『虎に翼』第67回 法律の本を出版し、彼の願いを叶える
寅子は星航一と改稿作業にあたります。
しかし、寅子はどうにも航一が苦手です。謎めいた笑みを浮かべ「なるほど」という。幼少期からダメ出しを繰り返され,反論されてきた寅子にとっては、なんだかよくわからない。対処のしようがないのでしょう。反論してきたらある意味楽なんだけど……たぶん。
星朋彦一家の家庭事情
寅子は休日返上で星長官の手伝いをするものの、なかなか楽しいようです。戦後、法改正された部分を見直す。しかも星朋彦の著書は素晴らしい。ただ、この改稿作業に星朋彦本人は来ず、息子の航一と作業を進めていきます。寅子の苦手意識は、航一が寅子の原稿を読み「いいですね」と褒めて受け止めるからかと思います。それでも「ここ」と箇所を指摘するなら具体性があってよいと。
そんな作業場にやっと星朋彦本人が顔を見せます。
百合という人と一緒に奥にいるそうです。お礼を言われた寅子が名誉で光栄だといい、航一は寅子が朋彦を褒めちぎっていると付け加えます。
「私なんて偉そうに言うだけの口だけジジイだよ」
そう語る朋彦。裁判官になるよりも長いこと弁護士をしていた、しかもそれは金目当てだと自虐的に言います。航一はそれが彼の母、つまり朋彦の妻が病気だったからだと口を挟みます。それでも朋彦は、妻の死後も裁判官に戻らなかったという。すると航一が百合さんたちを任せているだろうと促し、朋彦はそうだったと思い出しています。百合は再婚相手で、航一の子どもの世話もしているとか。ここで朋彦は、寅子の知り合いで航一に合いそうな婦人はいないかと言い出します。航一は戦時中、妻が病死しているそうです。そんなところまで親に似なくてもいいとこぼす朋彦。ため息をつく航一。朋彦がこのままでは私も……とこぼすと、航一は原稿を渡し、さりげなく退室を促します。かなり体力が低下しているようです。
それにしても、寅子と航一はそういうプライベートなことは喋っていなかったんですね。航一は父の言うことを真に受けないで欲しいと念押しし、寅子も受け取ります。こういうところでアプローチしないところが航一のよいところです。
寅子は仕事抜きで法律で向き合う改稿作業が、楽しくて楽しくて仕方ありません。しかし、優未はちょっと寂しそうにそんな母を見ています。
脳内小橋は世間の声を代弁している
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