韓国メディアは、ほぼ一様に「石破茂政権の発足」を歓迎している。その理由は、石破首相の「自虐史観」と、それに伴う「対韓贖罪(しょくざい)意識の強さ」にある。端的に言えば、「付け入りやすい人物が首相になった」と見ているのだ。主要閣僚に、日朝国交正常化推進議員連盟のメンバーが入った内閣。日本の対半島政策は、村山富市政権時代に戻りかねない。
石破氏が自民党総裁選で僅差で勝利してから、韓国メディアの「石破評」には、必ずと言ってよいほど「歴史観」の文字があった。
そこで採り上げられているのは、韓国紙「東亜日報」とのインタビュー(2017年5月23日)での発言だ。
「歴代総理、日王(筆者註=石破氏は『天皇』と言っただろう)まで謝罪の意向を明らかにしたのに、韓国で受容されないことについては挫折感も大きい。それでも納得を得るときまでずっと謝罪するしかないだろう」
石破氏は翌日、後段の部分について「お互いが納得するまで努力を続けるべきだと話した」と釈明したが、東亜日報に抗議はしなかった。
そればかりか、20年1月には、再び東亜日報とのインタビューに応じた。石破氏と東亜日報の間には「隠された何か」があるのかと疑いたくなる。
このインタビューでは、安倍晋三政権の「ホワイト国外し」について「支持率を上げるために相手国を悪く言ってはいけない」などと述べ、文在寅(ムン・ジェイン)政権を喜ばせた。