不真面目でだらしない愛ーーそんなふうに航一とのおつきあいしていると優未に告げると、優未は理解して心配しないでいいと言います。優未はもうお母さんになんでも言えるとか。抱きついて泣き出してしまう寅子。思えば色々ありました。素晴らしい子です。
　こうしてこの三人は、海辺でピクニックをするような仲になりました。グイグイと迫って溝を埋めてくる寅子に、心を癒やされている航一です。
　こうして穏やかに、永遠を誓わない愛は育まれてゆきます。

戦争から10年目、さようなら新潟

　昭和30年（1955年）、三年の人気を終えて、寅子たちは新潟を離れることになりました。新年度からは東京地裁赴任となったのです。なんでも航一も東京に戻るのだとか。滝本太郎は面倒が減るとかなんとか憎まれ口を叩くも、感極まって泣き出します。そこで慰める優未、感激する太郎。優未も髪がのびおさげを結えるようになりました。今年でもう小学六年生です。孫のような優未の成長に、太郎は心を慰められていたことでしょう。
　このあと、ライトハウスでも別れを告げることになります。今年の春、稲は大往生を遂げたそうです。涼子と玉に、再会を誓う寅子でした。ここで入倉がライトハウスにきて、航一や寅子のような立派な裁判官になりたいと言います。航一からもう立派な裁判官だといわれ、感極まって泣き出す入倉でした。
　思えば新潟編は曲者揃いでどうなるかと思われたものの、みな理解しあい、それぞれが成長して終わったと思います。よい三年間でした。
　状況した森口美佐江がどうなっているのか。そこは気になりますが。これから先、なにか事件が起きて美佐江が関わっていたらどうなってしまうのか。