- 11じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/15(日) 19:09:55
- 21じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/15(日) 19:12:02
- 3二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 19:28:11
待ってました!
保守 - 4二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 19:31:54
- 51じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/15(日) 19:36:36
- 6二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 19:39:12
おかえりミカ主!
待ってた - 71じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/15(日) 19:45:45
- 81じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/15(日) 19:51:49
前回のあらすじ書いとくじゃんね☆
①ハナコのメンタルはだいぶ回復した
②安価の結果、ヒフミはサーヴァント含めて誰も犠牲にしないハッピーエンドを目指す事になった
③ヒフミはゲーム開発部メンバーにゲーム的な視点で聖杯戦争について考えてみてくれないかと頼んだ
〈前スレで募集して消化出来てない安価内容〉
ヒフミがモモイやアリスにトキについて聞いてから、ヒマリと話す方法を探して可能ならヒマリと話す。
アズサはサオリに連絡可能であれば相談、連絡可能じゃ無ければサオリや他のアリウススクワッド達との接触方法を探す
ミレニアム組はコハルはハナコに話しかけ、ユズとミドリはウイに連絡。
ヒフミ、モモイ、アリスはヒマリと話せなかった場合、もしくはヒマリと話した後に更に行動可能なら、ミネ団長の行方についてシスターフッドやナギサ(ナギサにはハッピーエンドについての相談も)を尋ねる。
ユズとミドリはウイへの連絡後ラビット小隊に協力要請の連絡をする。
後キャスターはヘルタースケルター連れて拠点周辺の調査とオートマタの回収。
〈ヒフミちゃんが話をしておきたいこと〉
③今の戦力で他陣営と戦うのに不足はないか
④仲間になってくれそうな人に心当たりはないか、⑤トキについて詳しく聞いてみるで
⑥ゲーム開発部から見て、聖杯戦争を一種のゲームと見立てた時、そのルールの穴を突く方法は思い浮かぶか、何らかのグリッチによってこの聖杯戦争を解決する案についても一つの案として考えてみる
⑧「先生に相談する」という選択肢について話す
とりあえず20時ちょい過ぎから投下するじゃんね☆ - 91じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/15(日) 20:03:02
【9日目午前・探索イベント】
私の言った『モモイちゃん達ゲーム開発部ならではの視点』という話に、彼女達は悩みつつぽつぽつと話始めてくれました。
「ゲームに見立ててってなると……聖杯戦争のジャンルはSRPG?」
「ストーリーモードありの格ゲーって……感じじゃないもんね」
「ダクスピのようなアクション系も考えられます」
「あ、人間性……確かに……あと私ちょっとハイロボ風な気もする、かな……?」
学校が違う。立場が違う。部活が違う。性格が違う。価値観が違う。これまで生きてきた中で得た物が違う。
私達はみんなバラバラです。
だからこそ、一人では解決策が思いつかなくて悩んでしまう問題だって答えが見つけられる、その筈なんです。
「全員倒して聖杯ゲット!でノーマルエンドでしょうか?」
「それならハッピーエンド分岐が誰も倒さないでエンディング迎える……と時間制限あるし……なら倒していい黒幕用意する、かな?私なら……」
「あと前から気になってたんですけど、そもそもなんでサーヴァントを倒さなきゃいけないんですっけ?」
ミドリちゃんの疑問に、セイバーさんとタブレットの映像越しのキャスターさんは互いに顔を見合わせてから少し躊躇って話してくれました。
「……うん、今更隠す話ではないから話しておくよ。サーヴァントの魂というのは非常に高密度の情報でね。魔術世界では情報とはそれその物が燃料として扱うんだ」
「それって……それじゃあ聖杯が願いを叶えてくれる手段って」
「基本的には倒されたサーヴァントの魂を格納した聖杯がそれを燃料にする……って考えてもらって構わないかな」 - 101じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/15(日) 20:04:18
聞かされた内容は決して気持ちのいい話ではなくて、みなさんの会話する声が止まってしまった。
私達にとってサーヴァントの方はすごく強いけど、お話出来て笑ってくれて仲良くなれる、そんな素敵な人達です。
決して道具とは、割り切れない。
だからそんな風に始めから燃料として扱われているという事に驚きも、悲しみも、胸をひどく重くするように感じました。
「キャスター、キャスター」
私達が押し黙る中、ふと、アリスちゃんがタブレットに向かって疑問を投げかけました。
「それだったらおかしいです。どうしてこの聖杯戦争は『自害』を禁止しているのでしょうか?」
言われてみればその疑問はもっともな話です。
あまり良くない言い方にはなりますが、サーヴァントを燃料として扱うなら、別に自害を禁止する必要どころか意味はありません。
「本来なら聖杯戦争を仕組んだ何者かがそういう形式でルールを設定した、と考えるのが順当だけれど……」
「監督役の黒服さんが言うには、彼らはそのルールを含めた聖杯戦争のシステム構築に一切関与していない、ですか……」
ユウカちゃんの言葉を引き継いだハナコちゃんの言う通り、あのライダー陣営の襲撃があった夜に黒服さんは自分たちは聖杯戦争のシステム周りには触れていないと教えてくれました。
「それもどこまで当てになるんだか……」
そういうコハルちゃんの気持ちもよく分かります。正直黒服さんはとても胡散臭いですし、何より『あの』アサシンさんのマスターです。
彼の言った話をそっくりそのまま鵜呑みにしていいかは悩んでしまいますが。
「私は……あの人の言ったこと、信じてみてもいいと思うんです」
「黒服さんは、確かに悪い大人だと思います。でも嘘は言わないと思うんです。そういう不誠実さはないって思うんです」 - 111じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/15(日) 20:10:21
あの人は多分悪い大人です。
必要なら相手を騙すでしょうし、大切な事は全て包み隠さずとはいかないでしょう。
でも私に嘘はつきませんでした。それが彼という人の確かな一面なのだと思うんです。
「ヒフミ。それでも私は……」
「彼はアサシンさんのマスターです。だからアズサちゃんが信じられない気持ちはよく分かります……だから味方とか全部信じるとか、そういうのはしなくて大丈夫です」
眉根を顰めて困った顔をするアズサちゃんの気持ちはよくわかります。
実際私も殺されかけたわけですしね。
「ただ黒服さんは頻りに取引と口にしていました。彼がどんな思惑で聖杯戦争に参加しているのか分かりませんし、どこまで信じていいかは分かりません。でもビジネスをする人間として、取引相手に敢えて不利益な、それも調べればもしかしたら後でわかってしまうかもしれない情報を渡す……そんな不誠実で雑な手は打たないと……私は思うんです」
私の言葉を最後に、また少し静かな時間が訪れました。誰をどこまで信じるべきか、まだまだ考える事は多そうです。
「もういっそさ、聖杯なんて壊しちゃおうよ」
そんな沈黙の中でモモイちゃんが口を開きました。
「……賞品を台無しにしてゲーム自体ひっくり返すってこと?お姉ちゃん」
「んー、分かりやすくない?私達、聖杯なんていらないんだし」
「それはそうだけど……」
提案された方法は少し乱暴かもしれませんけど、確かに彼女の言う通り分かりやすい方法です。
ただ、その方法には考えなくちゃいけない問題があります。
『単純だが分かりやすい解決手段である。少なくとも聖杯を物理的に破壊すればお前達マスターにかかっている魔力負担という問題は確実に解決する』 - 121じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/15(日) 20:21:59
キャスターさんの言葉には含みがありました。
「……それ以外の問題。たとえば今次以降の聖杯戦争が発生についてはその手段だと解決できない、って事ですか?」
私が想定していた聖杯の破壊による弊害というか問題、それ以外にもキャスターさんは問題があるのだと答えます。
『聖杯その物がどういった物なのかによるのだ。仮に物質的に存在するのであれば破壊してしまうなり、単純な魔力リソースとして使い切ってしまえばいいだろう。だが……』
言い淀むキャスターの言葉を引き継いでセイバーさんは顔を顰めながら教えてくれました。
「聖杯というのはそれ自体が形を持たない霊体として顕現する場合やその実態が術式という可能性もあるんだ。物理的に完全な破壊が可能なのかどうかすら現状定かじゃないんだよ」
「えー!ずるじゃん!それ!じゃあどうやって壊すのさ!」
「そもそも壊す事は想定していないんだろう。しかし、やはり魔術というのは私達の想像を遥かに超えていくな。実態がないとは」
これまでも聖杯の顕現といった形で話を聞いていましたがまさか聖杯に実態がないとまでは思ってませんでした。てっきり金色のティーカップかトロフィーみたいな感じだと思ってましたけど、どうやら違うみたいです。
「ここら辺は監督役の人に聞くしかないかなぁ……あとはなんとか探してみるとか?」
「聖杯探索クエストですね!アリスもやる気十分です!」
その言葉を聞いてセイバーさんが天を仰いでいます。そういえばアーサー王物語って確か……いえ、今はそれを考えるのはやめておきましょう。
それに……。
「だけどモモイ。聖杯を壊すって言っても、それはそれで問題が残るわよ」
私が考えている聖杯を壊す解決方法の問題点。恐らくそれと同じ事に思い当たったコハルちゃんがモモイちゃんに声をかけました。
「あり?そうだっけ?」
「聖杯を壊しちゃったら、願いを叶えられない……から……私達とかあと多分トキさんはそれでいいけど……他の人達の願いはまだ分かってないし……」
ユズちゃんの言う通り、聖杯を壊してしまうというのは無条件で他のマスターの願いを叶えないという事。 - 131じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/15(日) 20:35:46
「どんな形であれヒフミやモモイの命に負担をかけているのは聖杯だ。それを壊すという方向は私も賛成……だけど他のマスター……マリー達が何を思っているのか知らないまま壊してしまうわけにはいかないと思う」
「私もアズサさんの言う通り、かな?やっぱり命には替えられない、だけどトキさん達はきっと命に替えても叶えたい願いがある。ならそれを無視したり知らないまま壊す方向を選んだら……ゲームならそれこそバッドスチル回収じゃない?」
ミドリちゃん達の言葉は大事な物だと、私は思うんです。
どんな願いを、どんな想いで、聖杯に託してでも叶えようとしているのか。それを知る事こそがきっとマーリンさんの言っていた『二つ目の秘密』……四つの陣営の痛みを知るって事なんだと思うんです。
「ただそうなると、どんな願いか本人から聞いても答えが返ってくるかは分からないのが難しいね」
「少なくとも話し合いのテーブルには着いてくれるとなると、安守先輩になるでしょうか?」
「後は周りの人からの聞き込みっていう方法もあるわ。各マスターの事をよく知っている人から聖杯戦争開始前後の様子を聞いたりとか」
誰から聞くべきか、どうやって調べるべきか。
そしてその願いを聞いてからどんな風に交渉するべきか。考えることはたくさんありますけど、時間はまだありますから一つひとつ片付けていけばいいんです。それに幸いな事ですが。
「マリーちゃんとトキさんは……」
ここにはマリーちゃんの友達も、トキさんの友達もいます。その繋がりを辿っていけば、彼女達の願いにも辿り着けると思うんです。
「ある程度の予測でしたら。ただ答え合わせには私だけじゃなく、『彼女達』との話し合いが必要でしょう……戦力を測る意味でも確認しておく必要があります」
「トキ、ね……はっきり言って私達には彼女が何を考えて今みたいな行動してるかもさっぱりなのよ。彼女が最後に活動していたのはC&Cとしての任務ではなく特異現象捜査部だったから」
ハナコちゃんは少しだけ寂しそうに、けど目に強い光を秘めて。
ユウカちゃんは肩をすくめながら、どこか戯けたというか、まるで。
「だから聞くなら『私じゃないわ』」
サプライズを企画しているようなそんな茶目っ気のある顔で。
「そうですよね?」
───リオ会長。 - 14二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 20:39:16
生徒会長!!居たんかワレ!?
- 15二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 20:56:32
ユウカの隣のロボットから話してたのやっぱりリオだったか
- 161じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/15(日) 21:05:22
ユウカちゃんにそう言われて、彼女の横でずっと待機していた『ロボット』がキャタピラを少し前進させてから、そのなんというか、前衛的なデザインからはあまり予想できない綺麗な声で話始めてくれました。
『……ええ、そうね。もっとも、私のそれも予想になるけれど』
ずっと気になってはいたんです。でもみなさん、誰も突っ込まないですし、昨日の夜にオートマタの物資依頼もしてましたから、もしかしてそれなのかなって思ってましたけど。
『久しいわね、アリス、モモイ。そしてはじめまして、補習授業部の皆さん。私の名前は調月リオ、ミレニアムサイエンススクールの中枢、セミナーの代表よ』
まさか、四本腕のロボットの方が生徒会長だとは思いませんでした。
『……何か勘違いしているようだけど、今は貴女達が発注した光る!鳴る!DXあばんぎゃるど君プレミアムエディションを通して喋ってるだけよ』
あ、違うみたいです。
「違うのか……」
「ロボットじゃないんだ……」
「ミレニアムですからてっきり……」
「キャスターが呼ばれたのもてっきりそういう関係なのかと思ったんだが……」
『貴女達がミレニアムについてどう思ってるのかについて改めて後で聞かなくちゃいけないわね』
『セイバーよ。話す事ができた、後で我の工房に来るといい。盛大に歓迎しよう』
私達の思っているイメージはどうやら誤りだったのが分かったところで口をあんぐりと開けていたモモイちゃん達が慌て始めました。
「な、ななななんで会長!?」
「お久しぶりです!リオ会長!」
モモイちゃんは完全にパニック状態ですし、アリスちゃんはとびきりの笑顔です。確かにミレニアムのような大きな学校の生徒会長の方とは中々会う機会はないかもしれませんし、驚くのも仕方ないかもしれませんね。
『……元気そうでよかったわ、アリス。それとモモイさん、私が来たのが意外かしら?……あの時と同じよ。自治区だけでなくキヴォトス全体の危機。なら私がどんな形であれ動くのは自然な事ではないかしら?』 - 171じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/15(日) 21:14:54
それにと続けるロボットことアバンギャルド君は、機械ではありますけど、どことなく寂しげで。
『ユウカも貴女達ゲーム開発部の子も、アリスも。我が校の、ミレニアムの生徒が困っているのよ。なら、今度こそ味方になるのは当然でしょう?』
でも、その機械音がとても温かくて、彼女が優しい目をしている、そんな気がしました。
「貴女達の件について前々から相談したり連邦生徒会の過剰なアクションを抑えてもらうようにリオ会長には動いてもらってたの。三大校の生徒会長って立場はそれだけ力がある……私やノアの立場だけじゃ限界があるから」
そう言うユウカちゃんはどことなく誇らしげで胸を張っている。その反応でどれだけ彼女が調月会長の事を信頼しているかがよくわかります。
『ユウカやトリニティの会長達からこれまでの話を聞いたわ……大変だったわね、阿慈谷ヒフミさん』
「いえ、そんな!私は全然……」
『謙遜は不要よ。このキヴォトスで行われた超自然的な儀式に巻き込まれる、その辛さは理解しているつもりよ』
その言葉に、鼻の奥がつんとなる気がした。大変、だったねと労う言葉だけじゃありません。ユウカさんやナギサ様達とも協力してくれる人がここにもいるという事。その事実が嬉しかったんです。
『本当はもっとゆっくり貴女達の話を聞きたいところだけど、貴女もモモイも時間がない』
『だからまずは、トキについて話をしましょうか』
『あの子の願い、いいえ、命題に心当たりがあるの』 - 181じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/15(日) 21:18:40
- 19二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:09:29
そういえば投稿の方では他の陣営の召喚からこれまでがおまけで読めちゃう的な感じでいいじゃんね?
アーチャーとトキがここまで来るまでが少し気になってるじゃんね - 20二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:26:00
このレスは削除されています
- 21二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:40:06
このレスは削除されています
- 22二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:41:17
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- 23二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:57:47
個人的にリオ会長はパヴァーヌ最初にやった時は切嗣やエミヤみたいな正義持ってるキャラなんだなって思った記憶がある
最終編以降は色々スタンス変わっただろうけど
エミヤのマスターやってる世界線を何度か妄想した - 24二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:58:38
このレスは削除されています
- 25二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 23:10:02
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- 26二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 23:21:26
このレスは削除されています
- 27二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 23:34:51
お疲れ様です
ミカ主様、おかえりなさい
もう、黒服と会う時は先生を連れてって大人の交渉術に任せるのも手かもしれないな
そして聖杯探索、可能性があるとしたら……アビドスとかか? - 28二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 23:44:48
あれ、続き消えてる…?
- 29二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 00:13:22
このレスは削除されています
- 30二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 00:58:12
最初のスレから走ってきてようやくリアタイできる!
新米先生だけどめっちゃ楽しく読ませてもらってます!
ミカ主ファイト! - 31二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 09:37:28
保守
- 32二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 14:07:33
待ってた
- 331じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/16(月) 15:51:32
【Recommend BGM……〈someday,sometime〉】
『トキは、私が拾った子だった』
ゆっくりと、アバンギャルド君越しに調月会長は話始められました。
『優秀、だったの。黙々と任務を熟して私の求める成果をいつだって持って帰ってきてくれる。ユウカやノア、コユキともまた違う。難題解決の、そしてセミナーという中枢での仲間ではなく、側に仕えてくれる同士としてとびきり優秀なエージェント』
静かな声で語られる話はどこまでも淡々とした物ですけど、不思議と機械音なのに温かみがありました。
『でも変わった子だった。どことなく浮世離れしてる雰囲気で、表情なんてちっとも変えないくせに実は負けず嫌いの寂しがり屋。なのに、人と関わる事がとても苦手でいつも一歩離れて立ちたがる。その癖……情に厚い』
懐かしむように、噛み締めるように、抱きとめるように、その温もりを掌に乗せて、思い出しながら。彼女は話してくれる。
『仕事の事以外で話すなんて数えるほど、友人関係のような楽しい時間なんて、焦りに追われてた私には許されなかった……けど、側にあの子がいる時間、私は間違いなく恵まれていた。裏切らない誰かがそこにいる、その幸せが確かにあった』
それはきっと彼女とトキさんの、二人だけの特別な関係、私にはうまく言い表すことなんて出来ませんけど、彼女が今語ってくれていることはそんな一緒にいてくれた大切な人との大事な思い出なんだと思ったんです。
『以前の雇用主で今はもうあの子の前から去った私がこんな事を言うのは変だけれど、あの子はずっと……私に拾われた事に恩義を感じてくれていた』
調月会長の笑い声がスピーカー越しに聞こえる。それは溜め息に似た霞んだ笑いでした。
『彼女と一緒にいた頃、私は自分の事を誰も理解してくれないと、私一人でなんとかしなきゃって意地を張ったわ……そんな情けない私の傍にあの子は黙って一緒にいて最後まで付き従ってくれた』
飾らずに言うなら嬉しかったのよ、と彼女は続ける。その声に乗せられた淡い喜びに誰も何も返せませんでした。 - 341じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/16(月) 15:53:10
『私を理解してくれる人はいなかった、今でもそう思う。あの頃、私に理解される為の努力をする時間なんてなかったし、その努力をするという考えも最初に捨ててしまったから……だから、貴女達の敵になるのは、先生の敵になるのも、注意されたのも必然だった』
その時の調月会長の立場や状況は私には分からない。ただなんとなく、ユウカさんやモモイちゃん達の顔を見ると察せられるような気がしました。
『間違っていたんでしょう。数字に囚われ、前提を履き違えて、自分の首を絞め続けたのが私だった。それでもあの子はそんな私を裏切らなかった。私の行動理由、そこに付随する感情にどれほどの理解があったのかは分からない……けれどあの子は、あの子だけは私の行動を黙って肯定してくれていた』
間違っていたと吐き出す声に哀しみはありませんでした。淡々と間違っていた計算式を声に出すように、ありのままの事実を連ねるだけ。
でも、トキさんの事に触れるその時だけは、誇るような喜びが滲むんです。
『トロッコ問題は知っているかしら?私はあの時、その思考実験を口にした。一人を犠牲にしなくてはより多くを喪ってしまう、一人を犠牲にすれば普遍の営みを守れる……私の前にあった選択肢はたった二つしかなかった。ないと、諦めた』
彼女の言う諦めにどれだけの苦痛があったのかと思うと胸が締め付けられる。
きっとこの人は歯を食いしばって、諦めるという選択を、誰かを犠牲にする選択に手を伸ばさなきゃいけない状況だったんでしょう。
『犠牲を許容する前提に抗えなかった、その前提を覆す根拠を見出せなかった……そうね、私は万が一が怖かった。だから私は……アリスを壊そうと……いいえ、殺そうとして、そして今がある』
ちらりとアリスちゃんを見る。その顔は俯いた前髪に隠れて見えなかった。
『それでよかったのよ、私は。何かを犠牲にするという選択肢しかなかったから、先生や貴女達のような私にとっての第三者から別の選択肢を提示してもらえて、ある意味で救われた、やっとあの問題の当事者から降りられた』
肩の荷が降りたという言葉には後悔や諦観、不安や困惑、そして感謝と喜びの混ざった不思議な色がありました。泣けてくるような複雑で綯い交ぜな色だった。この場では彼女の本心は分かりません。分かるとしたらそれはきっと、あの人だけなんでしょう。 - 351じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/16(月) 15:57:36
『……でもあの子は違う』
切れた言葉のその後。
調月会長は躊躇いながらそう言った。
『きっと、トキはまだその問題に囚われている……いいえ、ずっと取り残されている』
今度こそ、彼女が吐き出した音には後悔があった。
『虚妄のサンクトゥム攻略戦で、あの子は一人ではどうにもならない戦況を自爆してでも打開しようとした』
奥歯を噛み締めたその言葉を聞いて、思わず周りを見渡してしまいます。でもモモイちゃん達は誰も彼も同じ顔をしていた。
『嫌な言い方になるけれど、その判断は正しかった。あの時、援軍は望めなくて、あのタイミングで敵を押し留めないと他の戦線への影響も考えられた。その状況の当事者であったトキは自分を犠牲にする事で大勢を守ろうとした』
私や補習授業部のみなさんはまだいいんです。トキさんとの付き合いはこの聖杯戦争からで、その関係だってずっと敵かどうかを宙ぶらりんに彷徨っていました。だから彼女の過去を聞いても、それをありのままの事実として受け止められる。
『あの時はノアとトリニティの百合園生徒会長の機転でそういう事態にはならなかったわ。それでも、あの子が自分を犠牲にするのをよしとした事実は消えない。その選択肢を常に抱えている事に変わりはない』
でもモモイちゃん達は違う。モモイちゃん達にとってトキさんはお友達だから。あの日、もしかしたら喪っていたかもしれないと聞いて彼女達の唇が戦慄いているのは仕方ない事なんです。
『……聖杯戦争の全貌が見えない以上、どうして犠牲の多寡を問う二択の前提しかないのか、どんな手段を取らざる得ないのか、それは分からないわ。けれど』
そんなトキさんが今度は聖杯戦争のマスターに選ばれた。自己犠牲を果たそうとした彼女が、この戦争の中で何を思って聖杯戦争の恒久的な廃止を願おうとしたのか、今なら分かるような気がします。
『今、どうしようもない状況の中でトキはきっとレバーを握っている』
一人、ぽつんと真っ暗な通路に立ってレバーを握る彼女の姿が頭に浮かびました。それは寒々しいほどの孤独と重圧。 - 361じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/16(月) 16:00:47
- 371じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/16(月) 16:34:03
調月会長は唐突にそうやってこの場にはいない名前へと呼びかける。数秒、誰もが首を傾げたり辺りを見渡したりしていると、短い雑音が二度三度鳴る。
それから暫くして、病室のノイズスピーカーから声が流れ始めた。
『……まさか、プロテクトを突破されるとは思いませんでした。挙句、無理矢理病室のスピーカーに繋げるだなんて、相も変わらず居丈高な事ですね』
『エリドゥを作ったのは私よ。バックドアぐらい用意してあったわ……時間はかかったけれどね』
涼やかな声の持ち主からの皮肉に調月会長が何を気にする事もなく言い返してしまうと、相手は黙ってしまった。
「ヒマリ先輩……今まで、ううん……やっぱりトキに……」
モモイちゃんがぽつりと漏らした声にヒマリと呼ばれた方は苦々しくゆっくりと返事をした。
『映像を出さないでいきなり貴女の独白だけ聞こえてきたかと思えば、そういう事ですか……そこにいるんですね、モモイが……キャスターのマスターが』
「……うん。私だけじゃないよ、ヒマリ先輩。アリス達もユウカも……それからヒフミもいる」
『……なるほど、そういう』
そんな風に呟いて先で小さな咳払いが聞こえた。まるで話を切り替える、そんな合図のような。
『リオの思惑にまんまと乗る羽目になったのは甚だ不本意ですが、私としても好都合です』
『そう、なら招待してよかったわ』
『不本意だと言ったのが聞こえなかったんですか?』
小競り合うようなやり取りにそっとユウカちゃんの方を見ると諦めるように首を振られてしまいました。どうやらいつもの事みたいです。
『改めて、私の名前は明星ヒマリ。ミレニアムの特異現象捜査部に所属しています』
『まず前提としてお話しなくてはいけない事をお伝えします。時間はありませんから手短に』
『私は貴女達に協力する立場にあって』
『トキとは現在敵対関係にあるということです』 - 381じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/16(月) 16:37:03
- 39二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 19:05:36
乙です!
