「体験格差をなくす」企業が子育て家庭に提供 フローレンスが構築へ
子どもの「体験格差」をなくそうと、認定NPO法人「フローレンス」(東京都千代田区)は経済的な困窮などを抱えて外出しにくい家庭に、旅行やスポーツ観戦を提供する事業を始める。クラウドファンディングで資金を募り、来年夏のスタートを目指す。
夏にも実施、想定の3倍から応募
フローレンスは今夏、企業と協働し、ひとり親家庭や住民税非課税の子育て家庭などに無償でレジャー施設を利用してもらったり、企業のイベントに参加してもらったりするプロジェクトを実施した。当初想定していた世帯数の3倍となる、のべ3千世帯以上から応募があった。
反響が大きかったことから、1年を通して、こうした「体験」を提供しようと、理念に賛同するサントリーと協力。経済同友会に企業への参加を広く呼びかけてもらうとともに、立ち上げに必要な資金の一部をクラウドファンディングで調達する。
「体験は人生の彩り」 できないと自己肯定感も低下
10月31日に記者会見したフローレンスの駒崎弘樹会長によると、経済的に困窮する家庭やひとり親家庭、医療的ケア児のいる家庭の多くは、レジャー目的の外出が難しい。「体験」ができないことで、子どもたちにあきらめの気持ちが生まれ、自己肯定感などが下がるという。
駒崎さんは「子どもの『体験』は人生を彩り、心を育む上で重要なもの。ただ、命に直結するような課題の分かりやすさがない分、行政の支援が足りていない。通年で提供できる仕組みにすることで、季節に応じた体験を提供していきたい」と話した。
寄付はクラウドファンディング(https://florence.or.jp/donate/furusato-shibuya/)から。(本間ほのみ)