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「溶ける」フェイスマスク製造機で韓国美容業界の話題を独占、BGSコスメティック

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手頃な価格で1シートからの購入も可能なフェイスマスクは韓国で根強い人気の美容アイテムで、その需要はますます高まり大手から新興ブランドまでレッドオーシャン化している。そのなかで、水溶性ゲルのフェイスマスク製造などユニークな商品企画・開発力で注目される韓国企業BGSコスメティックにフォーカスし、同社の詳細や主力製品について解説する。

食品関連機器からフェイスマスク製造に参入したBGSコスメティック

調査会社Mordor Intelligenceが公開したレポート「フェイスマスク:市場シェア分析、産業動向・統計、成長予測、2024~2029年」によれば、フェイスマスク/パックの世界市場規模は2024年90億8,000万ドル(約1兆3,137億円)から2029年132億7,000万ドル(約1兆9,200億円)へ、年平均成長率(CAGR)7.91%で拡大していく見通しだ。

手頃な自宅美容アイテムとしてフェィスマスク需要がかねてから高かった韓国では、セルフケアが進んだコロナ禍を経て、関連商品に対する消費者の関心がさらに増している。市場においてはメディヒールVTコスメティクスDr.Gなどはグローバルでの認知度も高い有力ブランドだが、中小規模の新興ブランドが続々と市場に参入し、競争がより激化している状況だ。

ビューティテック企業のBGSコスメティック(BGS Cosmetic)は、そんなレッドオーシャン化する韓国のフェイスマスク市場で、他社とは一線を画すユニークかつダークホース的なブランドとして消費者と業界の双方から注目されている。

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出典:BGSコスメティック公式サイト

BGSコスメティックは2024年に、セットしたアンプルを透明ゲル化して、肌に吸収される水溶性のハイドロゲルタイプのマスクを作成できる、カスタムメイドマスク製造機「スキンジェルメーカー」を発表した。あわせて、顔に噴射するタイプのミストパック「BGSアルティメットソリューションミスト」を開発。いずれの商品も、これまでになかった新しいフェイスマスク、パックアイテムとして注目を集めている。

BGSコスメティックの前身は、2013年に設立されたチョンイン電子産業といい、ラーメン調理器や自動販売機など食品関連機器を生産・販売するハードウェアメーカーだ。創業者のソ・ジョンイン氏は「即席漢江ラーメン調理器」というヒット商品を生み出した人物としても知られている。

チョンイン電子産業は、食品関連機器を開発する技術を応用する形で、同社が「皮膚再生カバー製造機」と呼ぶフェイスマスク製造機とマスク用の機能性成分の開発に乗り出し、2015年頃から美容業界に本格的に進出を開始した。

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BGSコスメティックが展開するアンプル製品
出典:BGSコスメティック公式サイト

2018年には、韓国原子力研究所が開発したマスクパック原料のメイシン(Maysin)の独占供給契約を締結する。メイシンは、トウモロコシ種の種子のなかに含まれるタンパク質(グロブリンの一種)で、食品としては利尿効果をはじめ、肥満、皮膚美容、糖尿、高血圧、黄疸、二日酔いなどを改善する効果があるとされている。

韓国原子力研究所は、2012年にチャボウシノシッペイ(ムカデシバ=Centipede Grass)という芝の一種の植物からメイシンを分離・精製することに世界で初めて成功し、抗エイジングなどの機能性を確認したのち、韓国国内および米国化粧品工業会(PCPC)に化粧品原料として登録していた。

チョンイン電子産業はメイシンをはじめ高い効能が担保された原料・アンプルの供給体制を確保しながら、家庭用・事業用など、さまざまなタイプの皮膚再生カバー製造機を開発。2019年には企業向けの皮膚再生カバー製造機30万台を中国に輸出する大型契約を締結するとともに、同年7月に美容業界向けビジネスを継承・発展させるためにBGSコスメティックという新会社を設立するにいたっている。

水溶性ゲル化マスクをパーソナライズ可能にしたマシンをリリース

BGSコスメティックが2024年7月にリリースしたスキンジェルメーカーは、60億ウォン(約6億6,000万円)の研究開発費を投じて生み出された、最新の皮膚再生カバー製造機という位置づけとなる。その仕組みは、それぞれ異なる効能に特化したアンプルを選択してメーカーに設置するだけで、透明なハイドロゲルマスクパックを作成するというものだ。

生成されたマスクパックはβ−グルカンハイドロゲルで構成されており、厚さは3〜5mmほどで、周囲の温度に影響を受けず長時間にわたりクーリング効果が維持されるため、優れた肌の鎮静効果が得られるという。また、肌の上にのせて時間が経過するほど顔に密着していき、アンプルの有効成分の浸透がよいとする。顔にマスクをのせて3時間ほどが経過すると、有効成分がほとんど肌に吸収され、顔上には薄いコラーゲン膜だけが残る。この膜は肌を保護し、はがす必要はない。

