時代劇の都、京都・太秦を舞台に描く、ヒロイン美月の映画人生。
深夜の飛行機でやってきた滝乃(大竹しのぶ)。美月(大橋梓)は泊まっていけないのかと聞くが、滝乃は、夕方までには帰ってお客様を迎えなければならない、と言う。美月をめぐる話し合いは続き、美月に自分の力で自立して強く生きていける子に育ってほしいと願う愛子(賀来千香子)と、出来るだけ苦労させずに育てたい滝乃(大竹しのぶ)の気持ちはぶつかる。もう撮影所には行かないから干渉するなと滝乃に頼む美月は、6年後…。
山鹿から滝乃(大竹しのぶ)に電話する愛子(賀来千香子)。電話を替わり滝乃に、君江(藤山直美)は京都に戻らない、すぐに熊本へ来て、と言う美月(大橋梓)。すぐには無理、と答える滝乃に美月は、「お母ちゃまは、私より椿屋が大事」と言い電話を切る。ショックを受ける滝乃。スエ(津島道子)の手料理を囲み、穏やかなひと時を過ごした翌日の灯篭踊りの日。美月が君江の灯篭踊りを見て京都へ帰る、と愛子に話していると…。
美月(大橋梓)と君江(藤山直美、少女時代・大橋絵里加)は、祖母・スエ(津島道子)と別れて京都へ出てきた頃のことを話す。一方、京都では滝乃(大竹しのぶ、少女時代・戸田恵梨香)と春夫(段田安則)が、君江との出会いからのエピソードを語る。椿屋では、大京映画が勝新と市川雷蔵の接待をするという。その頃君江の故郷・山鹿を目指す愛子(賀来千香子)。君江は、祖母に会いづらいのか、色々寄り道して帰ろうとしない。
椿屋を出た君江(藤山直美)と美月(大橋梓)は、「続・葉隠仙鋭」の話をしながら夜の京都を歩いていく。そのまま夜汽車に乗り、美月が知らない話の続きを語り始めるので、君江は驚き、美月は映画を作ったらいい、と言いながら寝てしまう。翌日、椿屋にも佐々木家にも美月がいないことがわかり、愛子(賀来千香子)も滝乃(大竹しのぶ)も慌てて探し出す。そのまま熊本の君江の故郷に着いた君江と美月は、話の続きを語りながら…。
美月(大橋梓)を養女にしたい、と滝乃(大竹しのぶ)は愛子(賀来千香子)と春夫(段田安則)に頭を下げる。美月は目を覚まし、話を聞きたいと言う。愛子が滝乃の言うことを聞くはずもなく、滝乃はこのことは愛子と春夫でよく話し合ってくれと言い残し、椿屋へ戻る。美月は椿屋へ戻るが、滝乃の部屋には入らず、君江(藤山直美)がいる女中部屋に入る。部屋では旅支度をした君江が立っていて、美月とはもう二度と会えない、と…。
佐々木家にいる美月(大橋梓)に、愛子(賀来千香子)は嬉々として料理や洗濯など家事を教える。会食会で滝乃(大竹しのぶ)がかかりきりになっている間に、君江(藤山直美)と椿屋を抜け出した美月は、撮影所で幹幸太郎(佐々木蔵之介)に、将来いい女優になれる、と声をかけられる。晋八(柴田光)と仲直りできた美月は、君江と椿屋に戻る。椿屋では滝乃が待ち構えていて、君江に出て行けと言い、春夫(段田安則)と愛子に…。
晋八(柴田光)が美月(大橋梓)にうどんを持ってくるが、滝乃(大竹しのぶ)は話も聞かず追い返す。美月が追いかけようとするのを滝乃が止めるので、美月は椿屋を出て佐々木家へ戻ってしまう。いつまでも椿屋に戻らないので、滝乃が美月に謝りに来るが、美月は春夫(段田安則)の部屋に閉じこもり会おうとしない。椿屋の仕事で滝乃が動けない時間があるのを聞きつけた美月は、その間に撮影所に行こうと君江(藤山直美)を誘い…。
晋八(柴田光)の付き人になって美月(大橋梓)は、ロケに付いていく。晋八が橋から川に落ちる大事なカットだが、泳げないのを黙っていた晋八は、直前で泣き出し撮影が続行できなくなってしまう。助監督の杉本(堺雅人)に頼まれて、美月が吹き替えをすることになり、代わりに飛び込む美月。撮影はうまくいき、晋八と一緒に帰っているところを、滝乃(大竹しのぶ)に見つかってしまう。撮影所に近づいたらダメだと言う滝乃は…。
君江(藤山直美)と滝乃(大竹しのぶ)のことを思って眠れない美月(大橋梓)。自分もテレビ禁止、外出禁止にして、と滝乃に頼む。春夫(段田安則)は気になって椿屋へ行こうとするが、愛子(賀来千香子)に止められる。翌日、なんとか学校へ行った美月は、帰りに晋八(柴田光)に会い、芝居してるところを写真に撮ってくれと頼まれる。撮影所にはズボンをはいてこい、と言われた美月は滝乃にズボンを買ってくれと頼むが断られ…。
美月(大橋梓)と君江(藤山直美)が二人で書いた、杉本(堺雅人)へのラブレター。撮影所でのエキストラの時に君江は杉本へ渡せず、美月が代わりに渡す、と預かる。美月は幸太郎(佐々木蔵之介)に、「あのカチンコを持ってる人に渡してほしい」と託し、手紙はその時カチンコを持っていた黒田(國村隼)に渡ってしまう。中身を確認した黒田は、手紙を滝乃(大竹しのぶ)に渡し、滝乃は愛子(賀来千香子)と春夫(段田安則)に…。