コミュニケーションを大切に　システムとセキュリティでJAXAの宇宙開発を支える

入社時からシステム構築業務に携わっています。転職して間もない頃は、社内で使われる言葉（用語）の違いや業務の進め方の違いにやはり戸惑うものですが、システムユーザーが一万人以上いた前職と比較して、JAXAはユーザーの数が一桁少ない分、一人一人の顔が見えるところが大きな違いでした。電話やメールでも勿論やり取りしますが、私は必要とされているところまで足を運ぶことを重視しています。システムの構築のためには、まずは人間関係の構築が必要と考えております。ですので、入社当初から、直接意見を聞き、伝えるために相模原や調布等の各事業所へ赴きました。特に入社した頃はNASDA、ISAS、NALの3機関がJAXAに統合されて間もない時期で、各機関の文化の違いがまだ顕著な中、それぞれの要望に耳を傾けることが必要でした。各事業所の連絡会には必ず参加し、不満の解消や言いたいことをその場で言ってもらうようにしました。面と向かって話し合った方が理解し合え、「よく来てくれたね」と相手も迎え入れてくれます。少し考えが古いかもしれませんが、どんなに怒られても直接会いに行って分かってもらう、というのは前職で学んだことでもあります。

社内システムの構築業務から始まったキャリアが、時代のニーズに合わせてセキュリティ業務に移行していきました。今でこそ個人情報保護や機密漏洩防止の重要性が認識されていますが、携わり始めた頃は「情報セキュリティとは何か」から始まり、コンピューターウィルスの脅威からどうやって会社を守っていくのかなど、基礎から勉強しました。これまでの、ユーザーのニーズを聞いて社として必要なシステムを整備していくという立場から、どうやって外的脅威からJAXAを守るのか、盗まれてはいけないものを守るのか、とキャリア上大きなシフトチェンジとなりました。その中でJAXAが取り扱う情報の重要性を改めて認識すると同時に、「ロケット」や「人工衛星」に携わっていることもまた実感することができました。

優秀な人に囲まれている職場環境なので、常に刺激を受けています。理にかなった考え方をする人がとても多く、多様な意見を取り入れて仕事に活かすように心掛けています。周囲の人から学んだことは、吸収できるものはなるべく吸収していきたいと考えています。

現在は人工衛星から取得したデータの利用・活用のシステム構築に携わっています。また、先進レーダー衛星「だいち4号」（ALOS-4）の地上系システムの構築および地上系システムのネットワークインフラ業務を担当しています。異動してきたばかりであり、只今部門で使われる言葉と文化（仕事の進め方）を学んでいるところです。