石破新総裁、衆院を10月中解散へ 幹事長に森山氏、官房長官に林氏
自民党の石破茂新総裁(67)は28日、党役員・閣僚人事の調整を進め、党ナンバー2の幹事長に森山裕総務会長(79)の起用を固めた。内閣の要である官房長官には、岸田政権から林芳正氏(63)を再任させる。副総裁には菅義偉前首相(75)を充てる方針だ。石破氏は首相就任後、10月中に衆院を解散する準備に入った。
石破氏は早期の衆院選をにらみ、「10月15日公示、27日投開票」を軸に検討している。野党が求める予算委員会などの論戦に応じれば、「10月29日公示、11月10日投開票」の可能性も残る。
森山氏は、衆院鹿児島4区選出の当選7回(参院1回)。農林水産相のほか、国会対策委員長、選挙対策委員長などを歴任し、昨年9月に総務会長に就任した。幹事長は、首相になる総裁に代わり党務を取り仕切る強い権限を持つ。石破氏は「党人派」として与野党に太いパイプを築く森山氏の調整力に期待する。
高市氏は総務会長就任を固辞
内閣の要である官房長官には、林氏を引き続き起用する。安定した答弁力で、石破氏とは若手時代から外交安保の勉強会を重ねてきた。今回の総裁選に立候補し4位になったが、決選投票では同じ派閥だった岸田文雄首相とともに石破氏を支持したとみられる。
麻生太郎副総裁(84)の後任には菅氏を充てる方向で調整している。菅氏は、周囲に応じる意向を示した。菅氏は総裁選で小泉進次郎元環境相(43)を支援。小泉氏が進めなかった決選投票では石破氏支持に回り、逆転勝利に貢献した。党内基盤が強くはない石破氏が、後ろ盾として菅氏の影響力に頼る構図だ。
政策責任者の政調会長には、小野寺五典元防衛相(64)を充てる。2度の防衛相を務め安全保障政策に詳しく、石破氏との親交も深い。
選対委員長には小泉氏の起用が固まった。知名度の高い小泉氏を選挙対策の責任者に充て、衆院選では「党の顔」として前面に立たせるねらいがある。
一方、石破氏は総裁選で最多の党員・党友票を獲得し、決選投票でも激しく競り合った高市早苗経済安全保障相(63)に、総務会長を打診。だが高市氏が固辞したことから、党幹部や重要閣僚への起用は見送る考えだ。
官房副長官には、橘慶一郎衆院議員(63)と青木一彦参院議員(63)を充てる。また財務相には加藤勝信元官房長官(68)を起用し、国土交通相は斉藤鉄夫氏(72)を再任させる。派閥の裏金問題に関連して4月に党の処分を受けた議員については、党幹部や閣僚への起用を見送る考えだ。
石破氏は、30日に党の新執行部を固める。臨時国会が召集される10月1日の首相指名を経て、同日中に石破内閣を発足させる方針だ。(藤原慎一)
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- 藤原慎一
- 政治部|自民党担当
- 専門・関心分野
- 国内政治、安全保障、憲法、震災復興
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