放送後には感想を求める電話が
放送終了、「なんだこの放送は……」と呆然としている鵜川氏の元に、X氏から番組の感想を求める電話がかかってきたという。鵜川氏は当然、抗議する。
「これワクチン遺族ではなく、コロナ感染死の遺族、ということになっていませんか?」
そう伝えるとX氏の声色が変わった。
「『あ、やべっ』と、言う感じでしたね。そこで事態の大きさに気が付いた様子でした」
X氏は「局に持ち帰り検討する」と伝え、その後、彼の上司が謝罪の電話をしてきたという。そして翌16日、同番組の最後に田中正良キャスターが「コロナウイルスに感染して亡くなったと受け取られるように伝え、ワクチンが原因で亡くなったというご遺族の訴えを伝えていませんでした」とし、映像について謝罪した。
謝罪さえすればすべてが終わるとNHKは踏んだのだろうか。だが、遺族の怒りはおさまらない。
「なぜこうした編集がされていたか、その経緯については説明がありませんでした。今後のNHK側の動きによってはBPO(放送倫理・番組向上機構)への提言含めてしかるべき措置を検討していくことになります」(前出の鵜川氏)
番組の放送時間の都合はあるにせよ、なぜNHKは「ワクチン死遺族」に取材し、入念に話を聞いておきながら、「コロナ死」という広い括りでその死に触れたのか。
そこにはNHKの内部事情が関係しているとみられる。
後半記事『なぜNHKは「ワクチン死遺族の悲痛な声」を報じなかったのか…証言で浮かび上がった深層【NHKワクチン被害者遺族放送問題#3】』では内情に詳しい関係者が明かす。