レバーを握るトキの願いとは如何に... - 401じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/16(月) 19:22:13
【Recommend BGM……〈OperationD〉】
『思っていた立場と違う───それが貴女方の反応でしょうか?』
「待ってください、ヒマリさん。貴女は確かヴェリタスと協力関係にあった筈です。一体いつから、どうしてそんな関係に?確か貴女とトキさんは例の部活動でもご一緒されていた筈では?」
「そうです!ちゃんと説明して下さいヒマリ先輩!トキと敵対って一体どういうことなんですか!?というか今どこに!?」
含みのある、どこか揶揄うような彼女、ヒマリさんの言葉にハナコちゃんとユウカさんが反応しました。
『久しぶりですね、ハナコさん。あの方舟以来でしょうか?それから美味しい反応をありがとうございます、ユウカ。リオに汚された私の純白の乙女心の晴れやかになりますよ』
いっそ清々しいと言わんばかりでしたけど、妙に反骨心というかそういうのが見え隠れする棘のある言葉。調月会長と一体どういうご関係なのかますます気になりますけど、今はそれよりも。
『さて……何時から、でしたか。それはそうですね、初めからですよ』
彼女の言葉を一言だって聞き逃してはいけません。
『私は阿慈谷ヒフミさん、そしてモモイ。貴女達がサーヴァントを召喚したその瞬間を観測してからずっとトキとは敵対しています』
それはあの8日前の夜の話。私が二番目のマスターだと話ですから本当に最初からトキさんとは敵対していた、という事になります。でもそれだと、これまで調べてきたエリドゥやヴェリタスの方から断片的に聞いて考えていた事。つまりトキさんに明星ヒマリさん達が協力関係にあるという前提が崩れてしまいます。
『経緯を説明したいところですが、本当にあらゆる意味で我々に時間と猶予はありません。ですから手短に、現在私とエイミはトキによってエリドゥに軟禁状態にあります……特異現象捜査部の部室ほどではありませんがやはり外部からの干渉は極めて難しいですし、私達としても大っぴらに動く、貴女方へ協力するというのは難しいです』
「……どういう事ですか?トキさんは一人でエリドゥを運用して一人で今も戦っているって事で、じゃあヒマリ先輩達はなんのつもりでヴェリタスに仕事の依頼をしてたんですか?」 - 411じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/16(月) 19:34:13
誰もが気になっていた事を直球でミドリちゃんが聞いてくれました。それに明星さんからの答えはあまり要領を得たものではありませんでした。
『別件、ではありませんね。聖杯戦争の解決、それをトキとは別のアプローチで探していました。チーちゃんに頼んでいたのもそれ絡みです』
『そもそも私達はトキと敵対はしていますが、あの子に協力していないとは一言も言ってませんよ』
ますますわけが分かりませんでした。協力してるのに敵対してる。一体どうして?
「別のアプローチ……もしかしてヒマリさんはトキさんのやり方に反対したから今の状況になったのでしょうか?……いえ、待ってください。やり方に反対して別の方法を模索してる、なのに協力関係という事は……まさか、そんな馬鹿な話がありますか?トキさんは時間を人質に……?」
『……馬鹿な子。敵対した挙句に軟禁なんてどういうつもりかと思えば、自分を人質にしてヒマリへの協力を引き出したのね。───私を手伝って頂けないと私は死んでしまいます、とでも言ったのかしら?』
ハナコちゃんと調月会長は分かったようで本当に苦々しく溢すように、私達にも分かるように教えてくれました。
『まるでどこかの誰かさんみたいでしょう?リオ。それと凡そ正解です、ハナコさん。話は私達はサーヴァントの召喚に際した膨大なエネルギー反応を確認した今から二『部長、トキが向かってる。多分気づかれたよ』エリドゥの監視システムが優秀なのも困りましたね、外部からの干渉があるとすぐ分かってしまう……まったく、こんな物どこの誰が作ったのか』
『それは私ね。褒めてくれてありがとう』
『あ、な、た、の、せいで!!私達はずっっっっと迷惑をかけられていると言ってるんですよ!!』
余裕綽々、まるで何でも知っていると泰然に話されていた彼女がそう言って声を荒げるのを聞いて、私の中の明星さんという方のイメージが二転三転していきます。
『あら、そうなの。ごめんなさい、ヒマリ』
『……落ち着きなさい、明星ヒマリ。びーくーる、びーくーる……あんなドブ川の言う事で一々時間を浪費する余裕はありません……!』
『部長、本当に時間ないんだけど。来ちゃうよ』
明星ヒマリさん、どうやらかなり愉快な方のようです。一度きちんと会ってゆっくりお話したい気持ちになりますけど、今はそうも言っていられません。 - 421じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/16(月) 19:56:28
『最初に言った通り、私達は貴女方に協力する……いいえ、協力し合える立場にあります』
事実、明星さんの声に焦りが浮かんでいます。恐らく、時間切れです。でもその前に彼女は私達に一番大切な部分を教えてくれました。
『トキの願い、命題。それは人類最後のマスターとなって恒久的に聖杯戦争を開催させない事。業腹ですがリオの言う通り───功利主義がキヴォトスを救えるか否か或いは自己犠牲の果てに救いはあるか。それがあの子の命題です』
『リオ、貴女は勘違いしてるんです。あの子が向き合っているのはトロッコ問題ではありません。あの子は路線を変更するレバーなんて握ってない。あの子の立場haむしろ、歩道⬛︎⬛︎太⬛︎⬛︎⬛︎の人物』
『だから貴女と同じ結論に至った。聖杯へ七つの命を焚べ⬛︎⬛︎で⬛︎⬛︎を聖⬛︎のsys───』
ぶつんと、音はそこで止まってしまった。
『……時間ね。アクセス出来なくなってるわ』
「会長、ヒマリ部長へのコンタクトは?」
『電子媒体では今回切りね。エリドゥの監視を潜り抜けれたのもまだ機能してる抜け道があったからよ。もう同じ手は使えないわ』
ユウカちゃんの質問に調月会長は残念だと言いつつ、私達へと声をかけた。
『ヒマリの話からある程度、トキの動きが理解できたわ』
「それはやっぱり、自己犠牲を……ってことでしょうか?」
『ええ、そうみたいね』
さらりとそう言ってのける彼女に、なんて声をかけたらいいか考えあぐねてしまいます。彼女がトキさんの事をなんとも想ってない筈がありません。
自分を犠牲にするなんて認められる筈がないんです。でもアバンギャルド君越しの声からは彼女の内心は何も分かりませんでした。
そうやって切り出し方に悩んでいる私達に代わって、彼女が口を開いてくれました。
「……リオ会長、トキの事をアリス達はどうしたらいいでしょうか?」
アリスちゃんは下を向いていた顔をあげていた。焦りは見えます、怯えもあります。
でもその目には力強い何かが宿っていました。 - 431じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/16(月) 20:13:03
『……エリドゥに用意した非常用のバックドアは何もシステム上にしか存在しないわけじゃないわ。何かあった時の為に、物理的にも存在しているの』
「それって私達が前に使った搬入路みたいな感じの?」
『えぇ。あれとはまた別、開発の初期段階から用意した本当に極秘裏の通路があるの』
建設途中の物だから中央タワーに直通はしてないけれどと彼女は呟く。
「それを使ってエリドゥに行って……モモイやヒフミちゃん達に戦えって、こと……ですか?」
『……話すにしろ戦うにしろ、エリドゥに行かなきゃ何も始まらないわ。それといい?花岡ユズさん。トキは、ああ見えて頑固物なのよ』
そういう彼女の言葉には『力尽くでも止めて』という願いが隠されている。
私は、それに応えるべきだと想ったんです。
「調月会長、ありがとうございます」
『……まだ、私は何もしてない、何の結果も産めてないわ』
「いいえ、そんな事はありません」
こうやって私達の前に出てきてくれて、トキさんの話をしてくれて、明星ヒマリさんと話す機会をくれた。エリドゥへの侵入経路だって用意してくれる。そして何より。
「私達と同じように誰かを犠牲にしたくないと、そう思って一緒に戦ってくださる方が仲間になってくれた。それが私、嬉しいんです」
「私はハッピーエンドを目指します、マスターもサーヴァントも誰も犠牲になんかさせません」
「トキさんの願いだって、必ずもっと良い方法を見つけて───彼女を止めてみせます」
私の言葉にみなさんが頷いてくれます。やるべき事は見つかりました。トキさんの願いを知れました。それは調月会長がいてくれたからです。
『……貴女もアリスと同じような事を言うのね』
そうしてしばらく間があったから彼女が絞り出した言葉は、何故だか少しだけ濡れている気がしました。 - 441じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/16(月) 20:29:12
ここまでが今回お出しできるトキ&ヒマリのお話じゃんね☆残ってる安価の内容もだいぶ消化出来たじゃんね☆
①アズサはサオリに連絡可能であれば相談、連絡可能じゃ無ければサオリや他のアリウススクワッド達との接触方法を探す
②ユズとミドリはウイに連絡。ウイへの連絡後ラビット小隊に協力要請の連絡をする。
③ヒフミ、モモイ、アリスはヒマリと話した後に更に行動可能なら、ミネ団長の行方についてシスターフッドやナギサ(ナギサにはハッピーエンドについての相談も)を尋ねる。
④後キャスターはヘルタースケルター連れて拠点周辺の調査とオートマタの回収(これはもう話の流れでやっとくじゃんね☆)
〈ヒフミちゃんが話をしておきたいこと〉
⑤今の戦力で他陣営と戦うのに不足はないか
⑥仲間になってくれそうな人に心当たりはないか
⑦「先生に相談する」という選択肢について話す
が残ってるじゃんね☆
①④⑤⑥はもうサクッと終わらせるじゃんね☆
③⑦はこのメンバーじゃ話せないから別に誘導じゃんね☆ナギちゃん出したかったけどもう午前だけでかつかつじゃんね☆
ケセド戦を思い出すタイトスケジュールじゃんね☆
問題は②じゃんね☆
というわけでひっさびさの安価じゃんね☆
安価先>>52じゃんね☆
ウイちゃんになんの連絡をするか、どんな話するか書いて欲しいじゃんね☆
連絡時に話すメンバーはミドリちゃんとユズちゃんは固定。
ヒフミちゃんは午前中は動けないじゃんね☆
それ以外は特になんにも指定ないじゃんね☆
それではよろしくお願いします……じゃんね☆
- 45二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 20:55:27
- 46二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 21:26:41
- 47二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 22:28:51
加速
- 48二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 22:32:31
45と46に加えて、マリーの願いの予想と聖杯を破壊します宣言とLAさんに夢で何かあればウイ先輩を頼れと言われたのでこれからも頼りますで
- 49二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 22:46:35
kskst
- 50二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 22:46:49
聖杯を破壊するかどうか確定させるというか宣言するのは、他陣営の願いについてや情報をもう少し知ってからでも良い気はする。
話し合いでも、
”「どんな形であれヒフミやモモイの命に負担をかけているのは聖杯だ。それを壊すという方向は私も賛成……だけど他のマスター……マリー達が何を思っているのか知らないまま壊してしまうわけにはいかないと思う」
「私もアズサさんの言う通り、かな?やっぱり命には替えられない、だけどトキさん達はきっと命に替えても叶えたい願いがある。ならそれを無視したり知らないまま壊す方向を選んだら……ゲームならそれこそバッドスチル回収じゃない?」”
ってやり取りはあったし。
そういや、マーリンからの話は全部伝えてるって筈だし、マーリンが言ってた『それから。どうしてもこれから先の選択で悩む時は───古関ウイを尋ねるといい』も全員知ってるって事で大丈夫、ですよね?一応ミカ主に確認 - 51二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 23:09:39
45+46+ LAさんに夢で何かあればウイ先輩を頼れと言われたのでこれからも頼ります
- 521じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/16(月) 23:10:02
- 531じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/16(月) 23:10:56
- 54二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 23:15:51
や、聞いたタイミングも遅かったので申し訳ない
概ね今まで出てた安価網羅してるし51さんので良い気もする - 551じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/16(月) 23:19:18
……再安価、していいですか?
するとしたら
①>>45さん
②>>46さん
③>>48さん
④>>51さん
⑤自由記入
って感じで選んでもらう方式で5レス先ぐらいの短めの安価を……今日遅いから明日の昼からするじゃんね☆
54さん言ってるみたいに51さんの案でいくとかなら明日のお昼までによかったらまた教えて下さい……じゃんね☆
今回はほんとにほんとに1のミスです……みんなごめんね……
違うじゃんね☆
1が更新せずにそのままコメントにお返事したのもそうだしそもそも投稿に間が空いたり描写不足の1が悪いじゃんね☆
54さんはなんにも全然悪くないじゃんね☆
聞いてくれて嬉しかったじゃんね☆
だから謝らないで、また安価参加してくれたりしたら嬉しいです……じゃんね☆
- 56二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 00:04:42
お疲れ様です
ヒマリ先輩とも早めに合流しておいた方が良さげかな?
まぁ、先ずは黒服・マリー・トキ・アル・ミノリの願いを知る事からだろうけど
そして、とりあえずウイ先輩の苦労はこれからも続くって考えて良いのかな?
後、聖杯が物理的に破壊できるモノであるならば対城クラスか対界クラスの破壊力を持った宝具が必要そうですね
でも、そんな破壊力の宝具を持ってるサーヴァントなんて…… - 571じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/17(火) 00:35:15
- 58二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 04:16:59
一応、大聖杯は作品によっては持ち去られたりもしてるし、ものによっては持ち運びも出来るっぽい?
確かアポクリファだと冬木の大聖杯が持ち去られてる筈ですし、
fakeだと黒幕側の計画ではスノーフィールドを消し去る際にファルデウスが大聖杯の疑似核を持ち出す手筈だったり、
一応移動させる事とかは出来るっぽい描写はあるんですよね - 59二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 09:44:50
安価は個人的には51さんのでいい気はするな
後アサシンの宝具には即死があるけど仮に生徒が宝具の対象になって即死引いたらデッドエンドになりかねない気がするけどどうなんだろう - 60二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 12:00:59
ヒフミちゃん達の味方として、トリニティのトップとミレニアムのトップがいるのは頼もしいですね
後はあれか、カタコンベ擬きの探索の為にサオリ含むアリスクに協力要請かな?
それと、セイバーとの絆レベルを上げるのも最優先かな?
いや、なんでこんなに絆レベル上がらんのやろ?? - 61二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 12:53:45
このレスは削除されています
- 62二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 12:54:17
このレスは削除されています
- 63二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 12:58:37
2で
- 64二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 13:00:10
かそく
- 65二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 13:09:06
- 66二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 13:10:08
加速
- 67二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 13:12:55
かそくで
- 68二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 13:16:27
>>65にプラスで一緒に行動してくれそうな人に心当たりがないか相談かな
- 69二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 13:16:47
- 70二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 13:33:40
これからもウイ先輩がヒフミ達に頼られて苦労する未来が確定した瞬間であった
もしもの時はミレニアム特製の強力なエナドリでも差し入れしてもろて…… - 71二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 13:35:10
このレスは削除されています
- 72二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 14:00:46
どれだけの人に協力してもらえるかは重要だろうな
人が多ければ多いほどやれることは増えるし - 73二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 20:52:03
このレスは削除されています
- 741じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/18(水) 00:01:06
- 75二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 01:03:43
おつかれさまです
- 76二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 12:07:54
ゆっくりと待ちますよミカ主
- 77二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 17:09:07
こっからどうなっていくか
すぐに戦闘せずに交渉出来そうなのは黒服とミノリではあるが
黒服にはどういうメリットを提示すれば良いんだろうな - 78二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 18:57:52
考えてみれば、トキがやろうとする自分の身を賭して何かをやり遂げるってことをしたのがアーラシュさんだったな……
- 79二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 21:43:56
このレスは削除されています
- 80二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 21:44:32
アーチャー、ライダー陣営とは衝突は避けられなさそうな以上どう勝つかになるのかな?
勝った後説得する感じになりそうな気がする - 811じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/18(水) 23:24:13
- 82二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 08:30:43
保守
- 83二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 09:44:29
お疲れ様です
下手すればキヴォトスが滅ぶ可能性があるし、先生を巻き込んでも許されるような気はする
その場合は先生が大人のカードを使い過ぎるのに気をつけないとダメだろうが - 84二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 18:24:41
保守
- 851じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/19(木) 20:59:35
帰ってこれたじゃんね☆
お返事しつつ書いて、書けたとこから投下じゃんね☆
大体2130からじゃんね☆
ウイちゃんは先輩だから仕方ないじゃんね☆
……そろそろそこら辺も踏み込んでくじゃんね☆
ハッピーエンドになればなんの問題もないじゃんね☆
ありがとじゃんね☆ほんとにドタバタじゃんね☆
ありがとじゃんね☆
今日は絶対書くじゃんね☆
ミノリちゃん……dice1d87=47 (47)
トキとアーチャーの関係性は大事なとこだからしっかり書いていきたいじゃんね☆
弓と騎と狂陣営は似たもん主従ペアじゃんね☆
ランサー?あれは1の趣味じゃんね☆ミーカミカミカミカ
やる事が決まってきたじゃんね☆
保守ありがとじゃんね☆とっても助かりますじゃんね☆
- 861じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/19(木) 21:31:31
「ま、とりあえずやる事は決まってきたかな?」
「はい、モモイちゃん。最後の方は聞き取れませんでしたけどトキさんはどんな形であれ自分を犠牲にしようとしています───そんなの私は嫌です」
「そういうこと!……止めなくちゃ、トキを」
やるべき事は決まりました。
【Recommend BGM……〈不屈の覚悟〉】
ハッピーエンドを、誰の犠牲もない聖杯戦争の終わりを。
聖杯そのものをどういう形で処理するかの問題はまだ残っていますが、破壊するにせよ別の方法を選択するにせよ、まずは他のマスター達の願いを調べて、そして彼女達を説得しなきゃいけません。
『エリドゥの防衛システムで私が残してあった物はそう多くないわ。通路を通って強襲すれば、貴女達の戦力なら十分に攻略可能よ』
「会長、まだそんな物あったんですか!?私、聞いてません!……あとで帳簿を一つひとつチェックしながら確認しますからね、一緒に」
『ちょっと待ってちょうだい!ユウカ!あれは前回のエリドゥ建設と同時期に用意した物よ!』
意外な事、というと失礼かもしれませんが、調月会長の焦った声がおかしくて笑いそうになりました。
とても冷静な方とお見受けしましたから、ユウカちゃんとのやり取りはなんだかとても距離感が近くて微笑ましいです。
「でも戦力って事なら……その、トキさんだけじゃなくて……陸八魔さん、とか……伊落さんとか……他のマスターの人との戦いの事も考えなきゃいけないです……」
とはいえユズちゃんの言う通り、説得だけで済むという事はないでしょう。アルさんもマリーちゃんも大切なお友達です。でも彼女達のこれまでの様子から、対話というテーブルに着くまでの過程で戦いが必要になる可能性は決してゼロじゃありません。
「……陸八魔さんについては難しいですね。現状私達が簡単にコンタクトを取れる彼女の周辺を知る人物の手掛かりに欠けます。でもマリーちゃんなら、彼女が聖杯戦争に関わってからの様子をよく知る人物を私達はもう知っています」
ハナコちゃんが少しの間目をつぶって、それから前を見据えてそう言う。
その瞳には並々ならない誰かを想う強い物が宿っています。 - 871じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/19(木) 21:34:16
「ウイ、それにシスターフッドか」
「ミネ団長……はいないもんね」
「はい。ですから、まずは……ウイさんにコンタクト取ってみましょう、『本丸』のシスターフッドはその後に。午後からならヒマリさんの話以上にしっかり時間をかけてお話♡できる筈です……私の予測が正しければきっとマリーちゃんの願いはそれほど難しい物ではない筈ですから」
マリーちゃんの願い。
私の腕を切り落とすとまで決めて、大切な居場所だったシスターフッドから去ってまで戦いに臨む理由。その理由を調べる為に必要な材料はここ、トリニティに全て揃っているのだという。
「……なら、古関さんへのアポ取りは私達でします」
意気込んだ声がミドリちゃんがあがります。ありがたいお話ですが、ウイさんとは初対面のミドリちゃんが彼女にアポを取るというのはなんだか意外な気がしました。
そんな私の考えを代弁するように、コハルちゃんの口からも疑問の声が出ます。
「ミドリが?いやそのぉ駄目とかじゃないけど、ウイ先輩、人見知りだし……それにトリニティの人だから私かハナコが連絡した方が……」
ウイ先輩へ改めて協力を依頼する、となればある程度見知った間柄の人間がアポ取りをした方がスムーズではあります。
「ありがとう、コハルちゃん。うん、これは私のわがまま。私は戦いではそんなに役に立てないから……せめて褒めてもらえた交渉ぐらい、やれる時にやっておきたいの」
「それに……私達だからお話できること、あると思うんだ……私達は、ミレニアム生だから。学校が違うとか自治区が違うとかそういうの関係なく協力し合おうって……その……アピールとか……えと、」
ミドリちゃん達の意見は一理あります。それにハナコちゃんの話を聞く限り、ウイ先輩も私達とマリーちゃんの事とで板挟みになったりもしてましたから、その事を考えると私達からよりもミドリちゃん達に一度クッションを置いてもらうのもいいかもしれません。
ちらっと、彼女の方を見てみると力強い頷きが返ってきました。 - 881じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/19(木) 21:46:21
「コハル、ミドリに任せよう。ミドリもユズも、俯瞰的に物が見れる人間だ。きっとウイとの話し合いも上手くいく」
「アズサ……」
「それに心配なら電話口の隣にコハルがいればいい。私もそうだけど、コハルがいてくれたらきっと勇気が出る」
私一人じゃ判断が難しかったので目線で助け舟を頼みましたけど、アズサちゃんはしっかりそれに応えてコハルちゃんの心配をほぐしてくれました。
その言葉に頭の羽をぱたつかせてから、コハルちゃんは振り切るように二人の目を見ました。
「ああもう!すぐそうやって煽てて!……ミドリ、ユズ」
「はい」「うん」
短くて、そしてしっかりと力強い返事。そんな二人の言葉にコハルちゃんは唇を尖らせつつ、でも彼女らしい形でお願いしました。
「その私と……あとハナコも隣にいるから!ウイ先輩、おっきな声とか苦手で!もしその話すの難しいとかなったらいつでも言っていいから……お願いしていい?」
その言葉への二人の返事は言うまでもありません。強い頷きと眼差しに、コハルちゃんも同じように頷きで返していました。
「それと戦力への不安をユズが口にしてたけど、それなら私にアテがある……この後、連絡を取ってみようと思う」
「なら、ウイさんと連絡を取れたら私も以前お世話になったSRTの人達に。特定の自治区を持たない彼女達なら、聖杯戦争に介入しても大丈夫だよね?ユウカ」
アズサちゃんは恐らくアリウスの皆さんに、ミドリちゃんはSRT特殊学園の方への協力依頼をしてくれるのだと言います。片やアズサちゃんの大事な家族でスクワッドチームを組んでいた実力者集団、もう一方は『あの』SRT特殊学園の方です。
もし力になって頂けるならこれ以上ないぐらい頼りになる方々でしょう。
そしてミドリちゃんの質問にユウカさんは少し悩んでから、答えてくれました。 - 891じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/19(木) 22:02:43
「そうね。自治区側から出せる戦力というのはどうしても限られてしまう。それをある程度クリアできる戦力って事なら貴女達が今名前をあげた彼女達になら頼める筈よ」
『……そういう意味では貴女達が廃墟に拠点を敷いたのは正しかったわね。もしもしミレニアム内にいたまま大型の拠点、そしてそれを守る為の防衛戦なんてしてみなさい。保安部やC&Cを敵に回すところよ』
「こ、怖い話ですね……」
『事実ですから。貴女もよく知ってると思うけど自治区内で命の奪い合い、それも大規模な破壊行為を伴った戦闘なんて……どんな形であれキヴォトスの秩序を敵に回すという話なのよ』
そう考えると本当に今の拠点に移って良かったとしみじみ感じてしまいます。それからアズサちゃんとミドリちゃんの戦力強化の話、そしてそれに対するユウカちゃんの意見を聞いて私の中で一つの考えが浮かんできました。
いいえ、前々から考え自体はありました。
ただ頼っていいのか、縋ってしまってもいいのか。何よりあの人を巻き込んでしまっていいのか。
それに悩んでしまっていました。
でも、私一人の力じゃ駄目なんです。皆で一緒にやるように、少しでも力が借りられるなら。
『彼』を頼るという『選択』をすべきなんじゃないかと想うんです。
縺昴l縺ッ、繧、繧ア繝翫う繝ィ。縺イ縺オ縺ソ繝√Ε繝ウ
「あとはそうですね、私!せん『いい時間かしら?』……調月会長?」
縺翫d?
