採用情報:正社員を募集します。
正文館書店ではこの度、正社員の募集を行います。詳細は当ホームページ(採用情報 | 正文館書店 )をご覧ください。
【経営者メッセージ】
今年で創業106年を迎えた正文館書店は、いま大きなチャレンジの時を迎えています。街の本屋さんの減少が、昨今ニュースなどでも頻繁に取り上げられています。当社も昨年6月、75年にわたり営業を続けてきた東片端本店をたたみましたが、そうした節目にある正文館書店は、今まさに、ビジネス形態の刷新に乗り出しているところです。本屋がこれから先も〈本との出会い〉、〈豊かな読書体験〉をお届けできる存在であり続けるためには、これまでの考え方、枠組み、業界の常識を飛び出して、新しい取り組みを起こしていく必要があるでしょう。
正文館書店では、〈正文館 未来への種まきプロジェクト〉と題し、あらたな読書環境の創出に取り組んでいきます。本以外の商材の活用や、人が集まる場所としての店頭の再構築、図書館との連携事業や、若者向けの広報活動など、いくつかの企画をすでにスタートさせています。また、中学・高等学校へ教科書・教材を納入する業務を通じ、長年にわたり当社は地域の教育活動を下支えしてきましたが、より一層教育現場に貢献できないかとの思いから、学校へのイベント斡旋や読書環境の提案なども行っています。
そうしたすでに着手しはじめている取り組みを軌道に乗せつつ、新しい取り組みをより加速していきたいとの思いで、このたび当社は新入社員を募集することとしました。求める人材は、果敢なチャレンジを恐れず、新しい発想で問題に挑み、失敗してもまた次へと踏み出していける、芯の強さを持った方です。そして慣例や常識に縛られない、新しい感覚や思考を持ち込んできてもらえることを期待しています。ですから、本にかかわる仕事経験の有無は問わないだけでなく、かならずしも本が好きでなかったり、日常的な読書の習慣がない方であっても、いっこうに構いません。どのような前歴であれ、型にはまらない企画や、新しいチャレンジにやりがいを見出し、舞台をみずからの手で作っていけるような方とご縁があればと思っています。
とはいえ、いま挙げたような点はあくまで二の次であって、何よりもまず、入社してくださる方が、当社を自分の居場所と感じ、自分に合った職と思ってもらえることが第一と考えます。当社は、一般的な意味でのキャリアアップや、より好待遇を求める方々の期待に副えるような企業ではありません。残業時間の短縮や業務バランスの改善に努めてはいますが、給与や待遇面において大企業と競い合う土壌はなく、また、職員の入れ替わりの激しい、転職ありきの職場設計にもなってはいません。長くここで働きたい、この会社と一緒に歩んでいきたい、そう思ってもらえる環境をこそ理想としています。
たとえば当社では、成果・能率を至上のものとはしていません。もちろんそれらは業務をする上でとても大切な要素ですが、それ以上に長期的なスパンでの社員の成長や、失敗も含めたプロセスに重きを置いています。また、能力・スキルより、誠実さや協調性といった人柄を重視した採用を行ってきました。当社では採用試験において面接試験をおこないません。それは、最も大事な部分である人柄の面を知るうえで、必ずしも面接が適切な方法ではないということを経験的に感じてきたからです。そのため、ディスカッション等、独自の選考方法で社員を採用してきました。
当社の何よりの強みは、そうした人間性に支えられた職場環境だといえます。従業員の方の中には、一度退社され、別の会社に就職した後、やっぱり正文館で働きたいといって戻ってきて下さった方などもいます。また、繁忙期には短期でアルバイトの方を雇用しますが、かつての従業員や知人づての縁故で、多くの方が人手の確保に協力してくださいます。中にははじめてのアルバイト先として、ご自身のお子さんを連れて来てくださる場合などもあります。それらもひとえに、社員・従業員の人柄に裏打ちされた、安心して働ける職場環境ゆえのものと、感謝とともに強い自負を抱いております。
百年を超える歴史のなかで培ってきた強みを持ちつつ、新しい一歩を踏み出す局面に来ているのが現在の正文館書店です。街の本屋を残していきたいという世論が高まりを見せており、店頭や外商先では、じかに期待や激励の言葉をいただける機会も増えてきています。そうした思いにこたえるべく、正文館は大きな覚悟をもって新しいプロジェクトを推進していきます。新しく入社する社員の方には、自身のアイディアを臆せず形にしていってほしいと思います。それが結果となってあらわれることは、何にもましてやりがい、達成感を感じられる機会になるでしょう。そうした積み重ねの先に、地域の文化を支え、人々の人生にコミットできる、なくてはならない存在として社会に貢献しつづける、目指すべき会社の未来があります。それは社会的にも意義のある、全霊で取り組むだけの価値のある事業と考えます。その思いを分かち合える方との出会いをお待ちしております。