36
さらに現場の近くへ「金庫番」としてJAXAの事業を支える
山田 みづき
2016年入社
経済学部卒
宇宙科学研究所 科学推進部
REASON入社の理由
天文部で深めた宇宙への興味 職業になるとは思っていなかった
元々宇宙や科学が好きで、中学と高校は天文部に所属し、ペルセウス座流星群の観測などを行っていました。JAXAのことは知っていましたが、理系の就職先という認識で、文系の私は職業として宇宙関係は考えたことがありませんでした。
就職活動は、モノ作りの現場に興味があり、メーカーなど幅広く検討している中で、JAXAが事務系の職員も採用していることを知りました。OB訪問やインターンは抽選が外れてしまったのですが、大学で官公庁の職業講演会が催され、法務・国際業務を担当しているJAXA職員の話を聞くことができました。講演会終了後にその方に質問をしたことがきっかけで他の職員から話を伺う機会をいただき、やはり好きな宇宙の開発に関わりたいと考え「記念受験」に近い気持ちで応募しました。
WORKわたしの仕事
「数字に耐性あります!」 JAXAを見渡す資金管理の仕事
入社前は、広報や新事業など、JAXAの仕事を社外にアピールできる仕事を志望していましたが、入社時の面談では全体を見渡せる部署を希望しました。経済学部出身ということもあり「数字に耐性ありますか」と聞かれ、経営推進部への配属となりました。外からは仕事の内容が見えにくい資金管理の仕事です。
経営推進部にいた約2年間でJAXA全体の事業や予算・契約の流れを勉強しました。経営推進部は会社全体の情報が集約される中心部署です。会社がどういう方向に進もうとしているか、今どういう問題が起きていて、それに経営層がどういう対策をとろうとしているのかなどについて、肌で感じることができました。また、様々な事業所や部署の動きを知ることができ、キャリアの初期にこの部署を経験したことで、より視野が広がりました。
現在は科学推進部に所属しています。宇宙科学研究所の「金庫番」として、様々なプロジェクトや事業が円滑に進むように事業計画の立案・資金管理を担当しています。プロジェクトの実行部隊である技術系の方々のお手伝いをすることで、事業の進捗をサポートできることにやりがいを感じています。JAXA全体を見渡す経営推進部からJAXAの一部門である宇宙科学研究所に異動したことで、所掌する業務が絞られ、より深くなり、さらに現場に近いところで働きたいと思うようになりました。
2020年に小惑星探査機「はやぶさ2」のカプセル回収隊に志願し、壮大なプロジェクトの集大成を経験する機会を得ました。通常の業務から約2ヶ月離れるため部署の理解は必須ですが、「10年に一度の機会だから行っておいで」と快く送り出していただけました。現地ではプロジェクトの後方支援に携わり、カプセル回収当日は「カプセル見つかりました」とオーストラリアから相模原の管制室に伝える役目も担いました。(相模原から全世界にその情報が発信されるので、とても緊張しました)。大きい目標に向かって一致団結するプロジェクトの醍醐味を体感し、「より現場に近く」という希望も叶えることができました。
どんな仕事でも、自分一人で進められるものはほとんどなく、日々周りの方に助けていただきながら働いているのだと感じます。特に推進部は調整が必要な関係部署が多岐に渡るので、色々な選択肢を考えて、常に先回りして準備しておくことの重要性を痛感しています。若手の意見を尊重してくれる周囲の方に恵まれて、仕事で自分の意見を述べる機会も多くなってきました。現場から、今度実験があるから見においでと声をかけてもらえるようにもなり、とても楽しいです。研究やプロジェクトへの理解が深まると、よりサポートしやすくなります。
FUTURE将来の想い
プロジェクトの最前線でスキルを活かしたい
私自身は目立たないことをコツコツやるのが好きなタイプです。資金管理の仕事は、日々の細々としたデータのチェックなど「マメさ」が必要なので、自分に向いている仕事だと思っています。今後は、事務系として必要な財務や契約の知識を習得し、今所属している宇宙科学研究所のプロジェクトの現場でスキルを活かしたいと考えています。宇宙科学研究所のプロジェクトは挑戦的なミッションが多く、誰も行ったことがないところへのチャレンジは困難を伴いますが、日常とはかけ離れた経験ができると思うとわくわくします。
JAXAは、国家レベルの大規模な宇宙開発に携われる、日本唯一の会社です。個性あふれるメンバーがたくさんいます。一緒に働きたいと思っていただけたら嬉しいです。
CAREER PATHキャリアパス
入社してからこれまでのキャリア
1st year
経営推進部推進課に配属される
JAXA全体の資金管理の仕事を担当。
3rd year
宇宙科学研究所科学推進部に配属される
資金管理の仕事を担当。
5th year
小惑星探査機「はやぶさ2」カプセル回収隊に志願する
企画班としてプロジェクトの後方支援に携わる。コロナ禍という特殊な状況下で総勢80名以上の回収隊の業務を動かし管理する事務系の苦労を体感し、多くの知見を得た。
THE OTHER SIDE OF THE MOON私の一面
中学・高校で所属していた天文部では文化祭の展示が一番のメインプロジェクトでした。一年かけて準備する名物展示で、模型製作やポスターづくりと校内の展示大賞に向かって部を上げて熱心に取り組んでいました。今思うと、仕事への向き合い方はこの時の経験が影響しているのかもしれません。