コンサルタント

下元 正義

事業戦略部 AI
Powerhouse

下元 正義Masayoshi Shimomoto

2008年入社

大学院では、物性物理の基礎論を専攻。原子や電子のふるまいを観測し、モノの性質を予測する計算手法の研究に取り組んだ。就職に際しては、そうした知見・スキルを活かせる場を志望。当社は大学の先輩が入社しており、その話から、物性物理の知見が活かせることを知り、入社を決めた。入社後、サイエンスソリューション部に配属され、原子力関連の業務に従事。その後2016年、新たに発足した事業戦略部に異動。

新たな事業開発を目指す。
時代のニーズを先取りする事業を。

私が所属する事業戦略部は、新しい事業を創出することをミッションとしています。時代や社会が大きく変化していく中で、シンクタンクにもパラダイムシフトが必要となります。当社は、お客さまからのオーダーに応じてコンサルティングサービス等を提供する事業を展開してきましたが、事業戦略部はそうしたシンクタンクの定石に留まらず、主体的かつ能動的に、自ら世の中のニーズを先取りし、新たな事業をつくる組織として発足しました。では、何を事業とするのか。それが重要なポイントです。お客さまをはじめとする社外の方々へのヒアリングを重ね、コミュニケーションの中から「事業の種」を見つけていきます。「事業の種」を発見すると、研究開発プロジェクトとして企画し、事業開発を推進します。現在は部内に誕生した「AI Powerhouse」に所属し、AI技術の活用を中心とした事業開発に従事しています。

デジタル技術でドクターの負担を
軽減。
日本の医療の質を更なる
高みへ。

AIが活用される領域は、画像・映像、音声、自然言語(テキスト)、数値データなどのカテゴリに分類されますが、その中で、私は「音声」を対象としたヘルスケア領域における事業化に取り組んでいます。医療機関のドクターとの共同研究であり、診療内容のデジタル化とAI活用に向けた新たなチャレンジです。医療現場では様々な計測装置を用いて人の身体の情報をデータとして扱っていますが、一方で、デジタル化が進んでいない分野も存在します。言い方を変えれば、医師の五感や経験でしか診断できない領域が存在するということです。
今回のプロジェクトで私たちがまず取り掛かったのが、医師が診察中に参照する「音声」を診療中に自動的に収集・データ化することができるデバイスの開発です。その上で、デジタル化した診療データをAIが初期スクリーニングし、疾病を診断する取り組みを進めています。これを実現することにより、医師の勘や経験といったものに依らない、再現性の高い医療を提供することが可能となり、その質は間違いなく向上すると期待されています。AIを活用することで経験を共有知とし、アナログからデジタルに移行させることで、医療現場に付加価値を提供していきたいです。

安心して生活できる社会づくりに
AIを活用。

先ほどのプロジェクトに加えて取り組んでいるのが、医療機関の診療報酬に関するものです。医療機関は患者から窓口で受け取る医療費だけでなく、一般法人の収入にあたる医療保険者からの診療報酬を受け取るために、健康保険組合等に申請書を提出します。過度な医療行為や投薬等を防止するため、申請にはルールがあり、正当な理由が存在しない医療行為、投薬については却下される仕組みとなっています。一方で当然、医療上必要と認められれば報酬を受け取ることができますが、医療機関から提出される申請理由の記載が曖昧であったり、ルールに沿っていなかったりすることで、認められるはずの診療報酬を見逃している場合が少なくありません。そこでAIが申請書の記載内容(テキストデータ)を分析・判定し、最適な記述を提示する仕組みの構築を進めています。この取り組みで、医療機関の経営改善や業務効率化を実現していきたいと考えています。
他に携わっている案件として、AIを活用した決済における不正検知です。決済手段のデジタル化と多様化により、決済における不正検知は複雑さが増し、従来の方法では検知できないものもあります。そこで、AIを活用することで高度化する不正に対して、検知方法を自動で更新できる仕組みづくりを進めています。競合も多い分野ですが、当社独自のノウハウを活かし、高付加価値なシステムを創出していきたいと考えています。

徹底して考え抜く。
困難な壁に向き合い、乗り越える。

私たちの取り組みは、「やってみないとわからない」ということが少なくありません。その際に大切なのが、徹底して「考える」ことです。着手するのか・しないのか、なぜそのようにするのか、どのように実現するのか、様々な材料を自分で集めて判断していくことが欠かせません。私の場合、仕事場以外、例えば電車の中、寝る前、日常のどのタイミングであっても常に考え続けることを意識しています。限られた勤務時間を有効に使うために、それ以外の時間も思考を巡らせることで、結果としてパフォーマンスが上がり、仕事の楽しさにもつながっていくと思っています。事業開発はまだ道半ばであり、本当の仕事のやりがいや達成感は、今後得られるものだと思います。今は、常に目の前に困難な壁があるものの、それに臆することなく挑戦し、一つひとつクリアしていくことに、仕事の楽しさ、喜びを感じています。

1日のスケジュール

  • 8:00

    出社。メールチェック。
    プレゼン資料作成。

  • 9:00

    「AI Powerhouse」3チームでのWeb会議現状の案件の課題共有、進捗報告。

  • 10:00

    「診療報酬」案件の報告書及び打ち合わせ資料作成。

  • 11:30

    昼食。

  • 12:30

    大学病院のドクターとプロジェクトに関するWeb会議

  • 14:30

    デバイス開発メーカーと社内で会議

  • 15:00

    社内の「AIコンテスト」実施に向けた検討、課題確認

  • 17:00

    退社。

技術で社会に貢献し、世界を変える。

現在、取り組んでいる案件を事業化するのが第一の目標です。私は入社以来、技術で社会に貢献したいという想いで仕事に取り組んできましたし、今後もそれが変わることはありません。社会への貢献というのは、多くの人が「これで世界が(より良く)変わったね」と実感することだと思っています。将来的には「世界を変える」人材に成長し、「世界を変える」組織をつくっていきたいと思っています。

※所属部署は取材当時のものになります。