夏休み、経済的困難のある子どもに「豊かな体験」を 寄付募り支援へ
すべての子どもたちへ、夏休みに豊かな体験を――。経済的な困難を抱える子育て家庭などを支援する認定NPO法人「フローレンス」(東京都千代田区)は、企業と連携してレジャー施設などの体験機会を無償で提供するプロジェクトを始める。
ひとり親家庭など1千世帯へ支援 アソビューのチケットなど
「#夏休み格差をなくそう プロジェクト」で、対象は、以前からフローレンスの支援を利用している家庭のほか、全国のひとり親家庭、別居や離婚前の実質的なひとり親家庭、住民税非課税の子育て家庭。あわせて1千世帯への支援を目指す。
プログラミング教室やスポーツ選手によるかけっこ教室などといった体験プログラムの提供を予定する。レジャー施設の予約サイト「アソビュー」で使用できるチケット(1家庭5千円分)も配布する。
世帯年収低いほど、学校外の体験なし 体験は「心の栄養」
フローレンスによると、経済的に厳しい家庭では外出費が真っ先に削られがちだという。ある調査では、世帯年収が低い家庭では、学校外の体験がない子どもの割合が増える傾向にあった。体験は子どもたちの能力にも影響し、成長にとって重要な要素だという。
12日に会見した駒崎弘樹会長は「お出かけはできなくても命に関わらないし、『ぜいたくでしょ』と思われがち。でも、さまざまな体験は子どもの心の栄養になり、その後の人生の糧になる。無償で体験プログラムを提供することにより、世帯年収による体験の格差を埋めたい」。同席した慶応大の中室牧子教授(教育経済学)も「学校にアクセスできなくなる夏休みが、子どもたちにとってリスクにならないようにする必要がある」と話した。
申し込みは19日まで 寄付は1千万円を目指す
参加申し込みは19日までで、実施期間は9月末まで。プロジェクトにかかる費用は寄付で集め、目標金額は1千万円。申し込みと寄付は、いずれもフローレンスのサイト(https://florence.or.jp/)で受け付ける。(本間ほのみ)