時代劇の都、京都・太秦を舞台に描く、ヒロイン美月の映画人生。
椿屋に幹幸太郎(佐々木蔵之介)がやってきた。撮影の無い美月(岡本綾)が接客するが、幸太郎は美月に、女優を続けたかったら東京に出てこい、と言うので、滝乃(大竹しのぶ)は警戒し、美月にもう幸太郎の部屋には行くな、と命じる。錠島(長嶋一茂)に会いたくなった美月は、錠島に会いにアパートへ行くが、錠島は冷たくあしらう。大部屋俳優のあさひ(山口智恵)が幸太郎が泊っていると聞きつけて、椿屋で待ち構えるが…。
君江(藤山直美)夫婦が熊本へ帰り、泰子(内田直)は笹守の彰(戸田都康)との結婚を決意する。美月(岡本綾)に見送られて帰りながら君江は晋八(仁科貴)に、「殺陣はなんで痛がらないのか」と素朴な疑問をぶつける。新しい殺陣を考えていた晋八は、企画会議で黒田(國村隼)、関川(石井正則)、杉本(堺雅人)を前に、「痛みのある殺陣」をやりたい、と宣言する。会議は大部屋俳優たちの特技をいかす方針で盛り上がり…。
組合の旅行ツアーで夫婦で京都に来た君江(藤山直美)が椿屋に挨拶に来た。美月(岡本綾)が女優になったことを喜び、滝乃(大竹しのぶ)は部屋が空いているから椿屋に泊まっていけ、と言う。夫の幸太(桂南光)は恐縮しきりだが、美月は昔のように君江と布団部屋で語り合い、翌日杉本(堺雅人)の所に連れて行く。泰子(内田直)は滝乃に、君江のように一緒に暮らして育つ愛情もあるんだから、笹守の彰と結婚しろ、と言われ…。
早速晋八(仁科貴)の殺陣師としての訓練が始まり、美月(岡本綾)を始め大部屋俳優たちは、晋八にしごかれる。その後晋八は殺陣師として、椿屋での企画会議に呼ばれるが、今までの滝乃(大竹しのぶ)とは違う接し方にひるむ。杉本(堺雅人)は会議で、第一話の悪役のゲストは幹幸太郎にと言い、黒田(國村隼)は関川(石井正則)と杉本を連れて急ぎ東京へ向かう。企画会議で自信をなくした晋八を見送ると椿屋を訪ねて来たのは…。
傷心の美月(岡本綾)が錠島(長嶋一茂)のアパートに来て、どうして来てくれなかったのかと聞くが、返事は無い。錠島が答えないので、美月は隣の部屋から話しかけるが、錠島はもうここには来るな、と言う。そこに樹里(井元由香)が錠島を訪ねてくるが、錠島は出て行ってしまう。カツドウ屋にトラ(菊池隆則)が晋八(仁科貴)を誘いにくるが、晋八は明日10時に大部屋組をステージに集めろ、と言い捨てて大京映画に向かい…。
美月(岡本綾)は、旅支度をして、椿屋を飛び出す。美月のことを話し合っていた滝乃(大竹しのぶ)と愛子(賀来千香子)と春夫(段田安則)は止められない。美月は駅のホームで錠島(長嶋一茂)を待つが、約束の時間を過ぎても錠島は現れない。雨の中泣きながら駅を飛び出すと、晋八(仁科貴)が傘を差しだす。殺陣師になるのが嫌で東京へ行こうとしていた晋八だったが、美月と思い出話をしながらたどり着いた思い出の流れ橋で…。
錠島(長嶋一茂)が椿屋に来て、滝乃(大竹しのぶ)に金を返し、美月(岡本綾)に会いたい、と言う。滝乃は追い返すが、美月は帰る錠島を見かけ、追いかける。美月がアパートから河原を回って、大京映画へ向かうと、錠島が待っていた。錠島が美月に金を返して、自分の生い立ちから、役者になった今までの話をすると、美月はこらえきれず、錠島の胸に飛び込む。愛子(賀来千香子)と春夫(段田安則)は錠島のアパートで張り込み…。
滝乃(大竹しのぶ)が錠島(長嶋一茂)の部屋を訪ね、頭を下げて手切れ金を渡す。帰った滝乃は美月(岡本綾)に、撮影が無いなら椿屋を手伝え、と言う。滝乃が美月に、かかってきた電話に出るなと言うので、錠島は美月に連絡が取れない。美月が夕方カツドウ屋へ行っていいかと聞くと、滝乃は行かせない。梓(茂山逸平)がアパートから家に戻ってきて愛子(賀来千香子)は喜ぶが、春夫(段田安則)と愛子のやり取りが微妙で…。
晋八(仁科貴)は美月(岡本綾)に、自分の芝居はそんなに下手か、と聞くが美月にはわからない。錠島(長嶋一茂)が晋八に殺陣師になるのかと聞くと、晋八は大京を出ても役者を続けると言う。樹里(井元由香)は杉本(堺雅人)と関川(石井正則)の間をまとわりつくが、美月には樹里のことが理解できない。美月は愛子(賀来千香子)に、錠島のことをもっと知りたいと言い、愛子は美月の思う通りやってみなさい、と言うが…。
夜、美月(岡本綾)が帰ると、美月のことを思い、泣く滝乃(大竹しのぶ)。あくる日大京映画では、監督の杉本(堺雅人)が集めたスタッフに、新しい企画への決意を語る。カツドウ屋で杉本は晋八(仁科貴)に、殺陣師になって新しい殺陣を作ってくれ、と頼む。役者を続けたい晋八は泣いて拒むが、杉本は殺陣師としてしか必要としていない、と熱く説得する。そこに錠島(長嶋一茂)がやってきて、杉本に抜擢を感謝すると、晋八は…。