システム開発はなぜ毎度失敗してしまうのか
こんばんは。
本日の記事は、私のようなシステム開発者にしたら耳の痛い話です。
NIPPON EXPRESSホールディングス(HD)は2023年1月18日、子会社の日本通運が進めていた「新・国際航空貨物基幹システム」の開発を中止すると発表しました。
航空輸送事業でグローバルな共通基盤の構築を目指すものでしたが、開発に向けてさらなるコスト増加や期間延長が見込まれることから断念したようです。
これまでのシステム開発に係る無形固定資産(ソフトウエア仮勘定)に関する減損損失として154億円を計上するようです。
今後のシステム更新に際しては、市販のパッケージシステム導入も含めて検討すると報じられていました。
「しかるべき働きかけやチェックをし切れないまま、ずるずると時間を要してしまった」NIPPON EXPRESSホールディングスの赤石衛執行役員(決算説明会にて)
こうしたシステム開発の“失敗”は枚挙にいとまがない。
開発断念の理由として多く挙げられるのは、開発ベンダーとの間で取り決めた「要件定義」の不備です。
また、その不備により、作りたいもののレベルにあったベンダー選定をできていないことが失敗の背景にあります。
要件定義工程の主幹は開発ベンダーではなく、開発ベンダーの発注側(つまり事業会社)です。
このような言い方をすると、システム開発者のポジショントークのように聞こえますが、現実、開発ベンダーは御用聞きでしかなく、顧客に言われた物しか作りません。
なので、コンサルタントが間に入ることが多くなってくるのですが、それにしたって丸投げしては同じことです。
過去のDX白書の記事でも紹介しましたが、経営層のIT知見、主体性とDXの成果との相関がありました。
中小企業のシステム投資が増加の一方ですが、失敗しないシステム開発のため、経営層のコミットメントが求められています。
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