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『虎に翼』第90回 星航一の戦争責任
「ごめんなさい」
そう口にする航一。滝本太郎が空襲で命を落とした娘と孫を思い泣き出したときに続く、二度目の言葉でした。
「僕に言えるのはそれだけです」
もし、止められていたとしたら?
ここで次郎が、前にも兄に謝っていたと言い出します。太郎がたしなめても、次郎は気になると言い出します。ここで太郎は、裁判官や弁護士は徴兵されなかったことを気に病んでいるのだろうと想像し、宥めています。おそらく、太郎は自分自身の体験や心情に近づけて相手の気持ちを想像しているのでしょう。彼もおそらく「若ぇもんが戦ってんのに俺は」と悩んだこともあったのでしょう。所詮戦争は止められなかったのだから、悩んでも仕方ない。そう結論づけます。
しかし、どうもそうではないようです。
「もし、止められていたとしたら?」
そうつぶやく航一でした。
ここで、困惑し出す航一。こんな話をするつもりじゃなかったと困惑しています。
彼はわざと溝を作ってきた。そうして自分を守ってきた。それなのに、どんどん近づいてくる人がいる。溝を埋めるために努力して、あがいて、接近してくる存在がいる。
思ってることは、口に出した方がいい
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