確かにこれも日本人には不思議ですよね。
日本語だと『10分後』『2時間後』のように『後』がつくので、どうしても after と言いたくなります。
しかも日本語の場合、話し言葉では『(あと)10分で着く』『30分経ったら電話するね』『3分したら出来上がり』などと、必ずしも『後』をつけないでいくつもの言い方ができてしまうため、ますます捉えどころのない感じがします。
時間の捉え方については特に、日本語と英語はとても違う視点を持っています。
She will be here in 10 minutes.
I will see you in 20 minutes.
Dinner should be ready in 5 minutes.
He is coming in a few days.
このような場合、英語は以下の図①のような捉え方をしていると考えます。日本人が間違いやすいafterは下部②です。
in □□ minutes の場合のポイントは、その時間の「箱」にinしている点です。in the living room、 in the bath room のような空間的なイメージと同じです。
「10分後」 であれば、その時点から10 minutes 先にある箱(空間)に入ります。時間はどんどん矢印の方に進んでいきますので、自分もそれに合わせて進みます。その箱が終わる壁に到達する頃には10分を要しているという感じです。
一方、after 10 minutes と言ってしまうと、図②のように、その時から10分経過した時点がスタート地点になり、壁がないためにそこから永遠に!進むしかなくなります。今から10分経過してからカウントを開始して、5時間後でも10時間後でもよいことになってしまいます。
もう一つ日本人がよく間違えるのは、10 minutes later です。
こういうのは実際にネイティブに実験してみるのが一番面白いのですが、例えば私が、英語ネイティブである夫や子どもたちに、
“Dinner will be ready 10 minutes later.”
とわざと言うと、
“10 minutes later than what?”
と返ってきます(笑)
そう、later はそもそも lateの比較級ですから(例:I arrived later than my sister.)、『ある時点より』後で、というように基準となる時が必要です。
Dinner will be 10 minutes later than I expected. である可能性もあります。
See you later を日本人は『後で(後ほど)会いましょう』、2 years later を『2年後』と訳しますので、ここでまた日本語に騙されてしまうのですが、See you later (than now). ということですね。
- 英文法は絵に描きやすいルールでできている