昨年の死者数、11年ぶり減 コロナ対策影響?肺炎減る

久永隆一
[PR]

 2020年に死亡した人の数(外国人を含む)は、前年より9373人(0・7%)少ない138万4544人と、11年ぶりに減少に転じたことが22日、厚生労働省が発表した人口動態統計速報で明らかになった。新型コロナウイルスが流行したものの、肺炎による死者数が減ったことが影響したとみられる。一方、出生数は2・9%減の87万2683人と過去最少となった。

 死者数は近年、高齢化の影響で増加傾向にあり、14~19年は平均して年間約2・2万人増えていたが、20年は09年以来の前年比減となった。

 直近で公表されている20年1~9月の死因別の死者数を前年の同時期と比較すると、肺炎が1・2万人減となるなど、呼吸器循環器による死者が大きく減少しており、全体の死者数を押し下げたとみられる。

 日本病院会の相沢孝夫会長は「新型コロナ対策でマスクをつけ、手洗いを徹底するようになった。そのため肺炎につながるウイルスなどの感染を防ぐことができ、死者数の減少につながったのだろう」と話す。

 出生数(外国人も含む)は19年の速報値の89万8600人に続いて2年連続で90万人を下回り、少子化に歯止めがかかっていない。コロナ禍で出産を遅らせる動きも指摘され、21年は出生数がさらに減るとの懸念が強まっている。(久永隆一)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
久永隆一
東京社会部|文部科学省担当
専門・関心分野
社会保障政策、こども若者、人口減少、貧困、教育、女性支援