男子にも!HPVワクチン助成@文京区 | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

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■てしまクリニック 9月の診療について

9月中の院長休診、特別休診の予定はありません。

 

こんにちは。

もものマークのクリニック 院長てしまですニコニコ


我が家の次男坊は高校1年生。

つい先日、HPVワクチンの予防接種2回目を受けてきました。


HPVは『ヒトパピローマウイルス』の略称。

実際のところ、ヒトパピローマウイルスは100種類以上ありますが、『HPVワクチン』と称される予防接種が対象としているのは、その中で子宮頸がんの原因となりうる『ハイリスクHPV』


ワクチンには2024年現在2価、4価、9価の3種類が存在し、それぞれハイリスクHPVを含む2種類、4種類、9種類のウイルス感染を予防してくれます。


文京区では今年の4月から、男子も4価ワクチンの無料接種が受けられるようになりました。対象年齢は小学6年生から高校1年生。


現在高3の長男のときは自費で3回接種したので、保護者の立場からすると非常にありがたい改正です。




  『子宮頸がんワクチン』なのに、男子も必要?

 

「『子宮頸がんワクチン』なら、男子は関係ないんじゃない?」

と、思ってしまうかもしれませんが、実はそうではありません。


HPVワクチンは多くの場合性交渉で感染し、男女問わずウイルスに暴露される機会はあります。

もちろん男性が感染しても、子宮頸がんにかかることはありませんが、パートナーにうつしてしまう可能性はあります。

また、ハイリスクHPVは子宮頚がんだけでなく、中咽頭がん(=ノドのがん)の原因となることがわかっています。ノドのがんであれば、男性だって発症するかもしれませんよね。


ただ、日常的に皮膚科疾患の治療に携わっている立場としては、子宮頸がんも中咽頭がんも、それほど身近な病気ではありません。

しかし、HPVワクチンは、皮膚科医にとっても馴染みのある病気の予防に役立つのです。


その病気が『尖圭コンジローマ』


  ありふれている『陰部のイボ』


尖圭コンジローマは主に陰部およびその周辺に発症するイボで、そのほとんどがHPVによって発症するといわれています。痛みや痒みなどの自覚症状はほとんど伴わないため、気が付かずにイボを持っているかたも少なくないことが予想されます。

診断及び治療は、泌尿器科、皮膚科、婦人科などで行われることが多い疾患です。

当院にも通院中の患者さんは何人かいらっしゃいますが、皆さん

「見た目も良くないし、他人にうつしてしまうかと思うとなんだか申し訳なくて」

とおっしゃって、治療に通ってくださいます。


ただ、なかなか治癒に至るのが難しい(=治療でしっかりした免疫をゲットしづらい)病気でもあり、患者さんは大変そうだなと感じることが多いです。


  尖圭コンジローマもワクチンで予防できる


4価と9価のHPVワクチンは、この尖圭コンジローマの原因となる型のHPV感染を予防してくれます。

治りにくいイボに困っている患者さんに、日々接している立場からすると、これは大変嬉しいことです。


文京区の男子が助成を受けられるのは4価ワクチンに限られていますが、医者としても保護者としても、大変ありがたいことだと感じました。


HPVワクチンは、かつてその副反応が日本で大々的に報道され、因果関係は否定的であるとの報告が積み重なった現在でもなお、接種率が遅々として上がらずにいます。


一般のかたは、ワクチンによるメリットとデメリットを公平に判断することが難しい状態に置かれたまま、本来であれば得られたはずの恩恵を受けられずに、危険に晒されていると言っても過言ではありません。


女子はもちろん、男子も、適切な時期に受けることが望ましいHPVワクチン。

日本の若者が、正しい知識のもとその健康を守られるように、医者の1人としてできるお手伝いをしたいと常に感じています。


クリニックにリーフレットを置いているのも、その意思表明のひとつ。



興味を持たれたかたは、是非こちらのサイトを覗いてみてくださいね下差し




 

 

 

 

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