…… 繝倥ぉ。 - 901じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/19(木) 22:54:38
『もうすぐお昼になるわ。今のうちに各方面への連絡は済ませてしまいましょう』
意気込んで、彼を頼ってみませんかとみなさんに聞いてみようと思いましたけど、よくよく考えれば結構な時間話し込んでしまいました。見れば時計の針も11を指しています。
「……では私達も一度部屋を出ましょうか?セイバーさん、後をお願いします」
「任された。君達もよろしく頼むよ」
「ああ。吉報を待っていてくれ」
「それじゃあ……あ、あの……し、失礼します……!」
調月会長の一声もあってか、みなさん病室を出てそれぞれが連絡をしにいかれました。
あとに残っているのはセイバーさんと私。モモイちゃん達とユウカさんに調月会長、それから。
『我も一度席を外そう。午後から合流するにせよしないにせよ、こちらで出来る事をしておく』
「拠点周りの安全確保かい?キャスター」
『うむ。野良のオートマタもそうだが、ある程度、奴らの動きも読めた。後は虱潰しとなるが、お前達が帰ってくる前にもう少し候補を絞るとしよう』
タブレットのビデオ通話越しに話をしておられたキャスターもそう言って通信を切られました。
なので、午後からの動きはこの病室内のメンバーで練ろうかと声をかけようした時。
「……んー、アズサ達も席外すみたいだし、私達も一回外に出てよっか?アリス」
「はい!アリスとモモイで一緒に病院内を探検です!」
次はモモイちゃんからそんな言葉が出ました。
「いえ、あのよかったら、モモイちゃん。このまま病室にいてもらっても……」
てっきり部屋にいてくれると思った彼女の意外な言葉に対して、恥ずかしながら少しばかり弱音のような声が出てしまいます。
でもモモイちゃんは優しい目で、けれど毅然と私に告げました。
「駄目だよヒフミ。今はキャスターいないから、みんながいる時ならまだしも、セイバーさん一人で四人を……ってなったら大変でしょ?いい時間になるまでちょっと時間潰してくるよ」 - 91二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 23:12:04
文字化け!?何かの干渉か...?
- 921じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/19(木) 23:20:26
モモイちゃんが病室を出ようとする意図は理解できました。でもだからこそ、彼女の言う万が一が怖い。
「それならなおさら……!」
何故ならマスターなのは私だけじゃありません。モモイちゃんだってマスターなんです。トリニティは安全です。この病院だって自治区の中心部にあります。こんな昼間からいきなり奇襲をしてくる陣営があるだなんてそうは思えません。
それでも、マスターがサーヴァントを連れずに一人で歩くなんて。
もしも彼女に何かあったら。
───みんなで一緒に、『ハッピーエンド』を目指せばいいんだよ。
マスターの中でただ一人、私に向き合って、私の願いに賛同してくれて、思い詰めた私を支えてくれた。そんな大切なお友達に何かあったらと思うと、不安で胸が激しく早鐘を打つ。
どうかこのままこの場所に、目に見える場所に。
彼女を引き留めようとなんとか冴えた理由を自分の中で必死に考えていると、そんな私の内心をお見通しのように彼女は破顔した。
「大丈夫、大丈夫だよ、ヒフミ。ほら、こっちにはアリスもついて来てくれるからさ……ミネ団長の事、散歩がてら聞いてくるね」
「……はいっ!アリスがいれば!モモイに危険な目なんて合わせません!アリスが必ず守ります!」
大丈夫だよと、そう言って左手で私の右の手の甲を撫でるモモイちゃん。そしてそんな彼女から信頼の眼差しを受けるアリスちゃんも、私だけじゃなくまるで自分にも、世界にも言い聞かせるようにしっかりと宣言してくれました。
そんかお二人の顔を見て、思わず下唇を噛んでしまいます。
「……分かりました、よろしくお願います。でも、無理だけは……」
不安は、あります。アリスちゃんは強い。私なんかよりずっと。セイバーさんの見たてならご自分を相手取っても宝具抜きなら十分にいい勝負が出来る、と。それに大切な仲間なんです。コハルちゃんにアズサちゃんがそう言ったように、任せられるところは任せて、一人でするのではなくみんなで。
そう自分を納得させて、なんとかそんな言葉を吐き出しました。 - 931じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/19(木) 23:27:33
「しない、しない……そんな心配そうな顔しないで、ヒフミ。ヒフミは私達の、私の希望なんだからさ。しっかり笑ってて!」
にっと笑う彼女につられてしまう。あどけないのに快活で、夏の空のように澄み渡る大輪。
病は気からとはその逆も然りというのでしょうか。体が本調子じゃないのもあってどうにも気持ちまで悲観的になりそうなところを、彼女の笑顔を見ていると胸の痛みも落ち着いて、掻きむしりたくなる不安すら緩く解けていきました。
そんな私の様子を見たからでしょう。アリスちゃんもまた同じように、私を安心させるように言葉を尽くしてくれます。
「アリスはヒフミの笑った顔が大好きです!……聖杯戦争は辛い事、苦しい事がたくさんあります。それでもヒフミとモモイに、アリスは笑っていてほしい……心配しないで下さい、今だけじゃない、これからも……最後まで。モモイは必ず守ります!」
好きだよ、大丈夫だよ。その言葉に込められたたくさんの愛情に、右手を胸の前でぎゅっと左手で包むように握りしめる。こんな大切なお友達が傷つかなくていいように。聖杯戦争でこれ以上悲しむ人が生まれないように。その為にハッピーエンドを目指すんだと、改めて私の中でその意思が強くなります。
「それじゃ!行ってくるね!」
そう言ってから二人は部屋を出ていく。その後ろ姿は眩しいぐらい明るくて、その足取りは踊るように軽やかで。二人手を繋いで、ミネ団長の事を調べに行ってくれました。
そうして残ったのは四人だけ。
そしてその時になって、漸く。しばらく静かだった彼女が。
『いいタイミングね、他の子に聞かせて無駄な不安を抱かせるのは私も不本意だから』
「調月、会長……?」
ミレニアムの中枢、セミナーの代表者。調月リオ会長は私の方を向いてから。
『阿慈谷ヒフミさん。先生へ協力を要請するのはやめておきなさい』
そう言った。 - 941じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/19(木) 23:53:23
【Recommend BGM……〈暗雲を払え〉】
「あの……それはどういう……?」
このキヴォトスで『先生』と呼ぶのなら、それは『彼』の事だ。
シャーレの先生。補習授業部の事も、アズサちゃんの事も、アビドスのみなさんの事も、今まで私達を何度も助けてくれた『信頼できる大人』。彼と会って話したどの生徒に聞いたって、本当に困ったのなら彼を頼るべきだと助言されると思います。それぐらい素敵な方です。
その彼に協力を依頼するな、と彼女は言った。
『悪し様な推測は……貴女はしない、か。でも一応言っておくけれど、私がシャーレの先生に協力を依頼するべきじゃないというのは何も内心の含み、彼と敵対関係にあったからとかそういうのじゃないわ』
それは確かに先ほどのお話にもありました。でも彼女はその時に『注意をされた』、確かにそう仰いました。それはきっと彼女と先生の関係はそういう事で、だからそういった意味で調月会長が先生の協力を拒否するだなんて思いません。
何より、調月会長は聡明な方です。一つの自治区の代表者である生徒会長に、それもあのミレニアムの会長に選ばれた女性。なら私に理解できないその言葉にもきっと大事な意味があると思いました。
私は無言で続きを待ち続けます。
『……そうね、これはあくまで推測よ。それも経験則に基づいた、ね』
それに彼女は歯切れの少し悪い前置きをしてから、話始めてくださいました。
『シャーレの先生はこれまでも多くの問題を解決してきた。能力も人格面も、これ以上ないほど我々が抱えている事態の解決に……ただ、それでも彼を聖杯戦争に介入させるべきじゃないと私は思う。勿論政治的な配慮というもっともらしい理由もあるわ』
ただそれだけでは納得しないでしょう、と彼女は確認するように尋ねてくださったので、ゆっくりと頷きを返す。政治的な配慮、というのも何も自治区への内政干渉だとかそういう話ではないでしょう。そもそも彼の立場は連邦生徒会直轄の連邦捜査部という『超法規的機関』の顧問。自治区の内外を問わない活動が保障されている。ならその政治的な配慮というのはもっと複雑か、或いは本当に建前だけの物でしょう。確かにそれを聞いても私は納得しがたい。だからこそ彼女は。 - 951じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/19(木) 23:58:29
『……さっき言った、推測。それはあのヒマリがシャーレの先生をこの事態に至っても協力を要請していない事実を逆算して至った結論よ』
私には分からない内容ではありますけど、建前ではなく本音でしっかりと語ってくれます。
『先生に知られてはいけない、或いは先生を介入させてはいけない理由をヒマリは知っている』
明星ヒマリさん。ユウカさん達が言うには『全知』というミレニアムの名誉学位を授与された天才。
そして調月会長とは長い付き合いのようです。そんな彼女の行動から調月会長は違和感を感じ取った。見れば、ユウカさんも少し困惑したようで、困った顔をされています。それは信じていないとかではなく、まるで言われてみればと言わんばかり。
『それが分かるまで、私達は先生に直接的な協力を依頼するべきではないわ』
私は明星ヒマリさんをよく知りません。彼女が何を思ってどんな風に行動して、そして今トキさんと敵対しているのか。それを読み解くのは無理があります。でも二人は、明星さんの為人を知っていてこれまで一緒に過ごしてきた彼女のお友達の調月会長やユウカさんは、彼女の行動に意味があると考えている。明星ヒマリは先生に協力を頼まなかった、頼めなかった。その理由が分かるまでは大々的に動くべきではないと、考えている。
『もっともこれはあくまでも、私の推測。それもここでは提示できる根拠に乏しい……ともすれば妄想。信じてと、そう言う他ないわ』
そう締めくくると私の返事を待たずに彼女、というかアバンギャルド君はキャタピラを動かしだす。
『行くわよ、ユウカ』
「へ?いえ、あのリオ会長、どちらへ?」
慌てるユウカさんを気にせずアバンギャルド君は病室の扉を開けながら決まってるでしょと言う。
『もうお昼よ?阿慈谷さんも含めてお昼を用意しなくちゃいけないわ』
アバンギャルド君は介護や買い物補助でも需要がある程度には凡そ万能よ、とそう言って彼女はユウカちゃんを連れて部屋を出て行ってしまわれました。 - 961じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/20(金) 00:13:38
【トリニティ自治区・某所病院/通路】
きゅらきゅらと、ゴムがリノリウムの上を転がる音に続いて、控えめな声が機械に掛けられた。
「あの……会長、さっきの話は……?」
その言葉に調月リオは振り向かずに答えた。
『情報が確定していない以上、私から言える事はないわ……でも、もしそうなのだとしたら。私達が本当に必要なのは、私のやるべき事は探偵役じゃない。滝壺の底にこそ求めるべき物はある』
「会長……一体何を?」
解答は拒否、そしてあまりにも抽象的過ぎた。それを、それで良いとリオは内心で安堵する。
己の推理が正しいのならばどの道、手遅れなのだから。
『マーリン、だったかしら。三つ目の秘密……なるほど、よく言った物ね。確かにこの秘密はあまりに重すぎる。私の予測のどちらが正しかったとしても……もしくはどちらも正しかったとしても。その事実は彼女達を傷つける』
だが、と内心で考える。果たしてその推測は本当に正しいのだろうかと。少なくとも自分がマスターに選ばれなかった理由が、そして他ならぬ『彼女』が選ばれなかった理由が不明であり、だからこそリオの推測には反証の余地がまだ残っていた。
『……ユウカ、貴女がどういう決断をするのか。それは好きにすればいい。少なくとも今言っても私も貴女も同じ結論にしか至らない』
彼女にとってそれは事実だった。早瀬ユウカはたとえ今、何を知ったとしても阿慈谷ヒフミと才羽モモイの味方をする。アリスの時と同じで、そして今度はリオもそうだった。だからリオの推測を語る必要はないと、彼女は結論を自分の中で下した。
『……ただもしも、この戦いで彼女達が倒れたのなら……そうね、その時は』
それでもその一言に踏み込んだのは早瀬ユウカという後輩への信頼からだろう。ハッピーエンドが叶わなかったその先で、もしもそうなってしまったのなら。これ以上の犠牲を出さない為に。
『───私はトキの意思を継ぐわ』
彼女はそう、宣言した。 - 971じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/20(金) 00:15:48
- 981じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/20(金) 00:25:54
あー……まぁ……いや好きだしここ逃すと暫く機会ないけど……でもなぁ……
と、とりあえずまた原作読み直してくるじゃんね☆
というわけで今日はおしまいじゃんね☆
なんとか……なんとかキリのいいとこまでいけたじゃんね……☆
そろそろ煮詰まってきたから次のステージ書いてくじゃんね☆
あと上のレスは元々23時ぐらいに投下する予定だったからよく見たらモモイ達がジュース買いに行くっていう当初の予定通りになってるじゃんね☆
正確には病院内を散策がてらミネ団長の情報収集じゃんね☆
しばらく投下できずだったのに待ってて下さった方、本当にありがとうございました!今週土曜までをなんとか乗り切ったらひと段落なのでそこまでお仕g……授業頑張るじゃんね☆
明日も夜9時ぐらいになるけどよかったら覗きに来てやってくださいな!
ではではみなさん、おやすみなさい……じゃんね☆
ちょっとどうしようか考えて、久々の文字化け演出じゃんね☆
やばい思って出張ろうとしたけど、結果的にリオちゃんのファインプレーで事なきを得たじゃんね☆
さすリオ☆
- 99二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 00:33:34
多分今までのスレの流れとダイスのフレーバー的にシュロちゃんか…がんばれミカ主!
- 100二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 00:34:44
おつかれさまです
祭囃子というとシュロかな?果たしてどんな会話になるのか
それはそうと、文字化けの所々に見える文字から推測した感じ、先生に頼った場合何らかのルートのエンドに行っちゃう感じっぽい? - 1011じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/20(金) 00:47:32
- 102二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 00:51:44
このレスは削除されています
- 103二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 00:53:06
あー、読める文字になってた部分は文字コードによる変換が偶然別の読める文字に見えてただけか
勘違いしてた申し訳ない - 104二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 07:41:20
お疲れ様です
なるほど、先生に頼るのは本当に最後の手段にした方が良さげって事ですね
しかし、先生を呼ばない方が良いと言えるほどのナニかとは本当に何なのだろうか……?
個人的には、アーチャーやライダーがセリカ(?)を狙ったらしい事が気掛かりではある
そしてシュロ登場…かな?
ちょっと警備〜、脇が甘いですわよ〜!!
ハナコがいないので、怪談に猥談で対抗できないのが辛いですね - 105二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 10:09:12
ハッピーエンドの定義を選択した今のヒフミのメンタルならシュロ相手でも大丈夫な気はする
- 1061じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/20(金) 10:12:42
- 1071じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/20(金) 20:21:58
- 1081じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/20(金) 21:05:47
【Recommend BGM……〈Alkaline Tears〉】
古関ウイは悩んでいた。
ここ数日の業務やそれとは別途、請け負ってしまった案件を複数抱えている事もあって、ここ数日は自宅に帰れないで古書館に籠もりきりでいる。
当初は休憩室の冷蔵庫にそこそこの食料があったが、それも今朝方には底を尽きた。
勿論、滅多にない来客用のお茶菓子を食べて今日を凌ぐという手は彼女の脳内で早々に思いついている。
だが、滅多にないという事は裏を返せばごく稀にあるという話。ましてやウイ自身は関係ないとしても聖杯戦争という特大の緊急事態にトリニティは見舞われている。そうである以上、いつ、ティーパーティから七面倒な仕事が舞い込むかなぞ分かった物ではなく、数少ない茶菓子を食べてしまってはその面倒ごとを持ち込んできた相手に出す物がなくなってしまう。
かといって外に出る、という選択肢はウイには難しい。まず暑い、次に面倒、最後に立ち上がるのが億劫。実に出不精の極み。それこそが日陰に生きる蔵知の隠者、古書館の魔術師と呼ばれる由縁の一つであったのだから。
故に、古関ウイ17歳。
一世一代の挑戦。
即ち、食品配達サービスの初利用であった。 - 1091じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/20(金) 21:07:24
そしてそれこそが古関ウイを悩ませていた。
アプリで注文した物はいいが、古書館の出入り口に食品を置かれる訳にいかない以上、置き配に選択肢はない。
かといって裏の職員入口を教える訳にもいかない。
そして配達員が来た時に鳴らすインターホンも古書館には存在しない。
結論、彼女は配達員が到着した旨を伝える電話を待っているわけで、それに苦悩を抱く。
会うのはいいのだ、料金は既に支払い済み。入口で配達員から弁当を受け取る、ただそれだけ。会話なんて感謝の五文字か十一文字。
秒数にして僅か2秒で事足りる。
問題はその前、配達員が到着しインターホンがない為に注文者であるウイに到着した旨を伝える電話、その時に『どう話すか』。
「(落ち着きなさい、古関ウイ……私は出来ます、出来る子です……)」
頭の中を駆け巡るは幾多の駆け引き。
ウイは図書委員会の委員長だ。その役職に見合うのは勿論、書を愛するものだからこれまで読んできた書物の量は膨大と称する他ない。
凡ゆる専門職のスタッフすら舌を巻く知識量と必要なデータを見つけ出す参考調査能力、それこそが古関ウイの真骨頂。
つまり、コミュニケーションだって数多くの会話術、ビジネスコミュニケーション、果ては心理学の専門書を読破した彼女はコミュニケーションという分野においてもその知識量は一流というべきだろう。
「(こっんわっぴー!おべんと持ってきてくれてありがとにゃん!……駄目、こんなのドン引き……!)」
まあ、だからといってその知識を活かせるかというと話は別なのだが。 - 1101じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/20(金) 21:37:21
「(暑い中、遠路はるばるお越し頂き誠にありがとうございます。つきましては……固すぎる!)」
そう、そうなのだ。
才女、古関ウイ。彼女には欠点があった、それもとびきりの。
「(おっつー!持ってきてくれてありがとねー!……くっ!今度は軽い……!)」
面と向かってコミュニケーションを取る、それも全くの初対面で赤の他人と。
そういう経験が致命的に不足していたのだ。
しかも今回のケースは、このキヴォトスで現在順調に利益を伸ばしつつある最新鋭のサービスである食品配達サービスの配達員との会話。
「(お弁当を置いて退がり給え───王の御前であるぞ?……どうしてそうなるのっ!?)」
ないのだ、なかったのだ。宅配の荷物を基本的に中央図書館宛に設定してきた古関ウイには配達員と会話する経験が、まったくない。
だからこそ、ウイは悩んでいた。
どんな風に電話口で出るべきかと。
「(古書館に持ってきてもらう以上、相手にはまず間違いなく私が注文している事が分かっている。たとえほんの少しの関わりとはいえ、図書委員会の古関ウイが頼んだ以上はあまり下手な対応は出来ない───!)」
だが、無情。
電子音、鳴る───。
画面を見たくなくなくて伏せていた彼女のスマートフォンから鳴り渡るコール。
戦慄が奔る。 - 1111じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/20(金) 22:15:35
宅配予定より明らかに早い時間の電話。
だが宅配業である以上、運送上でのトラブルが起きた連絡かもしれない。
少なくとも真昼間に、しかも狙い撃つかのようなこの時間に自分宛の電話。
ウイ、葛藤。
暫し、逡巡。
「(電話着ましたかなんて話しましょう救護騎士団からの蔵書依頼は処理しましたっけ諦めてせめてハキハキとお腹減りましたね明日は午後から定例会議ですねわっぴーここは落ち着いて深呼吸を二つもプリン食べちゃいます)」
深呼吸一つ。
古関ウイ、決意を固める。
そっとスマートフォンを手に取り、だが焦りからか着信画面も見ないまま。
電話に出た。
「ア、アツイナカアリガトウゴザイマスオベントウハソノママゲンカンマエニオイトイテクダサイ」
吸った息を全て吐き出す事で可能とした高速詠唱。
僅か一息で伝えるべき要件を言い切った。
「(完璧……)」
会心の一撃。
最早彼女に恐れはない。
形はどうあれ言うべき事は全て口から放出したのだから。さあ後は弁当をと革張りの椅子から立ちあがろうとして。
『……えぇっと、あの……古関ウイ先輩、ですよね?挨拶が遅れてごめんなさい。昨日、ヒフミちゃん達と一緒に伺ったミレニアムの才羽ミドリです』
「……ひょぇ?」
思考は止まった。 - 1121じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/20(金) 22:18:16
- 1131じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/20(金) 22:30:00
- 114二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 00:58:27
このレスは削除されています
- 115二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 00:59:24
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- 116二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 01:00:36
このレスは削除されています
- 117二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 01:04:13
このレスは削除されています
- 118二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 01:05:41
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- 119二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 01:06:19
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- 120二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 01:08:15
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- 121二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 01:12:04
このレスは削除されています
- 122二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 02:22:16
おつかれさまです
ウイとも話が纏まったようで良かった - 123二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 08:25:36
乙です
戦争は準備段階が重要なのです... - 124二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 13:44:07
お疲れ様です
ウイ先輩、ドンマイですw
そして、ラビット小隊は何やら忙しい…のかな? - 125二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 17:26:46
あれ、またレス消えてる
大丈夫かな - 126二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 18:07:10
前に別のスレでも出没してたIP被り利用して消していく奴の仕業とかかな……
- 1271じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/21(土) 19:51:54
- 1281じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/21(土) 22:12:00
- 129二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 22:20:38
おつかれじゃんね
ゆっくり休むじゃんね - 130二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 07:24:59
保守するじゃんね
- 131二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 11:39:54
お疲れ様ですミカ主。
目とか脳とかしっかり休めて万全のコンディションにしてほしいじゃんね☆ - 132二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 18:52:22
保守
- 133二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 23:56:04
保
- 134二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 08:36:06
保守
「開拓都市で行われる滅亡選挙、ラスボス達による真のラスボス決定戦」 - 135二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 16:55:56
保守
- 136二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 22:19:15
保守じゃんね
- 137二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 00:59:53
ほしゅじゃんね
- 138二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 08:30:37
今日更新あればいいけど心配じゃんね…
- 139二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 17:59:55
保守
大丈夫かしら - 140二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 21:30:27
保守
「狂騒たるキヴォトスの猛者達が、召喚された7基の英霊の首を狙い相争う」 - 141二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 23:50:18
ほしゅ
- 142二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 08:03:20
保守
- 143二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 16:45:02
大丈夫かな?
