いという評判をさらに高めている。毛に覆われた細長い脚、狭い場所をすり抜けるのに適した平べったい体、そして独特のカニのような歩行パターンから識別できる。

体は一般的に白っぽい茶色か黄みがかった色で、脚に黒い縞模様がある。これが外見の気味悪さを増幅させている。もし、このクモに遭遇したら、そのとてつもない大きさと素早さに、どんなに勇敢な人でも思わず後退りしてしまうだろう。

3. ゴライアスバードイーター(ルブロンオオツチグモ):我々の知る限り最も重いクモ

ゴライアスバードイーター(学名:Theraphosa blondi)はまるで巨獣だ。南米の熱帯雨林、特にブラジル、ベネズエラ、ギアナを原産とするこのクモは、最大で体重が約170グラム、脚を広げた大きさは30センチ近くにもなる。脚の長さはジャイアントハンツマンよりわずかに短いものの、そのとてつもない重さからクモ界のヘビー級チャンピオンだ。

この大男の体重は170グラムにもなる。また、脚を広げた大きさは30センチ近く、大きさもジャイアントハンツマンに匹敵する。(Shutterstock.com)

この大男の体重は170グラムにもなる。また、脚を広げた大きさは30センチ近く、大きさもジャイアントハンツマンに匹敵する(Shutterstock.com)

威圧的な巨体と恐ろしげな名前にもかかわらず、ゴライアスバードイーター(「ゴライアス」は旧約聖書に登場するペリシテ人の巨人兵士。ヘブライ語でゴリアテ。「バードイーター」は鳥を食べるものという意味)は通常、鳥を狩ることはほとんどない。

身体的には鳥さえも食べる能力はあるが、主食は昆虫やミミズなどの虫、そして時には小型の齧歯類や両生類、爬虫類を捕食する。このクモが持つ最大で4センチ近くもある強力な牙は、獲物に毒を注入し、その体内を液化させ、獲物の肉を食べやすくするために使われる。

ゴライアスバードイーターの外観は、その大きさと同じくらいおぞましい。密生した赤褐色または黒色の剛毛に覆われ、頑強で毛深い体と脚を持つことから、さらに威圧的に見える。

これらのクモはいずれも生息する環境の中で繁栄するために進化を遂げ、クモの世界の中でも特に恐ろしげな特徴を発達させてきた。その形態にはクモが成り得る究極の姿が表れている。

forbes.com 原文

翻訳=日下部博一

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2024.09.30 11:00

若き起業家が提供するCAD生成AIが日本のものづくりに風穴をあける

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コンサルファームのrenue(リノイ)と先端技術開発企業のWOGOは、2024年6月に設計プロセスに生成AIの技術を用いる「3D・2D図面AI」をリリースした。人材不足や職人の高齢化などさまざまな課題が山積する製造業に、生成AIの技術が与えるインパクトについて探っていく。

renueとWOGOが提供する「3D・2D図面AI」は、「六角形の頭部ボルトネジをつくって」など自然な言葉で指示を行うことで3Dや2DのCADモデルを取得できるサービス。ほかにも仕様書アップロードや類似案件の指定による生成などが可能で、設計業務の自動化、時間短縮を実現できると、リリース直後から製造業や建築業のみならず多方面の業界で注目を集めている。

技術の高さと現場の理解を両輪として

「心を動かす、テクノロジーを創る」 をミッションに掲げるWOGOは、2021年1月の設立からわずか1年で、スマホでの3Dスキャン&3D編集が可能なアプリ「WIDAR」を提供するなど、世界から注目されているスタートアップのひとつだ。「3D・2D図面AI」が生まれたきっかけは、WOGO CEOの秦竟超(しん こえる。以下、秦)がrenueに相談を持ちかけたことに始まる。

