東日本大震災「福島県には人がいなくなり、なくなったまちがある」 京都で暮らす被災者が講演

災害への備えを呼びかける星さん(城陽市寺田・文化パルク城陽)

 2011年の東日本大震災で被災し、避難先の京都市伏見区で暮らす星千春さん(36)の講演が22日、京都府城陽市寺田の文化パルク城陽であった。自身の体験を基に、災害への備えを呼びかけた。

 星さんは福島県郡山市で被災し、同年6月に京都市伏見区に避難。京都府内を中心に、震災の語り部活動や防災の広報活動に取り組んできた。この日開かれた、大震災の津波で児童や教職員計84人が亡くなった宮城県石巻市の大川小の遺族を追ったドキュメンタリー映画「『生きる』大川小学校 津波裁判を闘った人たち」の上映会に合わせて登壇した。

 星さんは「福島県には人がいなくなり、なくなったまちがある」と紹介し、「人がいなければまちは存続できない。人命を守ることはまちの命を守ることにもつながる」と話した。

 また、大川小の津波被害に触れ、「現実を知ることで今後の災害にどう生かすか考えていただきたい」とし、「二度と起こらないようにするためにも、備えにつなげてほしい」と語った。

 城陽市消防本部の職員による防災を題材にした講演もあった。上映会は災害を身近に考えてもらおうと「命の水を運ぼう~城陽バケツリレー~実行委員会」が企画した。

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