2024.08.11
# 戦争

94歳の元少年隊員が目撃した「731部隊の大罪」…「頭部のホルマリン漬け」「少年隊員への人体実験」「遺骨は川に遺棄」

週刊現代 プロフィール

「話すことは禁止、一切の秘密でした」

日曜日は休日。ときどき近くの町に遊びに行くこともできたという。国内では激化する空襲も、戦闘もない平和な日々だった。そのうちに少年たちはそれぞれの仕事に割り振られた。

「職場では滅菌消毒させられた白衣が支給されました。衛生関係の仕事をするんだろうな、くらいの知識しか持っていません。自分たちが何をさせられるのか、ここがどんなことをする場所なのかもわかっていませんでした」

清水さんが持ち帰った通貨。小遣いとして支給されたもの(清水さん提供)清水さんが持ち帰った通貨。小遣いとして支給されたもの(清水さん提供)
 

清水さんは「見習い技術員」になるものとばかり思っていた。割り当てられた仕事はねずみのおしりから体液を採取し、かんてんの入ったシャーレで「何かの菌」を培養するというもの。シャーレを指定の位置に置くと次の日には無くなっていた。

「誰が持っていって、何の研究をしているのか知りませんでした。自分たちの隊がしていることを話すことは禁止、一切の秘密でした」

当時の清水さんは、細菌兵器のことも人体実験のこともまったく知らなかった。

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