- 144二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 19:32:33
保守
ミカ主の無事を願う - 145二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 23:25:34
大丈夫かな?
- 146二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 07:37:47
ほ
- 147二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 18:43:18
規制にでもあったのだろうか…
- 148二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 18:54:03
だとしてもハーメルンの方含めてここ数日一切音沙汰無いからなぁ……流石に心配
- 149二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 21:08:53
これはもうダメかもわからんね
- 150二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 00:05:05
ほしゅ
- 151二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 00:36:47
保守
ハッピーエンドを目指した旅路の果て、阿慈谷ヒフミ…貴様は果たして何を為す───!? - 152二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 07:38:00
流石にここまで来ると利用規約にある「ユーザーの管理が放棄されたスレッドは削除対象になります」に該当しそうだし、残念だけど諦めようか
- 1531じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/27(金) 10:35:54
ご無沙汰してます……
長らく何も書き込まず、ご心配をおかけしてしまって本当にごめんなさい
取り急ぎ生存報告だけ、また今日夜に改めて経緯と今後等を書き込ませて下さい - 154二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 11:06:06
生存報告ありがとうございます。生きていてくださり何よりです
- 155二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 18:05:06
生きていたか、何よりじゃんね
- 1561じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/27(金) 19:44:37
長く書き込みもなく、ご心配をおかけしてしまって申し訳ありませんでした。
先週末に体調を崩してしまい、その後私事ながら多忙さと諸事情も相まって精神的にも参ってしまい、全く何も手につかない状態でした。
自己管理能力、そして責任能力が欠如した行動にご迷惑をおかけしてしまい本当に申し訳ありませんでした。
今後、このような事態となった際には必ず生存報告の連絡、また続きを投下出来ない時にもその旨を必ず連絡するようにします。
最後になりましたが保守や心配のお声掛け、本当にありがとうございました。
これからのスレについては、短くても毎日本スレでの本編投下を心がけていきたいと考えております。笛吹きについては、情けないことにまだ身体面が本調子でないこともあって、もう暫くお休みさせて下さい。
性懲りも無く続きをまた書いていきます。自身の都合で連絡を絶っておきながら誠に勝手で恥ずかしい限りです。
この度は本当にご心配とご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。
今帰ってきたので21時頃まで書いて続きを投下します。話の都合もあって恐らくあまり長い物にならないと思いますがご容赦頂けると幸いです。 - 157二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 20:01:37
体調不良なら仕方ない
- 158二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 21:12:05
無事でよかった!
どうかお大事になさってください... - 1591じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/27(金) 21:18:21
全部、お返事できないじゃんね……
でも書き込んでなかった間のは全部目を通して読ませていただきましたじゃんね☆
ご心配をおかけしてしまってごめんなさい、でもありがとうございました。
せめて直近のレスにはお返事、じゃんね☆
このあと短いけど、どうしても書かなきゃいけないシーンを終わらせちゃうじゃんね☆
生きてましたじゃんね……ご心配をおかけしましたじゃんね☆
なんとか無事に戻ってきましたじゃんね……遅くなってしまって申し訳ないじゃんね……
そう言って頂ける優しさに胸が痛くなるぐらいです、本当にありがとうございます……じゃんね☆
ご心配おかけしました……じゃんね☆
咳やら何やらまだまだ本調子には遠いから、とりあえずは短くても頑張れるとこまで書くじゃんね☆
- 1601じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/27(金) 21:26:21
【9日目正午・交流イベント/⬛︎⬛︎イベント】
【トリニティ自治区・某所病院】
【Recommend BGM……〈山間にて〉】
「……急に、随分色々な事が決まりましたね」
ユウカちゃん達が病室を出て、セイバーさんと二人きり。そう思ったら途端に疲れが言葉となって口から漏れていた。
「何か気になる事でもあったかい?」
彼の問いかけが私の上の方を飛んでいく。それに耳だけを傾けて、起こしていた上体を布団に投げ出して天井を見た。
染みの一つだってない柔らかいアイボリーは目に優しかった。
「いいえ。でも昨日の夜からびっくりする事がたくさんありましたから……なんだか、疲れちゃいました」
そんな風に漏らした本音は自分でも驚くぐらいするりと流れ出た。止まることなく病室に小さく浮いた笑い混じりの弱音に、彼は声を押し殺して喉奥を震わせる。
「本当にたくさんの事……思わず足が止まりそうになっちゃいます」
足が止まりそう、というのはみなさんにはまだ内緒。別に本当に足を止めて進まない、なんて無責任な事は言えません。でも今だけ、この一時だけ。
ベッドに腰掛けて、少しだけ頬を緩めて眦を和らげて私の頭をまるで小さい子にするように撫でるこの人にだけ。
大人に、ほんのちょっと寄りかかる。
「そうだね。それはきっと自然な事だ。君はとても優しい子だから、戦う事なんて不向きなんだろう。誰かが傷つくのを自分の事のように思える、誰かの平穏を願える。それはまぎれもない君の美徳だ」
「あはは……褒めすぎですよ」
「そんな事はないさ、君はとても素敵な女性だよ、ヒフミ。甘い物を食べ過ぎるのと好きな物に夢中になりすぎる散財癖を除けば、だけどね」
「またそうやった意地悪言うんですから……むぅぅ」
そう言って髪を梳くセイバーさんの左手をはたく。私の細やかな抗議に返ってくるのはいつも通り、夏空の草原に吹く風を思わせる軽やかな笑みでした。
「たくさんの、そして困難な問題を目の前にした時、人はどうしたって足踏みしてしまう。それは時に城壁のように立ちはだかるし、時に断崖のように見通せないほど深く感じる。或いは万の軍勢を彷彿とさせるかもしれない」 - 1611じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/27(金) 21:54:14
私の眼を見ながら、でもその瞳にどこか遠く懐かしい風景に想いを馳せるようにして彼は語る。
「やるべき事、なすべき事。そうだと分かっていても足が竦む。僕だって、そんな時がなかったわけじゃない」
「えへへ……セイバーさんもそう、なんですね」
「勿論。こう見えて僕は一国の王だからね……君と同じ、目の前に広がる数え切れない問題に頭を抱えたり、足が止まったり、なんだったら夜半に誰もいないというのに疲れを漏らした事もあったさ」
戯けて片目を瞑りながらそんな風に彼は言う。同じだと、この人はそう言ってくれる。ほんの少し吐いた弱音。ハッピーエンドを目指す、そう決めても怖い物はたくさんあります。自分の命も他のマスターの方の、お友達の命もかかっていて、そしてやるべき事はまだまだ山積みなのに時間制限があります。それを抱えて走ると決めて、だけど心の何処かでやっぱりなんだか『痛い』と泣く声が聞こえてて。
心が折れたわけじゃないんです。本当に止まるつもりだってないんです。ただ、そう、ほんの少しだけ。漏れてしまった小さな小さな弱音を誰かに聞いてほしくて。
「決断はいつだって重いし、行動は苦しみを大なり小なり伴う物だ。だから君がそんな風に『疲れた』と感じたって構わないんだ」
ちょっとだけ格好つけたい私の弱さを、この優しい王様に受け止めてほしいと、大丈夫だよと言ってほしかったんです。
「あはは……それなら、ちょっと安心です」
「ああ、安心だとも。それにね、ヒフミ。それでも君は問題と今も向き合っているんだ。難しい、苦しい、そうやって目の前を見据えるのも。どうしようと足を止めるのも。困難に立ち向かおうと『悩んでいる今』、それこそが君が頑張っている証拠だよ」
頑張っている。頑張れではなく、今、私は頑張っているのだと言い聞かせてくれる励ましに胸が温かくなる。
「頑張れて、ますかね?」
「頑張っているとも。この僕が保証するよ」
「……アーサー王陛下に保証してもらったなら、間違いありませんね」
「ああ、間違いないとも」
短いやり取り。けれど彼の応援が病室に、そして私の心に響いていく。
「それに、君はもう決めてるんだろう?」
彼からの信頼はくすぐったいけれど、優しくて、力強くて、弱くて下を向いてる小さな私に力をくれる。なら、それに応えないと。いいえ、応えたいと思うんです。 - 1621じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/27(金) 22:25:47
「はい。難しい事はあります。でも、やらなきゃいけない事が見えましたから」
困難な道なのかもしれないです。それでもハッピーエンドを、誰も犠牲にしないで戦い抜こうと決めたから。その選択を私だけじゃない、周りにたくさんのお友達が支えてくださりますから。もうこれ以上、誰かが辛い思いをしないように。人を傷つける儀式だなんて物に雁字搦めになって苦しむ事がないように。大好きな人達と一緒にいられるように。
ハッピーエンドを目指して、聖杯の事も他のマスターの方の願いも、一つずつ調べていく───それが今から私がやらなきゃいけない事。
どんなに進む先が暗くても、どんなに手探りでおっかなびっくり歩くとしても、みんなで考えて、みんなで見つけた方法でハッピーエンドに向かう。
そう、決めたんです。
「ありがとうございます、セイバーさん」
「どういたしまして、かな?少しはすっきりしてくれたのなら僕としても慣れない語りに精を出した甲斐があるよ」
「あはは……でもセイバーさん。慣れないって言われますけど、いつもお話がとってもお上手ですよ!ほら聖杯戦争についてとか」
「ただの魔術師が相手ならこういう話を聖杯戦争中にはしないさ……ヒフミにだけ特別に、だね」
「そうやってすぐ甘い事仰るんですから……私で何人目なんでしょうか?それ」
「ははは……何のことやら。でもそうだね、前と、その前。ヒフミとはまた違う、けれど同じように良き心を持ったマスターとこんな風に事はあっかもしれないね」
「ほらやっぱり……」
ごろんと寝返りして彼の顔を見ようとしたけれど、左腕がじくりと痛んで、すぐにやめました。こんなところ怪我をしたっけと見ればセリナちゃんがしてくれた点滴の針と管がガーゼ越しに主張しています。そんな風に私がばたつく物ですから彼も可笑しそうに笑みを溢す。
「マーリンの事も含めてあまり悩みすぎないように、と言おうと思っていたんだけどね。どうやらその様子だと、もうすっかり必要ないようだ」
なぜか得意げにそういう彼に何か言い返そうかと思って頭の中で辞書を広げてみますけど、どうにも良い単語は引けなくて。結局、彼の言葉にあった気になる部分を尋ねることにしました。
「マーリンさん……の事ですか?」 - 1631じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/27(金) 22:49:49
今日の話の中で、マーリンさんと話した事はきちんとみなさんにお伝えしました。それはもちろん、セイバーさんにもです。確かに彼女の助言はとても難解です。
でも、あの場での話はそれっきりでしたし、さっきまであった話し合いのなかではマーリンさん以外にも先生の事や明星さんの事、他にも聖杯の所在と処遇、どれも一筋縄ではいかない話題があがりました。その中でセイバーさんはマーリンさんの事を気にされている。
私にはどうしてかそれが『気になった』んです。
「ん?ああ、彼女の話はまたおいおい……と言いたいところだけど、そうだね。僕個人が彼女の言葉に対して云々というのは置いとくしても、それよりも大切な、彼女と僕らの……ヒフミとの『違い』は話しておこうか」
セイバーさんの個人的な思いではない、そう前置きをしてから彼は滑らかに話始められました。
「マーリンは夢魔との混血、そしてその血筋以上に特殊な『目』を持っている。ライダーが持つのと同じ、魔眼と呼ばれるソレ。『星の瞳』に限りなく近い、けれどズレた物。そんな彼女の視点は僕らとは違って星に寄るんだ」
星。そう言う彼の言葉を聞いて私が思い浮かべるのはこの昼間には似つかわしくない夜空に輝く小さな光。それを分かってか、彼は静かに訂正してくれました。
「何と言ったらいいかな、星……知的生命体を有し文明を興すまでに至るほどの土壌を有した僕やキャスターが生きたあの星には『意思』があった。ガイア、と言ってね。英霊の中にもガイア側かそうでないかの区切りのような物がある」
「セイバーさんやキャスターさんは、そうではない、と?」
セイバーさん達の生きていた世界、本来いた惑星。それを指して『星』と呼ぶのだと言う。
そして彼ら英雄達にはカテゴリー分けがあるとも。
「そうだね、少し脇道になるけれど……前に話した属性の話を覚えているかな?僕のようなその土地に根差した……ああ、君達で言うなら外の世界なのだけど、ともかく僕は故郷で語り継がれる英霊だから地属性。キャスターのように人類史にその存在がしっかり刻まれた、誤解を生むかもしれないけれどそうだね、確かに『いた』事が証明できる英霊は人属性に分類される」 - 1641じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/27(金) 23:02:25
いつだったか、セイバーさんとキャスターさんが二人でそんな風に話されていた事がありました。その事でしょうけど、七つのクラスや秩序や善といった属性以外にもサーヴァントの方にはまだまだ分類があると聞いて驚いてしまいます。
「属性はなにもそのサーヴァントにとって不変の物じゃない。というより、召喚された先の霊基によって変わるというべきかな?サーヴァントは『座』にある英霊がそのまま召喚されるわけじゃない。記録されたその一面を切り取って喚ばれるからね。今回の僕は地属性だけど、時には人属性や天属性、そんな僕が召喚される事もあるのかもしれない」
「その時々で変わる、って事でしょうか?」
「そうだね。人の心も、そしてその生涯も複雑だ。たった一つの何かで決めつける事は出来ない」
あの時はなんとなしに聞き流してしまいましたし彼は横道とは言ったけれど、今聞いてる話はサーヴァントの方と関わる中で大切な事なのだと『直感』する。
「そういう風に、もしくはそれ以上に。英霊という存在は細かく分類される。型に嵌められる、と表現すべきかな。僕達はあくまでかつてあった、そして今信仰を受ける情報体だからね。意外とシステマチックなんだよ……そして彼女はサーヴァントでなくても、そういう枠組みに入れられていた」
語り口は静かに誇るようで、だけどその口元にどこか寂しさを残して彼は言う。
「ガイア、星の内海。その意思を色濃く遺す美しきヒト。地上に残された最後の花。それがマーリンなんだ」
その瞳に映っているのはきっといつかの日々。通り過ぎ去った遥かな彼方。あの草原から、いいえ。物語の通りならその前からきっと二人で歩んできた旅路を思い返しているんだと、私は思うんです。
「彼女の視座は星のそれ。僕らが見るように人の世を観ているわけじゃない。僕達の思考や視点があくまで僕達が生まれ育った環境や社会の中で獲得した物なら……あのヒトが観ている世界に僕らの倫理や秩序、価値観は介在しない」
価値観が違うのだと、そういうセイバーさんの言葉を聞きながらあの夢の中でのお茶会を思い出す。
純白の乙女はまるで絵本の中から抜け出したように美しくて浮世離れしていた。そしてそれは姿だけじゃなく、価値観もなのだと。 - 1651じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/27(金) 23:29:18
「彼女は僕ら以上に広い視座を持つ。盤面に置かれた駒を眺めるように、編み込まれたタペストリーを辿るように。彼女の瞳は一個人に対して向けられる物でもその場、その瞬間を切り取る物でもない。世界全体を見通し人の倫理や秩序、善悪ではなく世界を通して人の営みとその歴史を眺める───彼女のそれは主観でも客観でもない、俯瞰なんだよ」
物の好き好きはあるけれどね、そう言って締めくくる彼はそっと瞼を閉じてから、ゆっくりとまた私の顔を見つめ直した。その瞳に、もう思い出の花は彩られていませんでした。
「と、ここまで語っておいてなんだけどね、今話した事も含めて『君は』マーリンについてあまり深く考えなくていいんだ」
そこまで話してから、あっけらかんと彼は笑った。
「色々言ったけどね、ヒフミ。彼女の言う秘密や行動への導きはとても抽象的だったろう?」
「あはは……はい、とっても」
「そうなんだよ。彼女の言葉は本当に物事を婉曲的というか曖昧模糊というか。それでいてそれを愉しんで言うのだから、本当に僕も在位中は手を焼いた物さ」
昔からそうなんだと言う彼の顔はどこか幼さすら感じて思わず頬が綻んでしまいます。転がった笑い声に少しだけ彼は不思議そうにしてから、咳払いを一つして続きを話し出しました。
「小難しい言葉に一々頭を悩ませて僕も疲れてしまう事がよくあった。だから『君は』あまりそれに振り回されないように、気にしすぎず今目の前にある問題を一つひとつ片付けようって話さ。なに、君も何も考えずに動いた方が好きだろう?」 - 1661じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/27(金) 23:40:45
「……一言余計ですよ、セイバーさん。こう見えて私、お勉強は結構出来るんですから」
「おや?補習授業部という名前な物だからてっきり君は勉学が苦手なのかと思ったのだけれど。僕の勘違いだったかな?」
「そうですよー!私が補習授業部に入部した経緯は成績じゃなくてペロロ様のゲリラ公演に参加してテストに出席できなかっ「ヒフミ?」……あ、いえ、その……違うんです!」
やってしまいました。どうしましょう、セイバーさんの目がすごく冷たくなっておられます。
いえその私だってテストは受けたかったですし受けるつもりでしたけどなんというか不幸な行き違いというか日程が間違ってたというかテストがペロロ様のゲリラ公演の予定に配慮してくださらなかったというか……。
し、仕方なかったんです!ね!アズサちゃん!
イマジナリーᓀ‸ᓂ「そのおかげで私はヒフミと出会えたから……うん、仕方ない」
「……この件は今日の夕食後にきっちり話をしようか」
「あぅぅ……」
どうやら今日の夜はお説教みたいです。ど、どうして。どうしてこんな事に……。
「……とにかく。ある程度色んな事を説明したかったから長くなってしまったけど、僕の言いたかったのは考え込みすぎないようにって事だよ」
「あ、あはは……でもたくさんサーヴァントの方の事やマーリンさんの話をして下さったおかげでとってもお勉強になりました!」
「それはよかった。僕も話さなくちゃいけなかった事だったからね」
「話さなくちゃいかなかった……ですか?」
少し変わった言い方をされるセイバーさんにそう聞き返すと、困ったように頬を掻きながら彼は答えてくれた。
「だって僕も、君の仲間なんだろう?」
その短い言葉に込められた気持ちは、それ以上は言わなくてもしっかりと伝わってきました。
困ったように、ちょっとだけ照れたように微笑んで彼から贈られた心遣いが嬉しくて思わず身体を起こしてしまう。優しい目線には真摯に言葉を尽くそうと、私達の在り方を彼が尊重して共に歩んでくれるのだと改めてそう伝えてくれていました。 - 1671じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/28(土) 00:15:42
上体を起こした私に合わせて彼は立ち上がって。それから病室の床に片膝をついて、私と目線を同じにしてくれる。
「……時間の事も含めて、今一番不安なのも辛いのはきっと他ならぬ君自身だ。そしてこれからの戦いで、君はまた傷つくかもしれない。戦う事しかできない僕にはそれを癒す事はできない。けれど」
それはあの夜と同じ。そして今度は温かな陽射しを窓から浴びて彼の金紗を柔らかく輝いて、その透き通った翡翠の瞳にはあの時よりずっと力が込められて。
「約束するよ───僕が必ず君を日常に帰す」
彼は私に誓いを捧げて、そう言って下さったんです。
「君がハッピーエンドを目指すように、僕もまた君が友と過ごすかけがえのない日々を取り戻せるように戦う。それが僕の……うん、嘘偽りない今の僕の願いだ。だからどうかもう少しだけ。僕と共に戦ってほしい」
それがサーヴァントとしての願いなのだと真っ直ぐに彼は言う。今この時に、改めて誓う彼の言葉に嘘が入る余白なんてどこにもない。彼の言葉に、私の中にほんの僅かに残っていた不安は全部吹き飛んだ気がする。それが何故だか悔しくて、思わず顔を伏せてしまう。
「……ずるいです」
「大人だからね」
「……これからも」
「うん」
「守ってくれますか?」
「必ず───君の願いを、君の幸せを。この剣に誓って」
結局二人きりになってからずっと、彼は呆れるぐらい真正面から私を受け止めてくれて。それが嬉しいのか恥ずかしいのか、分からないぐらいで。けど今は。
「改めて、よろしくお願いします───セイバーさんっ!」
とびきりの笑顔を彼に見せたいって思ったんです。 - 1681じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/28(土) 00:38:05
「さて、たくさん話をしたしそろそろユウカとリオは帰ってくるかな?彼女達が帰ってきたらこれからの話をしなくてはいけないね」
切り替えるように彼はそう言って扉の方を見る。それなりに長い事お話をしてましたけど、どうやらお二人はもちろん、アズサちゃん達もまだ帰ってこられる様子がありません。
「これからってなると、シスターフッドの方達にお話を聞いたりしなきゃいけませんし……ウイさんとの話やSRTの方と協力できそうかの確認もしなきゃですね!一度拠点に戻るとしても午後は時間がまだありますし、トリニティで出来る限りマリーちゃんの情報を集めてそれから先生に直接的な協力依頼は無理でも間接的になら。それにトキさんというかエリドゥ攻略の話もしなくちゃですし……」
やる事が見えたといってもどれを優先すべきか、何から手をつけるか。まだまだ課題は山積みです。
口に出しながらどの選択をすべきか考えていると揶揄うようにセイバーさんが口を挟みました。
「随分やる気に溢れてるじゃないか、ヒフミ?」
「あはは……そ、そうですかねー?でも……はい、なんだかやる気いっぱい出てきたみたいです!私、これからまだまだ頑張れそうです!」
そんなつもりはない、とは言えません。セイバーさんが誓ってくれました。ハナコちゃんと仲直り出来ました。みんなで一緒にハッピーエンドを目指していくと改めて決めました。たくさん決めたり考えたりで疲れもしましたが、どれも嬉しい事ばかりです。自ずと力も湧いてきちゃいます。そんな私に彼がまたそっと、小さい子にするみたいに微笑ましげに見つめながら素敵な提案をしてくれました。
「そうだね……そうだ。そんな頑張るヒフミに何かご褒美なんてどうかな?」
「あわ……い、いいんですか?ご褒美だなんて」
「勿論いいとも。たとえば「じゃ、じゃあっ!完全受注生」あー……可能な限り、散財しない方向にしようか。ちなみにそれは幾らだい?……なるほど。うん。却下だね」
1/1スケール着ぐるみペロロ様の夢はまた今度。となると、それなら。
「あの、お買い物……なんてどうでしょう?」
別に散財はせずにただ見るだけですと、おずおずと話せば彼はくすりと笑いを一つ。それから。
「……いいね。またゆっくり、そうだな。時間を見つけて買い物にでも出掛けよう。きっと楽しい思い出になる」
遠い夏の空から、祭囃子が降る。 - 1691じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/28(土) 00:44:58
- 170二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 00:52:10
隊長悪かったら無茶せずに報告入れてくれるだけでもいいんやで
コツコツと確実に積み重ねていくじゃんね - 171二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 01:10:33
おつかれさまです
- 172二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 01:29:22
乙です!
