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いま読む『源氏物語』 (河出新書 074)

感想・レビュー
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ゆっち
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源氏物語を、学者と作家の視点から掘り下げる対談集。特に女性の描かれ方に深い洞察があり、平安時代から今にも繋がる生きづらさ、残酷さ、女性の生き方、生き様が源氏物語には含まれている、との見解は感動した。 紫の上のせつなさを以前から感じていたので、そこをより掘り下げていたこともとても興味深かった。
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peco
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時代時代の社会通念によって源氏物語の読まれ方も変わってきたが、そこに描かれている人間の業とも言うべき心理が見事に描かれ尽くされているからこそ長きに渡って読み継がれてきたのだということがおふたりの道案内によって得心できた。愛によって、もしくは権力によって人は幸せになれるのか。「世」「身」に絡めとられた「心」に自由はあるのか。現代にも通ずる人生観が物語全体に通底しているからこそ1200年の時を経てもなお人々の心を掴んで離さないのだろう。大作で読むのに骨が折れそうではあるが私なりの読み方をしてみたいと思わせる本
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おゆちゃ
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源氏物語の全訳をした角田光代と平安文学研究者の山本淳子との数回にわたる対談集。なかなか興味深かった。あんなに光源氏のことを嫌がったのに次登場したときには貞淑な妻になってた紫の上のことはわたしも疑問に思ってた。藤壺は光源氏を愛してたと勝手に思い込んでたけどそうじゃないとしたら読み方が変わる。他にも時代背景などが話されてて面白かった。苦手な宇治十帖の見方も変わったから次読むときは違った視点で読めるかも。ただ、#MeToo運動を源氏物語に持ってきて語るのは違和感があった。
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カオリ
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ネタバレ対談形式なのでわかりやすい。 「光る君へ」で桐壺の巻は一条天皇と定子様がモデル、と当の一条天皇がムッとするシーンがありましたが、その説が出てきたのが90年代だそうで。ちょうど女性研究者が増えてきた頃、という話になる程! 私が学生の頃とちょうど合致。研究者目指してたわけではない学部生の目にはまだ触れないような最新学説だったんてすね。
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とも
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作家の角田光代さんと平安文学研究者の山本淳子さんの数回に渡る対談集。めちゃくちゃ面白かった!!源氏物語について二人の丁々発止のやり取り、話の内容に新たな視点を与えてくれた。特に現代の読み方だと光源氏の有り様が違って見えること、そこから派生して当時の女性が本当は何を考えていたかを推測するところも読ませるし(特に紫の上)、なぜ藤壺が後半で光源氏を拒否して出家したかの真実にはああっと驚いた。末摘花の描き方もただ笑っているだけではなく深いものがあった。当時の道長との関係性、天皇家の立ち位置と興味は尽きない。
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オリーブ
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ネタバレ学生時代には光源氏の傲慢さを描いているだけじゃんとその面白さが理解出来ず何度も挫折していたけど女性目線で見るとどうしようもない運命に悔しさ、もどかしさを感じていたり親の生き直しに使われ心を支配されていたりという哀しさに気づかされた。一方で末摘花には皮肉が込められていたし近江の君には読者の愚かさを試していただとかぺらぺらした表面しか読めなかった私にはまさに目から鱗。源氏物語」に登場する人物の描かれていない別の姿の想像はかなり面白い!逆境の時の人間の本質が描かれている源氏物語。角田さんでチャレンジしてみたい!
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_salla
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自分が源氏関係の本を読んでいたのが20年くらい前で、当時、女性で源氏物語について書いていたのって、三田村雅子先生と川添房江先生、現代語訳した円地文子、田辺聖子、瀬戸内寂聴などの作家くらいだったような気がする…多分w 女性の学者が増えて、新たな解釈や読みが生まれたんだなぁと、これからの研究がまた楽しみ。
_salla

第2部以降のパトロンは彰子というのは賛成。寂聴氏が「宇治十帖は紫式部が出家してそれこそ宇治に庵でも結んで書いたのでは」と想像していて、それも面白いんだけど、宇治だけでもそれなりの紙が必要で(しかも1021年には更級日記の少女も写本が読めている)彰子の援助が必要だったと思うし、道長に対立した彰子なら、紫式部の書きたい女の生きにくさを描いた後半部を支援してもおかしくない気がする。

09/08 12:51
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チサエ
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とても興味深く、時間を忘れ夢中で読みました。角田さん訳の源氏物語ぜひとも読みたいと思ってます。浮舟の主体性の無さあたりの話しが特におもしろかったな。
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葉庭
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ネタバレ興味深い対談で、あっという間に読めた。物語の解釈って人それぞれだし、誰の目線で読むのかで変わってくる。平安女性の生き方や苦しみを文学として表に出した紫式部は本当に聡明で観察力のある人だったんだな。私が一番尊敬する偉人かもしれない。大河ドラマの光る君へを視聴していたら、源氏物語をまた読み返してみたくなったけれど、なかなか時間が取れないのが悩み。
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Masako33
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目下、岩波文庫の原文で通読に挑戦中(まだ末摘花)なので、ネタバレになり得る解説本はこれまでなるべく避けてきたのですが、何となく衝動買いしました。ネタバレはそれほど気にならず、お二人のお互いを尊重しあう姿勢、押し付けがましくない語りがとても良かったです。柔軟に解釈してみようと、ますます通読の背中を押してもらえた気がします。読了後、解釈の参考に角田さんの訳も読んでみたくなり、早速注文しました。山本先生の道長ものがたりも積読の山(失礼していました)から引き出しました。素敵な対談を共有いただき感謝します。
音弥

岩波文庫、頑張ってください!やはり源氏物語は古文で味わってこそ!

