2024.09.30
# 選挙 # 政治 # 立憲民主党

「立憲民主党に民主主義はない」驚くほど非民主的な東京30区候補者擁立劇に党内から失望の声

小川 匡則 プロフィール

「国会への踏み台」

ところが、この擁立には地元から大反発が起きている。

「本来であれば9月4日の都連常任幹事会で決定される予定でした。ところが、地元自治体議員の猛反発によって決定が延期された。しかし、その後もほとんど地元とのコミュニケーションが図られないまま今回は強引に決定してしまったんです」(前出・都連関係者)

それを裏付ける文書を入手した。9月3日に立憲民主党東京都連幹部宛に届いたものである。送り主は東京第30区総支部長代行の前川浩子氏(府中市議会議員)だ。

そこには「東京30区が都連の意向に翻弄され、甚だ遺憾な事態を受け続けた」として、一度はれいわ新選組に選挙区を渡し、それが白紙になった経緯について一切説明がないことへの苦言を呈した上で、五十嵐氏の公認に強く反対する意見が記されている。

都連に対して送付した意見書(筆者撮影)

「五十嵐氏はひたすら自分が国会に行きたい旨の自己都合を述べるばかりであり、30区の地域事情、地元課題に関する理解はおろか、理解しようとする意志さえ見えず、30区暫定総支部を単なる自らの『国会への踏み台』としか考えていないことは明らかであった」

「当然のこととして、五十嵐氏の要求を受け入れる余地など、金輪際あろうはずもない」

このように五十嵐氏の資質を問題視する辛辣な言葉が並ぶ。それにとどまらず、怒りの矛先は都連に対しても向けられる。

「また、五十嵐氏の要求行為に至る一連の過程に対して、都連の意向がなんらか動いているのだとすれば、地元議員無視の極みと断じざるを得ない」

 

これを受けて、9月4日の都連常任幹事会で予定されていた五十嵐氏の擁立決定は見送られた。

その後も都連や五十嵐氏が地元に理解を求める姿勢は見られず、地元関係者の怒りは増幅するままだった。

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