まだ本調子ではないとのことですから、どうか自分の身体を第一に考えてください。
ハッピーエンドを楽しみに待ってます! - 173二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 10:38:45
お疲れ様でした
ミカ主、お帰りなさい
うんうん、主従仲良しは良いことですね(第四次の剣主従の関係を考えながら) - 1741じゃんね☆◆O.TPn8yZQc24/09/28(土) 18:17:30
やぁぁっと終わったじゃんね……今から書くから投下は20時過ぎじゃんね☆
ごめんじゃんね……体調崩してそのままずるずる……次からとにかく連絡は欠かさないようにします!……じゃんね☆
アドバイスありがとじゃんね☆嬉しいじゃんね☆無茶せず無理せず、一つひとつしっかりやってくじゃんね☆
ありがとじゃんね☆
ありがとじゃんね☆体調の事も心配させちゃってごめんなさい、でもありがとう……じゃんね☆
ハッピーエンド、行けるように1も頑張るじゃんね☆
ただいまじゃんね☆
仲良きことは美しきかな……じゃんね☆
ほんとはもっと短くというかセイバーとヒフミちゃんの二人きりイベントは挟む予定なかったけど、メタ的に絆関係のテコ入れとはまた別にどうしても書かなきゃいけないイベントだから書いちゃったじゃんね☆
今日こそ9日目午前を終わらせるじゃんね☆
- 175二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 19:57:55
楽しみにしておりますー
- 1761じゃんね☆◆O.TPn8yZQc24/09/28(土) 20:49:13
- 1771じゃんね☆◆O.TPn8yZQc24/09/28(土) 20:50:27
ちっと通して下しゃんせ。
御用のないもの通しゃせぬ。
この子の七つのお祝いに。
お札を納めにまいります(百鬼夜行童謡「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎」より)
【Recommend BGM……〈Tsukikage〉】
りんと、鈴が鳴る。
空調の程よい涼しさとはまるで違う、背筋に氷柱を突き刺される気色悪さを感じさせる底冷えに肌が粟立つ。
誰かが、来た。
「(ヒフミ。合図は君が)」
じわりと嫌な汗が背中を伝う感触がした。病院であろうと感じる利用者や職員の方が行き交う気配や生活音はぱたりと途切れる。
この病室ごと隔離されたように、音が死ぬ。
代わりに、涼やかで、そしてまるで病院という場所に似つかわしくない響めきだけが壁越しに沈んだ空気を振るせる。
太鼓だ。
太鼓の音が遠くから響いている。
「(まだ病院内にユウカちゃん達が……いいえ、たくさんの人がいます。ですから、セイバーさん)」
騒がしかったはずの蝉時雨が壁を挟んだようにぼんやりとして、代わりに葦笛が囁く。
「(ああ、任された)」
自分の左腕に刺さる針を引き抜く。上体を起こした姿勢からすぐさま片膝をついて、病室備え付けのガンラックに置かれた戦友を左手に、その間も視線は扉から離さずに。ベッド脇に立つ彼もまた私の話を受けて、スーツ姿から鎧を纏い、籠手を鳴らして風を握る。
一つ、深呼吸。準備は、整った。
「……どうぞ」 - 1781じゃんね☆◆O.TPn8yZQc24/09/28(土) 20:56:52
二回、少し間を置いてもう二回、扉が叩かれる。
その音は柏手に似ている。
手が、取っ手にかかったのだろう。僅かにスライド式のそれが揺れる。
次に見た時、音もなくゆっくりと扉が開かれる。
扉の向こう、その先には。
───誰もいなかった。
瞬間、視界がブレる。
「おんやぁ?」
数瞬前までベッドの上にいた私はいつの間にか彼の小脇に抱き抱えられて、誰もいないのに一人でに開いた扉の前まで移動している。
「けひっ……バレちまいましたか。ちょいと『びっくりさせたかった』だけなのに、残念ですねぇ……いひっ、いひひっ」
扉の反対、壁際。ついさっきまで私がいたベッドのすぐ近く。日差しと陽気を注ぐ窓に彼女は居た。
「いやぁ良いもん見せてもらいましたよぉ。随分と鼻が効くんですねぇ」
いつの間に開けたのか、鍵がかかっていた筈の窓は訪問者を招き入れている。
「暫く見ないうちにずいぶんとまぁ草臥れて、嗚呼可哀想に、可哀想に!……手前がたぁくさん慰めてあげますからね。いひひっ、嬉しいでしょう?嬉しいなぁ?」
外と繋がる其処から、いやに生温い風とチューベローズによく似た甘ったるい香り漂わせて。
「ねぇ?ヒフミちゃん」
ぶらりと足を投げ出して窓に腰掛けながら、彼女は、箭吹シュロさんはそう言った。 - 1791じゃんね☆◆O.TPn8yZQc24/09/28(土) 21:32:20
「……お久しぶりです、シュロちゃん。お元気でしたか?」
「手前は変わらず頗る最低ですよ、ヒフミちゃん。久しいですねぇ、こうして手前様と話すのも。この前は『邪魔』が入っちまってちぃぃっともゆっくり出来ませんでしたもんねぇ……今日はまたぱちんっ!……って潰れちまわないと、いいんですけどねぇ」
ぶらり、ぶらりと投げ出した足を揺らしながら彼女は上機嫌に喉奥を鳴らした。言葉に合わせてわざわざ手を叩いてみせる姿は愉しげで、とてもではないですけどその話の中身にそぐわない。
「この前のように頭を撃ち抜かれたくないのなら、わざわざ外から見える窓に座るのはやめて降りて来たらどうだい?……それとも、今日は『泣き別れ』がご所望かい?」
ずいと半身になって、セイバーさんはその空に見える左手を彼女の方へと向ける。
その警告に薄く笑みを作ってシュロちゃんも返す。
「これはまた手厳しい。手前は噺屋、怪談家。口さえあれば御の字とはいえ、未だ若い身空でばらりずん、なぁんてのはご勘弁被ります。それに手前様はきしどー、なんて物に殉ずる異国の殿方でいらっしゃる。どうです?いたいけな少女の悪戯、少ぉしぐらい目をば瞑ってくださりませんかねぇ」
「無論、女性に礼を尽くすのが僕らの騎士道だ。もっとも、尽くすべき相手を見誤るつもりはないし、浅い子供の遊びに付き合える程、僕は余裕ある大人じゃなくてね……もう少し邪気を隠さないと臭って仕方ないよ」
軽く一振り。
塵紙で払うような所在。
セイバーさんの腕が斬りあげるように下から斜め上へと動いたかと思えば、窓の横に浅く亀裂が入って。
「折角ヒフミに会いに来てくれて悪いけれど───遊びが過ぎるな」
ずるり、と。黒い何かが溶けて落ちた。
「少しだけ、少ぉしだけ。驚かそうってだけですよ!そうそう目くじら立てないでくれませんかねぇ?イヒヒっ!だってそうでしょ!可哀想なヒフミちゃん!『魔力なんて毒にやられて入院してるってのに』見ればだぁれも見舞いに来ちゃいない!」
「みなさんならちょうど用事があって一度出てるだけですよ……知ってて言ってるんですよね?シュロちゃん」
「けひっ、さぁてさて、どうでしょうかねぇ?」
黒い何かは煙となって窓の外へと消えていき、剣を向けられた事も私にばれた事も何一つ気にせずに、彼女はにたりにたりと笑みを溢していた。 - 1801じゃんね☆◆O.TPn8yZQc24/09/28(土) 22:06:40
「ヒフミには他にもたくさん見舞いに来てくれる友が待っていてね。君の話に付き合う暇はないんだ。悪いけれど、お帰り願えるかい?」
「えぇえぇ、帰りますとも、帰らして頂きますとも。話が済んだらそそくさと。だけど手前様、ちょいといけずじゃありゃしませんか?だってそうでしょう?今この場にいるのは手前様達のお二人だけ。ちょいと茶話していきましょうよぉ、ねぇ?」
いつの間にか彼女の手にある湯呑み。材質そのままの土気色のそれからは湯気の一つも立っていないのに、僅かに水音が聞こえていた。
「おっといけない」
そう一言呟いてから、彼女の手から湯呑みがつるりと落ちて、空気が歪む。床に叩きつけられた湯呑みはそのままにばらりと割れた。ばしゃりと飛び散るのは紅い、液体。それに混じるのは湯呑みだった筈の───。
「(目を瞑って、ヒフミ)」
静かに、セイバーさんの声がするりと頭に飛び込んできてそれに私はなにも考えずに従った。視界を閉じてすぐ、ふわりと風が私の身体を軽やかに駆けて行ったのが分かった。
「……もう、大丈夫だよ」
目を開ければさっきまであった真っ赤なそれは消えていた。
「ありがとうございます、セイバーさん」
「大した事じゃないさ、こういうのには昔から覚えがあってね。編み込みの甘い幻程度、『風』で流してしまえばいい」
そう言う間も彼の視線はシュロちゃんから外れる事はなく、じっと左手を構えたまま警戒している。この前の時と同じ幻なのだと、彼に看破されたシュロちゃんは変わらない様子のまま、むしろ一層囃し立てるように空になった両手で調子の外れた拍手をする。
「いやはやどうしていじらしい。見目もよけりゃ気立もいい!よかったですねぇ、ヒフミちゃん。とってもとぉっても優しい騎士様を恵んでもらって……大切にしなきゃいけませんよぉ、折角こんなに煩く喋るんですから。道具の手入れはかかしちゃいけません。なにせこっちに刃を向ける人斬り包丁なんですからねぇ……おぉ、おっかない」
「恵んで、か。随分含みのある言い方だけど……ヒフミと僕との間にあった縁は別にあるとでも?」
「おやおやぁ?そんな風に聞こえちまいましたかぁ?そりゃぁ失礼しまして……いけませんねぇ、札の三枚目は後生大事に持つのが慣わしだってのに」 - 1811じゃんね☆◆O.TPn8yZQc24/09/28(土) 22:08:35
- 1821じゃんね☆◆O.TPn8yZQc24/09/28(土) 22:22:32
「それにしても……良い面ぁ、するようになりましたねぇ、ヒフミちゃん」
値踏みするように繁々と私の顔を見つめながらにんまりとほくそ笑んで彼女はそう言う。
彼女の様子はまるでお気に入りのキャラクターが物語の中で活躍したり成長したのを見て満悦でもしているかのよう。その声色のまま、シュロちゃんは話題を切り出す。
「如何です?その後の『ご調子』は?」
「あはは……体調は昨日よりずっとよくなりましたよ。でもシュロちゃんが聞きたいのは、聖杯戦争の事、なんですよね?」
その日の天気の話でもしているかのような調子で投げかけられた問いに私がその投げ返すと、きょとんと惚けてみせてから、彼女は破顔した。
「ひひっ……えぇ、えぇ!そうです!聖杯戦争!なんて阿呆な乱痴気か!人でなしのお祭り騒ぎ!聖杯なんぞという下らねぇ玩具に釣られた馬鹿共が尊厳に塗り潰しあう餓鬼の道!」
言葉通りの表情ではなかった。堪らないと全身を動かして彼女は聖杯戦争への思いを表現する。力を込めて両腕で自分の身体をさも愛しげに殺意を乗せて抱きしめて、そうかと思えばむず痒いと身じろぎしてそれでも敵わないと頭を掻いてみせたり、まるで舞台役者にでもなったように激しく身振りする。
「……否定はしない。己が願いの為に聖杯を欲して召喚に応じたその瞬間から、僕らは確かに人でなしの死者だろう。今を生きるヒフミ達にそれを咎められるのなら、僕はそう答える他ない」
「へぇ……手前は別と?」
そんなシュロちゃんと反対に、セイバーさんは落ち着いていたけれど、彼女は思うところがあるとでも言いたげに含んで言う。
それに彼は事も無げに答えた。
「ああ。だって君は聖杯戦争のそういう側面自体が気に入らないってわけじゃない───むしろ、好きなんじゃないかな?」 - 1831じゃんね☆◆O.TPn8yZQc24/09/28(土) 22:53:48
すっと、彼女の目が細まる。隙間から見える蘇芳には明確な嫌悪が宿っていた。
「……嫌ですねぇ、その面、その瞳。達観ぶって全部お見通しとでも言いだけなソレ……何処ぞの猫じゃありゃしませんが反吐が出ますよ、本当に」
「悪いけど年長者の特権、ってところかな?」
淡々と吐き捨てたシュロちゃんに対して、セイバーさんも平然と笑ってみせる。それに舌打ちをしてから、暫く黙ったシュロちゃんの口から次に飛び出したのは聞き慣れない名前と、よく知っている名前でした。
「……シャルルマーニュかアーサー王か。はたまた馬上無敗か、荷車の騎士か。あぁ、それとも鉄腕か青髭か、なぁんて冗談は閉まっときましょうか。ついでに言えば十字の殉教者共じゃないでしょう、その胸糞悪ぃ説法癖は。ってことたぁ、ゴドフロワは外しですかねぇ」
大穴狙いはこれだからとごちる彼女が挙げていった名前がどういう意味を持っているのか、聖杯戦争に参加するマスターでそれが分からない人はきっといない。だからこそ、私の心臓はどきりと跳ねて、彼はそうではなくとも声の調子が下がっていた。
「……感心だね。キヴォトスはそういう伝承に疎い……いや、『薄れてしまった』土地柄だと聞いていたけど、君は随分と勉強熱心なようだ」
その言葉に彼女はしたり顔をした。弱点を見つけたとでも言いたげに、気持ち良さそうに唇が忙しなく開く。
「ひひひっ……真名、でしたか?当たるも八卦、当たらぬも八卦。面白いもんですねぇ、こりゃ。見目から当てろたぁ粋なもんですよ、ひひっ」
明確に敵という立場でもなければマスターでない彼女が真名を知ったところで、なんて事はない。サーヴァントの方にとってその真名は急所となり得るんだと何度もセイバーさんに教えて頂いたのだから。
だからこそ、ともすれば私達よりこのキヴォトスの聖杯戦争について知り、たった今キヴォトスでも聞き慣れない筈の真名を並べ立て、『楽しい』と口にした少女に警戒が一層強まった。
でも彼女は、そうじゃなかったんです。 - 1841じゃんね☆◆O.TPn8yZQc24/09/28(土) 23:12:15
「良いですねぇ、真名とくらす、でしたか?生まれ持った名前を隠して真剣勝負!なぁんて不恰好な様でしょうか!名にし負う万夫不当の益荒雄が!裸でも見られた生娘でもあるまいにどいつもこいつも女々しいばかりに自分の名前も明かせない!名乗り上げは戦の華だというのに、嗚呼なんと可哀想!その癖一丁前に槍働はしてみます!これを嗤わず何を笑うか!でも仕方ないんですよ……だぁってそれがサーヴァント!それが英霊!いんやいんや、どうしてそれも仕方がない!だってそういう風に型に嵌められちまってますもんねぇぇぇっ!」
腕を広げて、頬を桜に染める。熱に浮かされる蘇芳に宿るのは生優しい感情などではなくて、絵の具を何度も継ぎ足してしまったような複雑に染まったそれ。けれどその中で一際大きく主張する色を敢えて形容するのでしたらそれはきっと『嘲り』。
「……嗚呼、そうでした、そうでしたとも。手前は聖杯戦争が好きだかどうだか?無論のこと───」
たっぷりと間をとって彼女は言う。
「ご明察!握り飯片手に合戦見るは百鬼夜行じゃぁ昔からの習わしで。こりゃ良いですよ、良いですとも!これで手前も配を振れりゃぁもっと良かった!楽しいですねぇ、えぇそうですねぇ、楽しいですよぉ!」
恋する乙女のような仕草で、色濃く塗り潰された想いの丈がどこにしまっていたのかと思うぐらいその小さく細い身体から吹き出す。
「聖杯、聖杯っ、聖杯っ!浅ましいとは詰りませんとも!骸になっても欲しい願いの為に墓から起きた馬鹿な奴隷!昨日笑い合った学友を殺しても叶えたい欲望を掲げる阿呆な主人!各々、嘘偽りない赤心を抱いて死地に向かう!欲の坩堝、聖杯戦争!道理もへったくれもありゃしない!嘘付きなんざ誰も立っていられない!剥き出しになった願いってぇ銘の本質だけが誠実さを証明する!これには手前も拍手喝采雨霰!いやさ、御立派!いやはや御見事!正気の皮を剥いでやりゃどいつもこいつも獣になる!……えぇえぇ、そうですとも。手前は別に聖杯戦争自体が気に入らないわけじゃあない。あの間抜けが馬鹿やらかす前に手前らが知ってたなら、是非とも祭りの櫓を組んでやりたかったぐらいにはぁね」 - 1851じゃんね☆◆O.TPn8yZQc24/09/28(土) 23:34:28
がなり立てるような、大きな声ではありません。別段敵意を向けるような、きついトーンでもありません。ただその小さな体から私達を通して聖杯戦争に対して向けられた熱量が、あまりにも大きくて、力強くて。私は彼女の語りに呑み込まされそうになってしまいました。だから、聖杯戦争に対する想いを言い終わった彼女が、呼吸を整える為かそれとも話題を切り替えるためか、深く吐いた息を聞いた時、ほっとしてしまったんです。
「さぁてさて。あんまり道草してちゃぁいけません。まぁた、あのチビ助と浦和ハナコに卓袱台めちゃくちゃにされちゃぁ構いませんからねぇ」
さっきとは打って変わって今度はつまらなさそうに彼女は二人の名前を言う。その言い草と、さっきまで全然違う彼女の雰囲気が、なんだか年相応な幼さを感じてつい揶揄ってしまいます。
「随分、お二人を気にされるんですね?この前も私一人ってお話でしたし……もし会うのが怖いのならよければ私がお二人との仲を取り持って差し上げますよ?どうですか、シュロちゃん」
それにシュロちゃんは心の底から嫌そうに顔を歪めた。その仕草はまるで苦いものでも噛み締めてるかのよう。
「怖い?浦和ハナコの事が?……いけません、いけませんねぇ、いけませんよぉ、ヒフミちゃん。いいですか?冗談は面白くなきゃ白けちまいますよ、ヒフミちゃん。あぁんな、嘘吐きが怖いだなんて……嗚呼、冗談の一つにもなりゃしない」
ぼそりとそう言いつつ所々に私のお友達に対する毒を仕込んでいる彼女の言葉。それが分かっていたから、敢えて私も意趣返しの意味も込めて特に反応を返さないでおく。長い付き合い、というわけではありませんがもうこれで三回目。いい加減、この子のする遊び方というのにも慣れてきました。
「そうですか。まぁシュロちゃんがそう言うのならそうなんでしょうね」
「……つまんないですねぇ。少しは色めき立ってくれなきゃ手前の屋号も名折れになっちまいますよ」
きっと、憤るか悲しむか、何かしら私がしてくる反応を見たかったのでしょう。その当てが外れた物ですから、彼女はその言葉通りにつまらなそうにしていた。
「そうは言ってもシュロちゃん。セイバーさんの言葉を借りるわけじゃありませんけど、別にハナコちゃんの事、嫌ってるわけじゃないですもんね?」
少しだけ冷やかすと彼女は今度こそ顔に影を作りつつむくれてしまった。 - 1861じゃんね☆◆O.TPn8yZQc24/09/28(土) 23:55:53
「……嫌いですねぇ。大っ嫌いですよぉ、手前はハナコちゃんの事なんか大っ嫌いです。嗚呼そうですよ、あともう少し、あともう暫く早けりゃ手前も喜んで味見したかったですけどねぇ。少しばかし肥えちまいましたから、今じゃあちっとも面白くない女に成り下がりやがって……」
彼女にしては珍しくと言ってもいいのか、先ほどあった流れるような話し方と違ってぽつりぽつりと思いを綴り、その歯切れも悪かった。
本人もその自覚があったのでしょう、伏せていた顔をえいやとあげて、切り替えるようにシュロちゃんは目を細めつつ唇を吊り上げた。
「その点、ヒフミちゃんは大好きですよぉ。とっても、とぉぉっても……ねぇ」
「あはは……ありがとうございます。私もシュロちゃんの事、嫌いじゃありませんよ」
折角ですからお返しには細やかな棘を残しておいてみせると、彼女はそれを恭しく受け取って嬉しそうにする。
「いひひっ!そりゃあどうも!でもですねぇ、でもですよぉ、誓って嘘は言ってませんよぉ、手前は一つだってね……えぇ、『本当に』。手前はヒフミちゃんが大好きです、心の底からヒフミちゃんに惚れ込んでるんですから……ひひっ。この聖杯戦争だって、他のどの陣営よりもヒフミちゃんの事を手前は応援してるんですからねぇ」
細い隙間の奥、鈍い眼光にじとりと湿った物が宿る。値踏みするように見定めるように、それを悟られないようにする態とらしいポーズをしながら彼女は続ける。
「おおっと!勘違いさせちゃいけませんね。言葉には気をつけなきゃぁいけません……なにせ手前は噺屋ですからね。きちんと吐いた言葉の意図が相手に『正しく伝わる』ってのが肝要です。ですからきちんとお伝えしましょうか。手前も、手前ら花鳥風月部も、前にも言った通りこの聖杯戦争にゃ手も足も出しません。出るのは舌先三寸、ってとこですかねぇ?」
にたり、にたりと。笑う、嗤う。いつも通りのシュロちゃん。初めて会った時から変わらない、檻の中で必死に吠える子犬を見るような目線。 - 187二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 00:27:45
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- 188二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 00:48:48
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- 189二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 01:04:58
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- 190二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 01:24:14
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- 191二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 01:50:01
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- 192二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 02:17:32
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- 193二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 02:24:21
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- 194二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 07:36:40
乙乙じゃんね
- 195二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 11:23:31
シュロの発言を解釈すると
風情も解さず何もかも手遅れな鈍間(聖杯戦争の悪趣味さを理解できてない もう無理な対応をしてる) マリー 黒服 アル ミノリ
理念と心中するつもりの頭でっかち トキ
法螺しか吹かない大嘘吐き(何かを隠してる) 黒服 モモイ マリー
一人で歩く事すら出来ない臆病者(自分がこうしたいじゃなくて仲間の意思に寄りかかったり誰かのために動いてる) アル ミノリ モモイ
曇り硝子を覗いて良い気になる間抜け(聖杯戦争の実態が見えてないのに知った気になってる) 黒服
あの娘っ子だけは別 モモイ マリー ミノリ
かな
悪様に言うシュロの発言だというのを考慮しても肯定的に見てるのは一人だけだからモモイかミノリのどっちかは気にいらないと思ってる
ヒフミは綺麗事言ってるけどそれを張り通そうとしてるからポイント高いんだろうな - 196二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 15:24:27
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- 1971じゃんね◆cbItSHG.3g24/09/29(日) 16:37:28
【9日目午後・導入イベント】
【トリニティ自治区・ダイアナ噴水公園】
【Recommend BGM……〈MXadventure〉】
『検査結果とこの検診を受けて、それからとある方達からの指示と依頼がありましたから、諸々を鑑みて私達救護騎士団の判断としては貴女が退院して頂いても構いません……ただし!』
『絶対に、絶っ対に!無理は禁物ですからね!いいですか!ヒフミさん!』
なんて話をシュロちゃんが帰ってしまってから、聞いてからセリナさんに言われたのは退院しても構わないというありがたい言葉。とはいえ、物凄く渋みというか含みがあったのは考えるまでもありません。何事もなく全部片付けられたらしっかりして謝らなきゃいけないなと考えながら私は挟んであるレタスと生ハムが落ちないようにカスクートを齧りました。
『各自、食べながらで構わないわ。簡単にではあるけどこれからの話をしておきましょう』
『うむ。焦りは禁物、とはいえ残された時間が限られている現状に変わりはない。方針は決まったのだ、後はスケジュールを詰めるとしよう』
それぞれタブレット端末とアバンギャルド君越しに話をするお二人を合わせて12人。今、私達は病院を出て少し歩いたところにある公園の一角に集まってユウカちゃんやモモイちゃんが買ってきてくれた昼食をとっていました。
「ほえでさ、ほほはらはなにふるほは?」
「……僕らがやらなきゃいけない、そして君とヒフミの願いであるハッピーエンドへ辿り着くには聖杯をどうするかの問題を含めて、他マスターとの接触、そして交渉が不可欠だ。その交渉を有利に、そして有意義に進めていく為にも他マスターの『願い』や思い、方針を調べなくちゃいけない」
『モモイよ、食事を口に詰めて喋るでない。そしてセイバーよ、見よ、アリスを。お前が喋らんが為に一口でサンドイッチとタンドリーチキンを飲み込んだのを真似せんと喉を詰まらせておる』
「アリスちゃん!?キドニーパイ一気飲みしたら駄目だからね!?」」「み、水!水持ってきたから!?」「コハル!?これ紅茶よ!」「あらあら〜♡」「うちでミネラルウォーターって言ったら紅茶なの!……です!」「とりあえず背部叩打法をしてみているけど、いいのだろうか?」「つ、つっかえてるだけだし、そこまでは……」「セイバーさん!アリスちゃんの教育に悪いからやめて下さい!」「す、すまない……」 - 1981じゃんね◆cbItSHG.3g24/09/29(日) 16:45:53
とりあえずあちらの方と、しょぼくれてるセイバーさんは今は置いておくとして。
『……話を戻しましょうか。セイバーの言う通り、他陣営のマスターが聖杯戦争にかける願い。それを知ること、確かめることで交渉やその後の協力関係構築の鍵となる筈よ。ただ本人に直接尋ねる、というのは現状二名を除いて難しいわ』
二名、というと恐らくは古聖堂におられる監督役を兼任している黒服さんと、ミレニアムにあと三日は滞在する予定だと仰っていた安守ミノリさん、所在の分かっているそのお二人のことでしょう。お二人ともモモトークで連絡をすればきっと会って下さるでしょう。
『残る三つの陣営については周囲の人間から確認する形となるわ。ただし分かりやすく聞ける相手はランサー陣営のシスターフッド関係者だけね』
マリーちゃんに関しては、午前中にハナコちゃんが言っていた『彼女達』という言葉通りシスターフッドの方々に聞くのが一番いいかもしれません。とはいえ、聞けばマリーちゃんの出奔の後、サクラコ様はティーパーティへの情報提供を一切お断りしているとか。なんと言って、そして誰と一緒に交渉すべきでしょうか。
『アーチャー陣営については話を聞きたいだけならもう直接乗り込んでヒマリを回収するぐらい。けれど、バックドアは一度切り。侵入して回収するのなら、作戦をしっかり練って獲得できる物がヒマリからの情報提供だけで終わらないようにしたいわね。仮にヒマリがエリドゥにいたまま、またコンタクトは取れるなら話は変わるのだけれど……ヒマリが残した痕跡はあまり残っていないのがネックね』
コンタクトさえ取れればほぼ確実に情報を提供して下さる明星先輩に会う事自体が難しいのが悩ましいです。エリドゥにいるヒマリ先輩に会うとなれば、どんな形であれトキさんとの接触は避けられませんし次会う時はもう正攻法で正面からエリドゥを攻略しなきゃいけなくなります。
『ライダー陣営に関してはそれこそ誰にコンタクトを取るべきかは悩ましいわ。ライダーのマスターである陸八魔アル、便利屋68として活動する界隈では知られたアウトロー……だったかしら。彼女と関わりのある人間を虱潰しに調べていくか、それとも』
『或いはあの坑道の探索か』 - 1991じゃんね◆cbItSHG.3g24/09/29(日) 16:48:02
『えぇ、キャスター。ミレニアム側から地下の隠し坑道の入り口は発見できたかしら?』
『いいや、まだだな。廃墟は広大だ。我らの拠点近くを調べるだけでも時間がどうしてもかかる』
アルさんに関しては漠然としすぎて逆に選択肢が絞れません。唯一分かっている地下の隠し通路だって攻略のための情報が何もありませんから。逆にゲヘナかもしくは報告書を提出したっていう連邦生徒会にそういう情報が残っていたりするのでしょうか。
とはいえ出来るなら、アルさんの関係者と『話す』ところも同じぐらい重視したいです。願いがまったく予想できませんから。それを思うと彼女達の今日までの行動を洗い出すというのもありかもしれません。
『ゲヘナが作った地下の隠し通路、それを含めた各種探索活動については戦力を増強してからというのも手でしょう。白洲さんの話によればなんでも協力者の方が明日のdice1d4=3 (3) (1.午前、2.午後、3.夜、4.夜/熱烈歓迎)には合流できるとか』
「あぁ。今日まではどうしても外せない任務があるらしいけど、明日には会えるらしい」
嬉しそうにそう言うアズサちゃんの様子を見てほっこりします。あの時はきちんとお話できなかった彼女達ですが、今度はきっと協力出来る筈です。
『SRTからの返信は既読を含めてないようだから今はもう数に入れないでおきましょうか。さて、モモイ、ヒフミさん。ここからの動きはどうしましょうか?』
そう聞かれて私達は───。
- 2001じゃんね◆cbItSHG.3g24/09/29(日) 16:49:25
【……んんっ!?】
【げほっ……ごほっ……お水お水……けほっ……】
【……失礼しました】
【ご無沙汰しております】
【サポートシステムが起動しました】
【行動安価を行います】
【9日目午後・探索等の各種イベント(1回目)で阿慈谷ヒフミがする/したい行動を書いて下さい】
【なお】
【今回の条件として1つのレス内の行動案で採用するのは1つまでとなります】
【多い場合はダイスで判定します】
【安価先>>208+dice1d2=1 (1) 】
【それでは皆様】
【よき行動を】
- 201二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 17:18:36
ミノリに話を聞きに行くのがいいかな
とりあえず何かしらの結果は欲しいから一番会話が通じそうなところに行きたい
地味に情報も少ないし - 202二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 17:22:31
ミノリか黒服に会いに行くべきかな?
