★ 精査の必要あり
石破茂氏が自民党総裁選への立候補を正式表明しました。今回勝利は難しいものの「次の首相にふさわしい人」世論調査で首位に立ち菅官房長官を大きく引き離しています。いずれ首相になる可能性が十分あり、これまで噂のように語り継がれてきた北朝鮮ハニトラ疑惑を徹底検証すべきと思います。
精査を怠った状態で石破氏が首相になれば、諸外国から機密情報がもたらされなくなり我が国が危険な状態に陥ることが考えられます。テロリストの情報が入らなくなり、国内で大規模テロ事件が起きて大勢の日本人が殺される可能性が高まるのです。産経新聞によれば英語圏5ヶ国の機密情報共有枠組み「ファイブアイズ」に日本は招待されていて「シックスアイズ」になるかも知れないとのことですが、せっかく菅政権で加盟しても石破氏が首相になった瞬間に外されることもありえます。石破氏が国際水準のセキュリティ・クリアランス(機密情報取扱適格性)を通るかどうか明確にすべきです。
昨年11月20日付の拙ブログで解説したように、アメリカ政府が細川護煕首相に「武村正義官房長官は北朝鮮スパイだ」と通告した事件が1994年にありました。あまり知られていませんが20世紀最大のスパイ事件の一つだと思います。
あのときはスパイ容疑者が官房長官だったので上司の首相に通告することができましたが、首相自身に容疑がかかったら不可能です。諸外国は理由も告げずに日本と距離を置くようになり、我が国の国際的地位は急低下します。そうなると中国は尖閣諸島を電撃占領する誘惑にかられます。同盟国・友好国の信頼を維持することは国家の安全に直結する最重要課題です。
石破茂氏(画像:さかおり)
「女系天皇の可能性も敢えて追求し、早急に解をもとめるべきものと思料する」
(石破茂「天皇陛下のご生前ご譲位について」2017)
★ 隠し撮り
石破氏ハニトラ疑惑を最初に報じたのは『週刊文春』2003年5月1・8日合併号「高官が私に告白した―北朝鮮で女をおねだりした『拉致議連』代議士」という上杉隆氏の記事です。北朝鮮高官の次の証言が紹介されています。
「拉致議連に所属するある議員は女の人が大好きです。彼が共和国に来たときは、『女、女!』と要求してみなを苦笑させました。それでもしつこく要求してきて、結局その議員は女の子と夜を過ごしました」
記事では匿名になっていますが、同じ年に出た『噂の真相』が石破氏だと明らかにしました。石破氏側は「(女性との関係は)五百パーセント、千パーセントない」と反論しています。
より具体的な情報が出たのは『週刊現代』2008年3月15日号「元東ドイツ秘密警察幹部が爆弾証言『石破茂防衛相は北朝鮮で美女をあてがわれた!』―盗撮されたビデオと写真も!」です。
ベルリンの壁崩壊で職を失った秘密警察シュタージ元幹部が北朝鮮に渡り、1993年までの3年間に国家安全保衛部などに盗聴、盗撮、尾行、脅迫といったスパイ技術を教えていました。週刊現代取材班はベルリン郊外で元幹部に接触して証言を得ています。
それによれば92年4月に日本の議員が大挙して訪朝したとき、高麗ホテルに宿泊していた議員たちを北朝鮮側がカラオケに誘い容姿端麗な女性を近づけました。石破氏が女性の腰に手を回してデュエットするなど一番積極的で、カラオケが終了したとき名残惜しそうにしていました。そこで石破氏お気に入りの女性をホテルの部屋に送り込んで計3時間にわたって一部始終をビデオに収めたとのことです。
取材班は写真を見ています。記事を引用します。
「にわかには信じがたい話だ。だが、この元シュタージ幹部は数枚の写真を見せてきた。そこには、カラオケ店で石破氏がチマチョゴリ姿の美女と仲睦まじげに写った姿や、石破氏とおぼしき人物が美女とベッドにいる姿などが写っていた」
記事最後で上杉隆氏が、週刊文春記事の情報源は孫哲秀日本副局長と李成浩日本課長だと明らかにしました。
石破氏が宿泊した高麗ホテル(画像:ニコール)
これらはすべて北朝鮮側が一方的に言っていることであり、事実だと述べているわけではありません。もしも石破氏が一貫して北朝鮮に強硬姿勢をとっているなら無視していいことだと思います。しかし現実には石破氏は親北朝鮮といっていい姿勢を示すようになりました。
私は2012年8月に何人かで石破氏に面会し北朝鮮政権を崩壊させるべきだと力説しましたが、石破氏は「北朝鮮にどんどん援助すべきだ。そうすると食糧や物資があふれて配給の有難みが薄れて政権が権威を失う」と言っていたので非常に驚きました。恐らく北朝鮮住民が1990年代の「苦難の行軍」以後配給に頼っておらず、市場(チャンマダン)で食糧を調達していることを知らなかったのだと思います。石破氏が北朝鮮に援助したいと強く願っていて、後付けで理由を探した印象を受けました。
★ 欧米の受け止め方
昭和時代の国会議員が外遊先で現地プロ女性と遊んでいたことは公然の秘密でした。騒ぐほどのことでないという考え方もあるかも知れません。しかし問題は、同盟国アメリカや重要な友好国であるイギリスやオーストラリア、EU諸国がどう捉えるかです。
参考になるのは映画にもなった1963年のプロヒューモ事件です。イギリスのジョン・プロヒューモ陸軍大臣が友人に紹介されてモデル兼売春婦のクリスティーン・キーラーと数週間関係をもったのですが、キーラーがソ連海軍武官でGRU所属のイワノフ大佐とも肉体関係があることが判明しました。軍事機密漏洩の可能性があると大問題になり世論は沸騰し、プロヒューモ陸相は親密な関係にあったことを認めて辞任しました。さらにマクミラン内閣総辞職や保守党大敗にもつながりました。20世紀最大のイギリス政界スキャンダルとされています。
クリスティーン・キーラー
この事件で軍事機密が漏洩した可能性は限りなくゼロに近いと思います。それでも「絶対に許せない!」というのが一般的な感覚だったのです。
もしも石破氏ハニトラ報道が精査されなかったとしたら、日本は安全保障の基本が分かっていない国とみなされます。パートナーとしてやっていけない国ということです。信頼を失うことによるダメージは想像を絶するものがあります。
萬代にうごかぬものはいにしへの
聖のみよのおきてなりけり
(明治天皇御製)