「『WIDAR』をはじめとする我々の技術や知見を生かした新しい事業を模索していた際、生成AIの分野でさまざまなサービスを提供しているrenueさんの存在を知り、協業できないかとお話しさせていただいたのが始まりです」(秦)

renue 代表取締役の山本悠介(以下、山本)は「自社にとっても新しい事業創出に乗り出す、いい出会いだった」と振り返る。

「弊社はコンサルタントを軸にしていますが、課題を抱える企業に、これまでなかった着想による技術やサービスを付加することで、その企業を成長へとつなげていくことができないかと考えていました。WOGOさんの技術力が非常に高いことは周知の事実ですが、価値ある技術をユーザーに届けたいという強いに共鳴し、2社がもつ知見を合わせれば新しいサービスができると確信。まずは2D、3Dの技術と親和性のある製造業や建築業にアプローチを始めました」

製造業や建築業はDXが遅れている業種とも言われている。なぜなら、設計図や発注書、部材の指示書などあらゆる書類が企業ごとに異なることに加え、現場の状況や情勢にその都度応じていくことが必要とされる世界だからだ。

AIで目指すのは、あえて「80点」

一方で、業界の課題に生成AIを積極的に取り入れようとした関係者は少なくないと山本は言う。

「自社の課題を解決できないかと、近年提供され始めた生成AIのオープンソースを試したという事業者の方がいました。ですが、一般公開されているサービスの多くは、例えば特定のキャラクターを描くことはできても後ろ髪が正しく生成されないというようなことが多々あるのです。つまり、それらしいものは生成できるが、精密な生成はできていない。業界の現場では、こうした現実を目の当たりにして生成AIの技術導入を断念したという話を伺いました。

我々が提供するサービスは、数ミリまたはそれ以下の修正にも対応できる精密な技術をもっています。生成AIに疑念を抱いている方々にもう一度興味をもっていただけるよう、丁寧な説明と課題のヒアリングを繰り返すことで、賛同してくださる企業の方々を増やしていきました」

生成AIの技術力について、秦は次のように力説する。
「我々が提供する生成AIは、クライアントがこれまで行ってきた仕様書などを元データとしているため、完全にオリジナルの製品をつくることができる。また微細な調整も可能です。

ですが、100%の完成品を目指すのではなく、あえて人がつくった場合の80点を目指しています。そうすることで技術者の方に精度の高さを知ってもらいながら、自身がもつ技術と生成AIの違いに気づいてもらいやすくなる。またレビューがしやすく、より微細な生成を実現するためのフィードバックを得ることにもつながっています」(秦)
renue代表取締役 山本悠介

renue代表取締役 山本悠介

複数の企業の協力を経て、業界に共通する課題を認識したrenueとWOGOは、クライアントの事業体系に沿った独自のシステムを構築した「3D・2D図面AI」を創り上げた。

3D・2D図面AIは、指示事項となる「プロンプト」を入力することで、3Dモデルや2D図面を生成することができるサービスだ。既存のCADやソフトウェアを代替するのではなく、CADソフトを使える人材が不足している現場の課題をAIの力でサポートする。図面や3Dモデルを読み込み、規定に合っているかをレビューすることが可能だ。

「例えばオフィスを設計する場合、どんなスペースをいくつ作り、どんな設備を何個設定するかという要件定義を行い、その内容を議事録や仕様書として残します。その後、設計作業で図面を作成したのちに、施工時には担当者が要件と合っているかを目視で確認している。これには時間も労力もかかる。

本サービスを活用すると、2DのCADデータと議事録を読み込ませることで、要件通りに図面が作成できているかをサービス上で確認することができます」(山本)

現在、本サービスは部材メーカーを中心に活用されている。renueとWOGOが生み出した画期的なサービスは業界でも話題となり、中小企業だけでなく、大手企業からも声が掛かり始めているという。

これからの製造業を導く基礎技術へ

製造業には業界をまたぐ課題となる人材不足や、職人の高齢化で技術が伝承されにくいという課題がある。「3D・2D図面AI」はこうした課題の解決にも役立つと秦は話す。

「生成AIに業務を学習させるためには、現場の暗黙知をナレッジとして落とし込む必要があり、暗黙知が可視化されます。これにより技術の伝承はこれまで以上に効率的に行えるようになるでしょう。また『六角形の頭部ボルトネジをつくって』などの簡単な言葉で指示が行える点も多くの方にストレスなく活用いただける特徴のひとつとなっています」(秦)
WOGO CEO 秦竟超

