本会議の半数超を欠席 6選の元参院議長「よんどころない事情」とは

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小田健司
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 7月の参院選で当選した新たな議員たちが3日の臨時国会で初登院する。今回の改選組で最高齢の議員が、自民党山崎正昭・元参院議長(80)だ。

 福井選挙区(改選数1)で6選を果たしたが、選挙戦では対立候補から「国会欠席が多すぎる」と批判を浴びた。朝日新聞が調べたところ、確かに多数の欠席が確認できた。

 新たな任期はどのような国会活動をするのか、山崎氏に尋ねた。

     ◇

 欠席の問題が指摘されたのは、公示3日前の6月19日だった。

 地元民放テレビ局が開いた立候補予定者の討論会で、立憲民主党の元衆院議員で、今回は無所属で立った斉木武志氏(48)が取り上げた。

 山崎氏が2020年の通常国会の本会議25回のうち11回を欠席したとして、「欠席王だ」と批判。「お体が悪かったのでしょうか」と問うた。

 山崎氏は健康に関する質問を、自身の高齢を批判した質問だととらえたようだ。こう応じた。

 「(健康に)まったく不安はありません。所用があったんでしょう。私は政治は年齢じゃないと思います」

 斉木氏の追及は続き、山崎氏は気色ばんだ。

 「正当な理由があって欠席届を出して欠席している。とやかく言われる必要はない」

 参院議員の仕事よりも、優先させるべきことがあったのか? 同じく立候補予定者として討論会に出た共産党の山田和雄氏(55)の確認にも山崎氏は「そういうことになります」と応じた。

 山崎氏が欠席の理由として挙げた一例が、「昭和天皇の記念財団の副会長をしている」だった。昭和天皇記念館(東京都)の管理運営などを担う「昭和聖徳記念財団」の仕事があったという。

 山崎氏は福井県大野市議、県議などを経て1992年の参院選で初当選した。自民党では清和会(安倍派)に所属し、安倍政権下の2013~16年には参院議長を務めた。

欠席、19年以降に急増

 朝日新聞は、山崎氏の議長退任後に開かれた、計18回の通常国会、臨時国会、特別国会の出席状況を調べた。すると、計264回の本会議のうち、通常国会を中心に約3割にあたる77回を欠席していた。

なぜ、欠席は急増したのか。参院選後の記者会見で山崎氏に聞くと、選挙前の討論会とは異なる理由も挙げました。なぜ議員の欠席の理由は問われるべきなのか、識者に聞きました。

 通常国会で見ると、17年は…

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この記事を書いた人
小田健司
神戸総局|事件・調査報道担当
専門・関心分野
権力監視、原発、公共事業、ボブ・ディラン