時代劇の都、京都・太秦を舞台に描く、ヒロイン美月の映画人生。
夢死郎(錠島・長嶋一茂)と青舟(幸太郎・佐々木蔵之介)の対決のロケ。スタッフとして働く美月(岡本綾)。幸太郎が控室のテントから出て来ず、スタッフたちは焦る。幸太郎は主役としての錠島を試しているのだ。帰ろうとする錠島を杉本(堺雅人)が引き止め、黒田(國村隼)が幸太郎に土下座して、錠島を主役にしてやってくれと頼むと、撮影が始まる。無事撮影が終わり、翌日雨で撮休になって椿屋でテレビをつけた美月は…。
お駒のシーンの撮影があった夜、美月(岡本綾)が帰ると錠島(長嶋一茂)から電話がかかってくる。愛子(賀来千香子)は出かけるなと念を押すが、美月は我慢できなくなって会いに行く。美月の芝居にイラついている錠島は、美月に物を投げつけたりして怒鳴り散らすが、美月は献身的に片づけたりする。家に帰ると愛子たちが家の前で待ち構えていて、美月は、錠島とはもうダメだと思うと打ち明けるが、翌日にはまた撮影に出かけ…。
善四郎(錠島・長嶋一茂)がお駒(美月・岡本綾)を斬るシーンの本番。お駒は至福の表情で善四郎に斬られなければならないが、思わず目をそらしてしまう。錠島に対する思いが、演技の邪魔をしてしまうのだ。表情のアップを撮る時、目線だけ作って錠島には外してほしい、と提案する美月に、憮然とする錠島。NGが続き、関川(石井正則)はイラつくが、黒田(國村隼)は、慣れたスターがやるより新鮮な若手がやってよかった、と…。
駒に選ばれなかった樹里(井元由香)は泣いてトラ(菊池隆則)に当たり、関川(石井正則)が樹里に東京行きを勧める。台本のことで悩んだ美月(岡本綾)が杉本(堺雅人)に相談すると、杉本は善四郎に至福の表情で斬られてほしいと説明し、益々わからなくなった美月は錠島(長嶋一茂)の部屋を訪ねる。美月が、駒が至福の表情で斬られる心情がわからないと打ち明けると、錠島は樹里が笑って斬られると言っていたことを思い出し…。
夜、錠島(長嶋一茂)のアパートを訪れた美月(岡本綾)と、美月に会いたくて待っていた錠島。その頃雀蓮(三林京子)の庵では、黒田(國村隼)と関川(石井正則)が、駒の役は誰がいいか、問い詰めている。雀蓮のお告げは、「美しき月」。黒田が滝乃(大竹しのぶ)に、美月が駒の役に決まったと話すと、がっかりする滝乃だが、椿屋に帰ってきた美月を見て、錠島と何かあったに違いない、愛子(賀来千香子)と意見が合致し…。
台本は完成したが、錠島(長嶋一茂)演ずる夢死郎に斬られるお駒を誰にするか、決まらない。関川(石井正則)は樹里(井元由香)を推し、杉本(堺雅人)は美月(岡本綾)と言う。お駒を空欄にして配役が発表になり、セリフをもらった大部屋俳優たちは喜ぶが、配役の無い樹里と美月は居心地が悪い。幸太郎(佐々木蔵之介)は、この役は美月だと決めてかかって、夢死郎に斬られるお駒の気持ちを考えて早く役作りしろと言うが…
美月(岡本綾)と錠島(長嶋一茂)が殺陣の特訓をする背後で、樹里(井元由香)の言いつけで見張るトラ(菊池隆則)。トラは、晋八(仁科貴)に自信の無さを打ち明けるが、ぐずぐず言うなと一喝される。杉本(堺雅人)は脚本の岩本(朝倉伸二)に、脚本が打ち合わせた通りに書けてない、と怒るが、プロデューサーの関川(石井正則)が無難な方向に書かせていたのだった。それを聞いた幸太郎(佐々木蔵之介)は辞めると言い出し…。
美月(岡本綾)に会いに、錠島(長嶋一茂)が椿屋に来る。錠島は美月に、会いたくなった出られないか、と聞くが美月は、また錠島の気が変わるんじゃないかと思い出られない。錠島を追い返したものの、我慢できなくなった美月は、椿屋を抜け出そうとするが、滝乃(大竹しのぶ)に止められてしまう。滝乃は春夫(段田安則)を巻き込み、美月を外へ出さないよう見張る。一方、会見で幹幸太郎(佐々木蔵之介)に威圧された錠島は…
大京映画のテレビ新シリーズ「惨殺浪人・夢死郎」の制作発表が行われる。主演の錠島(長嶋一茂)、第1回ゲストの幹幸太郎(佐々木蔵之介)を紹介し、未交渉のクリキン、モモケンの出演まで発表する黒田(國村隼)に、関川(石井正則)は焦るが、事後承諾を取り付ける。椿屋では、脚本の岩本(朝倉伸二)と晋八(仁科貴)を含めて台本の打ち合わせが行われて、給仕に入った美月(岡本綾)は杉本(堺雅人)に意見を求められて…。
大部屋俳優たちは晋八(仁科貴)の指導で特訓を続け、黒田(國村隼)たちは幸太郎(佐々木蔵之介)のゲスト出演の交渉を続ける。幸太郎は主役にこだわり、悪役でのゲスト出演を断っているのだ。黒田たちの誘いを避けるために、美月(岡本綾)は幸太郎を連れ出し、大部屋俳優たちの殺陣の特訓を見せる。晋八に指示されて、錠島(長嶋一茂)は木刀で晋八に抜き胴で打ち込む。晋八の命の重さを感じられる殺陣を見た幸太郎は…。