細菌入りの蒸しパンで高熱を出した
少年隊員だった清水さんにもいずれは人体解剖などを任せるため、上官はこの部屋を見せたのではないか、と推測している。
さらに、「これは聞いた話なので実際私が見たわけではありませんが…」とした上で、清水さんは重い口を開いた。
「研究者たちは、ペストに感染した先輩隊員を生きたまま解剖したそうなんです」
研究者たちは少年隊員の命よりも、解剖してペストに感染した若者の体内の様子からデータをとる方が重要だったからだ。
「実は私も実験されていたんじゃないかってことがあった。上官から蒸しパンをもらってそれを食べてから急に具合が悪くなったんです」