少子化の影響はとどまることを知らず、二戸支局管内では本年度末、統合のため七つの小学校が閉校する。最後の1年を思い出深いものにするべく閉校記念行事が各地で行われ、取材に伺うことも多い。

 楽しかったのが、九戸村の長興寺小で行われた「長小逃走中!」。人気テレビ番組を参考に、子どもたちの要望に応えて保護者が企画した。

 逃げ切るため、死角にじっと隠れ続けたり、潜伏場所を転々と変えたり、確保されてしまった仲間を助けるため、捕まえることができない安全エリアからじっと解放を狙ったり。子どもたちの動きはさまざまだ。

 確保された子どもたちは校舎の隅々まで響き渡るような大声で「助けて!」と叫ぶ。本来なら学校で聞こえてはいけないはずの言葉が何ともほほえましく、カメラを構えながら思わず笑ってしまった。

 終了後もまだまだ続けたそうな子どもたち。少し疲れた様子の保護者。どちらも笑顔が絶えず、楽しむ姿が印象深かった。

 地域社会の核でもある小学校の閉校は、寂しいことと誰もが言う。それでも子どもたちが地域の宝ということは変わらない。健やかな成長のための関わり方に変化は生まれるかもしれないが、各地域の取り組みを今後も見守りたい。

(猪越雅哉)