シュロが言っていたあのシステムについて、黒服に確認したいのもあるし - 203二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 17:37:50
シスターフッドに話を聞きに行くか、ミノリに話を聞きに行くか辺りかな
シスターフッドに会いに行くならウイに一緒に交渉をお願いするとかかな
黒服には最低でも何処か一つと交渉完了してから接触したい気もする、現状というか若干弱り目である今の状況で接触するのは足元見られそうな気もするし。理想を叶えられるだけの力があるって事をある程度証明した状態で接触した方が良いかも?
ヒマリ関連で一応ヴェリタスに話聞きに行くのもありかな?ヒマリに依頼されてた事の詳細や進捗とか聞くのもありではあるし
あとはアル達の行動を洗い出すとなるとアビドスに話を聞きに行くのもありかも?一応襲撃を受けてたりもするし、尚且つ本編を鑑みればアル達とは多少の親交はあった訳だし - 204二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 18:28:22
まぁ、ミノリに会いに行くで良いんじゃないかな?
- 205二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 19:30:26
ミノリに会いに行くで
- 206二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 20:05:51
加速
- 207二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 20:28:05
かそく
- 208二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 20:34:36
ミノリに会いに行く
- 209二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 20:36:28
ヴェリタスに会いに行くで
- 210二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 21:26:06
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- 211二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 21:57:24
①か②かな?とりあえずマスターであるヒフミとモモイは行った方が良いかな
会いに行った時にこれだけはしておきたい事、話したい内容というと、
今までの事、そしてヒフミ達が定めたハッピーエンドの方針を伝えて、誰も犠牲にしない結末を目指す為に協力して欲しいと伝える
そして、ミノリたちの聖杯への願いも教えて欲しいと問う。聖杯を破壊なりなんらりどうにかする可能性があり、聖杯で『願いを叶える』事が出来ない可能性もあるから、その分、協力してもらうならこちらもそちらの願いに関して聖杯以外の手段で叶える手伝いを可能ならしたいと
かな
あ、そういえば全員で行ったら行動回数に影響があるとかはあります? - 212二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:45:16
加速しておくか
- 2131じゃんね◆cbItSHG.3g24/09/29(日) 23:20:37
- 214二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 23:43:33
それなら時間制限的にも交渉に失敗したくはないし①の全員で行くが良いかな
- 215二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 06:05:54
- 216二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 09:45:35
- 217二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 10:45:55
- 218二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 10:47:12
- 219二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 10:50:31
①に話したい内容として、
今までの事、そしてヒフミ達が定めたハッピーエンドの方針を伝えて、誰も犠牲にしない結末を目指す為に協力して欲しいと伝える
そして、ミノリたちの聖杯への願いも教えて欲しいと問う。聖杯を破壊なりなんらりどうにかする可能性があり、聖杯で『願いを叶える』事が出来ない可能性もあるから、その分、協力してもらうならこちらもそちらの願いに関して聖杯以外の手段で叶える手伝いを可能ならしたいと
かな
現状、ヒフミ達自身も聖杯戦争に立ち向かってる現状だから、助けて欲しいより協力して欲しいの方が言い方として妥当かな?と思ったから、そう書いたけど、その書き方だとウイが言ってた”「もし仮に私が彼と対話をするならば……そしてもし今困難な状況にあるのなら。打算を捨て、語り継がれた彼の姿を信じて『助けて』と、ただそれをしっかり伝える……かもしれませんね」”の『助けて』のニュアンスが抜けてしまっていると判定されるなら>>216の内容を追加で、協力して欲しいに『助けて』のニュアンスが含まれているならそのままで
- 220二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 10:51:30
あ、遅かったか
- 221二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 10:55:20
このレスは削除されています
- 22221824/09/30(月) 10:58:58
- 223二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 11:02:21
そういえば黒服に聖杯戦争に関する全てのルールやシステムを教えてほしいって言ったら取引なしに答えてくれるのかな
シュロの言っていたあのシステムや予備システムについて把握しておきたいし
まあ1日以上戦闘してないから予備システムの件を知らせに黒服が来てもおかしくはなさそうだけど - 224二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 11:57:05
正直、予備システムとかは今のヒフミ達が知っても逆に迷いが増えるだけだし今はまだ知らなくても良い気はする
というより、マーリンが言ってた『君の考えている通り、三つ目は自ずと知る事になるから気にしなくて大丈夫。これからの物語は二つ目を探す事に専念するといい』から考えても、聖杯戦争のシステムについて深く探りを入れるのは他の陣営の願いを知ってからの方が良い可能性はあるのよな - 2251じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/30(月) 15:50:09
お昼じゃんね☆
あとあと安価へのご協力ありがとうございましたじゃんね☆
さて、とりあえず時間あんまないからざっくりまとめると安価の結果は>>218さん(>>215さん+>>216さん+>>217さん+>>219さん)の『ミノリちゃんには今まであった事話しつつ協力/助力を依頼&ヴェリタスにはヒマリちゃん関連の調査とバックアップの再依頼とマリーちゃんの捜索依頼と信頼できる協力者に当てはないか聞く』って感じじゃんね☆
んー……順番どうなるかと思ったけどそれなら案はほぼ全部通す方向にするし次に繋がりそうな面白い事書いてあるから……じゃんね☆
今日はまぁた帰り遅くなるから21時頃から書いてくじゃんね☆
それはそれとしてしーくれっと🎲振るじゃんね☆
🎲は本編の外だから気にしなくて大丈夫じゃんね☆
dice1d7=2 (2)
①kzk
②hfmdsk
③ftmm
④体育座り
⑤ちょっと待ってちょうだい!
⑥熱烈歓迎((dice1d5=4 (4) )
⑦ ふぁんぶる(dice1d4=2 (2) )
追加したじゃんね☆
監督役としてルールは無償で説明するじゃんね☆
ただそれ以外のマスターが本来知らなくてもいいシステム周りとかの情報については交渉がいるじゃんね☆
……のーこめんと、じゃんね☆
マーリンのスタンスについては1はもう書いたじゃんね☆
- 2261じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/09/30(月) 22:03:01
- 227二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 22:49:34
了解じゃんね、楽しみに待ってるじゃんね
- 228二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 07:34:04
乙乙じゃんね、保守じゃんね
- 229二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 08:19:15
ミノリとの話し合いが上手くいかなかったら今後相当きついのは間違いなさそう
この後黒服との交渉やライダー、アーチャー、ランサー陣営との衝突があるわけだし
仮にバーサーカーとも衝突する必要が出てきたら難易度かなり上がりそうだからな - 230二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 08:39:56
基本的にC&Cとかは政治的なこともあるから常に同行とかは難しいんだろうけど
たとえばエリドゥを攻略する時とかにはC&Cは協力してくれるのかな
エリドゥはミレニアム内だしそこを拠点にしてるのもトキだから他校を気にする必要はないし - 231二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 09:26:10
お疲れ様です
とりあえず、スパルタクス相手には助けて欲しいって事を前面に出しといた方が良さげ? - 232二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 12:26:12
ライダー、アーチャー、ランサーのなかならアーチャー陣営と最初に戦った方がいいのかな
エリドゥ制圧出来れば、そこでオートマタを生産して数を生かした策とかも取りやすくなるし
極秘通路というアドバンテージがあるから一番有利ではある - 233二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 12:36:21
アーチャー陣営に関してはエリドゥの場所を知らないと戦えないからな
ライダー陣営やランサー陣営はエリドゥ自体知らないだろうから
真正面から戦えば厄介な拠点だろうから一回で制圧したい - 234二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 13:10:04
まあぶっちゃけ、願いを聞き出したり停戦ないしは休戦に漕ぎつける為の説得材料が集まった陣営から攻略してく感じにはなりそうな気はする
例え勝ってもその後の話し合いで決裂すれば無駄に消耗しただけにはなっちゃう訳だし - 235二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 13:28:23
ただアーチャー陣営を探るにはエリドゥ侵入するしかないからな
二度目は正面から行くことになる以上、一度でなんとか済ませたい
エリドゥをアーチャーやトキの妨害のなか正面突破とか難易度は相当高くなるし - 236二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 13:36:05
このレスは削除されています
- 237二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 13:36:39
黒服がライダー陣営の願いについて何かしら知ってる可能性はあるかもな
ライダーについて注視していると言った理由が願いに関する何かが理由という可能性があるかもしれない - 238二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 13:50:15
ライダー陣営といえば、ライダー陣営にはどう取っ掛かりを作るかだな
関係者への取っ掛かりを考えると、アビドスや風紀委員会や紫関辺りかな
アル達の今日までの行動を洗い出す事を考えても、一度アビドスというかホシノに話を聞くのはありかも?あとは風紀委員会というか実際に戦ったイオリや、カヨコへの取っ掛かりにアコに話を聞くのも?
今までの足取りでわかってるのだと、オーパーツに関するオークション会場の爆破、アビドスへの襲撃、風紀委員会との戦闘(2スレ目150)、爆破事件の際の先生への電話(1スレ目946)辺り?
あとは、オクトパスエンジニアリング辺りとかも? - 239二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 15:53:40
現状セイバーとライダー、ランサーでは絆レベルに差が大きいからな
あっちが宝具乱発してきたら押し切られてどうしようもないからその問題をなんとかしない限りはアーチャー陣営を狙うしかないのはある - 240二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 21:08:05
アビドスにアルたちのこと聞くついでに協力要請とかした方がいいのかな
一人でも一緒に行動してくれたらありがたいし
まあ全員で行くんじゃなくて何人かで行く形にした方がいい気はするけど - 2411じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/01(火) 22:22:51
- 2421じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/02(水) 01:29:37
【9日目午後・探索イベント】
【ミレニアム自治区・仮設事務所前】
【Recommend BGM……〈Foolish Days〉】
「それじゃあ私、セミナーに戻るから。後はよろしくね、ヒフミ。戻るついでにヴェリタスにも話、一応通しておくから」
すっかり慣れ親しんできたヘリでの移動後、そのままモノレールステーション近くのヘリポートで降りた私達はユウカちゃんとはそこでお別れという形になりました。
「えぇーっ!いいじゃんユウカ!このまま一緒にミノリさんとこ行こうよ!」
「そうだよ、ユウカ。別にいいじゃん、リオ会長もこっち着いて来てくれるんだし」
「あのねぇ……貴女達忘れてるかもしれないから言っておくけど、私、一応セミナーの会計だから」
腰に手を当てて私怒ってますポーズのユウカちゃんは怒涛の勢い。
「貴女達の後始末はもちろん!学園の運営だってほったらかしに出来ない案件が山程あるのよ!大体今日乗ってきたヘリだって桐藤会長が『あら?ミレニアムの乗り物は大変ハイテクだとか……さぞ燃費も良いんでしょうね?』(意訳:ほぼ毎日どんぱちやってるランサーとライダーとアーチャーのせいで修繕費が嵩んでカツカツのうちにたかる訳ねぇよな?)なんて言うもんだから当面はうちが燃料費支払ってるし!とにかくやる事が山積みなの!」
ナギサ様が優雅にカップを傾けながらそう仰っているのが目に浮かびます。いえ多分、きっと今はミレニアムに肩代わりしてもらってるだけどゆくゆくはお支払いして下さるんでしょうけど、多分。そう癒えばヘリコプターの燃料っておいくらぐらいなんでしょう。
「はぇ……ナギサ様とそんなお話までするなんて……ユウカ先輩ってそっちの生徒会の偉い役職の人なんだ……」
「ユウカは書記と言っていたか。ティーパーティの細かい役職はあまり知らないが書記というのはただの行政官ではないんだな」
意外、というか唖然といった風な感じで今まで普通にお話をしてた相手の凄さを改めて感じているコハルちゃんと、のんびりと「私がトリニティに潜入した時は役職なんて気にしてなかったからな」なんて相槌をしているアズサちゃん。
コハルちゃんはともかくアズサちゃん、ティーパーティの行政官をされている方達だって十分成績優秀な方達なんですよ。
「わ、私も忘れるけど……ユウカ先輩、実はすごい人なんだよ、コハルちゃん、アズサちゃん……」 - 2431じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/02(水) 01:42:02
ユズちゃんの補足通り、ユウカちゃんは間違いなくすごい人なんですよ、コハルちゃん、アズサちゃん。普段はとてもフレンドリーな方ですし、アイドル活動もご一緒したお友達って事で私自身、つい意識から外れちゃいますけど、三大校のミレニアム、そのトップスリーにいる人ですから。実はとっても目上の方なんです、ユウカちゃんって。
『大変ね、ユウカ。まぁその代わりと言っては変だけど私もバーサーカー陣営との話し合いには参加するし問題ないわ』
そんな忙しい彼女の代わりに着いて来て下さるのは調月会長。あのナギサ様やミカ様、セイア様と同じ、三大校の生徒会長の方です。正直とても心強いのですが。
「問題ないぃぃ?だいっっっ問題ですっ!なに自分は関係ないって顔してるんですか!?会長!」
今は完全に飛び火してますね。
『今顔は見えないわ、ユウカ』
「そういうこと言ってるんじゃありません!」
調月会長はその言葉にふいっとアバンギャルド君の顔を背けました。中々独特な見た目ですけど、妙に人間臭いその動きからは愛らしさすらあります。
けどユウカちゃんには当然関係ないようで。
「いない間に会長が処理しなきゃいけない案件が幾つ溜まってると思ってるんですか!」
『ちょっと待ってちょうだい!私はちゃんと引き継ぎしたし何より今だって時々決裁関係はちゃんと電子上でしてるわ!』
「電子で!決裁できない!書面のが!溜まってるんです!会長不在のせいで二重三重の手間を回さないと決裁出来ないんですよ!なにより自治区の住民の方からも苦情が来てるんです!なんですか、老人会から『最近めっきりリオちゃんみないけど元気かい?』『あんまり根詰めないように言っておいてね。それでリオちゃんと話してた公園と夏祭りの件だけど、どうなってるかな?』……って何件私達に隠れて仕事請け負ってたんですか!?」
『……ワタシ、アバンギャルド君。ツカツキリオ、シラナイ』
「あはは……」
どうやら私達が触れると余計拗れそうなのと、それから。
『(暫く任せようか。少しぐらいなら、彼女と会う時間は大丈夫だろう?)』
『(えぇ、調月会長もこの聖杯戦争まで失踪なさってたという話ですし……折角ですから)』
怒るユウカちゃんの目元に浮かんだその色が、今、調月会長としてしているやり取りをどう思ってるかなんて言わなくても分かりましたから。 - 2441じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/02(水) 01:51:14
こってり搾られた調月会長ことアバンギャルド君を先頭に私達がモノレールステーションだった場所へと歩いているとモモイちゃんが心なしかとぼとぼとした足取り、というかキャタピラ取りの調月会長へと声をかけました。
「いやぁ、ユウカさまさまだね!」
『まったくよ。流石私が直々に選んだ娘ね』
「あら?ミレニアムの生徒会では会長に指名権が?」
『いいえ、ないわ。だからあの子がセミナー入りした段階で根回しておいたの。本人が意欲的だったから』
言うまでもなく本人の能力と努力あってだけれど、と調月会長は続ける。意外なところでユウカちゃんのセミナーに入ってからの話を聞けましたけど、調月会長に目をかけられるほど1年生の頃から卓越した才があったというのにもなんだか納得してしまいます。そんな風に私が思っていると隣から少し戸惑ったような声が聞こえました。
「それはまた……」
言ってからしまったという風に顔をしかめる隣のハナコちゃんでしたが、調月会長は気にした様子はなく、電子越しとはいえ寧ろ労るような優しい声でその言葉を受け入れていました。
『そうね、今考えると強引なやり方だわ……浦和ハナコさん、貴女はこういうやり方は好まないのね。今ならその価値観も理解できるし受け入れられるわ……気分を悪くさせたならごめんなさいね』
それに慌てるハナコちゃんを見て私もちょっとそわそわしてしまいます。
「いえ、決して調月会長を批判する意図は……」
けれど調月会長は自然体で受け入れている。機械越しで見えませけど、その向こう側で彼女はどこか草臥れた苦笑を浮かべているような、そんな風にしていると『直感』しました。
『いいのよ、別に。私みたいな政治屋のやる事は時に倫理や道徳を軽視する。間違ってもそれを擁護しろとかは言わないし受け入れろとも言わないわ。だから貴女が反感を持ったって構わない。けど、そうね。こんな話をすると言い訳染みて聞こえるかもしれないけれど……良い機会だからたまには後輩指導でもしておこうかしら』
彼女はそう言ってから、その上半身だけくるりとこちらを向きました。なんとなく予想してましたけど、キャタピラ部分との接続部は360°回転なんですね。 - 2451じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/02(水) 01:53:58
『さっき私と浦和ハナコさんの価値観は違うと言ったけれど、何もそれは私と彼女だけの話じゃないわ。結局そういう物なのよ、人間って。立場や社会的な地位、時にはちょっとした人間関係でも価値観のすれ違う。見ているゴールが違うのだから、何を優先すべきかも変わってくる』
ふと、その価値観という話にシュロちゃんと会う前にセイバーさんとお話した事を思い出します。
『価値観には必ず順番、優先順位が発生するわ。人の価値観がその人物の周囲にある環境やコミュニティによって形成されるのだとしたら、その社会でのルールや道徳こそがその人物の第一優先順位となるように……或いはそんなルールすら越えてでも優先してしまう物を持った価値観の人物もいるでしょう』
人は生きてきた場所でその価値観を形成する。だから時代によって価値観や善悪は様変わりしますし、だからといって場所や時代に左右されない価値観を持っている人だっています。私のすぐそば、今隣で話を聞きながら私の目線に気づいて不思議そうに小首を傾げている彼女だってそうです。
『相容れない価値観とはその相手の優先順位が違う事に起因する。だからといって全てを拒絶し合うわけではないわ。生きていく中で人と触れ合う中で、そして教えてもらう事で人と人は互いの価値観を擦り合わせて混ぜていく。そうしてコミュニティは広がり社会は成熟していくの』
彼女の言葉にモモイちゃんが何かを言おうとしてその手を伸ばして、結局やめてしまったのが見えました。アリスちゃんの話、でしょうか。
『だから私はハナコさん、貴女や貴女達の持つ価値観は嫌いじゃない───私には最後まで持てなかったその優しい価値観を大切になさい』
締めくくられたその言葉にはっとして彼女から目を離して前を向けばハナコちゃんとコハルちゃんが頷いているのが見えて、私も慌てて頷きました。
後輩指導だなんて調月会長は仰っていましたがその内容はとても優しい、肯定と励ましのメッセージです。ただ最後に聞こえた『最後まで持てなかった』という言葉にだけ、私にはどうしてだか『誰かに向けての後悔』が滲んでいる気がしました。
『こんな長話をしたけれど言いたい事は一つよ』
彼女はまたぐるりとその向きを変えて前を向く。 - 2461じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/02(水) 01:57:54
この先にいるのは安守ミノリ。私が調べた限りレッドウィンター……いいえ、キヴォトスでも屈指のアジテーターにして弁論家』
見えてきたのは大分修復されたのか外壁塗装用の養生シートが被せられた、セイバーさんが壊したモノレールステーションの工事現場。
『(ヒフミ。マスターとサーヴァントは分たれる事のない契約と信頼で繋がったパートナーだ……どうだろう、連帯責任なんていうのは?)』
何か聞こえましたが無視する事にします。
『あの連河チェリノやその懐刀、佐城トモエを相手に一歩も引かない舌戦を連日と繰り返してきたというのだから正に歴戦の女傑と評すべき』
連河さんや佐城さんという方についてはあまり詳しくありませんけど調月会長がそう仰るのであればきっとレッドウィンターの政治中枢にいる方。そしてそんな方達を相手取ってきたミノリ先輩もまたとてつもない方なのだと感じます。
『そして貴女達の話を聞くにサーヴァントもまた一角の人物。その戦力も確認出来た限り比類ない豪傑振り』
先日お会いした時は格好こそ驚きましたし聞いていたバーサーカーというクラスの特徴から想像していた相手とは違ってとても紳士的な方、それがスパルタクスさんでした。けれどその戦力、ケセドの爆発的な砲撃を正面から受け止めた上でケセドを正面から打破してみせたあの宝具の威力。それが敵に回ると考えるのは想像するのも恐ろしい話です。
『安易な優先順位を口にすれば、あちらの言葉に踏み潰される。だから───真正面からぶつかっていきなさい』
その上での激励。安易な優先順位とはきっと言い訳染みた弁論をして彼女の本分となる土俵で戦うのではなく、正面から願いを伝えなさい、それならきっと大丈夫という彼女なりの応援。
そのちょっぴり不器用な先輩からのエールに私達は掌を握りしめる。
「ありがとうございます、調月会長」
「さっすが会長!普段しない癖にいい演説っぷりじゃん!」
『一言余計よ、モモイ。予算減額』
「げぇぇ!やぶ蛇!!」
『ふふ……冗談よ』
朗らかなやり取りに頬を緩めて、それからすぐに気持ちを引き締める。ミノリ先輩は以前、戦いはごめんだと話していた。ならきっと私達との話もしっかり聞いてもらえる筈です。ハッピーエンドを改めて目指す第一歩。しっかりここから辿り着いてみせると覚悟を決めて前を向く。
「さぁ、みなさん───行きましょう!」 - 2471じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/02(水) 02:03:03
突然の訪問でした。予想はしていない訳ではありませんでした。けれどモモトークの画面越しにアポを取った時はそんな様子はちっともなくて。
だから、もうそうなってるだなんて、思ってもなかったんです。
「……ん。来たのか。あれから随分と連絡が来なかったからもしや敗退してしまったかと思っていたが、無事で何よりだ」
現場にいた部員の方に所在を尋ねると浮かない顔をしながらも案内してもらいました。
「あぁ、すまない。恥ずかしながら体調を崩してしまってね。今は病床の上なんだ」
着いた先は部長兼工事の監督役の彼女がいる筈の現場のどこでもなくて、仮設事務所。
通されたのはその奥。
「まぁ、なんだ。ゆっくりしていってくれ……積もる話があるんだろう?」
「阿慈谷ヒフミさん、才羽モモイさん」
私達を出迎えてくれたのは簡易ベッドの上で点滴に繋がれたまま読書中の手を止めた安守ミノリさんと、椅子に座ってその大きな手には少し小さいぐらいの包丁を器用に使って林檎を切るスパルタクスさんでした。 - 2481じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/02(水) 02:12:12
- 249二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 02:16:38
おつかれさまです
やっぱりミノリも発症してたか - 250二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 09:14:35
ミノリとの話し合いはどうなるんだろうな
- 251二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 09:21:15
そういえばキャスターはオートマタの回収もしていたけどどれぐらい回収出来たんだろうな
- 252二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 09:29:53
お疲れ様です
今のところ、病状が出てるのはマリー、黒服、ヒフミ、ミノリか…
アル、トキ、モモイが今後どうなるのか、心配ではあるな - 253二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 12:20:19
マスター適正が高いアルはともかくモモイとトキが発症していない理由は分からないんだよな
何かしら理由とかあるのかな - 254二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 12:26:21
モモイ発症してるの隠してるっぽい
- 255二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 15:33:24
関係ないけど、りんごを切ってくれるスパさん。微笑まし過ぎる…
- 2561じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/02(水) 15:41:32
帰れそうでしょうか……いいえ、居残り補習授業です……
というわけで今日も今日とてやっとこさお昼じゃんね☆冷蔵庫あるからお弁当腐らないのだけはありがたいじゃんね☆
いつもごめんじゃんね……でもありがとじゃんね☆
保守ありがとじゃんね☆
ふっつうにどうしようか悩んでるじゃんね☆
安価内容すごい良かったけど……ちょっと考えてるじゃんね☆
バーサーカー陣営はアーチャー陣営と同じで真っ当に強い系じゃんね☆
だからライダー陣営とかみたいなギミックとかはないじゃんね☆
んー……実は悩んでるじゃんね☆
メタ的にはこれ以上は過剰戦力ってとこはあるけどそれはぶっちゃけなんとでもなるじゃんね☆
アーチャー陣営強いし、C&C出すならしたい描写もあるし……ただ設定……じゃんね☆
まあ最終的にはみんなにお任せじゃんね☆1的にはエリドゥ戦限定ならC&Cは政治的に問題ないと思うしメタ的な問題も気にしてもらわないで大丈夫じゃんね☆
さすウイじゃんね☆
極秘通路は1回限りだけど中央タワー付近まで一気に近づけるじゃんね☆
ライダー、ランサー、アーチャーの各三陣営の戦力は拮抗状態じゃんね☆
陣営ごとって事ならランサー陣営はライダー陣営に有利、ライダー陣営はアーチャー陣営に有利、アーチャー陣営はランサー陣営に有利じゃんね☆
拠点分かんないしエリドゥとかから他自治区にも狙撃してきたりしてアルちゃん困ってるじゃんね☆
普通にアーラシュさんの射程やばすぎるじゃんね☆
『言葉を尽くす』『話し合う』スタンスじゃんね☆
二度目の時は当初予定してたごりごりっのラスボスモードでいくじゃんね☆
ただエリドゥ自体の正面攻略はバックドア以外にも実はあるじゃんね☆というか1が想定してたその方法が元々のエリドゥ攻略方法だったじゃんね☆バックドアはなんか生えたじゃんね☆
- 2571じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/02(水) 15:42:32
続きじゃんね☆
……いつものノーコメントじゃんね☆ちなみに黒服はともかくシュロちゃんはライダー陣営には、というかどの陣営にもちょっかいかけてるから各マスターの動向と願いは大体把握してるじゃんね☆露骨に贔屓してるのはヒフミちゃんだけじゃんね☆本編でなんの絡みもないのになんでこんなことなっちゃってるじゃんね?
