地元市議が怒りを激白
9月17日には30区支部長代理の前川氏が今度は都連の常任幹事宛に意見書を提出した。そこには以下のようにさらに厳しい言葉が並んでいた。
「30区の候補擁立を巡る動きについて、誇りを持って党活動を担ってきた地元地方議員など無きが如きのように、何ら地元の意見聴取も行わないまま、しかも地元ならではの政治風土が顧みられることもなく擁立作業が進められることに対し、『草の根民主主義』を標榜するはずの立憲民主党の在り方と言う観点から、深く憂慮するものです」(原文ママ)
「地元と議員との『絆』の大切さを何ら理解せず、地元選挙区を『自らの当選のための足場』としか考えないような候補者が、選挙区を水平異動して、この30区に擁立されるようなことがあれば、一部の思惑とは裏腹に、地元30区のみではなく、立憲民主党全体への信頼が大きく毀損されると考えます」(原文ママ)
文書を送った前川氏に話を聞くと、「我々地元の意思は完全に無視されました」と憤りを隠さない。
「これまで話し合いという話し合いはなかったです。これまで五十嵐さんとの接点はほとんどなかったのに、8月末に五十嵐さんが急に会いたいと言って来たんです。その時に『ここから出たい』と言われました。理由を聞いても、『憲法審査会に入って憲法の話がしたいから国会議員になりたい』という一点張りでした。我々は日々の生活で辛い思いをしている方々に寄り添っていかなければならないが、そういうことに彼女は全く共感を示さなかったので呆れました。だから私は『いや、あなたには無理だ』と言ったんです」
突然の出馬意思表明に異変を察知した前川氏が情報収集をしたところ、9月4日の都連常任幹事会で決定される方針だと知り、急遽意見書を送ったという。
「あれは私の個人的な意見ではなく『30区支部長代理』として30区の総意を伝えています」
前川氏はその後、五十嵐氏に「一度ちゃんと話し合おう」とメールをした。
「9月18日に日程が決まったところ、急に手塚(都連幹事長)さんの秘書から『集まれ』と連絡がきた。私は手塚さんに会いたいとは言ってないんですが。私たちが五十嵐さんに会いたいと言ったら五十嵐さんは手塚さんに連絡したのでしょう」