かつてそろばんやタイプライターを使っていた作業は、いまやパソコンを使うのが当たり前になった。「時代の変化にわくわくします」。そう話すのは商社に勤続67年、総務畑一筋の玉置(たまき)泰子さん(93)だ。ギネス世界記録に認定された「最高齢の総務部員」が語る、何歳になっても楽しめる働き方とは。
勤続67年、モットーは「凡事徹底」
「終業後、玉置が会社の鍵を閉めて帰ることが多いんですよ」
ねじ専門商社「サンコーインダストリー」(大阪市)で直属の上司にあたる総務部長、佐藤宏彦さん(50)が教えてくれた。新卒で入社した時、既に65歳だった玉置さんの背中をずっと近くで見てきた。現役の部長付課長の玉置さんを普段は「玉置課長」と呼ぶ。
終業時間は午後5時半。30分後にはほぼ全員が退勤する中、会議室や給湯室などの共有スペースを進んで掃除しているのだという。
「おせっかいなんですけどね。掃除をするとき、そこを利用する人がどういう気持ちになるか想像するでしょう。何事も相手の立場になって考える習慣につながるんです」。玉置さんが目尻にシワを寄せた。平凡なことを徹底的にやり抜く「凡事徹底」がモットーだ。
約500人の従業員を抱えるねじ専門商社に勤め、ずっと経理や庶務を担当してきた。創業者を含めた3人の社長に仕え、2代目の現会長よりも11歳年上。会社の「語り部」として新入社員研修で会社の歩みを伝える役割も担う。
60歳を過ぎて表計算ソフト習得
仕事一筋の人生は…
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