……の、ノーコメントじゃんね☆笛吹き用のホシノちゃんvsライダー戦、そろそろ書かなきゃじゃんね……イオリちゃんの時以上に元が少ないからほぼ1からじゃんね……
ランサー陣営、絆の上がり具合が想定してないレベルでぐんぐん伸びてるじゃんね☆
普通に1は頭抱えてるじゃんね☆
さすが元ラスボス予定じゃんね☆
アビドス勢は……と、とりあえずホシノちゃんの戦力(初期案)は下に書いとくじゃんね☆
小鳥遊ホシノ
支援火力:1d97(最低保証:61)
スキル『集中突破』
敵単体に1d97×15のダメージ&レンジ内に1d500のダメージ(生徒を相手にする場合、気絶値以上のダメージは0で計算)
ありがとじゃんね☆
🎲結果に従ったじゃんね☆
1も悩みつつ……じゃんね☆
ただ良い感じにはまとめたいじゃんね☆
どこかでダイス振る感じにしたいじゃんね☆
過半数が発症してるじゃんね☆
この中だとマリーちゃんは早かったじゃんね☆
🎲次第……ではあるけど、発症したかどうかのしーくれっと🎲を振るのは理由というかルールがあるじゃんね☆
そこら辺はさらっと分かりにくく触れたじゃんね☆
- 258二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 15:42:50
- 259二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 15:57:32
ラスボスモードと戦うのは避けたいな
普通にやられかねないだろうし
一度でなんとかしたい - 2601じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/02(水) 16:06:32
ですくに戻るじゃんね……
……ノーコメント、じゃんね☆
書きたかったシーンじゃんね☆背中小さく丸めてりんご剥いてるスパさん絶対可愛いと思ったじゃんね☆
どのサーヴァントも可愛いところやかっこいいところを書きたいとこじゃんね☆ランサーは完全に🎲でタイミング逃した感じじゃんね……どこかで日常回というかマリーやシスフと過ごしたあったかい時間を書きたいじゃんね☆
師匠?あの人は気ままに食べ歩きしたり、黒服いじったり、とあるスケバンの子と遊んだりしてるじゃんね☆
>>4の方への質問って事は笛吹の話じゃんね?
実は本編の誤字脱字とか(一応)ブラッシュアップした笛吹版があるじゃんね☆
作った経緯はPart2スレの>336〜>345に実はあって、当時のスレにいた方達に相談させて頂いて①窓口を増やして安価時のみんなの負担をちょっとでも減らす、②みんなが考えて一緒に作ってくれてる物語を知ってほしいっていう1のわがまま、③誤字脱字減らして読み直ししやすいようにしたかった、の3つの理由から投稿してるじゃんね☆
最近ばたついてたりで投稿出来てないけど……近日中には続きとか(ほぼ)新作とかも投稿する予定じゃんね☆
ゆーあーるえるは>>2のまとめに載せてるじゃんね☆
ラスボスモードは大体どの子も一定条件下で突入じゃんね☆
トキちゃんの場合ならエリドゥを正面から攻略したら、ミノリちゃんの場合なら敵対関係になった上でレッドウィンターもしくは工務部へ攻撃したら、マリーちゃんは戦闘の方針と結果次第……とかじゃんね☆
ライダー陣営?あそこは最初からクライマックスだから離反者出ない限りはラスボスモードが通常運転じゃんね☆
- 261二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 16:24:04
ラスボスモードに突入しないように気をつけて動きたいところではあるな
- 2621じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/02(水) 20:29:39
- 2631じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/02(水) 23:02:13
【Recommend BGM……〈雪原の少女〉】
出迎えてくれた彼女の顔色は少なくとも思っていたそれよりは悪くありませんでした。
「昨日から『微熱』が続いていてね。とうとうベッドの上から起き上がれなくなって……という具合だ。まぁ少し無理をすれば動けない事はないんだけど、あの子達もえらく心配していたし、たまの休養って事で今日はゆっくりさせてもらってる」
来てくれたのが今日でよかったよとミノリさんが言うとその隣でずっと小さく背中を丸めて林檎を剥いていたスパルタクさんも、私達の方を向き直ってから手に持っていた物を差し出されました。
「食べなさい。幼き少女達よ」
丁寧にカットされて白いお皿に行儀よく並べられた林檎。彼のごつごつとして大きな手から生まれたと思うと、とてもバーサーカーだなんてクラス名とは思えないぐらいの器用さだと感嘆してしまいます。
「「「「「(うさぎだ……)」」」」」
うさぎカットなあたりはミノリさんの為なのかご本人の趣味なのかは謎でしたが。
「あ、ありがとうございます、それからお久しぶりです。ミノリさん、スパルタクスさん」
お礼を言いお皿を手に取って、作業用なのか近くにあったアウトドアテーブルへとそれを置いてからミノリさんの方をちらりと見る。微熱、と本人も仰っていた事に加えて見る限り話す事自体も苦という程ではない様子。呼気が荒かったり、化粧で無理やり顔色をよく見せてるわけでもありません。少なくとも私の時はセイバーさん相手に喋るのも億劫でしたし、聞いた話ではマリーちゃんも似たような症状でした。
魔力供給に伴う肉体への過負荷、或いは閾値を超えてしまった事による『拒絶反応』。
ミノリさんが特別軽症なのか、それともハナコちゃんから聞いた話の中にあった一人ひとりで症状が違うという仮説通りなのか、定かではありません。
そんな風に頭の中で幾つか考えが点いたり消えたりしている中で、気がつくとぬっと目の前に顔がありました。
「え、えぇっと?スパルタクス、さん……?」
近い。近いです。目と目があって、互いの顔の距離は掌一つ分あるかどうか。それぐらいの急接近でしたが、私が疑問系でスパルタクスさん名前を呼ぶとすっと身体を離して、彼はにこやかな笑みを浮かべた。
「ぬふっ……。久しい時が経った。だが待った甲斐はある」 - 2641じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/02(水) 23:09:31
喜ばしい事だと言いたげに、初めてお会いした時にも見せてくれた優しい表情のまま、彼は尋ねた。
「果敢にも困難の道を征く少女よ、もう傷は癒えたかな?」
「……はいっ。おかげさまで、もうすっかり。ありがとうございます、気にかけて下さって」
一瞬戸惑ってから、はたと気づきました。彼と初めて会った時にも聞かれたその言葉。見た目、怪我をしていない私に随分不思議な事を聞くと思ったけれど、今やっと確信が持てました。
現にあの後、私はナギサ様とちょうど大喧嘩をしていましたし。
「当然である。スパルタクスは勇気ある者、困難の中にある者の味方だ。君の傷が癒えたのならば、その傷跡を抱えて進むというのならば、私は何時であっても味方となろう」
体の傷ではなく、きっと心の傷。敵か味方かどうかは関係なく、彼はそれを心配してくれていたという事実と見透かされてしまっていた事になんとなく気恥ずかしさを感じます。なによりあの時、それに気がつけなかったというのもなおさらです。
「こら、スパルタクス。勝手に話を進めるな。まだ阿慈谷さんの話、何も聞いてないだろう?」
ちょっと照れてしまって曖昧な表情をして固まっているとミノリさんが助け舟を出して下さいました。
「すまないな、ヒフミ。スパルタクスは誰に対してもこうなんだ。少々、デリカシーっていう物に欠けている。あまり気にしないでやってほしい」
「いえ、全然。とても温かい心遣いをして下さいましたから……素敵な方ですね、スパルタクスさん」
困ったやつだと言いたげな表情の彼女の目は、その言葉とは裏腹にとても嬉しそうで、どことなく誇らしそうです。彼女の目を見れば彼と彼女の関係性がどれだけ強い信頼で結ばれているかも分かるような気がしてきます。
「そうか、うん。そんな風にスパルタクスの事を、私達の同胞の事を言ってもらえるなら私も嬉しい」
思いがけなかったのは彼女の口から飛び出た二人の関係性を示す言葉。モモイちゃんとキャスターさんの関係とも私とセイバーさんの関係ともまた違う『同胞』という単語が指し示す関係性。それに私の興味がむくむくと鎌首をもたげて、つい聞いてしまいました。
「同胞、ですか?」
「あぁ、同胞。それが私とスパルタクス、それに工務部の皆との関係性だ」 - 2651じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/02(水) 23:41:32
少々不躾な質問になってしまいましたが、彼女は快く話して下さいました。
「共に志を同じくして労働に励み、同じ釜で飯を喰らい、同じ場所で眠りにつき、明くる朝にまた共に労働へと精を出す。通常のマスターとサーヴァントという関係から見ると少し歪かもしれない。けどこれが私達が選んだ在り方なんだ」
そうやって噛み締める彼女の言葉には重さがありました。私やセイバーさんとも違う、モモイちゃんとキャスターさんとも違う関係性。けれど彼女とスパルタクスさん、もしかしたら工務部の皆さんと共に選んだその在り方というのが、私には共に過ごす中で積み重ねた信頼がしっかりとあるんだと不思議と彼女達を見ていると確信できました。
「そんな事はありません。とても、素敵です」
今もそう。彼女が私達の方にベッドの上で身体を向けようとする時もスパルタクスさんはまるで壊れ物を扱うように優しくとても丁寧にミノリさんの動きを補助して、それを彼女も嬉しそうに受け入れていた。林檎一つとっても、きっと私達が来るのもあったでしょうけど、それ以上にミノリさんの為に、あの大きな手で剥いて切っていた。小さな一つひとつに、彼女達の間柄が伺えました。
「ありがとう、ヒフミ。そう言ってもらえるのなら嬉しいな。実はこの関係を構築するまで紆余曲折のすれ違いもあったりしてね。だからこそ、今こうして同じように働きながら汗を流す同胞になれた事が私も私達工務部も嬉しくもあり誇らしくもある。貴方もそうだろう?私の同胞」
「無論だ、同胞よ。君が私をそう呼んでくれる限り、私は最後まで君と君達の同胞であり続けよう」
「ふふっ、改めて口にするとくすぐったいな」
それは何気ない会話の中、微笑ましいぐらい柔らかなやり取りの中でした。
「(今のって、セイバーさんの時と同じ……)」
勿論勘違いかもしれません。でも、私はその時、彼のその言葉に込められた想いは『誓い』なのだと思ったんです。
「そういえば、阿慈谷さん。君はトリニティ出身だっただろうか?それから才羽さんはミレニアムの子でよかったよね?」
「あぃぇ、えっと……」
「そうでーす!ミレニアム1年生!ゲーム開発部でキャスターのマスター!才羽モモイ!モモイで良いよ!よろしくね、ミノリ先輩!」
そんな風にぼうっと考えに耽ってしまい返事が出遅れていたら代わりに隣から元気のいい声が飛び出してくれました。 - 2661じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/02(水) 23:54:08
「そうか君がキャスターの。で、ヒフミがそちらの男性のマスターか」
「ああ。僕がヒフミのサーヴァント、セイバーだ。よろしくね、ミモリ。それから遅くなったけど改めて感謝を、バーサーカー。あの時は助けられたよ、ありがとう」
セイバーさんからのお礼をお二人は自然な姿で受け取って下さりました。
「こちらこそ、よろしく。長くなるかそれともかは別としても良い付き合いにしたい」
「気にする必要はない、嘗て圧政者であり今は旅する者よ。涙する者がいた、理不尽を強いる悪意があった、故に叛逆せり。私はスパルタクス、スパルタクスは止まらない、挫けない、屈しない。ただそれだけである」
よく通るバリトンボイスは真っ直ぐ前を向き、セイバーさんへと向けられた。スパルタクスさんの言葉は少しだけ難しいです。けれどセイバーさんには何か感じる物があったみたいで、彼はただ微笑みで返していました。
「それで、他の子達は君の友人……いや、戦友といったところだろうか?」
ミノリさんの言葉にまだしていなかったことを思い出して私は慌てて、みなさんの事を紹介し始めました。
「はいっ!アズサちゃん、ハナコちゃん、コハルちゃんがトリニティの補習授業部。モモイちゃんの隣におられるのが右からミレニアムのゲーム開発部のミドリちゃん、ユズちゃん、アリスちゃん……それから」
この場で唯一、ロボット姿の調月会長が私の言葉を引き継いで自己紹介をして下さいました。
『機体越しでの通信、失礼するわ。初めまして、安守ミノリさん。ミレニアムサイエンススクールのセミナー代表を務めている調月リオよ』
一瞬、ミノリさんの目が大きく見開いてから、しばらく数度頷いてから口を開きました。
「そうか。貴女が『あの』調月リオか。うん、話は聞いている」
『……レッドウィンターまで話がいくなんて、間違っても良い風評、なんてものはないのでしょうね。本来ならこの場に相応しくない自覚はあるわ』
「……なるほど。中々どうして私も有名人のようだ。うん、まずは双方の勘違いを正そう。現場の近隣に住んでいる自治区住民の方から話は聞いているよ、リオ。良き働き者だそうだね」
つい十数分前、ユウカちゃんが話していた内容を思い出します。どうやらここでも調月会長の話は出ていたようです。
『……とんだ勘違いよ。私は私に出来る事をしたに過ぎないわ。それに最後には……』 - 2671じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/03(木) 00:03:06
押し殺した調月会長の言葉に対して、ミノリさんはきっぱりと自分の思いを告げていく。
「労働者の営みは、人々の生活は嘘をつけない物だよ、リオ。それに君は私のことをどう思っているか分からないけど、少なくとも今この場で君に噛み付くつもりはない。確かに私は日頃から労働者の権利を守る為の闘争と革命に身をやつす日々だ。だが権力者であっても、いや権力者であるからこそ、相手を色眼鏡で見るつもりは毛頭ない」
貴女に対してもそうだと言う彼女は自信と誇りに満ち溢れながらも調月会長への思いやりに溢れていました。多分、さっき言っていた自治区の住民の方から調月会長が不在だった話を聞いていたのでしょう。事情や実態がどうだったかは分かりませんが、きっと会長に対しての不満ではなく心配の声を聞いていたからこそ労りの言葉を彼女は伝えていく。
「これは私の心情だけど、私が言葉を尽くすのはあくまでそれが闘争の場だからだ。闘争の本質を見誤ってしまえばそれはただの『暴力』となる。労働者の権利を守るというのなら守るべき者なき場所で剣を抜く事はあってはならない……それはそれとしてストライキもデモも趣味という名のライフワークだから『理由』を見つけたらするけどね」
けろりと笑って仰っていましたが、心情だと言い切ったその言葉には強い信念が宿っていました。
「私は革命を愛してはいるが、だからといってトリニティだから、ミレニアムだから、今目の前に権力者がいるからという曖昧模糊でなんのリターンも目的意識もないままに革命を掲げる、そんな愚かな神輿のつもりはない……ただ含みのある言い方で勘違いを促したのは私だ。非礼を謝罪させてほしい。申し訳なかった、調月会長」
そう言って頭を下げる彼女に対して調月会長は慌てず、けれど先ほどよりしっかりとした声で返されました。
『頭を上げてちょうだい。こちらこそ、卑屈な態度を取って貴女に失礼な物言いをしたわ。ごめんなさい、安守部長』
機械越しではありましたがお二人の目線がしっかりと合った、そんな気がしました。
もしかすると聖杯戦争という状況ではなく、今のように話す機会でもなかったのなら、お二人はまた違った関係だったかもしれません。
でも今は対等に、そしてとても穏やかなお付き合いをしていける、そんな関係になれたと思ったんです。 - 2681じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/03(木) 00:20:32
「さて、互いの勘違いを解消し蟠りもなくなったところで、だ。あまり気持ち良くないかもしれないけれど、一つ質問は良いだろうか?」
切り替えの合図はとても爽やかでした。ミノリさんのご出身はレッドウィンターと聞いています。あの自治区は寒冷地ということもあってとても厳しい自然環境だと。そんな場所で学び、生きている彼女の雰囲気は、冷たくとも湿り気のない清々しい冬の青空のように爽快です。
「まず私の認識として君達は今日この場に、私と聖杯戦争についての何かしらを話に来た。そしてこの場にはセイバーという戦力を携えてきている」
そんな竹を割ったような方だと思っている私からすると少し意外なぐらい、ちょっと躊躇いがちな声で彼女は質問を投げかけました。
「私はそれを君達なりの誠意だと認識したいんだが……その、キャスターはどこに?」
困惑、という表現が似合う顔でそう聞く彼女に私とモモイちゃんは思わず顔を見合わせて、それから今来ている全員を見て、もう一度顔を見合わせてから。
「「……あ」」
キャスターさんをお呼びするのを完全に失念していた事を思い出しました。
「……どうします?」
タイム!、と何故かミノリさんも含めて円陣をしながら私達は早速作戦会議を始めました。
「今から呼ぶのはどうだ?時間は多少かかるが事情が事情だ、キャスターも来てくれる」
『というか彼に私達話したわよね、ミノリさんのところに行くって。何故いないのかしら?』
「リオ会長、リオ会長。アリスのログを確認しましたけど、アリス達は一度も現地集合の話してません!」
キャスターさんにはトリニティを出たらミレニアムに『戻ってから』ミノリさんの所に行ってそれからヴェリタスに向かうとしか話をしていません。私達全員、それを伝えて満足していましたけど、よく考えたら拠点に戻るも『戻らないとも言ってません』。
「そうなんだけど……うわぁ……タブレットで話してたし合流の事も全部話してる気になってたぁ……これ多分、絶対あっちで待ってるよぉ……」 - 2691じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/03(木) 00:34:20
長時間タブレットで話をしていたのも原因の一つですね。完全にキャスターさんがそこにいる感じになっていました。
「この後の予定もあるからあんまり時間かけられないんじゃ……」
「けどまずいですよ。流石にこれから話し合いしようって相手に手札というか戦力隠したままって……」
ミドリちゃんの言うように、話し合いに来ましたけど最高戦力かつ最大戦力のサーヴァントは一騎いません、は正直相手からしたら怖いでしょう。しかもそのサーヴァントはキャスターというクラスです。私達からしてみればそんな事しないのは知っていますけどセイバーさんみたいに他のというか通例を知っている方ならキャスタークラスは搦め手を得意とするのも存じているはず。
「あー、見たところ……というか聞いた限りキャスターは不在、という事で良いんだろうか?私は別に構わないぞ。だからあまり気にしないでくれ」
当のミノリさんは円陣というかベッド周りに集まって囲まれながらこちらの気を遣って下さいますが、僅かでもミノリさんと話をしている時に、彼女にいらない不安をさせたくはありません。
「あぅ……えぇっと……そのですね……」
とはいえ、とりあえず今すぐ呼ぶか、先に話をしてしまうかで私達が頭を抱えていると、ばっとモモイちゃんが頭を下げました。
「ごめん!ミモリ先輩!キャスター忘れてきちゃった!」
腰を曲げつつ両手を合わせて謝るモモイちゃんにミノリさんも困り顔といった様子です。私もお腹が痛くなっちゃいます。
「いや……うん、なんだろうな。知ってた、というか今聞いたよ。とりあえず顔上げよう、モモイ。うーん、まぁ一応先輩という立場だから話しておくけど、交渉の場には十全の用意をして臨むというのが望ましい。次から気をつける、って事にしようか?」
そういう風に優しく言ってくれるミノリさんに思わずお礼を私達が言いかけたところで。
「うん、ありがとう。でもまだ間に合うよ。だから」
モモイちゃんは彼女の目を真っ直ぐに見ていました。
「今から呼んでくる」
その言葉と共に円陣からするりと抜けたモモイちゃんは窓開けてーと叫びながら仮設事務所の外へと駆け出していく。理由がさっぱりわかっていない様子のコハルちゃん達を置いて、私とハナコちゃんとアズサちゃん、それからセイバーさんが慌ててそれに着いていきます。 - 2701じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/03(木) 00:46:47
「も、モモイちゃん!?そんな事しなくても、ミノリさんは!」
思わず静止の言葉が口から飛び出していました。モモイちゃんが何を考えているかなんて分かります。わざわざ外に出て、今から『呼ぶ』なんて『聖杯戦争のマスター』が言ったならそれは一つです。
「ごめん!ヒフミ!でもさー!」
三画しかない令呪の使用。サーヴァントへの絶対命令権。モモイちゃんはそれを使って、この場所までキャスターさんを空間転移で呼び出そうとしていました。
「私、やっぱりこういうのはちゃんとした方がいいと思うんだ!」
左手を空に向けて高く掲げながら彼女は外に立っています。その手の甲に刻まれた令呪は私のそれと同じように淡い桃色に輝いていました。
「だってさー!ミノリ先輩、『誠意』だって言ってくれたんだよー!じゃあ、ならさ……私も見せなきゃ!」
そういう彼女はその姿勢で止まっている。『待っている』。何をだなんて言わなくても分かります。令呪は貴重品で、そして取り返しのつかない物です。私もまだ一度も使っていません。そんな大事な物だからこそ、彼女は待っています。使いたい、使って誠意をちゃんと示したいという彼女の思いに、『仲間』である私達が首を振ってくれるかどうかを。一度、私達は目線を合わせて、しばらく見つめ合ってから思わず笑ってしまいました。令呪です、とっても大事な物です。それをこんな形で使うだなんて思ってもみませんでしたが。
『(任せてみようか、モモイに。僕らの仲間に)』
『(はい、そうしましょうか)』
誠意を持って話し合いをする。そんな彼女の思いに頷かないわけにはいきませんでしたから。
「こっちは大丈夫です!モモイちゃんお願いします!」
その合図に、遠目からでも分かるぐらいの快活な笑顔を彼女は返してから。元気よく叫んで。
「おっけー!それじゃあいってみよー!……第三のマスターが令呪を持って命ずる!」
「───キャスター!此処に来て!」
それと同時に令呪は昼だというのにわかるぐらいはっきりと桃色の輝きを灯した。 - 2711じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/03(木) 01:03:13
【立ち入り禁止区域『廃墟』・同盟拠点】
時は少し遡り、モモイが令呪を行使する数分前。
珈琲の並々と入ったマグカップをキャスターへと手渡しながらウタハは尋ねた。
「教授、モモイ達はいつ頃戻るのだろうか?」
「うむ。トリニティからミレニアムへ戻ってバーサーカーのマスターと協議するという話は聞いているが……随分と遅いな」
その言葉にちらりとウタハも、その周りで作業をしていたヒビキとコトリも手を止めて時計を見る。これからミレニアムに戻ると連絡が入ってからそれなりに時間が経っている。いつもの予定ならもう帰ってきてもおかしくはなかった。
「午前中で回収できた野良のオートマタはdice3d12=9 4 7 (20) 体、そのまま直して運用するにしてもヘルタースケルターの建造用に回すにせよ、どうせ一度は拠点に戻ってくるだろうからその時にまた話しをしておきたかったのだけれど……」
午前中の廃墟周辺での探索活動。その目的はミレニアム側にあると予想されるゲヘナ、カイゼリン・ブリッツ記念教会から伸びる地下通路の出入り口の探索とオートマタの回収。そのうち地下通路があると思われるエリアを絞る作業は約dice1d100=97 (97) %程度の進み具合であった。
「まさか拠点に戻らずそのままその安守さんって人のところ行ったんじゃ……?」
ヒビキの言葉に冗談めかして賛同しつつ、それでも流石にそれはないだろうとコトリは言った。
「モモイならやり兼ねませんね……けどあちらにはなんでもリオ会長がいるとか!用意周到!胸中成竹!