09/02 10:16
Masako33

ありがとうございます!古文のことばを何度もなぞるように読むのが快感になりつつあります!

09/11 23:13
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emi
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源氏物語の研究においても、長らく男性上位だったんですね。桐壺帝と更衣のモデルが一条帝と定子ではないかという推測は、わりと誰でも思いつきそうだけど。物語に描かれない部分を、あれこれ想像する余地が多いからこそ、千年読み継がれてきたんだなあ。大河「光る君へ」で、登場人物やストーリーが固定されがちだけど、やっぱり”自分の視点”をもって読みたいものです。
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yucco
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「角田源氏」を読み終えた事もあり、角田さんが現代語訳されている時のお気持ちを知れたのが嬉しく、お二人の考察もとても深く楽しくてあっという間に読了。私も「本音!紫の上」を読んでみたいです。源氏物語は、時代だけでなく、読者がこの物語に触れる時の年齢によっても捉え方が変化するのではないかなぁと…対談にもある通り、本当に柔軟性のあるストーリーだなと思います。文学に限らず、歴史絡みの研究はこれまで男性に偏っていたと感じるので、今後女性研究者の方々の解釈がもっと広く知られるようになればいいな。
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しい☆
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とても面白かった。源氏物語って本当にいろんな解釈があって、いくらでも深く読み込めるんだなって改めてその凄さを実感したし、近年になって女性研究者が増えてきたことによって、過去の男性研究者による解釈とは違った解釈がたくさん出てきてるっていうのもかなり興味深い。 角田さん訳の源氏物語も読んでみる。
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oracion2910
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山本先生と角田先生、それぞれが相手を敬いながら、対談を楽しんでいらっしゃるのがとても素敵で、改めて、源氏物語の奥深さを噛みしめる。 山本先生の他の著書、角田先生の現代語訳も読みたい。
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スコットレック
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誰もが知っている日本の古典、源氏物語。しかし実際に物語を読むとなるとちとハードルが高いかも。そのハードルを低くしてくれるガイドブック的な存在が本書かと。角田さんと山本さんの対談ですが、お二人の穏やかな人柄が伝わってきて読みやすい。山本さんが本書の最後で話していた"源氏物語は自由に読めばいい"という指摘。古典だ大作だと物怖じせずに、まずは物語に飛び込んでみるのが重要なのかもしれないな。
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鈴木貴博
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最近全現代語訳を完成させた角田先生とこの時代の研究者で目から鱗の一般書も多く出されている山本先生の対談が面白くないわけがない、ということで一気に読了。
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buchipanda3
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研究者と現代語訳を完遂した作家の対談。創作の内側も含め興味深く読めた。角田さんは全訳後、小説が書けなくなったそうだ。執筆の観念が前と変わったとのこと。それほどの影響力。山本さんとの対話では登場人物一人一人(主役以外も)の多様な視点で追って物語の世界観を拡げていく。母親の目線もそうだが紫式部の成長と物語の変化を結び付ける観点が面白い。そして性別に関係なく「世」や「身」に縛られるままならなさは時代感が違えど現代もある。千年を越え現代も照らし出し、柔軟な解釈と意義を生み出し続ける懐の深さが源氏物語の魅力なのだ。
のり

面白そうですね。ポチッと頂いておきますm(_ _)m

08/14 20:23
buchipanda3

のりさん、ちょうど角田さんの現代語訳を読み終えたばかりだったので興味深く読めました。角田さんと山本さんの紫式部や各登場人物への印象などが正直に語られていて面白かったです。

08/14 20:31
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霞
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時代によって読み方が変わっていくのが源氏物語の凄さなのだということが角田光代氏と山本淳子氏の対談を読みながら楽しく学べた。また改めて読み直したら新しい発見ができるのかもしれない。
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Tetsuji Yamaguchi
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★★★★
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音弥
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角田光代、山本純子両氏による対談、面白くてKindleで一気読み。山本先生の「第二部からは道長でなく彰子がパトロン」に納得!驚いたのは藤壺と光源氏の逢瀬、現代語訳によって和か強か解釈が様々。お二人は無理矢理説。若紫は誘拐され、これは犯罪?紫の上は子供の時から源氏に囚われ、自我を押し殺した可哀想な人?角田さんは寂聴さんと意見が真逆になるそうで、コレ私も同感デス!かつて男性研究者による偏見も混じった解釈が、女性研究者が増えて変わってきた。MeTooジェンダー大事だが、それにより過ぎないよう常に反省も必要か?
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いま読む『源氏物語』 (河出新書 074)評価89感想・レビュー20