スキンジェルメーカーは、皮膚科、火傷の専門医、整形外科、エステサロン、美容サロン、産後養生院(出産後の母子を受け入れて世話を行う施設)など企業向けのモデルと、家庭で使える個人向けモデルが用意されている。

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スキンジェルメーカー(左:事業者向けモデル、右:家庭用モデル)
出典:BGSコスメティック公式サイト

選択できる専用アンプルの数は20種類以上で、それぞれ「高保湿」「肌のリカバリー」「美白」「シワ改善」「アンチエイジング」「皮膚トラブル」「肌の再生」「老廃物排出」「メラニン抑制」「赤みの改善」などに効果があるとされる。利用者は自身の肌状態や悩みに合わせてパーソナライズしたマスクパックを、都度ニーズに合わせて生成しながらスキンケアを行うことができる。

市場で一般的な不織布タイプのシートマスクは、不織布やプラスチック混合物でできているうえ、化粧品のエッセンスが付着するためリサイクルが困難だが、スキンジェルメーカーのマスクパックは、すべて肌に吸収されてしまうため、廃棄物がなく環境保全の観点でも高い経済合理性を発揮するとされる。

スキンジェルメーカーはその斬新なアイディアや高機能性、トレンドとの親和性を評価され韓国日報と韓国ブランド協会が主催する「大韓民国ベスト新商品大賞2024」のビューティ・美容機器部門で大賞を受賞している。大韓民国ベスト新商品大賞は、中小企業のアイディア商品や新技術を評価する権威あるアワードだ。

BGSコスメティックはスキンジェルメーカーの好評を受け、関連技術をボトックスパッチ、脂肪分解パッチ、火傷治療パッチなど、計画中の新製品開発に転用していく方針を明らかにしている。

一方、商品として正式にリリースされてはいないものの、事前情報が公開されたミストタイプのパック「BGSアルティメットソリューションミスト」も話題だ。同製品は従来のミストタイプのスキンケア製品より粘性が高く、蒸発しにくい性質があり、肌に原料が密着するため、保湿・栄養成分がしっかりと吸収され、肌にツヤを与える効果も長時間にわたり維持されるという。また、スプレータイプで不織布シートを使わないため、オフィス、屋外、メイクした状態など、多様なシーンで使えるメリットがある。

BGSアルティメットソリューションミストに使用されている主要原料は、国内医療品原料素材大手のPnPバイオファームが開発した「高安定性EGF(Highly Stable EGF)」だ。EGFはアミノ酸から形成されるタンパク質で、人間がもともと体内に有している成分である。EGFにはターンオーバーを正常化し、肌の若々しさを保つ働きがあるが、PnPバイオファームの高安定性EGFは、細胞増殖能力、熱安定性、溶解度、吸収性がより優れているとされる。

BGSアルティメットソリューションミストは、BGSコスメティックが準備中の新ブランド「K-Fact」の第1号商品として近々リリースされることが決定している。

中国ではYOYOSOと提携、韓国化粧品ブランドの独占供給も

BGSコスメティックは、長年にわたる製品開発や研究によって、ハイドロゲルマスクパック関連の源泉技術や量産技術など、約30の特許を保有する。今後は蓄積された技術・知見を活用し、グローバル市場やビューティテック市場に積極的に進出していく方針だ。

2024年7月には、中国のダイソーと呼ばれる大手小売のYOYOSOと、韓国化粧品の独占供給契約を締結した。今後、中国国内のYOYOSOで展開される韓国コスメは、すべてBGSコスメティック経由で供給されることになる。

YOYOSOはアジア、ヨーロッパ、中東、東南アジアなど世界約80カ国380都市で3,000店舗以上のオフライン店舗を運営する大手チェーンだ。BGSコスメティックはYOYOSOを通じて自社商品を展開しつつ、小売仲介事業も担うことになる。

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出典:YOYOSO公式サイト

BGSコスメティックは小売業や小売仲介業を主要事業としているのではないが、前述した通りマスクパックメーカーの輸出を通じて、各国の現地バイヤーやエージェントと深いコネクションを築いてきた実績がある。

ここ数年、中国国内では新興ブランドが数多く台頭し、韓国ブランドにとっては困難な状況が続いている。BGSコスメティックのソ・ミンホ代表は、今回の独占供給契約をきっかけに、韓国コスメの中国進出に改めて“風穴”を開けたいとメディア取材に答えている

また、バングラデシュも進出が計画されている市場のひとつだ。2024年8月には、バングラデシュの大手メディアグループATN傘下のATN E-martトップが、BGSコスメティックの本社を訪問。バングラデシュの上位10%の富裕層をメイン顧客とするビューティショップやサロンを運営するATN E-martに、スキンジェルメーカーを納品する計画が話し合われたとする

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出典:ATN E-mart 公式サイト

現在、日本からもスキンジェルメーカーに対する問い合わせが増えているとし、日本の消費者の好みに合う製品を開発しながら、流通網や接点を広げ、日本においてもビューティテック企業としての地位を確立していくと日本進出の方向性について言及している

Text: 河鐘基(Jonggi HA)
Top image: BGSコスメティック公式YouTubeアカウント

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