WOGO CEO 秦竟超

2社が目指すのは、技術力と現場への理解という強みを生かし、製造業界にさらなるインパクトを与えることだ。

「リアルのデータを集めて、仮想空間でリアル空間を再現するデジタルツインも実現していけば、さらに可能性が広がっていきます。今後も技術力と現場への理解という強みを生かし、製造業の業務改革を行うことで日本の競争力を上げていきたい」(秦)

山本は「課題の多い業界に最新技術を導入することで、新たな魅力が生まれる可能性がある」と話す。

「ノルウェーでは漁師が若手エンジニアの人気の職業になっているという話があります。その要因のひとつは、持続可能な漁業を目指して政府が最先端の技術を漁業に導入したことにあると言われています。私は、人材不足や職人の高齢化など課題が山積している日本の製造業や建築業でも、最新技術を活用することで、ノルウェーと同じような状況をつくれるはずだと思っています」

技術の発展は思わぬ形で影響を広げていく。「3D・2D図面AI」が製造業界の基礎技術となれば、未来を大きく変えていくことになるだろう。

renue
https://renue.co.jp/

WOGO
https://www.wogo.ai

やまもと・ゆうすけ◎renue 代表取締役。2008年京都大学工学部に入学。10年に同大学を中退し、東京大学文学部ドイツ文学科に入学。卒業後はアクセンチュアにて金融・ITのコンサルティング業務に従事したのち、ジラフにてプロダクトオーナーやCMOを兼任。その後フリーランスを経て21年3月設立。

しん・こえる◎WOGO CEO。東京大学工学部電子情報工学科卒業。在学中に起業し、さまざまな業界にITコンサルティング/システム開発サービスを提供。2021年1月にWOGOを設立。

Promoted by renue | text by Kana Kubo | photograph by Kayo Takashima | edited by Aya Ohtou(CRAING)

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2024.06.16 11:00

米国を恐怖に陥れる「ジョロウグモ」、実は害虫駆除に効果的?

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Getty Images

現在地球上には5万種類以上のクモ類がいるが、最近米国東海岸の大部分を恐怖に陥れているのはジョロウグモだ。

日本、中国、韓国を中心に東アジアを原産とするジョロウグモ(学名:Trichonephila clavata)は、その大きさ、極悪とも言える外見、そして密航者のような移動手段を取ることで特に際立つ存在だ。彼らは厳密には「飛ぶ」ことはないが、人間の輸送システム、おそらく貨物船を使って彼らが世界各地へ「飛ぶように」広がっていると専門家たちは考えている。今年の夏、このクモたちが東海岸にも現れる可能性があることを米国のクモ恐怖症者たちが恐れているのはそれが理由だ。

しかしパニックになってはいけない。ジョロウグモに関するメディアの狂乱に惑わされる前に、考えておくべき3つの本質的事実を以下に説明する。

人体やペットに害を与える可能性は低い

あなたが痒みに非常に弱い体質だということでなければ、ジョロウグモの毒が人体に深刻な損傷を与えることは考えにくい。飼っているペットについても同様だ。起こりうる最悪の結果がアレルギー反応であり、最善のケースでは、あなた(あるいはあなたのペット)は一切このクモと対面することはないだろう。なぜならジョロウグモは極度の恥ずかしがり屋だからだ。

カラフルな警戒色とは裏腹に、ジョロウグモの毒は、典型的な昆虫より大きな生物に対してあまり効果的ではない。

地域生態系にプラスの影響も?

