『虎に翼』第111回 流れる歳月に抗って
昭和34年(1959年)、猪爪家に特上寿司が届きます。道男が全部作ったのかと寅子がいうと、ぶっきらぼうに「仕入れから全部」と答えます。
優未は高校一年生。直人は一浪の末、司法試験に合格し司法修習生だそうです。こういった学業の成果は意識されるけれども、道男のような進化は意識されにくいのかもしれません。人間は学業を終えても成長するものなのですが。寝坊してきた直治も相変わらずサックス演奏をしていて、かつ演奏の仕事も増えているそうです。玲美が直治のお吸い物をあたためるとなると、息子の直人は花江が面倒を見ます。花江もついに祖母になったのかと思いましたが、考えてみれば孫ではありませんでした。家事分担をしっかり描いているようで、直治は自分でお吸い物を温めるわけでもない。そんな限界はあります。
道男は特上寿司を任されるようになったものの、それを褒められてもあまりうれしそうではありません。さらに彼は猪爪家の家族写真に目をじっと落としています。ここまでがむしゃらに走ってきて、一息ついて、何か振り返りたい気持ちになったのかもしれませんね。
寅子の更年期、そして百合の老い
星家では寅子の話を百合が聞いています。さらに朋一から葉書も届いたとか。朋一は長崎地裁判事補をしています。絵葉書は原爆の像。なんでも彼は今更ながら家に帰るとなんでも用意されていた便利さを感じているのだとか。こういうとき結婚しようと思うんでしょうね。それが昭和です。
寅子がここでうちわで顔を仰いでいて、航一が暑いのかと聞いています。歳なのかしらと寅子がいうと、百合はまだまだ若いと返します。ここで優未は風呂を沸かしにいき、寅子が御礼を言うと、私も入りたいからと返します。家事分担ができていますね。
百合はここでのどかの帰宅が遅いと言い出します。のどかは今日は泊まってくると朝ごはんの時言っていたと、航一と寅子が指摘します。そうだったかしらと百合はハッとして、のどかのぶんまで夕飯を作ってしまったと言っております。
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