合理の化身、『全知』のヒマリ部長と肩を並べる我らがビッグシスター調月リオ会長!そんな彼女に加えしっかり者のヒフミ先輩やアズサ先輩にハナコ先輩も揃ってますし何よりユウカ先輩もいますからまさかそんな事ありませんよー!」
「いや、コトリ。クールっぽいけどああ見えてアズサ先輩、ぽけぽけしてるよ。この前コスプレの話してたらスカルマンのコスプレというか着ぐるみ作ってくれって頼んできたし……」
白洲アズサ、トリニティ総合学園2年生。意外と後輩受けが良かった。
- 2721じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/03(木) 01:10:47
「教授、何かあったんでしょうか?」
「……いや、内密に仕込んだバイタル確認端末を見る限り、大きな変動はない。早急の危険性はないだろう」
「バイタル確認端末、ですか?」
「うむ。ヒフミのような事が起きては事だ。深夜に寝室で一人発症していたなどという事になれば目も当てられん。それに……うむ、何処へなりと歩いて行く様は危なっかしくて見ておれん」
憮然と、そして少しだけ口ごもりながらキャスターがそう言うと、思わずウタハは頬を緩ませてしまった。
「……ありがとうございます、教授」
「ウタハよ、何故急に感謝なぞ言う?」
「私の、私達の可愛い後輩を大切にしてくれている。その事実が、私は今ただ嬉しいんです」
不審に思って彼女の顔を見たキャスターの真紅のモノアイに飛び込むのは姉のように、母のように、幼い愛し子に向けられた愛情へ安堵する表情だった。
見ればヒビキやコトリもまた嬉しそうにしている事にキャスターは気がつき、ますます虫を噛み潰しでもしたような声色で返答する。
「……ウタハよ、勘違いするでない。我はただサーヴァントの務めを果たしているだけに過ぎん。敗北に繋がるようなリスクの排除をしているに過ぎんのだ。ウタハよ、ヒビキよ、コトリよ。止めよ、何故微笑む。こら、待ちなさい。違う、お前達は何か勘違いをしている。心配してるんですね?違うぞ、我はただ『此度こそ』は最後まで……む?」
そう言い聞かせようとしたところでキャスターは己の身に流れ込む魔力と術式、そしてその強制力に気がつく。尋常ではない、ともすれば『魔法』の疑似的な再現すら可能とするほどの『力』の奔流にキャスターは解を見る。
「この光、魔力……まさか令呪を……ッ!?」
桃色の光がキャスターの足元から粒子を散らして、招き寄せんとしていた。何があったのか、キャスターは理由が分からず、ウタハ達も何が起きているのか分からない。だが、神秘の根強い土地に生きる彼女達だからだろう。理由も理屈も分からないが、彼が呼ばれている、それも緊急の案件でだとなんとなく察したウタハは力強く声をあげる。
「教授!……よろしくお願いします」
「───任された」
自分のマスターを案じる心優しい少女達の想いに応えるように、キャスターもまたしっかりと頷きを返したのだった。
この後、呼ばれたキャスターが憤慨したのは言うまでもない。 - 2731じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/03(木) 01:16:37
- 274二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 01:31:40
おつかれさまです
滅茶苦茶有能。というか階差機関の設計者だし複雑な構造を把握するのは得意でしょうしね - 275二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 07:30:52
保守
ついに令呪が(用途はさておき)切られた…… - 276二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 09:52:28
このレスは削除されています
- 277二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 09:53:12
これ後一回調査すればすぐ作業終わるな
問題は地下通路見つけた後の対応をどうするかだろうけど
自分たちがこの通路を使う気がないなら崩落させてライダー陣営が来れないようにするって手もあるし
使うにしてもその通路を誰かが使ったら自分たちがすぐに使ったことを把握出来るようにするとかも出来そう - 278二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 13:06:54
調査もほぼ完了してオートマタも20機回収出来てるのはでかいな
オートマタは修理するにしてもヘルタースケルターの建造用に回すにしても役に立つだろうし
修理した場合と建造用に回した場合それぞれどのタイミングで使えるようになるんだろうか
仮に建造用にした場合ヘルタースケルターの製造判定の際に何機製造出来たかの判定とは別に固定値として追加される感じになるのかな
後オートマタ何機分でヘルタースケルター一機分に相当するのかな - 2791じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/03(木) 20:12:07
- 2801じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/03(木) 21:14:05
- 2811じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/03(木) 21:32:59
ぶすっと、いえお顔は見えませんけど完全に怒ってますという雰囲気のキャスターさんの傍でしおしおになったモモイちゃんがいます。事情は言わずもがなというところです。
「あー……それで、貴方がキャスターのサーヴァントでいいのだろうか?」
空気を見かねてミノリさんが苦笑しつつそう尋ねると、小さく唸り声を上げてからキャスターさんも丁寧に自己紹介をしてくれました。
「如何にも、バーサーカーのマスターよ。我が此度の聖杯戦争でそこの短慮なるマスターに招聘された才羽モモイのサーヴァント、キャスターである」
いえ、丁寧ではありましたけどちっちゃな棘はしっかりモモイちゃんに刺してます。隣で萎れているモモイちゃんがますます小さくなっていきました。
けど、モモイちゃんは怒られたのもあってそれどころじゃないでしょうけど、彼の言ったその名乗りの中にあった言葉に聞いている私達はちょっとだけにやけてしまいます。きっとキャスターさんも自然と言ってしまったのでしょうから、お気づきになられていませんけど、ミノリさんは気づいたみたいです。
「……なるほど、ね。とはいえ貴方も分かっているとは思うからこれ以上この話題に触れるのは終わりにさせてほしい」
「うむ?……その反応と言葉には些か腑には落ちないが、願ってもない。我としても呼び出された以上は無益な話に時間を浪費するのは本望ではないのだ。本題といこう」
本題とキャスターさんが言ったところで私も居住まいを正して何から話そうか、口を開きながら案を改めて頭の中で並べていると、ミノリさんがそれを手で制しました。
「まずは令呪まで切って誠意を示してくれた君達に、私から結論を話しておこう」
はっきりとした口調で彼女はそう言うと空気がしんと冷たくなったような錯覚をしました。
「私は聖杯戦争に積極的な参加をするつもりはない」
熱の一切ない冷えた言葉に続けられたのは、ともすれば拒絶にも似ていました。
「この場に戦いではなく話し合いを求めに来たというのなら、恐らくは同盟か若しくは停戦の協定を結びたいというのが君達の考えていることだと予測している。だから初めに伝えておくね───私は現時点で君達との何かしらの契約を結ぶつもりはない」 - 2821じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/03(木) 21:37:02
それに内心で焦りを覚えてしまいましたが、彼女は頬を緩めてくれました。
「とはいえ君達にも当然のように事情があるだろう。それを聞かずに一方的に話を打ち切るなんて事を私はしたくはない」
その明らかに話をする、聞くという意思表示にほっと胸を撫で下ろしてから彼女の笑顔を見て『勘違い』に気づきました。
彼女は笑顔でしたが、けれどそれは優しい物ではなく。
「だからそうだね、ここは聖杯戦争らしく」
もっと獰猛なソレだったからです。
【9日目午後・交渉イベント】
「交渉といこうか……君達は」
【Recommend BGM……〈ホワイトアウト〉】
「───私に何を望む?」
私達は───。
①まず目的を話す
②ミノリが聖杯戦争に消極的な理由を聞く
③その前に体調の話と魔力の供給負担による拒絶反応について話す
④これまでの経緯を伝える
⑤スパルタクスに助けてと言う
⑥ハッピーエンドを目指している話を伝える
⑦助けてペロロ様〜(その他自由記入) - 2831じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/03(木) 21:37:36
【こんばんは】
【サポートシステムが起動しました】
【それでは行動安価を行います】
【上記①〜⑥から『1つ』】
【もしくは⑦自由記入で①〜⑥以外の内容等で伝えたい事を『1』つ】
【選択して下さい】
【安価先>>290】
【今回の安価及び交渉イベントでは安守ミノリを説得して何かしらの協力体制を取り付けることが目標です】
【ただし】
【上記①〜⑥の案には話すタイミングによってその説得性や内容が大きく変動する物もあります】
【ご注意下さい】
【それでは皆様】
【よい選択を】
- 284二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 21:50:49
んー、④か③か①辺りが良い気がするけど悩むな
んー、「───私に何を望む?」と聞かれた事を答えるという意味では①
先に現状の説明をするという意味では④、聖杯戦争を避けているだけでは危ない理由を先に話すという意味では③か
⑥や⑤は話が進んでから伝えた方が良い気はする
あとは②を聞くときは⑦で②に加えて、消極的だけど聖杯への願いは無いのか?と聞くのもありかも? - 285二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 22:02:33
無難なのは①だよな
とりあえずこちら側の目的をはっきり伝えておいた方がいい気はする
状況が悪くなる選択肢ではないと思うし
あるいは⑦で③にプラスで聖杯戦争のルールについて確認するとか
ミノリ側が知らないルールとかがあるかもしれないし - 286二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 22:06:41
とりあえず目的伝えるのが無難な気がする
ミノリ側から聞いてきてるわけだし - 287二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 22:18:36
①でいいんじゃないかな
- 288二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 22:33:04
①
- 289二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 22:33:40
①
- 290二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 22:33:54
①で
- 2911じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/03(木) 23:12:44
【Recommend BGM……〈ホワイトアウト〉】
『①まずは目的を話す』
何を望むか、その問いに答えるのなら私達が言うべきなのはストレートに目的からの筈です。
「私達が今日ミノリさんを訪ねたのは聖杯戦争中の協力関係を結びたいと思ったからです」
調月会長も仰っていましたけど、彼女はやり手の弁論家。下手に小細工を弄せば、真っ向から正論と彼女の信念に叩き潰されてしまいます。
「……いいよ。続けて」
その上、彼女は聖杯戦争に積極的に参加するつもりはなく、そして私達と協力関係を含めた関係性を持つ事自体もしないときっぱり仰っています。
「協力関係と言っても聖杯戦争で私達と一緒に他の陣営と戦ってほしいという話じゃありません。私達は聖杯戦争でこれ以上、犠牲になる人を増やしたくないんです」
今の時点でミノリさんに関して分かっている事は少ないです。ただシュロちゃんと違って彼女は明確に話し合う土俵に立つのを楽しんでおられます。少なくともこちらを揶揄うだけして満足するのとも一方的に言葉で打ちのめすのを愉しむ手合いでも、靄のかかった言葉遊びをする人でもありません。
だからまずは幾つか話し合いの中で確認作業をしていきます。
「犠牲が出てしまうというのは私としても本意じなないね。でも、どうして協力が必要かな?現に聖杯戦争による直接的な被害は私の知る限り、各自治区の尽力もあってかそう大々的な物じゃない」
ミノリさんがどの程度聖杯戦争の現状を知っているのか、ミノリさん達の願いはなんなのか、そして彼女がどうして聖杯戦争に消極的なのか。
話し合いの中でそれを知っていかないと。
『そうね。ミレニアム、トリニティ間での協定もあるから私達各校の生徒会は警邏活動の強化も含めて聖杯戦争による表面的に見える被害を抑える努力は確かにしているわ』
「それはヒフミ達の陣営の裏には二校が着いているという話でいいだろうか?調月会長」
『マスターの貴女であるなら、その認識で構わないわ……これが私の切れる精一杯のカードよ』
「なるほど。なら、質問を変えようか」
調月会長の話を聞いてから私の方を向いた彼女は再度質問を投げかけられます。 - 2921じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/03(木) 23:19:22
「つまり君達は私達が目にしている聖杯戦争の被害とは別件で、犠牲になる生徒や一般人が……若しくは私達マスターもか。とにかくそうやって『犠牲』になる、なっている事を知っている。だから協力を結びたい、か……読めないな」
「此処に来た目的は分かったけれど、君達の利が見えてこない」
細められた目の奥で嘘は許さないと言っている気がします。利、つまりは私達が聖杯戦争での犠牲者をなくそうとするメリットが見えてこない。つまりは行動の動機が見えないのだと彼女は言う。
いえ、私達に協力する事でのミノリさん側のメリットでしょうか。それとも或いは聖杯戦争の犠牲や被害を減らすという行為その物へのメリットでしょうか。正しく答えないと拗れそうだと『直感』した私は───。
①犠牲者が出た話をする(ex.トリニティの病院等)
②ミノリが聖杯戦争に消極的な理由を聞く
③体調の話と魔力の供給負担による拒絶反応について話す
④これまでの経緯を話す
⑤次回以降もマスターに選ばれて巻き込まれて犠牲になる生徒がいる話をする
⑥他陣営の脅威について話す(陣営指定)
⑦スパルタクスに助けてと言う
⑧ハッピーエンドを目指している話を伝える
⑨助けてペロロ様〜(その他自由記入)
【行動安価です】
【上記①〜⑧から『1つ』】
【もしくは⑨自由記入で①〜⑧以外の内容等で伝えたい事を『1』つ】
【選択して下さい】
【安価先>>299】
【上記①〜⑥の案には話すタイミングによってその説得性や内容が大きく変動する物もあります】
【ご注意下さい】
【それでは皆様】
【よい選択を】
- 293二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 23:36:42
- 294二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 23:42:37
- 295二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 23:46:52
- 296二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 23:50:29
- 2971じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/03(木) 23:51:02
- 298二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 23:52:08
- 299二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 23:52:31
- 3001じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/04(金) 00:31:58
『③体調の話と魔力の供給負担による拒絶反応について話す』
その話題に触れるべきかどうか、少し悩みました。聞こえ方、そして私の伝え方によってはある種の人質を取るような言葉になりかねません。
「(いきます……ペロロ様)」
けれどまず、踏み込んでみましょう。ミノリさんは聖杯戦争で大々的な犠牲や被害はそう多くないと認識している、『そういう風に私へ伝えてくれました』。つまり彼女が今から触れて欲しいのは彼女が既知か否かは別として、『実例』を出せという話です。
「ミノリさん。私は昨晩倒れて、午前中までトリニティで入院していました」
だからといってこの話をする事は相手に心理的な負担を強いてしまう行為になります。慎重に、そして相手の反応を見て伝えなくてはいけません。
「倒れた、というのは聖杯戦争に関わる何かしら原因っていう解釈でいいね?体調はどうだろうか、話すのが辛いとかあるのなら簡易ベッドもあるから言って欲しい」
一瞬、ミノリさんの目が大きく見開いていました。動揺が見えますがまだ自分の不調が私の話と関連している、という不安までは繋がっていないように思います。だからまた半歩、踏み出す。
「はい。痛み止めを含めた幾つかの薬を投与してなんとか……ですから、折角のお気遣いですけど大丈夫です。でもありがとうございます、ミノリさん」
「いや、いいんだ。けど倒れた、か……あまりそういう方面には明るくないんだけど、『ライダー』かい?」
「……いいえ」
ここでライダーさんの話が出た、というのは少し意外でした。そして同時に小さくない収穫です。彼女は聖杯戦争に対して消極的な姿勢です。ですが、少なくとも私が倒れた事をライダーさんと結びつけた。ミノリさんはライダーさんとの『交戦経験』があって、ライダーさんと戦う事でマスターが倒れる可能性が『ある』と知っている。
「ミノリ先輩。ヒフミちゃんが倒れた時、私達は何も出来ませんでした。幸いだったのはうちの姉が持っていた薬品でその症状を小康状態には出来ましたけど、それでも予断は許せません」
「……ヒフミちゃんと少なくとももう一人は突発的にそれを発症しました。トリニティ側で知見のある方に確認した限り、それは魔力供給時の負担が原因だと考えています」 - 3011じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/04(金) 00:50:29
ミドリちゃん、ハナコちゃんはそれぞれどの程度の症状だったかの具体例を省いて説明を引き継いでくれました。脅かしたいわけではない、という意図を彼女達も汲んでくれて助かりました。
「……魔力供給か。すまないけれど、私もバーサーカーもそういった事には疎い。その上で尋ねるけど、それはマスターであれば誰にでも起こりうる事でいいんだな?」
スパルタクスさんの方を見ながら肩をすくめる彼女へ、私に代わってハナコちゃんは知っている事を説明してくれます。
「はい。これまで、そして今も、過剰な魔力をマスターの体を通して聖杯がサーヴァントの方へ供給しています。それによって負担がかかった肉体が許容できる範囲を超えると、まるでアレルギーのように拒絶反応が出るんです」
彼女が小さく、そして浅く呼吸したのが聞こえた。思わず、私が言うからと彼女に伝えようと目線を送ってしまいました。けれど彼女は静かに首を振ってから、話してくれました。
「そしてそれはどれだけ許容できる人間であっても、元々魔力や魔術回路の存在しないキヴォトスの人間では恐らく9日目には発症し……負荷がかかり続けた肉体はそう遠くないうちに命を落とします」
拳を痛いほど握りしめる音が聞こえます。正直に言えばこの話を避けてしまいたかった。いいえ、この現実を改めて誰かに、他ならぬマスターの方へ伝えるのが辛かったです。それでも避けては通れない。
そしてそれに対するミノリさんの反応は。
「……へぇ」
たった一言でした。
少し、焦りが生まれます。知っていたのか、それとも折り込み済みか、はたまたその『事実』に対する受け止め方が私達とは違うのか。
彼女からの相槌の内にどんな思いが秘められているのか分からなくて、不安が横切ります。
ここからどういう風に、『実例』を伝えて説得していくか、聖杯戦争をどういう形で終わらせるのがベストだと私達が考えているか。それをどうやって伝えるのかの言葉選びに考えあぐねていると。
「ぁ、あのっ!ミノリ先輩も、体調……悪いんですよね?なら、そのぉ……ヒフミみたいにトリニティの病院で診てもらう……とか……」
「コハルちゃん……」
私もハナコちゃんもミノリさんの相槌一つで固まってしまいましたけど、果敢にコハルちゃんが話を切り出してくれました。 - 3021じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/04(金) 00:53:30
それに合わせてユズちゃんも続いてくれます。
「こ、コハルちゃん!……の、言う通りで……ぁ、あの!……予約してるんです。うちのモモイも検査させたくて、その同じ病院の予約。はい、してるんです……」
「いぇ!?き、聞いてないよ!?私!?」
「うん、だってモモイって歯医者とかも行きたがらないし……だからミドリ達と相談して、ウイ先輩に電話した後に予約しといたよ」
「ぬぁっ……えぇ……嬉しいけど、採血とかやだなぁ……」
モモイちゃん達のおかげでしょう、空気が少し和らぎました。緊張して強張っていた体がその雰囲気で緩まる気がしました。
「モモイちゃんはこう言ってますけど、このお話の結果は別として、私はミノリさんにも検査や……必要なら治療を受けてほしいです」
「……そういう一つひとつが、君の言う犠牲を減らしたいっていう行動なのだろうか?」
「はい。私は───」
①誰にも苦しい思いをしてほしくないんです
②誰かに苦しい思いをさせたくないんです
③誰かが苦しんでいるのを見たくないんです
④助けてペロロ様〜(自由記入)
【行動安価です】
【上記①〜③から『1つ』】
【もしくは④自由記入で①〜③以外の内容等で伝えたい事を『1』つ】
【選択して下さい】
【安価は明日の13時に行います】
【それでは皆様】
【よい睡眠を】 - 3031じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/04(金) 00:55:53