秋元議員の事務所を捜索 外為法違反事件巡り東京地検
カジノを含む統合型リゾート(IR)事業への参入を検討していた中国企業の日本法人元役員らが現金を不正に持ち込んだとされる外為法違反事件の関連先として、東京地検特捜部は19日、自民党の秋元司衆院議員(48)=東京15区=の東京都江東区の地元事務所や千代田区の衆院議員会館内にある議員事務所を家宅捜索した。
地元事務所には19日午前9時半すぎ、特捜部の係官ら約10人が捜索に入った。特捜部は既に秋元氏や元秘書らから任意で事情聴取している。押収資料を分析し、海外から持ち込まれたとされる資金の流れの解明を急ぐとみられる。
中国企業はインターネットでのくじ販売を手掛け、2017年7月に日本法人を設立した。17年8月に那覇市であったIR関連のシンポジウムに経営トップが参加。北海道留寿都村でのIR構想に投資する意向を示すなど、日本のIR事業への参入に意欲的だった。
日本法人の元役員らは海外から外為法が定める上限(100万円)を超える現金を無届けで持ち込んだ疑いが持たれている。特捜部は7~8日、秋元氏の元政策秘書と元私設秘書の自宅を外為法違反容疑の関連先として家宅捜索した。
秋元氏は10年に発足した超党派の国際観光産業振興議員連盟(IR議連)に参加。IR開設を促すIR整備推進法を巡っては法案を審議する衆院内閣委員会の委員長として、16年12月の委員会採決を取り仕切った。17年8月~19年9月に内閣府副大臣を務め、18年10月まではIRを担当した。
内閣府副大臣に就任する直前だった那覇市のシンポジウムでは基調講演者を務めた。