小林鷹之議員の会見後、メディア一同が拍手で送り出す? 同席した議員から【ファクトチェック】
2024年の自民党総裁選に立候補を表明した小林鷹之議員の会見で「メディア一同が拍手で送り出す」という言説が拡散しましたが、誤りです。拍手したのは同席した国会議員で、取材に来た記者たちではありません。
検証対象
2024年8月19日、自民党総裁選への立候補を表明した小林氏の会見について「政治家の会見終了後の退出をメディア一同が拍手で送り出すシーンは初めて見ました」という動画付き言説が拡散した。
拡散した動画には、会見終了後、小林氏が拍手を受けるシーンが映されている。
2024年9月22日時点、この投稿は1700件以上リポストされ、表示回数は109万件を超える。投稿について「相当ヤバイ」「迎合してる」というコメントの一方で「勘違いですね」という指摘もある。
検証過程
添付された動画は2024年8月19日に小林氏が自民党総裁選への立候補を表明した記者会見の様子。会見後に会場を去っていく小林氏に対して、会場から拍手がわいている。カメラは会釈する小林氏を映していて、誰が拍手をしているかはわからない。
この動画は、YouTubeチャンネル「TBS NEWS DIG Powered by JNN」の1時間あまりの動画から、26秒間を抜き出したものだ。
別角度の動画から検証
同じ会見に参加したデジタルメディア「Arc Times」は、会見の様子を別角度から撮影し、YouTubeに投稿している。小林氏の退場シーンを確認すると、画面右側に座っているスーツ姿の人たちが拍手をしている様子が映っているが、会見上の正面に位置する記者席の人たちは拍手をしていないことがわかる。
会場の右側には小林氏を支持する国会議員
会場の右側に座って拍手をしていたのは小林氏を支持する国会議員だ。東京新聞が同席した議員を画像と共にまとめている(小林鷹之氏を支援する議員は誰? 出馬会見の同席者リスト 自民党総裁選 「われわれは派閥の枠組みで動いていない」)。
記事の写真が壁際であることや、議員の服装から、拍手をしていた人たちであることがわかる。つまり、拍手をしているのは議員で、記者ではない。
判定
小林氏の記者会見で拍手をしたのは国会議員でありメディアではない。よって「メディア一同が拍手で送り出す」は誤り。
検証:木山竣策
編集:古田大輔
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