2024.09.30
# 政治 # 選挙 # 立憲民主党

「立憲民主党に民主主義はない」驚くほど非民主的な東京30区候補者擁立劇に党内から失望の声

小川 匡則 プロフィール

ボトムアップとは真逆の強引な手法

この会合に訪れた前川氏ら数名の地元議員は多摩市議の白田満氏を30区の支部長に公認するよう求めた。

「もし公認申請しても取り計らうかはわからないと言われました。その上で、五十嵐さんが選ばれた場合は必ず応援するように約束しろと迫られました。結局、『五十嵐に決まったらお前らがやるんだ』と言わんばかりでした。国会議員が決めて上からおろしたことを地方議員がやるだけなのか。私たちは奴隷なんですか。全然(立憲が標榜する)ボトムアップの政治じゃないです。そんな約束はできないので、議論は平行線に終わり、決裂しました」

立憲民主党東京都連の手塚仁雄幹事長(2024年5月27日、筆者撮影)

さらに9月24日には前川市議ら6名の地元市議が連名で都連常任幹事宛に意見書を提出した。翌日に五十嵐氏を擁立する方針が決まる予定になっていたからである。

「これまで地元との真摯な協議は一切なく、しかも、今週中には都連常任幹事会を開催し、その場において地元の了解を得たものとして、五十嵐都議の30区の公認が諮られる、との話をお聞きしております」

「こうした一連の経過は、私ども『草の根政治』を地域で支えてきた第30区市議会議員の存在を極めて軽視するものです。しかも、第30区公認候補としたい理由は、ひたすら得票の可能性のみであり、またそれは、私どもの体感する現実とかけ離れたものでしかありません」

「第30区有権者ひいては国民の暮らしをどう支えようとするのか、その欠片すら都連からも五十嵐氏からも示されることがなかったことに、深く失望しております。公認候補者の決定は、地域の実情を理解し、住民の声を真摯に反映する人物であるべきです」

このように、ここでも厳しい言葉が並ぶ。

ところが、こうした地元市議団からの「抗議」は無視され、翌日の都連常任幹事会ではあっさりと五十嵐氏の擁立方針が決まった。今後、都連からの上申を受けた党本部が承認すれば決定する。

 

ただ、問題は地元市議の反発だけではない。

「今回の30区での立候補に際して、五十嵐さんは菅直人元首相への相談を全くしていなかったんです。菅さんも『俺は聞いてない』として特に協力する気はないようです」(前出・都連関係者)

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