昨年、研究者らはジョージア州とサウスカロライナ州でジョロウグモのメス213匹をクモの巣から採集して彼らの食べた餌を分析した。このクモは、同じ種のオスとメスが、生殖器官以外にも異なる外見的特性を持つことを表す「性的二形」という特徴をもつ。

メスは、脚が最大10センチメートルにも達するほど大きいだけでなく、色彩も鮮やかだ。体は鮮やかな黄色と黒の縞模様で腹部には赤い斑点があり、容易にオスと見分けられる。一方オスは、はるかに小さくカラフルでもなく、地味な黒褐色のためメスよりも目立たない。

研究チームは、クモの内臓およびクモの巣に残った獲物の残骸の両方を調べた。クモが何を食べるかを特定することで、研究者らは地域生態系におけるクモたちの役割を推測することができた。これによって、もしジョロウグモがニューヨーク周辺の3州に到達した時何が起きるかに関する貴重な手掛かりが得られた。
次ページ > ジョロウグモは何を食べるのか

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2024.06.08 17:00

日本にも生息する「手のひら大の毒グモ」が米国各地で目撃

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Joro spider(David Madison/Getty Images)

手のひらほどの大きさの毒グモが、今年の夏にニューヨークを含む米国東海岸の都市に出現するかもしれないという話が、CBSニュースなどの大手メディアで報じられている。このクモは、約10年前に米国に上陸したが、米国北東部の都市部では、まだ目撃されていない。

約10センチの脚を持つ、黄色と灰色のしま模様のジョロウグモは、他の昆虫にのみ脅威を与える毒を持つことで知られ、サウスカロライナ州のクレムソン大学の調査によると、米国の南よりも北へと速く広がっている。

ニューヨーク・タイムズ(NYT)は昨年12月、このクモが早ければ今年の夏にニューヨークの近隣の州に現れるかもしれないと報じ、「このクモが出現するのは時間の問題だ」というジョージア大学の研究者のアンディ・デイビスの言葉を伝えていた。

これまでのところ、このクモの目撃報告の多くは米南東部のジョージア州で、次いでサウスカロライナ州とテネシー州となっている。しかし、ジョージア大学によるとここ最近は、ワシントンD.C.のすぐ北のメリーランド州でも目撃情報が寄せられているという。

このクモは人間に危害を加えることはないが、米国においては外来種であり、ハチやチョウ、スズメバチ、バッタ、ゴキブリ、カブトムシ、他のクモなどを捕食する。

ジョロウグモは、「記録された中で最も内気なクモの1つだ」と2023年のジョージア大学のレポートは述べており、このクモは無害な騒音に対して「1時間以上も固まる」という前例のない反応を示したという。

このクモは、ニューヨークのような大都市の環境にも適応可能で、ジョージア大学の研究者は、このクモが騒音やストレスに耐える性質を持ち、交通量の多い道路脇の電柱や街灯、信号機などに巣を張るケースがあることを確認している。このクモは、糸を飛ばして風の流れに乗って移動して、生息地域を広げているという。

ジョージア大学のデイビスは、このクモに噛まれると「ハチに刺されたのと同じくらい痛い」とNYTの取材に述べている。ただし、これまで約500匹のジョロウグモを扱った経験を持つ彼によると、このクモは挑発されない限り人間に危害を加えることはないという。

アジア原産のジョロウグモは、2013年頃に日本や中国、台湾、韓国からアトランタに向かうコンテナ船に乗って米国に上陸したと考えられている。ジョージア大学によると、米国南東部では、8月から10月にかけてジョロウグモを目撃しやすい時期になるという。同大学は、このクモが森林の端や小道沿いで見つけやすいと述べている。

ジョロウグモは、米国で話題となった複数の外来種の昆虫のひとつに挙げられる。2014年頃に米国に上陸した東南アジア原産のマダラランボ(Spotted lanternflies)も、生息数を増やしており、農作物を食い荒らし枯らしてしまうことから、当局は米国民に対してこの虫を踏みつぶすよう呼びかけるキャンペーンを展開している。また、外来種ではないが、セミも最近全米で発生しており、騒音に対する苦情が寄せられ、環境にさまざまな問題と利益をもたらしている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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