新聞各紙の朝刊に見入る袴田さん(右)とひで子さん(27日、浜松市中央区で)=支援者提供

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 静岡県の一家4人殺害事件を巡り強盗殺人罪などで死刑が確定し、26日の再審判決で無罪とされた袴田巌さん(88)の姉ひで子さん(91)が27日、浜松市内で取材に応じ、心境を語った。

 無罪判決を報じる新聞を見せて説明すると、袴田さんの表情が明るくなったといい、「うれしかった」と述べた。

 ひで子さんは26日の夜に自宅に戻り、袴田さんに無罪判決を報告した。袴田さんは長年の身体拘束で「拘禁症」を発症し意思疎通が難しく、この時はよく分かっていない様子だった。だが、27日午前に新聞の朝刊を見せられると、表情が明るくなり、顔を紅潮させて手でポーズをつくるなどしたという。

 ひで子さんは「これは分かったのかなと思って、うれしかった。毎日繰り返し伝えようと思う」と笑顔を見せた。